室谷さん、石川県で奥能登の妊婦さん向けにすごい支援事業があるって聞いたんですが、これ何ですか?
「石川県妊婦分娩事前宿泊支援事業」ですね。2024年1月に発生した能登半島地震で、奥能登の産婦人科がほぼ機能停止してしまって、そのまま今も分娩を取り扱える施設がないんです。七尾市まで出向いて出産しなきゃいけない状況が続いているので、石川県が「それなら宿泊費を支援しよう!」と始めたのがこの事業です。
そうなんです!珠洲市・輪島市・能登町・穴水町の4市町には、今もお産を取り扱える施設がゼロです。だから七尾市にある公立能登総合病院か恵寿総合病院に通わないといけない。出産が近づくと七尾市で事前に宿泊して待機するわけですが、その宿泊費がかなりの負担になるんです。
なるほど!それをどんな形で支援してくれるんですか?
通常の宿泊費は1日3万円前後かかるところを、
自己負担が1日あたりたったの2,000円になります!最大14日間利用できて、その間の食事の提供や健康観察もついてくるんです。
石川県妊婦分娩事前宿泊支援事業 制度概要(対象地域・対象施設・費用比較)
2つの要件を両方満たす方が対象です。1つめは「七尾市内の分娩取扱施設(公立能登総合病院または恵寿総合病院)で分娩すること」。2つめが「奥能登2市2町に住民票がある妊婦か、奥能登2市2町に里帰りをする妊婦」です。
里帰りする妊婦さんも対象になるんですか!それはうれしいですね。
そうなんです!実は最初の制度設計から少し拡充されていて、今は里帰り出産の方も対象に含まれています。たとえば東京に住んでいて、輪島市の実家に帰省して七尾市の病院で出産する、という方も使えます。
対象のエリアは4つですよね?珠洲市、輪島市、能登町、穴水町…これって奥能登全域ということ?
そうです!いわゆる「奥能登」とよばれる石川県北部の4市町が全部入っています。珠洲市は能登半島の先端、輪島市は朝市で有名なあの輪島です。どちらも七尾市まで車で1〜1.5時間かかる地域なので、臨月の妊婦さんが毎回通うのはかなり大変でした。
- 居住地または里帰り先: 珠洲市・輪島市・能登町・穴水町のいずれかに住民票がある、または里帰りをする妊婦
- 分娩施設: 公立能登総合病院(七尾市)または恵寿総合病院(七尾市)で分娩すること
対象施設が七尾市内の2病院だけというのは、なぜですか?
奥能登から通える範囲で、現在も分娩を受け入れてくれている施設がこの2つだけだからです。公立能登総合病院は石川県が運営する公立病院、恵寿総合病院は七尾市を代表する大きな総合病院です。どちらも産婦人科の体制がしっかりしているので、安心して出産できる環境です。
整理しましょう!まず事前宿泊の期間は「分娩取扱施設に入院した日から、分娩日もしくは医療保険の適用開始日の早い日の前日まで」です。この期間中、食事や健康観察も含めた宿泊サービスを1日2,000円の自己負担で受けられます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 自己負担額 | 1日あたり2,000円 |
| 利用上限日数 | 14日間(上限) |
| 14日超過分 | 実費が自己負担(上限3万円/日) |
| サービス内容 | 宿泊 + 食事 + 健康観察等 |
| 対象期間 | 令和6年7月1日〜令和9年3月31日 |
14日間使ったとして、最大2,000円×14日で28,000円の自己負担ということ?
そうです!ざっくり3万円以内で最大14日間泊まれます!普通のホテルなら1泊1万円以上かかることも多い七尾市で、病院内のお部屋に食事・健康管理付きで2,000円というのは、かなり手厚い支援ですよね。
14日を超えた分については、実費(上限30,000円/日)が自己負担になります。ただ、実際の宿泊期間については担当の医師と相談して決めることが前提なので、事前にしっかり計画を立てることが大切です。
そうです。「自分は何日前から入院すべきか」は個人の妊娠状況によって違います。医師が「2週間前から来た方がいい」と判断するケースもあれば「1週間で十分」という場合もある。必ず担当医の指示に従って利用日数を決めてください。
石川県妊婦分娩事前宿泊支援事業 費用シミュレーション(7日間・10日間・14日間)
申請の手順ってどうやるんですか?市役所に行くんですか?
市役所ではないんです!申請先は「分娩取扱施設」、つまり公立能登総合病院か恵寿総合病院です。流れとしては、まず担当の医師と宿泊期間を相談して、「妊婦分娩事前宿泊支援事業 利用申請書」(様式1または様式1-2)に記入して施設に提出するだけです。
はい!
石川県公式サイトからExcel形式でダウンロードできます。担当の医師と内容を確認しながら記入するのがおすすめです。
手続きが施設完結なんですね!市役所も県庁もいらない。
そうなんです!分娩取扱施設が窓口を一元管理しているので、妊婦さんは担当医に言えば全部動いてくれます。役所の窓口をいくつも回る必要がなくて、妊婦さんの負担を減らすよう設計されています。
令和6年(2024年)7月1日から始まって、令和9年(2027年)3月31日まで利用できます。2026年5月現在でいうと、まだ約1年使える状況です。
| 事業全体の対象期間 | 令和6年7月1日〜令和9年3月31日 |
|---|
| 自己負担額 | 1日2,000円 |
| 上限日数 | 14日 |
石川県が事業延長するかどうか、令和8〜9年度の予算編成で判断される見込みです。奥能登の分娩施設が復旧するまでは延長が続く可能性は高いと思いますが、公式発表を定期的に確認するのが確実です。重要なのは、現在(2026年5月時点)で受付中であること!今まさに妊娠中の方は今すぐ担当医に相談してみてください。
- 対象期間(令和6年7月1日〜令和9年3月31日)外の宿泊は支援対象外
- 14日を超えた宿泊分は実費(上限30,000円/日)が自己負担
- 宿泊日数は必ず担当医師と事前に相談して決めること
石川県の支援とは別に、市町の支援もあるって聞いたんですが?
そうなんです!石川県のこの事業とは別に、お住まいの市町が独自に交通費の助成や、ホテル等一般宿泊施設での事前宿泊費の助成をやっているケースがあります。2026年4月1日時点では、輪島市・志賀町・穴水町・白山市・加賀市などが実施しています。
県の支援と市町の支援を両方もらえる可能性があるんですか!
市町によっては組み合わせて利用できます!ただし市町ごとにルールが違うので、必ずお住まいの市町の母子保健担当課に確認してください。「石川県の宿泊支援は使えるけど交通費も助成してほしい」という相談が一番多いパターンです。
| 市町 | 追加支援の有無(2026年4月時点) |
|---|
| 輪島市 | 交通費助成あり(公式サイト確認要) |
| 志賀町 | あり(詳細は町に問い合わせ) |
| 穴水町 | あり(詳細は町に問い合わせ) |
| 白山市 | あり(詳細は市に問い合わせ) |
| 加賀市 | あり(詳細は市に問い合わせ) |
珠洲市や能登町については、2026年4月時点の公式情報では記載がありませんでした。市町の担当窓口に直接確認することをおすすめします。特に被災地域は支援制度がめまぐるしく変わっているので、一番新しい情報は役場に聞くのが確実です!
最後に「自分は対象になるか」って悩んでいる人向けによくある疑問をまとめてもらえますか?
まず「珠洲市に実家があって、東京から里帰りしてきた」という人は対象ですか?
対象になります!里帰り妊婦も対象です。「分娩の時点で奥能登2市2町に里帰りをする妊婦」という要件を満たしていれば、普段の住民票が東京にあっても大丈夫です。
「能登町に住んでいて、輪島市の産婦人科で産む」という場合は?
残念ながら対象外です。この事業の対象施設は七尾市内の2施設(公立能登総合病院・恵寿総合病院)のみです。奥能登内や他の市の病院は対象外となります。
宿泊開始前に申請書を提出することが必要です。逆算すると、妊娠後期(28週〜36週あたり)に担当医との面談で相談を始めるのが理想的です。「今後の分娩計画について」という話を外来でするときに、一緒に聞いてみてください!
申請書の様式が2種類(様式1と様式1-2)あるって話でしたが、どう違うんですか?
施設によって使う様式が異なる場合があります。担当医か施設の窓口に「どちらを使えばいいですか?」と確認してもらうのが確実です。
石川県が妊婦さんに対してATMでの手続きを求めることは絶対にありません。
「給付金が受け取れる」と称して個人の口座番号や暗証番号を電話やメールで聞くことも一切ありません。
不審な連絡があった場合は、石川県地域医療政策課(076-225-1468)に直接お問い合わせください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 石川県妊婦分娩事前宿泊支援事業 |
| 対象者 | 奥能登2市2町(珠洲市・輪島市・能登町・穴水町)に住所があるか里帰りをする妊婦 |
| 対象施設 | 公立能登総合病院・恵寿総合病院(七尾市) |
| 自己負担額 | 1日2,000円(上限14日) |
| 申請窓口 | 公立能登総合病院または恵寿総合病院 |
| 必要書類 | 妊婦分娩事前宿泊支援事業 利用申請書(様式1 or 様式1-2) |
| 事業対象期間 | 令和6年7月1日〜令和9年3月31日 |
| 問い合わせ | 石川県健康福祉部地域医療政策課 |
- 担当課: 石川県健康福祉部地域医療政策課
- 住所: 石川県金沢市鞍月1丁目1番地
- 電話: 076-225-1468
- FAX: 076-225-1434
- 公式ページ: 石川県妊婦分娩事前宿泊支援事業
石川県や奥能登の妊婦さんが活用できる他の給付金もありますか?
いくつかあります!特に「珠洲市出産・子育て応援給付金」は出産前後に5万円もらえる制度です。給付金は重複して受け取れるケースも多いので、ぜひ合わせて確認してみてください。