工場設置認可
この届出は、一定規模以上の工場を新設・増設するときに必要な手続きです。正式名称は「特定工場新設等の届出」で、工場立地法に基づきます。敷地面積9,000平方メートル以上、または建築面積3,000平方メートル以上の製造業等の工場が対象です。届出後は原則90日間は工事に着手できないため、工期管理が非常に重要になります。審査の中心は、緑地率(20%以上)や環境施設率(25%以上)などの配置基準です。建築確認や開発許可とは別の手続きなので、設計の初期段階から並行して準備を進めましょう。
無料
事前準備2〜4週間+受理後90日が原則(短縮申請が認められる場合あり)
市町村長
工場設置認可とは
本サイトでいう工場設置認可は、実務上は工場立地法に基づく特定工場新設等の届出です。製造業等の一定規模以上の工場を新設・増設・用途変更する前に、緑地や環境施設の基準を満たした計画を管轄自治体へ届け出る必要があります。届出受理後90日が原則の実施制限期間で、短縮申請が認められる場合を除き着工できません。
こんな事業者が取得する必要があります
製造業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の事業者のうち、敷地面積9,000平方メートル以上又は建築面積3,000平方メートル以上の特定工場を新設・増設・用途変更する者。水力・地熱・太陽光発電所など政令で除外される業種は除きます。
以下に当てはまる場合、この届出が必要です
対象業種に該当するか確認した
製造業、電気・ガス・熱供給業のいずれかに該当し、政令で除外される業種でないことを確認しました。
面積基準を超えるか確認した
敷地面積9,000平方メートル以上、または建築面積3,000平方メートル以上に該当するか計算しました。
緑地率と環境施設率を確保できる
緑地20%以上、環境施設25%以上を図面上で確認し、周辺部の配置も検討しました。
90日の待機を工程に組み込んだ
短縮申請を出す場合でも、認められない前提のスケジュールを組んでいます。
管轄の市町村に事前相談した
地域準則・提出部数・追加資料・担当窓口を確認してから本提出に進みます。
申請の流れ
工場設置認可の申請から取得までの流れです。標準処理期間は事前準備2〜4週間+受理後90日が原則(短縮申請が認められる場合あり)です。
対象判定と事前相談
敷地面積と建築面積で特定工場に該当するか確認し、管轄自治体に業種区分、地域準則、必要書類、提出部数を相談します。
図面と面積計算の整理
生産施設、緑地、環境施設の面積を算定し、緑地率20%以上、環境施設率25%以上、周辺部配置の考え方を満たす計画に整えます。
届出書の提出
特定工場新設届出書、面積計算書、配置図などを自治体へ提出します。急ぐ場合は実施制限期間短縮申請書も同時に出します。
自治体審査と補正対応
自治体が法第9条の勧告要否を確認します。不足資料や図面修正の指示があれば速やかに補正し、必要に応じて短縮判断を待ちます。
90日経過後に着工
受理日から90日経過後、又は短縮が認められた日以降に工事へ着手します。計画変更が出た場合は変更届出の要否を再確認します。
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
特定工場新設届出書
自治体サイトの様式を使用
届出者、工場所在地、製品、敷地面積、建築面積、工事開始予定日など法定事項を届け出ます。
管轄自治体の工場立地法案内ページや様式ダウンロードページ
生産施設・緑地・環境施設の面積計算書
別紙やチェックシート形式のことがあります
法定準則に適合しているかを確認するため、施設区分ごとの面積を整理します。
自治体配布様式を使用、又は自治体手引きを参照して自社作成
敷地利用計画図・配置図
敷地境界、建築物、緑地、環境施設、周辺部配置が分かる図面
面積率だけでなく配置基準を満たしているか審査してもらうために提出します。
設計図書を基に自社又は設計事務所で作成
求積図・建築面積算定資料
建築面積3,000㎡基準の判定資料
特定工場に該当するか、届出値が妥当かを示すための根拠資料です。
建築確認図面、測量図、CAD図面などから作成
実施制限期間短縮申請書
早期着工が必要な場合のみ
受理後90日を待たずに着工したいときに、期間短縮の判断を求めます。
自治体様式。新設届出書と併記様式になっている自治体もあります
費用・手数料
申請手数料(公式)
無料
金沢市や佐賀市の公式案内では手数料不要。図面作成、測量、外注費などの実費は別途必要です。
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 0円〜10万円程度(手数料無料。図面整理や測量の外注がなければ低コスト) | 10万〜30万円程度(行政書士等への依頼費。図面作成費は別) |
| 期間 | 書類準備に2〜4週間+法定待機90日 | 書類準備に1〜3週間+法定待機90日 |
行政書士に依頼するメリット
対象判定、面積計算の整理、自治体との事前調整、短縮申請の組み立てを任せられます。図面の差し替えや補正の手戻りも減らせます。
おすすめ
既存工場の増設や工業団地の特例利用など論点が多い案件は、専門家の活用がおすすめです。単純な新設で社内に設計・法務体制があれば自力対応も可能です。
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
建築確認の工程だけ見て、工場立地法の90日待機を工期に入れていなかった
結果: 着工予定日を後ろ倒しせざるを得ず、土地契約や設備搬入の計画まで連鎖的にずれます。
対策: 基本計画の段階で90日の待機期間を工程表に組み込みましょう。短縮申請の可否も早めに自治体へ確認してください。
生産施設と倉庫・付帯施設の区分があいまいなまま面積を計算していた
結果: 面積率の計算がずれ、届出後に図面差し替えや再計算を求められます。
対策: 生産工程に関わる部分を図面上で明確に区分し、設計担当と面積の根拠をそろえてから届出しましょう。
緑地率だけ見て、環境施設率や外周部の配置を確認していなかった
結果: 面積は足りていても配置基準で補正になり、レイアウトの修正が発生します。
対策: 緑地と緑地以外の環境施設を分けて整理し、外周部の配置が読み取れる図面を作成しましょう。
都道府県に届出するものだと思い込み、市町村の担当課に相談していなかった
結果: 提出先や様式を間違えて受付が遅れ、着工スケジュールに影響します。
対策: 現行法では原則として市町村長宛てです。必ず所在地の自治体サイトで担当窓口を確認しましょう。
新設後の増設や敷地変更でも届出が必要だと知らなかった
結果: 無届で工事を進めてしまい、罰則や行政指導の対象になるおそれがあります。
対策: 図面・面積表・届出履歴を社内で保管し、工事のたびに変更届出の要否を確認するルールをつくりましょう。
無許可営業の罰則
無届又は虚偽届出は工場立地法第16条により6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、受理後90日以内の着工は第17条により3月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金。氏名変更・承継届出の未届又は虚偽届出は第20条により10万円以下の過料です。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Qどの段階で届出が必要ですか?
工事に着手する前です。受理後90日の待機期間があるため、基本設計が固まった段階で早めに事前相談を始めるのが安全です。
Q届出に手数料はかかりますか?
手数料不要としている自治体が多いです。ただし図面作成、測量、面積計算の外注費は別途かかることがあります。
Q届出先は都道府県ですか?市町村ですか?
原則として市町村長宛てです。自治体のウェブサイトで担当課、提出部数、事前相談先を確認してください。
Q更新は必要ですか?
いいえ、有効期間の更新はありません。ただし増設・敷地変更・緑地の縮小などがある場合は変更届出が必要です。
Q90日を待たずに工事を始める方法はありますか?
はい。実施制限期間の短縮申請を併せて提出できます。ただし自治体が認めた場合に限られるため、認められない前提で工程を組んでおきましょう。
基本情報
関連法令
工場立地法(昭和34年法律第24号)が根拠です。第6条第1項が特定工場の新設届出、第8条が変更届出、第9条・第10条が勧告と変更命令、第11条が受理後90日の実施制限と短縮、第12条・第13条が氏名変更届出と承継届出、第16条〜第20条が罰則です。工場立地法施行令第1条で特定工場の規模要件、施行規則で届出様式の細目が定められています。「工場立地に関する準則」で緑地面積率20%以上、環境施設面積率25%以上、周辺部配置の考え方が示されています。
最終更新: 2026年3月20日
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