届出

労働保険成立届

この届出は、従業員を1人でも雇った事業主が、労働保険(労災保険・雇用保険)の保険関係が成立したことを届け出る手続です。届出期限は成立日から10日以内で、概算保険料の申告・納付も50日以内に行います。届出手数料はかかりませんが、賃金見込額の計算が必要です。税務や社会保険の手続とは別なので、採用日が決まった時点で準備を始めましょう。

手数料

手数料なし

処理期間

届出は保険関係成立日から10日以内。概算保険料の申告・納付は成立日から50日以内。窓口受理は即日が一般的です。

管轄

労働基準監督署

労働保険成立届とは

労働者を1人でも使用する強制適用事業の事業主が、労災保険と雇用保険の保険関係が成立したことを届け出る手続です。原則として保険関係成立日から10日以内に成立届を提出し、あわせて概算保険料の申告・納付を進めます。5人未満の個人経営の一部農林水産業などを除き、全国共通で必要です。

こんな事業者が取得する必要があります

常勤・パート・アルバイトを問わず労働者を1人でも雇う事業主(5人未満の個人経営で一部の農林水産業を除く)。

以下に当てはまる場合、この届出が必要です

保険関係成立日を確定する

最初の採用日など、10日以内の届出期限の起算点を明確にします。

賃金見込額を集計する

成立日から年度末までに支払う賃金の見込額を、概算保険料の計算用に整理します。

事業実態の確認資料をそろえる

所在地、事業開始日、業種、労働者数を説明できる資料を準備します。

一元適用か二元適用か確認する

建設業や農林水産業など、保険ごとに別手続になる可能性をチェックします。

雇用保険の後続手続も確認する

対象者がいる場合の設置届・資格取得届もスケジュールに入れます。

申請の流れ

労働保険成立届の申請から取得までの流れです。標準処理期間は届出は保険関係成立日から10日以内。概算保険料の申告・納付は成立日から50日以内。窓口受理は即日が一般的です。です。

1

適用事業かを確認し成立日を決める

労働者を1人でも使用するか、適用除外に当たらないかを確認し、最初に雇用した日など保険関係成立日を確定します。

2

賃金見込額と確認資料をそろえる

年度末までの賃金見込額を集計し、所在地確認資料、事業実態資料、労働者名簿や賃金台帳などを準備します。

3

成立届を提出する

労働保険保険関係成立届を所轄労働基準監督署または所轄公共職業安定所へ提出します。実務上は一元適用事業なら労働基準監督署から進める案内が一般的です。

4

概算保険料を申告・納付する

概算保険料申告書をあわせて提出し、成立日から50日以内に概算保険料を納付します。

5

雇用保険の後続手続を行う

雇用保険の対象者がいる場合は、公共職業安定所で雇用保険適用事業所設置届と被保険者資格取得届を続けて提出します。

公式サイトで詳細を確認する

必要書類

申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。

労働保険保険関係成立届(様式第1号)

保険関係が成立した日、事業主情報、事業の種類、事業場所在地、労働者数などを記載します。

労働保険の保険関係成立を政府に届け出るための基本書類です。

労働基準監督署・公共職業安定所の窓口、厚生労働省の主要様式案内

労働保険料 概算・増加概算・確定保険料申告書(様式第6号)

成立日から当該年度末までの賃金見込額をもとに概算保険料を申告します。

概算保険料の申告・納付を行うために必要です。

労働基準監督署・公共職業安定所の窓口、厚生労働省の主要様式案内

事業所の所在地を確認できる書類

登記事項証明書、個人事業主の住民票の写し、賃貸借契約書、公共料金の請求書など。

事業場の実在と所在地を確認するために、必要と認められる場合に提出を求められます。

法務局、市区町村、契約先、不動産関係書類

事業の実在・開始日・業種を確認できる書類

営業許可証、請負契約書、納品書・請求書、税務関係書類など。

事業の種類、開始年月日、事業実態を確認するためです。

自社保管書類、許認可所管庁、取引関係書類

労働者の雇用実態・賃金支払状況を確認できる書類

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書・雇入通知書など。

労働者数、雇用実態、賃金見込額の算定根拠を確認するためです。

事業主作成・保管書類

費用・手数料

申請手数料(公式)

手数料なし

ただし概算保険料の申告・納付が必要です。保険料は成立日から年度末までの賃金見込額に保険料率を乗じて計算します。

自分で申請 vs 行政書士に依頼

自分で申請行政書士に依頼
費用届出手数料は無料です。書類収集と賃金見込額の計算が主な工数です。概算保険料の納付は別途必要です。社労士へのスポット依頼で2万〜5万円前後が目安です。税理士経由の場合は提携社労士の費用が別途かかることがあります。
期間資料がそろっていれば半日〜2日で対応できますが、初回は成立日の判断や賃金計算に時間がかかりがちです。必要資料がそろえば1日〜数日で書類作成まで進みます。雇用保険の後続手続もまとめて依頼できます。

行政書士に依頼するメリット

成立日の判定、一元・二元適用の切り分け、概算保険料の計算、ハローワーク提出書類まで一括で確認できます。

おすすめ

従業員が少ない一元適用事業で資料がそろっているなら自力でも対応できます。建設業・農林水産業など二元適用の可能性がある場合や、雇用保険も漏れなく進めたい場合は社労士への依頼が安全です。

よくある失敗と対策

申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。

1

雇用保険の対象者がいないので、労働保険の届出自体が不要だと思い込んだ

結果: 労災保険の成立手続が漏れ、あとから遡及徴収や追徴金の対象になります。

対策: 雇用保険と労働保険の成立届は別の話です。労災保険の成立手続が必要かどうかを個別に確認します。

2

開業日を成立日だと考え、実際の採用日を起算日にしていなかった

結果: 10日以内の届出期限を誤り、提出が遅れてしまいます。

対策: 最初に労働者を使用した日を基準に、窓口で成立日を確認してから動きます。

3

賃金見込額を計算しないまま窓口に行った

結果: 概算保険料申告書が作成できず、その日のうちに手続を終えられません。

対策: 年度末までの給与、手当、残業見込を事前に集計して持参します。

4

建設業なのに一元適用事業として手続を進めてしまった

結果: 提出先や書類の流れを間違え、再提出が必要になります。

対策: 業種ごとの適用区分を事前に労働基準監督署や社労士に確認します。

5

成立届だけ出して、ハローワークの設置届と資格取得届を忘れた

結果: 雇用保険の適用開始が遅れ、従業員の資格取得に支障が出ます。

対策: 雇用保険の対象者がいるかを確認し、後続手続も同日に進める前提で準備します。

無許可営業の罰則

未手続でも政府が職権で成立手続と保険料の認定決定を行い、最大2年間遡って保険料を徴収し、追徴金10%が加算されます(労働保険徴収法第15条第3・4項、第19条第5項、第21条、厚生労働省「成立手続を怠っていた場合は」)。故意又は重大な過失で未届期間中に労災事故が起きると、労災保険給付に要した費用の全部又は一部の徴収対象になります(労働者災害補償保険法第31条第1項第1号)。報告拒否や虚偽報告、立入検査拒否等は6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金です(労働保険徴収法第46条、第48条)。

罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。

よくある質問

Qアルバイトを1人雇っただけでも必要ですか?
A

はい。常勤・短時間を問わず、労働者を1人でも使用する事業なら原則として必要です。雇用保険の対象外でも、労災保険の成立手続は必要になる場合があります。

Q届出の期限はいつですか?
A

保険関係が成立した日から10日以内です。あわせて概算保険料の申告・納付も50日以内に行います。

Q賃金総額が確定していなくても届出できますか?
A

はい。成立時点では年度末までの賃金見込額で概算保険料を申告します。実績との差額は年度更新で精算されます。

Q電子申請はできますか?
A

はい。e-Gov電子申請が利用できます。窓口に行きにくい場合でも、事前準備が整っていればオンラインで手続できます。

Q成立届だけ出せば完了ですか?
A

いいえ。雇用保険の対象者がいる場合は、ハローワークで適用事業所設置届と被保険者資格取得届も必要です。成立届はあくまで最初の入口です。

基本情報

根拠法労働保険の保険料の徴収等に関する法律第3条・第4条・第4条の2第1項、同法第15条第1項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第4条
対象常勤・パート・アルバイトを問わず労働者を1人でも雇う事業主(5人未満の個人経営で一部の農林水産業を除く)。
公式サイトを見る

関連法令

根拠法は労働保険徴収法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律)です。第3条・第4条が保険関係の成立、第4条の2第1項が成立日から10日以内の届出義務を定めています。第15条が概算保険料の申告・納付、第21条が未納時の追徴金の規定です。施行規則第4条は届出の記載事項と確認書類の提出根拠です。未手続期間中の労災事故に対する費用徴収は労災保険法第31条第1項第1号にもとづきます。雇用保険対象者がいる場合は、雇用保険法上の設置届・資格取得届も確認が必要です。

最終更新: 2026年3月20日

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