室谷さん、今回のテーマは「ゼロエミッション推進に向けた事業転換支援事業(製品開発助成)」ですよね。名前がすごく長い!(笑)でも「ゼロエミッション」って言葉、最近よく耳にしますけど、都が本気で動いてるんですね。
そうなんですよ、佐藤さん。東京都は「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」ってのを掲げてて、2035年までに温室効果ガス排出量を削減する新目標を設定してるんです。で、その一環として、都内の中小企業がゼロエミ関連の製品開発にチャレンジしやすいように、この助成金を令和4年度から出してるんです。
へえ、もう4年目になるんですね!じゃあ結構実績もある制度ってことか。でも「製品開発助成」って、どんな製品が対象なんですか?
そこが面白いところで、東京都の戦略に沿った7つの政策分野に該当する製品・技術ならOKなんです。例えば再生可能エネルギーを増やす装置だったり、建物の省エネ化、電気自動車関連、水素エネルギー、サーキュラーエコノミー(資源循環)、フロン対策、気候変動適応策。ざっくり言うと、脱炭素にちょっとでも貢献できる製品開発なら狙えるってわけです。
あ、じゃあ「環境にいいもの」なら何でもありって感じ?でも「製品」って言葉だと、完成品だけかと思っちゃいますけど。
そこポイントです!実は製品のパーツや製造工程で投入される部材なんか、間接的なものも対象になるんですよ。公式サイトにも「本助成事業では、ゼロエミッションに資する製品のパーツやゼロエミッションに資する製品の製造工程で投入される部材等、間接的な製品・技術の開発も対象となります」って書いてあります。つまり、完成品じゃなくても、部品レベルでもOKってこと。
マジですか!それは助かる。うちの会社、EV向けのちょっとしたセンサー部品を作ってるんですけど、それも対象になる可能性あるってことですね。
ええ、該当するかどうかは公募要領でしっかり確認してほしいんですけど、可能性はありますね。ただ、「技術的な開発・改良要素がなく、試験・評価のみ」 だと対象外。あと生産や量産対応の機器はダメ。あくまで試作開発から試験評価・実証実験のフェーズまでが対象です。
つまり「開発段階を後押しするよ」ってことですね。でも、この制度の目的って何なんでしょう?
簡単に言うと、都内中小企業がゼロエミッション関連産業に参入しやすくするため。技術開発や製品開発、さらには販路開拓までトータルで支援して、脱炭素社会を実現したいってわけ。この製品開発助成は、その中の「開発費を一部助成しますよ」という部分ですね。
なるほど。じゃあ次は、具体的にいくらもらえるのか気になりますね!
室谷さん、補助額と補助率の話を聞かせてください!上限はいくらですか?
まず補助率は2/3以内。つまり、かかった経費の3分の2を国(都)が負担してくれるってことです。そして補助限度額は、単独申請なら1,500万円、共同申請なら3,000万円。これ大きいですよね!
えっ、単独でも1,500万円!?しかも2/3ってことは、例えば総事業費2,250万円だったら、1,500万円が上限まで出るって計算ですよね。これはかなり厚い。
そう。ただ「2/3以内」ってのはあくまで上限で、実際にいくら交付されるかは審査次第ですけどね。でも他制度に比べると補助率は高い方じゃないですか?特に東京都の制度って中小企業に優しいイメージ。
確かに。でも「共同申請」ってのはどういうケースですか?
都内の中小企業グループ(複数社で組む)や中小企業団体(組合など)が対象になります。例えば、県外に本社があるけど都内に事業所がある会社同士で組むとか。ただし複数申請は不可なので、1つの事業で両方は出せません。
なるほど。じゃあ単独で1,500万円か、共同で3,000万円か。うちは単独でやろうかな。それにしても、この補助率2/3って、まるで「自己負担は3分の1でいいよ」と言われてるようなものですね(笑)。
期間も重要です。助成対象期間は交付決定日(令和9年2月1日予定)から最長1年6か月。つまり、令和9年2月から令和10年7月31日まで。ほぼ1年半かけてじっくり開発できるわけです。
1年半あれば、試作から実証まで十分できそうですね。でも、交付決定が令和9年2月ってけっこう先じゃないですか?今が令和8年4月とか5月くらい?申請が6月から9月で、審査が秋、交付決定が翌年2月…。
そうなんです。スケジュール感はしっかり押さえておかないと。でも、その間に事業計画を練ったり、GビズIDの準備したりできますから、むしろ余裕があるとも言えます。
確かに。じゃあ次は、誰が申請できるのか、対象者を詳しく見ていきましょう!
室谷さん、この助成金、うちみたいな小さな会社でも対象になるんでしょうか?従業員数の制約とかあるんですか?
これが嬉しいポイントなんですが、従業員数の制約はありません。つまり、社員が1人だけの個人事業主でも、大企業の子会社でも、中小企業者であればOK。ただし「都内で実質的に事業を行っていること」が条件です。
おお、それは助かる。じゃあ個人事業主でも全然いけるんですね。でも「中小企業者」ってどういう定義なんですか?
正確には公募要領を確認してほしいんですが、一般的な中小企業基本法の定義に沿っているはずです。ただ、この制度の対象業種がめちゃくちゃ広いんですよ。漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸小売り、金融、不動産、サービス業…ほぼ全業種カバーしてます。**「農業、林業」から「教育、学習支援業」「医療、福祉」**まで含まれてますからね。
え、医療福祉まで!?病院がゼロエミ関連製品を開発するってのもありなんですね。例えば、省エネな医療機器とか?
そういうことです。とにかく業種の壁は低い。ただし、都内に本店または支店があって、そこで実際に事業活動を行っていることが必要。登記だけ東京にあって実態がないとダメです。
例えば「都内の中小企業同士のグループ」や「中小企業団体(事業協同組合など)」が対象。共同申請の場合、グループ全体で上限3,000万円なので、各社で分け合う形になります。ただし、代表となる申請者がいて、グループ全体の事業計画をまとめないといけません。
なるほど。じゃあ、うちは単独で行きます!(笑)でも、スタートアップも対象になるって聞いたんですけど。
そうですよ。公社のページにも「スタートアップ企業も含む」と明記されてます。創業間もない会社でも、ゼロエミ製品の開発計画があれば申請可能です。ただし、申請時に必要な書類はスタンダードなものが多いので、まだ決算が1期もないとちょっと大変かも。でも挑戦する価値はあります。
じゃあ、次はお金の使い道です。どんな経費が助成対象になるんですか?これが分からないと計画が立てられないですよね。
- 原材料・副資材費:開発に使う材料費
- 機械装置・工具器具費:試験・試作用の機械や工具
- 委託・外注費:一部を外注する費用
- 直接人件費:開発に直接携わる従業員の人件費
- 不動産賃借料:開発用のスペースの賃料
え、人件費まで対象になるんですね!それは大きい。例えば、開発担当のエンジニアの給料の一部を補助対象にできるってことですか?
その通り。ただし「直接人件費」は、あくまでその製品開発に直接従事した時間分だけ。間接部門の経理担当とかは含まれません。ちゃんとタイムカードや作業日報で証明できるようにしておかないと。
なるほど。じゃあ、注意点も教えてください。これは対象にならないよ、って経費はありますか?
- 開発とは関係ない通常の運転資金
- 生産・量産対応の設備購入費
- 既に販売している製品の単なる改良(技術的革新性がないと判断された場合)
- 単なる試験・評価のみで開発要素がないもの
これらは対象外です。あと、助成対象経費として認められても、**実際に支出してから後日精算(後払い)**になるので、資金繰りには注意が必要です。
後払いってことは、まず自社で立て替えないといけないんですね。1,500万円の補助を受けるなら、総事業費2,250万円のうち、自社負担は750万円。でも補助金は後から来るから、最初のうちは全額自社資金が必要と。
そういうこと。だからキャッシュフローの計画はしっかり立ててください。また、補助対象経費は全て領収書や契約書で証明できるものじゃないとダメ。日付・内容・金額が明確でなければなりません。
これはよくありがちな落とし穴ですね。うっかり「ちょっとした消耗品」とか現金で買っちゃって領収書がない、なんてことにならないようにしないと。
そうです。あと、委託・外注費は、外注先が都内かどうかは関係ないみたいですけど、適正な価格であることや、不当に高くないかはチェックされます。
分かりました。じゃあ、実際に申請するときの流れを教えてください!
室谷さん、申請ってどうやるんですか?書類を郵送すればいいんですか?
いや、今は電子申請システム「Jグランツ」のみの受付です。持参や郵送、メールは受け付けてもらえません。まずはGビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。
あ、あの国の補助金でよく使うやつですね!でも、取得に時間がかかると聞いたんですけど。
そうです。公式にも「GビズIDの発行には2〜3週間かかる」と書いてあります。なので、申請期間が令和8年6月1日〜9月8日までですが、遅くとも8月中旬にはアカウントを取得しておかないと締切に間に合わない可能性があります。申請が集中するとシステムも混雑しますしね。
マジですか!じゃあ今から準備した方がいいですね。(現在令和8年4月か5月だとして)あと1ヶ月くらいで申請受付開始か。
そう。GビズIDの手続きを始めるのは今すぐでもいいです。申請書類の作成は公募要領が公開されてからでも間に合いますが、IDだけは先行して取っておくのが鉄則です。
流れをまとめてもらえますか?
室谷: もちろん。以下の図を見てください。
製品開発助成の申請〜採択までの流れ- 1
GビズIDプライムを取得
2〜3週間かかるので早めに。公式サイトから申請。
- 2
募集要項と申請書をダウンロード
公社HPからDL。単独申請用・共同申請用あり。
- 3
事業計画書を作成
ゼロエミに資する製品開発の内容を具体的に記述。
- 4
Jグランツで電子申請(6/1〜9/8)
締切は9月8日17時必着。アクセス集中に注意。
- 5
- 6
二次審査(面接審査)+現地調査
11月〜12月。必要に応じて現地調査あり。
- 7
交付決定(令和9年2月1日予定)
採択されればプレス発表。助成対象期間開始。
ステップが多いですね。一次審査と二次審査の二段構え。面接まであるんですね。
そう。しかも面接審査は公社が定める日時で行われて、日時の変更はできないとのこと。だから予定は空けておかないと。面接では、事業計画の実現性や熱意が問われます。
これはもう、本気度が試されますね。でも補助金をもらうには当然か。じゃあ、審査で特に見られるポイントって何ですか?
室谷さん、審査で加点されるポイントとか、気をつけるべきことはありますか?
まず、ゼロエミッション東京戦略の7つの政策に合致しているかが大前提。ここから外れたら即アウト。その上で、技術的な新規性や実現可能性、事業化の見込み、そして補助金を使ってどう事業転換するかがしっかり書かれているかがポイントです。
なるほど。じゃあ、このへんを押さえておけってポイントをまとめた図をください!
特に、「企画構想段階から試作開発・試験評価・実証実験フェーズ」 までが助成対象なので、「もうほぼ完成している」ものは対象外です。逆に言うと、開発途中でこれから実証したい、という案件ほど有利かも。
あ、それは重要ですね。完成間近のものは対象外。まだ試作段階でこれからテストしたい、というのがベストマッチと。
そうです。あと、共同申請の場合はグループ内の役割分担が明確でないと減点される可能性があります。単独でも共同でも、とにかく「なぜこの会社がやるのか」がストーリーとして伝わる必要があります。
じゃあ、全体的なスケジュールをタイムラインで見せてください!
令和8年度 製品開発助成 公募スケジュール2026年4月23日
公募開始(プレス発表)
公社HPで募集要項公開
2026年5月31日
申請受付開始?
実は6月1日から。5月31日は準備期間?
2026年6月1日〜9月8日
申請受付期間
17時必着。早めの提出推奨
2026年9月〜10月
一次審査(書類審査)
結果通知あり
2026年11月〜12月
二次審査(面接・現地調査)
日時変更不可
2027年2月1日(令和9年)
交付決定
助成対象期間開始〜最大1年6か月
2028年7月31日
助成対象期間終了
実績報告・確定精算
おお、これで全体像がつかめました。でも、一番気になるのは「よくある質問」ですよね。例えば、複数の補助金と併用できるんですか?
その点は公募要領で確認が必要ですが、基本は本事業で助成される経費を他の国や都の補助金と重複して受けることはできません。ただし、別の経費を使っているなら併用可能な場合もあります。例えば、設備投資は別の補助金で、開発費はこの助成金で、というのはありえるかも。ただ、絶対に確認してください。
はい、必ず公募要領を読み込みます。あと、公募要領はどこで手に入りますか?
(公財)東京都中小企業振興公社のホームページからダウンロードできます。公式URLは https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/zeroemi_kaihatsu.html です。申請書様式も全てそこにあります。
分かりました。最後に、この記事のポイントをまとめてください!
室谷さん、ありがとうございました!かなり具体的なイメージが湧きました。うちの会社も、さっそくGビズIDを取得しに行きます!
ぜひ頑張ってください。この助成金は東京都が中小企業の脱炭素化を本気で支援している証拠です。うまく活用して、ゼロエミッション製品を世に出してくださいね!
はーい!今日は本当に勉強になりました。また次の制度もよろしくお願いします!