一般貨物自動車運送事業許可
この許可は、荷主から運賃を受け取ってトラックで貨物を運ぶ事業(いわゆるトラック運送業)を始めるために必要な許可です。貨物自動車運送事業法第3条にもとづき、営業所ごとに原則5台以上の車両、車庫、休憩施設、運行管理者・整備管理者の確保、十分な自己資金が求められます。法令試験への合格も必要です。審査期間は3〜5か月が標準で、許可時に登録免許税12万円がかかります。
120,000円(登録免許税)
標準処理期間3〜5か月程度(補正期間・再試験までの期間を除く。地方運輸局公示・案内ベース)
国土交通省
一般貨物自動車運送事業許可とは
一般貨物自動車運送事業許可は、他人の需要に応じて有償で貨物を運送するトラック事業を始める際に必要な国土交通大臣の許可です。営業所、車庫、休憩施設、5両以上の事業用自動車、運行管理体制、自己資金などについて審査を受け、許可後に登録免許税を納付してから運輸を開始します。
こんな事業者が取得する必要があります
他人の需要に応じ、有償で普通貨物自動車を用いて貨物を運送する事業者。軽トラックのみで行う貨物軽自動車運送事業や、特定荷主のみを対象とする特定貨物自動車運送事業は別制度。
以下に当てはまる場合、この許可が必要です
5台以上の車両を確保する
営業所ごとの最低台数を満たし、車検証や使用権原の資料を準備します。
営業所・車庫の適法性を確認する
都市計画法、建築関係法令、前面道路幅員、車庫の収容能力を確認します。
運行管理体制を組む
運転者、運行管理者、整備管理者、点呼体制を申請内容どおりに確保できる状態にします。
自己資金を常時維持する
所要資金を積み上げ、申請日から許可日まで残高を維持できる見通しを立てます。
開業日から逆算して計画する
法令試験、補正対応、許可後の車両登録や運輸開始前確認の期間を見込みます。
申請の流れ
一般貨物自動車運送事業許可の申請から取得までの流れです。標準処理期間は標準処理期間3〜5か月程度(補正期間・再試験までの期間を除く。地方運輸局公示・案内ベース)です。
管轄運輸支局へ申請書を提出
営業所所在地を管轄する運輸支局に経営許可申請書と添付書類を提出します。郵送受付を案内している運輸局もあります。
法令試験を受験
申請後、常勤役員等が法令試験を受験します。関東運輸局案内では30問中8割正解で合格、1申請につき2回まで受験可能です。
書類審査・補正対応
運輸局が事業計画、施設、車両、資金、人員体制を審査し、不足や不整合があれば補正対応を行います。補正期間は標準処理期間に含まれません。
許可通知後に登録免許税を納付
許可連絡を受けたら登録免許税12万円を納付し、許可証交付や新規講習を受けます。
運輸開始前確認と車両登録
申請どおりに営業所・車庫・休憩施設・管理者・運転者を確保し、運輸開始前確認後に事業用自動車の登録を進めます。
運輸開始届を提出して営業開始
運輸開始後、運輸開始届や運賃料金設定届を提出します。許可には1年以内に運輸開始する条件が付されます。
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
営業所、事業用自動車、利用運送の有無など基本事項を記載します。提出部数は案内上3部です。
許可申請の基本情報と事業計画を示すため。
国土交通省の一般貨物自動車運送事業ページ、または管轄地方運輸局の申請様式ページ。
運行管理及び整備管理の体制を記載した書類
指揮命令系統、運行管理者・整備管理者、運転者数、点呼や日常点検の計画などを整理します。
輸送の安全を確保できる管理体制があるか審査するため。
地方運輸局の手引き・様式1。
所要資金の総額、内訳、資金調達方法を記載した書類
人件費、車両費、施設費、保険料、税金などの見積りと自己資金計画を記載します。
事業を継続して遂行できる経済的基礎を確認するため。
地方運輸局の手引き・様式2。
残高証明書等の自己資金挙証書類
申請日時点の残高証明書や通帳写し。同一日付でそろえる必要があります。
申請日から許可日まで自己資金を常時確保できているか確認するため。
取引金融機関で取得。
施設概要書・案内図・平面図
営業所、車庫、休憩・睡眠施設の位置関係、面積、前面道路幅員、付近状況を示します。
施設が法令や公示基準に適合しているか確認するため。
自社作成。幅員証明書は道路管理者、地図は公図・地図サービス等を基に作成。
車両関係書類
車検証写し、使用権原を示す契約書・使用承諾書などを添付します。
計画車両の種別・台数・使用権原を確認するため。
自社保有書類、販売会社、リース会社、所有者から取得。
法人関係書類または個人確認書類
法人は定款、登記事項証明書、役員名簿、履歴書。個人は住民票など申請区分に応じて準備します。
申請主体、役員構成、欠格事由該当性の確認のため。
法務局、市区町村窓口、自社保管書類。
運転者・管理者の資格確認資料
運転免許証写し、運行管理者資格者証、整備管理者の要件確認資料など。
運行管理体制と人員確保計画の実現可能性を確認するため。
本人保有資料、自社保管書類。
費用・手数料
申請手数料(公式)
120,000円(登録免許税)
申請時の手数料は不要ですが、許可時に登録免許税法に基づく登録免許税12万円の納付が必要です。
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 登録免許税12万円+証明書取得費・図面作成費などの実費 | 登録免許税12万円+行政書士報酬20万〜50万円程度 |
| 期間 | 準備1〜2か月+審査3〜5か月が目安 | 準備の負担を減らせますが、審査期間自体はおおむね同じです。 |
行政書士に依頼するメリット
図面、資金計画、使用権原の整理、補正対応を任せやすく、初回申請の不備を減らせます。
おすすめ
車庫要件や資金計画に不安がある場合や、開業日が決まっている場合は専門家の活用が現実的です。社内で法令対応や図面作成に慣れているなら自力申請も可能です。
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
車庫の前面道路幅員を物件契約後に初めて確認した
結果: 配置予定の車両が通行できず、物件を使えないまま申請をやり直すことになります。
対策: 契約前に道路管理者の幅員証明書と車両制限令への適合を確認します。
一時的に借りた資金で残高証明だけを整えた
結果: 審査中の追加確認で資金不足が判明し、許可が難しくなります。
対策: 申請日から許可日まで維持できる自己資金だけで計画を組みます。
営業所と車庫の距離を感覚で判断した
結果: 直線5km以内の基準を超え、施設計画の修正が必要になります。
対策: 図面上で直線距離を明示し、申請前に管轄支局に相談します。
運行管理者や整備管理者の確保を許可後に考えた
結果: 運輸開始前確認が進まず、許可後もなかなか営業を開始できません。
対策: 申請段階から候補者と選任時期を固め、必要資格の有無を確認します。
軽トラックで始めるのに一般貨物の申請準備をしてしまった
結果: 制度の選択を間違え、準備した書類や計画が無駄になります。
対策: 使用する車両の区分を最初に整理し、軽貨物か一般貨物かを確認します。
無許可営業の罰則
無許可で一般貨物自動車運送事業を経営すると、貨物自動車運送事業法第70条第1号により3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はこれらの併科の対象です。許可取得後も法令違反がある場合は同法第33条により事業停止や許可取消しを受けることがあります。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Q軽トラックだけで始める場合もこの許可が必要ですか?
いいえ。軽トラックのみの有償運送は、一般貨物ではなく貨物軽自動車運送事業の制度を確認してください。
Q申請からどのくらいで営業を始められますか?
目安は3〜5か月です。法令試験の再受験や書類補正が入ると、その分だけ後ろにずれます。
Q申請時に運行管理者と整備管理者が決まっていなくても大丈夫ですか?
確保予定として申請は可能です。ただし運輸開始までには必ず選任し、届出を済ませる必要があります。
Q許可に更新はありますか?
ありません。一般貨物自動車運送事業許可に有効期限や更新制度はありません。ただし営業所や車庫、車両数などの変更には別途認可や届出が必要です。
Q申請費用はどのくらいかかりますか?
公的費用としては許可時の登録免許税12万円が中心です。加えて図面作成、証明書取得、車両・施設確保、保険加入などの実費がかかります。
基本情報
関連法令
根拠法は貨物自動車運送事業法です。第3条が許可義務、第4条が申請事項、第5条が欠格事由、第6条が許可基準を定めています。第33条は事業停止や許可取消し、第70条は無許可営業の罰則です。添付書類は施行規則第3条で規定されています。運行管理や点呼などの実務は輸送安全規則の確認も必要です。車両登録、整備管理、保険加入は道路運送車両法や自賠責関係法令と接続します。
最終更新: 2026年3月20日
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