届出

防火管理者選任届

この届出は、収容人員30人以上の飲食店やビル等で防火管理者を選任し、管轄の消防署に届け出るものです。消防法第8条に基づく義務であり、届出手数料は無料ですが、防火管理講習(甲種2日間・約8,000円、乙種1日・約7,000円)の受講が必要です。届出と同時に消防計画の作成・提出も求められます。防火管理者を選任しない場合は30万円以下の罰金に処されるほか、火災発生時には業務上過失致死傷罪に問われる可能性もあるため、開業前に確実に対応すべき重要な届出です。

手数料

無料(届出手数料)

処理期間

即日(届出のため審査なし)

管轄

消防署

防火管理者選任届とは

収容人員が30人以上の飲食店では防火管理者を選任し、管轄の消防署に届け出る義務があります。防火管理者は甲種(延べ面積300㎡以上)と乙種(300㎡未満)に分かれ、それぞれ所定の講習を修了する必要があります。

こんな事業者が取得する必要があります

収容人員30人以上の飲食店、物品販売店舗、ホテル・旅館、病院、劇場、事務所等の管理権原者(オーナー・事業主)

以下に当てはまる場合、この届出が必要です

収容人員の確認

従業員数+客席数で収容人員を算出し、30人以上であれば届出が必要。不明な場合は消防署に相談

甲種・乙種の判定

延べ面積300平方メートル以上なら甲種、未満なら乙種。迷ったら甲種を取得しておくのが安心

防火管理講習の受講

日本防火・防災協会のサイトで講習日程を確認し、予約・受講する。修了証を受け取る

消防計画の作成

消防署のひな形を参考に、自店舗に合わせた消防計画を作成する

届出書類の提出

選任届出書、講習修了証の写し、消防計画を管轄消防署に提出する

避難訓練の実施計画

年1回以上の消火・避難訓練の実施日を計画し、消防署に届け出る

申請の流れ

防火管理者選任届の申請から取得までの流れです。標準処理期間は即日(届出のため審査なし)です。

1

防火管理者の種別確認

延べ面積300㎡以上なら甲種、300㎡未満なら乙種の防火管理者が必要です。飲食店の場合、収容人員30人以上で選任義務が発生します。

2

防火管理講習の受講

甲種は2日間(約10時間)、乙種は1日(約5時間)の講習を受講します。各地の消防署や日本防火・防災協会が実施しています。

3

消防計画の作成

施設の実態に即した消防計画を作成します。避難経路、消火設備の配置、自衛消防組織、訓練計画等を記載します。

4

届出書の提出

防火管理者選任届出書、講習修了証の写し、消防計画を管轄消防署に提出します。届出手数料は無料です。

公式サイトで詳細を確認する

必要書類

申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。

防火管理者選任(解任)届出書

消防署所定の様式

防火管理者の選任を消防署に届け出るための書類

管轄消防署の窓口または消防庁ウェブサイトからダウンロード

防火管理講習修了証の写し

甲種または乙種の講習修了証

選任する防火管理者が所定の資格を有することの証明

防火管理講習修了時に交付

防火管理に係る消防計画作成(変更)届出書

消防計画を添付

施設の防火管理体制の具体的な計画を届け出る

消防署の窓口で様式を入手、消防計画は自ら作成

費用・手数料

申請手数料(公式)

無料(届出手数料)

防火管理講習の受講料は甲種8,000円、乙種7,000円程度(実施機関により異なる)

自分で申請 vs 行政書士に依頼

自分で申請行政書士に依頼
費用約8,000円(甲種講習受講料)5〜10万円(行政書士や消防設備士に依頼した場合の報酬目安)
期間2〜3日(講習受講2日+届出1日)2〜3日(講習受講は本人が必要)

行政書士に依頼するメリット

消防計画の作成を代行してもらえる。複数の届出を一括で依頼でき手間が省ける

おすすめ

防火管理講習は本人が受講する必要があるため、資格取得は自分で行う必要があります。消防計画の作成に不安がある場合は専門家に相談するのも一つの手ですが、消防署のひな形を使えば自力でも十分作成可能です。飲食店開業時の他の届出と併せて行政書士に一括依頼するのが最もコスパの良い選択です。

よくある失敗と対策

申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。

1

収容人員を客席数だけで計算した

結果: 従業員を含めずに30人未満と判断し届出をしなかったが、実際は選任義務があり法令違反となった

対策: 収容人員は従業員数を含めて計算する。消防署の予防課に相談して正確な人数を確定させる

2

消防計画を作成せずに選任届だけ提出した

結果: 消防計画の未届出は消防法第44条違反で30万円以下の罰金対象。消防署から是正指導を受ける

対策: 選任届と消防計画は必ずセットで提出する。消防署で消防計画のひな形を入手して作成する

3

防火管理講習の予約を開業直前に取ろうとした

結果: 講習は月1〜2回程度の開催で、人気日程は1〜2ヶ月先まで埋まっている。開業スケジュールが遅延する

対策: 開業予定日の2〜3ヶ月前には講習を予約する。甲種は2日間必要なので余裕を持ったスケジュールを立てる

無許可営業の罰則

消防法第44条により、防火管理者を選任しない場合は30万円以下の罰金に処されます。また、消防計画を作成・届出しない場合も同様の罰則があります。火災が発生した場合、防火管理義務違反があると業務上過失致死傷罪(刑法第211条)に問われる可能性もあります。

罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。

よくある質問

Q収容人員はどうやって計算しますか?
A

収容人員は従業員数+客席数で計算します。客席数は、椅子席の場合はその数、座敷の場合は3平方メートルにつき1人で算定します。立食スペースがある場合はさらに加算されます。消防署に相談すれば正確な算定をしてもらえます。

Qテナントビルの場合、誰が届出義務者ですか?
A

防火管理者の選任義務があるのは「管理権原者」です。テナントの場合、自店舗の区画については店舗のオーナーや事業主が管理権原者となります。ビル全体の防火管理者はビルオーナーが選任しますが、各テナントの防火管理者は各テナントの事業主が選任します。

Q防火管理講習はどこで受けられますか?
A

各地の消防署や日本防火・防災協会が定期的に実施しています。日本防火・防災協会のウェブサイト(https://www.bouka-bousai.jp/)で全国の講習日程を確認・申し込みできます。人気の日程は1〜2ヶ月前に満席になるため早めの予約を推奨します。

Q防火管理者の資格に有効期限はありますか?
A

防火管理者の資格自体に有効期限はありません。ただし、消防法施行規則により、甲種防火管理者は再講習(半日程度)を受ける義務がある場合があります。特に特定防火対象物(飲食店等)で収容人員300人以上の場合は、5年ごとの再講習が義務付けられています。

基本情報

根拠法消防法第8条、消防法施行令第1条の2第3項
対象収容人員30人以上の飲食店、物品販売店舗、ホテル・旅館、病院、劇場、事務所等の管理権原者(オーナー・事業主)
公式サイトを見る

関連法令

消防法(昭和23年法律第186号)第8条が防火管理者の選任義務の根拠条文です。同条では、一定規模以上の防火対象物の管理権原者に対し、防火管理者を定めて消防計画を作成させ、当該計画に基づく消火・通報・避難訓練の実施等を行わせることを義務付けています。消防法施行令第1条の2第3項では防火対象物の用途・規模ごとの選任基準を規定しており、飲食店(特定防火対象物)は収容人員30人以上で義務が生じます。甲種・乙種の区分は同施行令第3条に定められています。罰則は消防法第44条で30万円以下の罰金と規定されています。また、火災発生時に防火管理義務違反があると、刑法第211条の業務上過失致死傷罪が適用される判例があり、実刑判決も出ています(歌舞伎町ビル火災事件等)。

最終更新: 2026年3月20日

あなたの事業に使える補助金を探しましょう

全国の補助金・助成金をエリア・業種・目的から簡単検索。毎日更新で最新情報をお届けします。

補助金を探す
全国の補助金を探す