室谷さん、今日は能登半島地震で被災した中小企業者向けの持続化補助金について聞きたいんですが、これって今まだ申請できるんですよね?
はい、まだ受け付けています!第8次公募が令和8年(2026年)1月30日から始まっていて、締切が令和8年4月27日の17時必着です。被災から2年以上経過していますが、今この瞬間も苦しんでいる事業者さんがたくさんいるので、ぜひ知っておいてほしい制度です。
えっ、8次って相当続いてますね!ということは最初から数えるとかなり長い期間支援してるんですか?
そうなんです。令和6年2月の1次公募から数えて、もう8回目です。それだけ被災事業者の再建が長期にわたる課題だということでもあります。途中で終わらせず継続して公募してきたISICO(石川県産業創出支援機構)の姿勢は評価できますよ。
なるほど、長期戦なんですね。そもそもどんな補助金なのか、基本から教えてもらえますか?
この補助金の正式名称は「中小企業者持続化補助金 災害支援枠(令和6年能登半島地震等)」です。令和6年能登半島地震(2024年1月1日発生)と令和6年奥能登豪雨(同年9月21日〜23日発生)で甚大な被害を受けた石川県の事業者を対象に、事業再建に要する経費の一部を補助するものです。
対象地域はどこですか?石川県全体が対象なんですか?
第8次公募では石川県能登3市3町に限定されています。具体的には珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、七尾市、志賀町の6つです。7次公募まではもう少し広かったんですが、8次では特に被害が深刻なこの6エリアに絞り込まれました。
かなり絞り込まれてるんですね。で、補助額はいくらくらいですか?
直接被害を受けた事業者(事業用資産に損壊等がある場合)は補助上限200万円、補助率は経費の2分の1以内です。ざっくり100万円自己負担で200万円の事業再建を進められるイメージですね。
100万円の自己負担か。それでも厳しい事業者もいますよね?
それを補うのが定額補助(補助率10/10)の特例です!自己負担なしで200万円まで使えます。ただし5つの要件を全て満たす必要があって、少し条件が複雑なんです。それは後ほど詳しく説明しますね。
補助額・補助率まとめ
| 区分 | 対象 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|
| 通常申請 | 事業用資産に直接被害あり | 200万円 | 2分の1以内 |
| 定額補助 | 5要件全て該当 | 200万円 | 10/10(自己負担なし) |
| 間接被害 | 売上減少のみ | 100万円 | 2分の1以内 |
間接被害のところが取り消し線になってますね、これは?
間接被害(売上減少のみ)での申請は第6次公募をもって終了しました。8次公募では事業用資産に直接被害を受けた事業者のみが対象です。「うちは建物は無事だったけど売上が激減した」という場合は、残念ながら本制度は使えないということになります。
そうか、それは知らなかった。じゃあどういう事業者なら対象になるんですか?
申請資格は2つの要件を全て満たす必要があります。1つ目は所在地要件、2つ目は補助事業計画の策定要件です。所在地は先ほど言った能登3市3町に本社または主たる事業場があること。そして申請前に商工会か商工会議所に相談して、事業再建計画の策定支援を受けることが前提です。
商工会に行く前に自分が対象かどうか確認したいんですが、チェック方法はありますか?
まず企業規模の確認が大事です。小規模事業者は本制度の対象外なんですよ。「持続化補助金」という名前で小規模事業者向けの制度と混同しやすいので注意してください。本制度は中小企業者専用です。
えっ、ほんとですか!小規模事業者は別の制度なんですね。
そうです。中小企業基本法の中小企業者に該当しているか確認してください。製造業なら従業員300人以下または資本金3億円以下、卸売業なら従業員100人以下または資本金1億円以下、などが目安です。逆に小規模事業者(製造業なら20人以下など)向けには「小規模事業者持続化補助金 災害支援枠」という別の制度があります。
紛らわしい!それは知らなかったです。では被災の証明はどうすればいいですか?
り災証明書が基本的な証拠書類です。それに加えて被災した設備や建物の写真、被害状況を記した書類を準備します。第8次公募では直接被害が要件なので、「どの資産が、どのように損壊したか」を具体的に示すことが重要です。
なるほど。次に「定額補助」の5つの要件を教えてもらえますか?
ちょっと複雑ですが、全部説明しますね。まずこの5つ、全て満たさないと定額にはなりません。
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新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であること
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過去5年以内の災害救助法適用災害で被災し、事業用資産への被災が証明でき、かつ国等が実施した支援を活用した事業者であること
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次のいずれかに該当すること。(ア)災害発生日以降、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者、または(イ)令和6年能登半島地震等発生時に厳しい債務状況にあり、交付申請時に認定経営革新等支援機関に事業計画の確認を受けている事業者
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交付申請時において、過去の災害からの復旧に向けた事業活動に要した債務を抱えていること
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令和6年能登半島地震等により施設または設備が被災し、復旧・復興を行おうとすること
これ全部揃えるのは大変そうですね。コロナの影響を受けたことの証明って何が必要なんですか?
売上高の比較データ(令和2年と3年の比較など)や、当時の売上台帳、経営改善計画書など、コロナ禍で実際に経営が影響を受けたことを示す書類です。過去の帳簿が残っていれば比較的対応しやすいですよ。商工会議所の担当者と一緒に確認するのが確実です。
そうか、書類が残ってれば戦えるんですね。では申請の流れも教えてください。
申請の流れ(第8次公募)
これ本当に見落としやすいんです。もし今日から申請を検討するとしたら今すぐGビズIDの申請をしてください。4月27日の締切まで時間が少ないので、GビズID取得と同時並行で書類準備を進めるのが鉄則です。メール+郵送の方法を選べばGビズID不要ですが、代表者印の押印と自署が必要なので早めに準備を。
具体的に何から始めればいいですか?今日の段階でやることは?
今日やることは3つです。まず最寄りの商工会・商工会議所に電話して相談予約を入れること。次にGビズIDのサイト(gbiz-id.go.jp)でプレミアム会員のアカウント申請を開始すること。そして被災状況の写真と書類を整理すること。この3つを今日中にやれれば、4月27日の締切にギリギリ間に合う可能性があります。
補助金で実際に何が買えるか教えてください。設備を買い直す費用は出ますか?
対象経費は幅広いです!機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、設備処分費、委託・外注費、施設・設備の修繕費、そして車両購入費も対象です。一般的な補助金では対象外の車両購入まで認められているのがこの制度の特徴の一つですね。
ほんとに!車も使えるんですか、それは助かりますね。
漁業や農業、運送業など車両・船舶が事業の核となる業種の事業者が多い能登地域の特性を考えた設計だと思います。ただし重要なのは「事業再建のための投資」であることです。単なる故障品の買い替えではなく、事業計画に基づく再建のための取組に紐づいた支出でないといけません。
| 対象経費 | 具体例 |
|---|
| 機械装置等費 | 製造・加工設備の修繕、新規機械の購入 |
| 広報費 | チラシ・パンフレット・ポスター作成、広告掲載 |
| ウェブサイト関連費 | ECサイト構築、ホームページ改修 |
| 展示会等出展費 | 見本市・展示会への出展料、ブース設営費 |
| 施設・設備修繕費 | 損壊した設備・建物の修繕(賃貸の共用部分は不可) |
| 車両購入費 | 事業再建に必要な車両 |
| 委託・外注費 | デザイン・設計の外注、専門業者への委託 |
| 借料 | 仮設店舗の賃借料、リース・レンタル料 |
土地・建物の購入費(修繕は対象だが取得はNG)、賃貸物件の修繕・修理(自社所有でないと対象外)、専門家からの指導・助言費、人件費(自社従業員の給与)、通信費・光熱水費、公租公課、汎用性が高いパソコン単体の購入、他の補助金等で充当されている経費
賃貸の修繕が使えないのは意外ですね。自分のビルじゃないと対象外か。
ここは問い合わせが多い点です。自社で所有している建物・設備の修繕は対象ですが、賃貸物件の修繕は対象外です。また「専門家から指導・助言」もNGなのでコンサルタント費用は使えません。わからない場合はISICOのQ&Aドキュメント(公式サイトからダウンロード可)が詳しいです。
まず最重要ポイントですが、「元通りに戻す」だけでなく「より強くなる」計画が評価されます。被災前と全く同じ事業をただ復旧するよりも、新しい販路を開拓する、デジタル化を進める、新商品を開発するといった前向きな計画に審査員は高評価をつけやすいです。
もう一つ大事なのが「おおむね1年以内に売上に繋がる見込みがある取組」という要件です。5年後に効果が出る長期計画よりも、来年の春には新商品が販売開始できる、というような具体的で短期的な成果が見込める計画のほうが審査を通りやすいです。
被災状況を写真と数字で具体的に記録(り災証明書だけでなく現場写真も活用)
「元に戻す」ではなく「変革・前進」の計画(デジタル化・新販路開拓・新商品開発を含む)
補助事業終了後、概ね1年以内に売上に繋がる取組であること
地域経済への波及効果・雇用維持の観点を含める
商工会・商工会議所の担当者に何度も相談してブラッシュアップする
商工会に相談って形式的にやるだけじゃなくて、本当に何度も話し合うほうがいいんですね。
そうです!商工会・商工会議所は申請の要件として義務付けられているだけでなく、実際に計画書の品質向上に大きく貢献してくれます。特に被災後の混乱の中で一人で事業計画を書くのは本当に大変ですから、専門家のサポートを遠慮なく利用してください。
定額補助を狙う場合は書類が増えるので、申請準備には時間的余裕を持つのが安全です。4月27日の締切から逆算すると、今すぐ動き出す必要があります。
被災事業者の声を受けて繰り返し公募を実施してきました。時系列を整理しますね。
| 公募回 | 公募期間 | 主な変更点 |
|---|
| 1次 | 令和6年2月28日〜4月15日 | 制度開始。直接被害・間接被害とも対象 |
| 2次 | 令和6年4月26日〜6月10日 | 継続 |
| 3次 | 令和6年6月28日〜8月26日 | 継続 |
| 4次 | 令和6年12月4日〜令和7年1月27日 | 継続 |
| 5次 | 令和7年4月28日〜6月9日 | 継続 |
| 6次 | 令和7年7月16日〜9月16日 | 終了(間接被害はここで終了) |
| 7次 | 令和7年9月19日〜11月25日 | 能登3市3町以外の直接被害もここで終了 |
| 8次 | 令和8年1月30日〜4月27日 | 能登3市3町の直接被害事業者のみ(公募中) |
これを見ると間接被害が終わって、さらに能登3市3町以外も終わって、今は最後の砦みたいになってますね。
まさにそういう位置づけです。第8次が最後かどうかは現時点では発表されていませんが、公募を重ねるごとに対象が絞り込まれてきているのは事実です。第8次の申請受付が終了する2026年4月27日以降に次回公募があるとしても、さらに条件が厳しくなる可能性があります。今申請できる状況にある方は第8次で申請するのがベストです。
商工会・商工会議所はどこに連絡すればいいですか?能登エリアのところを教えてください。
主な問い合わせ先をまとめました。電話番号は2026年4月時点のISICO公式HPに掲載されているものです。
| 機関名 | 電話番号 | 対応エリア |
|---|
| 七尾商工会議所 | 0767-54-8888 | 七尾市 |
| 輪島商工会議所 | 0768-22-7777 | 輪島市(現地事情から七尾以南も活用可) |
| 珠洲商工会議所 | 0768-82-1115 | 珠洲市(現地事情から能登事業者支援センターも可) |
能登里山空港内に設置された支援拠点です。輪島・珠洲地区の事業者が商工会議所へのアクセスが難しい場合のために開設されました。石川県が運営しています。被災後の交通事情を考慮した柔軟な対応で、とても頼りになる窓口です。
これ以外にも使える支援制度はありますか?被災事業者としては全部活用したいですよね。
もちろん!複数の制度を組み合わせるのが正解です。本制度(持続化補助金 災害支援枠)は「販路開拓・事業再建のための投資」に強く、建物・設備の本格復旧が目的なら別の制度も活用できます。
日本政策金融公庫の融資と組み合わせるのはどうですか?
非常に有効な組み合わせです!日本政策金融公庫の「災害復旧貸付」は低金利で運転資金・設備資金を確保できます。補助金は採択から交付まで時間がかかるため、その間の資金繰りを融資で補うという使い方が王道です。また信用保証協会の「セーフティネット保証4号・5号」も活用できる場合があります。商工会議所に相談すれば、融資の紹介もしてくれますよ。
雇用調整助成金(厚生労働省)や被災者雇用開発助成金も組み合わせ可能です。特に従業員を守りながら事業再建を進めたい場合は、雇用系の支援制度を並行して活用することを強くお勧めします。「補助金で設備を直して、助成金で従業員の雇用を守る」という二段構えが効果的です。
過去に採択された事業者はどんな使い方をしていたんですか?傾向みたいなものはありますか?
はい、審査を通りやすい計画書にはいくつか共通点があります。まず、被災した設備・工房の修繕と、ECサイト等の新販路開拓を組み合わせた計画が採択されやすい傾向にあります。「元通りに戻す」だけでなく、デジタル化や新しい販売チャネルの開拓を組み合わせた計画が高く評価されているんです。
まさにそうです。また定額補助(10/10)を活用すれば自己負担なしで再建費用をカバーできるため、中小規模の宿泊業・飲食業で申請が広がっています。「補助金で広告宣伝費を充当して復興需要を取り込む」という使い方が特に効果的で、5要件を満たせるなら定額補助を積極的に狙う価値があります。
全額負担なしで最大200万円まで使えるので、手元資金が枯渇している被災事業者にとっては生命線になります。5要件は厳しいですが、コロナ禍からの回復途上で地震・豪雨に見舞われた事業者なら意外と該当する可能性があります。商工会議所の担当者に「定額補助の要件を全部確認してもらいたい」と伝えて、一緒にチェックしてみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 中小企業者持続化補助金「災害支援枠(令和6年能登半島地震等)」第8次公募 |
| 申請受付期間 | 令和8年(2026年)1月30日〜4月27日(17時必着) |
| 対象地域 | 石川県珠洲市・輪島市・能登町・穴水町・七尾市・志賀町 |
| 補助上限額 | 200万円(直接被害)、定額補助の場合も200万円上限 |
| 補助率 | 2分の1以内(定額補助要件該当の場合は10/10) |
| 実施機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO) |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請)またはメール+郵送 |
| 公式サイト | https://www.isico.or.jp/support/dgnet/d41192037.html |
| 問い合わせ電話 | 076-267-5551 |
最後に、今まさに申請を迷っている能登の事業者さんへのメッセージをお願いします。
被災から2年以上が経過して、体も心も疲れているはずです。でも諦めないでください。第8次公募は令和8年4月27日が締切で、残り日数は少ないです。今すぐ商工会議所に電話一本入れるだけで、専門家が伴走してくれます。「自分が対象かわからない」「書類が揃えられるか不安」という場合も、商工会議所の担当者が一緒に確認してくれます。一人で抱え込まないで、制度を最大限活用して事業を再建してほしいです。
室谷さん、今日もありがとうございました!能登の事業者の皆さん、4月27日の締切まで間に合うよう、今すぐ動いてみてください!
第8次公募の申請受付締切は令和8年(2026年)4月27日(月)の17時です。
Jグランツで申請する場合、GビズIDの取得に2〜3週間かかります。今すぐ https://gbiz-id.go.jp/top/ でアカウント申請を開始してください。また最寄りの商工会・商工会議所への相談も同日中に予約を入れることをお勧めします。