診療所開設届
この届出は、医師・歯科医師が診療所を開設した後、10日以内に管轄の保健所へ提出する届出です。免許証の写し、平面図、賃貸借契約書などを添えて、診療科目や構造設備、従事者の情報を届け出ます。医療法人が開設する場合や入院設備(病床)がある場合は、この届出の前に別途許可手続きが必要です。届出期限を過ぎると20万円以下の罰金の対象になるため、開業日を基準に早めの準備が必要です。
無料
開設後10日以内に届出。受理自体は届出書類が整っていれば比較的短期間。
保健所
診療所開設届とは
診療所を開設した臨床研修等修了医師または臨床研修等修了歯科医師は、開設後10日以内に管轄行政庁へ診療所開設届を提出する必要があります。実務上の窓口は保健所で、図面、免許証写し、職歴書、契約関係書類などを添えて届け出ます。
こんな事業者が取得する必要があります
医師・歯科医師が個人で開設する診療所、または医療法人等が開設許可取得後に開設した診療所の開設者
以下に当てはまる場合、この届出が必要です
管轄の保健所を確認し、事前相談した
所在地の管轄が都道府県か保健所設置市・特別区かを確認し、事前相談の予約をしましょう。
個人開設か法人開設か、病床の有無を整理した
開設主体と病床の有無で必要な手続きが変わります。最初に分岐を明確にしましょう。
資格関連の書類をそろえた
開設者・管理者・従事者全員の免許証写し、臨床研修等修了登録証、職歴書を準備しましょう。
図面と権原書類を最新の状態にした
建物平面図、敷地図、案内図、賃貸借契約書、登記事項証明書を実態に合わせて整理しましょう。
開設日から10日以内に提出する段取りを組んだ
提出期限をカレンダーに入れ、届出の控え受領や追加手続きの有無まで確認しましょう。
申請の流れ
診療所開設届の申請から取得までの流れです。標準処理期間は開設後10日以内に届出。受理自体は届出書類が整っていれば比較的短期間。です。
管轄保健所へ事前相談
新規開設、法人開設、構造設備変更、病床設置、エックス線診療室の有無を整理し、保健所へ事前に相談します。自治体によって予約来所を求められます。
図面・資格証・権原書類を準備
届出書、免許証写し、臨床研修等修了登録証写し、職歴書、土地建物関係書類、各種図面をそろえます。法人開設や有床診療所は別途許可申請も確認します。
診療所を開設
医療法第8条の届出は開設後の届出です。個人開設の無床診療所は開設後に届出し、法人等は原則として事前の診療所開設許可取得後に実際の開設へ進みます。
開設後10日以内に届出提出
開設日を起算点として10日以内に、管轄保健所へ診療所開設届と添付書類を提出します。自治体によって正副2部提出や原本確認があります。
追加手続と保管対応
病床を設ける場合は使用許可、放射線設備がある場合は別の届出が必要です。受理後も変更届、休止・廃止届、広告規制対応まで見据えて書類を保管します。
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
診療所開設届
様式名・部数は自治体ごとに異なる。東京都多摩小平保健所では正副2部案内。
開設日、診療科目、開設者・管理者、従業者、構造設備などの届出事項を申告するため。
管轄保健所窓口または自治体公式サイトの様式案内ページ
開設者・管理者の医師免許証等の写し
医師・歯科医師免許証の写しに加え、該当者は臨床研修等修了登録証の写しを添付。原本確認を求める自治体あり。
開設者・管理者が法令上の資格要件を満たすことを確認するため。
申請者保有の免許証・登録証
管理者の職歴書
職歴末尾に当該診療所を開設した旨や管理者就任を記載する案内例あり。
管理者の経歴を確認し、届出内容との整合を取るため。
自治体参考様式または任意様式
診療従事医師等の免許証写し
診療に従事する医師・歯科医師・助産師等の資格確認資料。
届出対象施設の人員配置と資格の裏付けを示すため。
各従事者が保有する免許証・登録証
土地・建物の権原確認書類
土地・建物の登記事項証明書、賃貸借契約書写し、転貸承諾書等を求める自治体がある。
開設場所の権原と使用関係を確認するため。
法務局、賃貸人との契約書、建物所有者の承諾書
敷地平面図・敷地周囲見取図・案内図
道路との位置関係や最寄駅からの経路が分かる図面を求める案内がある。
施設の位置、敷地範囲、周辺状況を確認するため。
自社作成図面、住宅地図、設計図書
建物平面図
各室の用途・面積を示し、病室や歯科技工室がある場合は該当箇所を明示する。
構造設備が法令・自治体基準を満たすか確認するため。
設計事務所作成図面または開設者作成図面
エックス線診療室防護図
エックス線診療室を備える場合のみ。壁や鉛の厚さを記載した平面図・立面図を求める案内がある。
放射線防護設備の確認と別途届出の前提資料とするため。
設計事務所、設備業者、放射線管理資料
費用・手数料
申請手数料(公式)
無料
診療所開設届自体の手数料は通常不要です。ただし、医療法人等の開設許可申請や有床診療所の使用許可申請では別途手数料がかかることがあります。
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 無料〜数千円程度(届出手数料は無料。証明書取得や図面出力は実費) | 5万〜15万円程度(行政書士等への依頼費+実費) |
| 期間 | 書類がそろっていれば半日〜2日程度 | 1〜2週間程度 |
行政書士に依頼するメリット
法人開設や有床診療所、エックス線設備ありなど手続きの分岐が多い場合に、手続き漏れや図面不備を減らせます。
おすすめ
無床の個人開設で書類が整理できるなら自力対応も可能です。法人開設、病床あり、放射線設備あり、賃貸条件が複雑な場合は専門家への依頼が効果的です。
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
開業準備に追われて、開設日から10日を過ぎてから届出した
結果: 届出期限の超過は、医療法第89条第1号で20万円以下の罰金の対象になります。
対策: 診療開始日を確定し、開設日から逆算して届出の提出予定日を先にカレンダーに入れましょう。
管理者の免許証だけ出して、開設者や他の従事者の資格書類を忘れた
結果: 資格確認ができず、書類の補正や再提出を求められます。
対策: 開設者、管理者、診療従事医師等を分けて一覧にし、保健所の案内と照合しましょう。
平面図に部屋の用途や面積を書かずに提出した
結果: 構造設備の確認ができず、図面の差し替えが必要になります。
対策: 各室の用途と面積を明記し、エックス線室がある場合は防護仕様も記載しましょう。
賃貸物件なのに賃貸借契約書や転貸承諾書を付けなかった
結果: 開設場所の権原確認ができず、届出の受理が止まります。
対策: 賃貸の場合は契約書、転貸の場合は承諾書が必要か早めに確認しましょう。
医療法人で開設するのに、開設届だけで済むと思って進めてしまった
結果: 必要な開設許可や使用許可が抜け落ち、開業が大幅に遅れます。
対策: 開設主体と病床の有無を初回相談で伝え、事前の許可手続きが必要か確認しましょう。
無許可営業の罰則
医療法第89条第1号により、第8条の届出義務に違反した者は20万円以下の罰金の対象です。法人等の業務として違反した場合は同法第90条の両罰規定が適用されます。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Q開設前に届出を出せますか?
いいえ、出せません。診療所開設届は開設後10日以内に提出する届出です。開設前の段階では、必要に応じて保健所への事前相談や開設許可の申請を進めてください。
Q医療法人が開設する場合もこの届出だけで足りますか?
いいえ、足りません。医療法人が開設する場合は、先に医療法第7条の開設許可が必要です。その後、実際に開設してから開設届を提出します。
Q入院設備がある場合も同じ手続きですか?
一部異なります。病床がある診療所は、工事完了後に使用許可を受けるまでベッド部分を使えません。開設届とは別の審査工程が加わります。
Q届出書は1部だけ出せばいいですか?
自治体によります。正副2部を求める保健所が多いため、事前に管轄の保健所に確認してください。
Q開設後に診療時間やスタッフが変わったらどうすればいいですか?
変更内容に応じて変更届や変更許可が必要です。管理者、従事者、構造設備などの変更は、保健所に相談して対応しましょう。
基本情報
関連法令
根拠法は医療法第8条で、臨床研修等修了医師・歯科医師が診療所を開設した際の届出義務を定めています。届出事項の詳細は医療法施行規則第4条で規定されています。医療法人が開設する場合は医療法第7条の許可が前提になり、有床診療所は第27条の使用許可も関係します。届出義務違反には医療法第89条第1号で20万円以下の罰金、法人等には第90条の両罰規定が適用されます。
最終更新: 2026年3月20日
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