令和4年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(FS実施事業者の募集)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
国家戦略としてのインフラ輸出を後押し
本補助金は、日本政府のインフラシステム海外展開戦略に基づく支援制度です。単なる企業支援ではなく、国の成長戦略と直結した政策的意義の高い事業であり、採択されれば政府のバックアップのもとでFS調査を実施できます。
SDGs・デジタル化・脱炭素化への対応を重視
従来型のインフラ輸出に加え、SDGs(持続可能な開発目標)、デジタルトランスフォーメーション、脱炭素化(カーボンニュートラル)に対応したインフラソリューションが重点的に評価されます。時代のニーズに合致した提案が求められます。
新興国の巨大インフラ市場へのアクセス
アジア、アフリカ、中南米などの新興国では、急速な経済成長に伴いインフラ整備の需要が爆発的に拡大しています。本補助金を活用したFS調査により、これらの市場への参入可能性を低リスクで検証できます。
経産省管轄の信頼性と連携メリット
経済産業省が管轄する補助金であり、採択後はJETROやJICA、各国大使館等との連携も期待できます。政府間のインフラ協力プロジェクトとの接続可能性もあり、民間企業単独では得られないビジネス機会が広がります。
ポイント
対象者・申請資格
企業要件
- 日本国内に法人格を有する事業者であること
- インフラ分野での技術・実績を有すること
- 海外事業展開の意思と体制を有すること
対象分野
- エネルギー(発電、送配電、再生可能エネルギー等)
- 交通(鉄道、道路、港湾、空港等)
- 水処理・上下水道
- 通信・ICTインフラ
- 都市開発・スマートシティ
- 環境・廃棄物処理
調査対象国
- 新興国を中心とした海外市場
- 日本政府のインフラ協力重点国が優先される傾向
その他要件
- コンソーシアム形式での申請も可能
- 反社会的勢力に該当しないこと
ポイント
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申請ガイド
ステップ1:対象国・対象分野の調査と絞り込み
進出先候補国のインフラ需要、政策動向、競合状況を調査し、自社技術の強みが活かせる案件を特定します。JETROやJICAの現地情報を活用してください。
ステップ2:FS調査計画の策定
調査項目、調査手法、スケジュール、予算を具体的に計画します。技術的実現可能性、事業採算性、環境・社会影響、SDGs貢献などの観点を網羅的に含めてください。
ステップ3:コンソーシアムの組成(必要に応じて)
大規模プロジェクトの場合、技術企業、商社、コンサルタント、金融機関等によるコンソーシアムを組成し、役割分担を明確にします。
ステップ4:応募書類の作成と提出
公募要領に従い、事業提案書、経費計画書、企業概要書等を作成し、締切までに提出します。提案書は技術的優位性と事業の社会的意義の両面をバランスよく記述してください。
ステップ5:審査・採択・FS調査実施
外部有識者を含む審査委員会での審査を経て採択が決定されます。採択後はFS調査を実施し、報告書を提出します。
ポイント
審査と成功のコツ
現地ニーズの深い理解が差別化の鍵
SDGs・脱炭素化との明確な紐づけ
コンソーシアム構成の戦略性
日本の技術的優位性の具体的提示
ポイント
対象経費
対象となる経費
調査人件費(3件)
- FS調査に従事する専門家の人件費
- 現地調査員の人件費
- プロジェクトマネージャーの人件費
渡航・現地活動費(3件)
- 対象国への渡航費
- 現地での宿泊費・滞在費
- 現地移動交通費
外部委託費(3件)
- 現地コンサルタントへの調査委託費
- 環境影響調査の委託費
- 法制度調査の委託費
翻訳・通訳費(3件)
- 報告書の翻訳費用
- 現地ヒアリングの通訳費用
- 現地資料の翻訳費用
資料作成費(3件)
- FS報告書の作成費用
- 図面・設計図の作成費用
- プレゼンテーション資料の作成費用
その他調査経費(3件)
- データ・統計資料の購入費
- 試験・分析に係る費用
- 会議室・施設の利用費
対象外の経費
対象外の経費一覧(7件)
- FS調査の範囲を超える事業実施費用
- 補助事業に直接関係しない一般管理費
- 土地・建物の取得費用
- 既存設備の維持管理費
- 接待・交際費
- FS調査開始前に支出した費用
- 自社の既存事業の運営費用
よくある質問
Q中小企業でも応募できますか?
はい、中小企業でも応募可能です。ただし、海外インフラ案件は規模が大きいため、単独での応募よりもコンソーシアム形式での参画が現実的です。大手企業や商社、コンサルタント会社と連携し、自社の技術的強みを活かした形での参画を検討してください。中小企業が持つ独自技術がインフラプロジェクトの重要な構成要素となるケースは多くあります。
Q対象国はどの国ですか?
新興国を中心に幅広い国が対象となりますが、特定の国に限定されているわけではありません。一般的に、ASEAN諸国、南アジア、中央アジア、アフリカ、中南米などの新興国・発展途上国が主な対象です。日本政府のインフラ協力重点国(インド、バングラデシュ、ベトナム、インドネシア等)に関する提案は、政策との整合性が高く評価される傾向にあります。
QFS調査の結果、事業化が困難と判断された場合はどうなりますか?
FS調査の結果として事業化が困難との結論に至った場合でも、補助金の返還は原則として求められません。FS調査はリスクの高い海外事業の実現可能性を検証することが目的であり、「やめる」という判断もFS調査の重要な成果の一つです。ただし、調査自体が適切に実施されていることが前提であり、虚偽の報告や調査の著しい不備がある場合は別途対応が求められます。
Qコンソーシアムの組成方法を教えてください
コンソーシアムは通常、幹事企業(代表企業)を1社選定し、技術企業、商社、コンサルタント、金融機関等が参画する形で組成します。各参画企業の役割(技術提供、現地ネットワーク、資金調達、プロジェクトマネジメント等)を明確にし、コンソーシアム協定書を締結します。幹事企業が補助金の申請・管理を行うのが一般的です。
QFS調査の期間はどのくらいですか?
FS調査の期間は案件の規模や複雑さによって異なりますが、一般的に6ヶ月〜1年程度です。公募要領で事業実施期間が定められている場合は、その期間内に調査を完了し報告書を提出する必要があります。現地調査が含まれる場合は、渡航手配や現地調整に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。
Q過去にどのような案件が採択されていますか?
過去の採択案件としては、東南アジアでの高速鉄道計画のFS、アフリカにおける太陽光発電所建設のFS、南アジアでの上下水道整備のFS、中央アジアでのスマートシティ計画のFSなど、多様な分野・地域の案件があります。共通する特徴として、日本の技術的優位性が明確であり、現地のニーズと合致し、SDGsへの貢献が具体的に示されている案件が高く評価される傾向にあります。
Q英語での提案書提出は必要ですか?
応募書類自体は日本語での提出が基本です。ただし、FS調査の実施にあたっては、現地でのヒアリングや資料収集に英語(または現地語)が必要となるため、翻訳・通訳費用も補助対象に含まれています。提案書では、言語面でのFS調査実施体制についても記載しておくとよいでしょう。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金はFS調査段階に特化した支援であり、FS調査の結果を踏まえた事業実施段階では、JICA(国際協力機構)の海外投融資やJBIC(国際協力銀行)のファイナンス支援、NEXI(日本貿易保険)のリスクカバーなど、多様な公的支援を活用できます。また、JETROの海外展開支援事業や、各省庁が実施するインフラ関連の実証事業補助金との連携も検討してください。FS調査で得た知見を基に、これらの後続支援に円滑に接続できるよう、調査段階から出口戦略を意識した設計が重要です。なお、同一のFS調査について他の公的資金との二重受給は認められないため、資金計画においてそれぞれの補助金の対象経費を明確に区分する必要があります。
詳細説明
制度の背景
新興国を中心に世界のインフラ需要は年々拡大しており、アジア開発銀行(ADB)の推計では、2030年までにアジアだけで年間1.7兆ドルのインフラ投資が必要とされています。日本政府は「インフラシステム海外展開戦略」を策定し、日本の高品質なインフラ技術の海外展開を国家戦略として推進しています。
本補助金は、この戦略の一環として、日本企業が海外インフラ案件への参入を検討する際の初期段階であるFS(事業実施可能性調査)を支援するものです。
対象となるインフラ分野
以下の幅広いインフラ分野が対象です:
- エネルギー:発電(火力、再生可能エネルギー)、送配電、スマートグリッド、省エネルギー
- 交通:鉄道(高速鉄道、都市鉄道)、道路、港湾、空港
- 水処理:上下水道、海水淡水化、水質管理システム
- 通信・ICT:通信ネットワーク、データセンター、ICTプラットフォーム
- 都市開発:スマートシティ、工業団地、都市計画
- 環境:廃棄物処理、リサイクル、大気・水質浄化
SDGs・デジタル化・脱炭素化への対応
本事業では、以下の現代的課題への対応が重視されています:
- SDGs:国連の持続可能な開発目標に貢献するインフラソリューション
- デジタル化:IoT、AI、ビッグデータを活用したスマートインフラ
- 脱炭素化:CO2排出削減に寄与するクリーンインフラ技術
これらの要素を提案に組み込むことで、採択可能性が高まります。
FS調査の内容
補助対象となるFS調査には、以下の項目が含まれます:
- 技術的実現可能性の検証:日本の技術が現地の気候、地質、インフラ環境で適用可能かの検証
- 事業採算性の分析:建設コスト、運営コスト、収益予測、投資回収期間の分析
- 環境・社会影響の評価:環境アセスメント、住民への影響、雇用創出効果の評価
- 法制度・規制の調査:現地の法制度、許認可要件、税制の調査
- 現地パートナーの調査:現地企業、政府機関との連携可能性の調査
申請のポイント
- 提案書では技術力だけでなく、社会的インパクトとSDGs貢献を具体的に示す
- コンソーシアム形式の場合は、各参画企業の強みと役割分担を明確にする
- 対象国の選定では、日本政府の外交方針・インフラ協力重点国との整合性を考慮
- FS調査後の事業実施までの道筋(出口戦略)を提案に含める