許可都道府県により異なる

建設業許可(特定)

元請として下請代金5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)の下請契約を締結する場合に必要。資本金2,000万円以上等の厳格な財務要件あり。

手数料

知事許可: 9万円 / 大臣許可: 15万円(登録免許税)

処理期間

知事許可:約30日、大臣許可:約120日

有効期間

5年

管轄

都道府県知事 / 国土交通大臣

建設業許可(特定)とは

元請として下請代金5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の下請契約を締結して施工する場合に必要。一般建設業許可より厳しい財産的基礎(資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上)と専任技術者(1級国家資格者等)の要件が課される。令和7年2月1日の施行令改正で金額基準が引き上げられた。

こんな事業者が取得する必要があります

元請として大規模な下請契約を行う建設業者

以下に当てはまる場合、この許可が必要です

元請として下請発注額5,000万円以上の工事がある

建築一式以外で下請代金総額5,000万円以上、建築一式で8,000万円以上の元請工事を行う場合に必要です(2025年2月改正後基準)。

資本金が2,000万円以上ある

登記簿上の資本金が2,000万円以上であることが必要です。不足する場合は増資手続きを行い、申請前に登記を完了させてください。

直近決算で純資産4,000万円以上ある

貸借対照表の純資産合計が4,000万円以上であることが必要です。新設法人は資本金4,000万円以上で代替できます。

流動比率が75%以上ある

流動資産÷流動負債が75%以上であることが必要です。短期借入金が多い場合は長期借入への借り換え等を検討してください。

1級の国家資格保有者を専任技術者に配置できる

1級施工管理技士、1級建築士、技術士等の資格保有者を営業所に常勤配置できるか確認してください。2級資格や実務経験のみでは不可です。

下請保護義務を遵守する体制がある

下請代金の50日以内支払い、施工体制台帳の作成・備置など、特定建設業者に課される義務を履行できる管理体制を整備してください。

申請の流れ

建設業許可(特定)の申請から取得までの流れです。標準処理期間は知事許可:約30日、大臣許可:約120日です。

1

要件確認

特定建設業の厳格な要件(資本金2,000万円以上、自己資本4,000万円以上、1級資格者等)を確認

2

書類準備

申請書類一式を作成・収集

3

申請

都道府県庁または地方整備局に申請

4

審査

書類審査(一般建設業許可と同様の期間)

5

許可通知

許可通知書の受領

公式サイトで詳細を確認する

必要書類

申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。

  • 建設業許可申請書(様式第1号)

    特定建設業の区分で記載

  • 工事経歴書
  • 財務諸表

    資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損比率20%以下・流動比率75%以上の確認

  • 専任技術者証明書

    1級国家資格者、または元請として4,500万円以上の工事の指導監督的実務経験2年以上

  • 経営業務の管理責任者証明書
  • 誓約書
  • 健康保険等の加入状況
  • 登記事項証明書

    法人の場合

  • 納税証明書
  • 身分証明書・登記されていないことの証明書

    役員全員分

費用・手数料

申請手数料(公式)

知事許可: 9万円 / 大臣許可: 15万円(登録免許税)

一般建設業許可と同額。般特新規(一般→特定への切替)は知事5万円・大臣5万円

自分で申請 vs 行政書士に依頼

自分で申請行政書士に依頼
費用申請手数料9万円(知事許可)+証明書取得費用で約10万円行政書士報酬15万〜25万円+申請手数料9万円で合計約25〜35万円。財務要件の事前確認が重要なため一般より高め
期間書類準備に1〜2ヶ月+審査約30日(知事許可)1〜2ヶ月で申請可能

行政書士に依頼するメリット

財産的基礎の4要件(資本金・自己資本・欠損比率・流動比率)の事前確認、専任技術者の要件が一般より厳しいため資格証明の確認、般特新規(一般→特定への切替)の手続き代行

おすすめ

特定建設業は財務要件が複雑で、更新時にも毎回要件を満たす必要がある。行政書士に依頼して要件充足を確実にするのが安全

よくある失敗と対策

申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。

1

決算期に財産要件を意識せず、純資産4,000万円を割り込む

結果: 更新時に特定建設業許可の要件を満たせず、一般建設業許可への格下げとなる。大型の元請工事が受注できなくなり、事業に大きな影響。

対策: 毎期の決算前に税理士・行政書士と連携し、純資産・流動比率・欠損比率の3指標を確認する。必要に応じて決算期前に増資や借入金の整理を行う。

2

2級資格者を専任技術者として申請してしまう

結果: 特定建設業許可では2級資格者は専任技術者として認められないため、申請が却下される。

対策: 特定建設業許可の専任技術者は1級国家資格者に限定される点を必ず確認。該当者がいない場合は取得計画を立てるか、有資格者の採用を検討する。

3

下請代金の支払期日(50日ルール)に違反する

結果: 建設業法違反で行政処分(指示処分・営業停止処分)の対象となる。悪質な場合は許可取消しの可能性もある。

対策: 下請の引渡し申出日を正確に記録し、50日以内に支払いが完了する社内ルールを整備する。資金繰りを計画的に管理する。

4

一般で済むのに特定を取得してしまう

結果: 不必要に厳しい財産要件や技術者要件に縛られ、更新時のリスクが増大する。管理コストも増える。

対策: 2025年2月の改正で基準額が引き上げられたため、自社の実際の下請発注額を過去3年分確認し、本当に特定が必要かを見極める。

無許可営業の罰則

無許可で特定建設業に該当する工事を行った場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)。法人は1億円以下の罰金(両罰規定)。特定建設業者には下請保護義務(下請代金の支払い期日遵守等)があり、違反すると営業停止処分の対象。

罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。

よくある質問

Q一般建設業許可から特定建設業許可への変更(般特新規)はできますか?
A

はい、可能です。「般特新規」と呼ばれる手続きで、既に一般建設業許可を持つ業種について特定建設業許可に切り替えることができます。申請手数料は新規と同じく知事許可9万円、大臣許可15万円です。財産要件と技術者要件を満たしていれば、一般許可の残存期間に関係なく申請できます。

Q下請としてしか工事をしない場合でも特定建設業許可は必要ですか?
A

いいえ、不要です。特定建設業許可は元請として下請に発注する場合の金額基準で判定されます。どれだけ高額な工事を下請として受注しても、一般建設業許可で問題ありません。自社が元請となり、下請への発注総額が5,000万円以上(建築一式8,000万円以上)になる場合にのみ特定が必要です。

Q特定建設業の財産要件は毎年チェックされますか?
A

はい。特定建設業許可の財産要件は、許可取得時だけでなく5年ごとの更新時にも審査されます。更新時に財産要件を満たせない場合は特定建設業許可の更新ができず、一般建設業許可に切り替える必要があります。毎年の決算で財産要件を意識した経営が求められます。

Q2025年の金額基準引上げで何が変わりますか?
A

2025年2月1日の改正で、特定建設業許可が必要となる下請代金の基準が、建築一式以外で4,500万円から5,000万円に、建築一式で7,000万円から8,000万円に引き上げられました。これにより、下請発注額がこの範囲内に収まる元請業者は一般建設業許可のみで対応可能になりました。自社に本当に特定が必要か再確認することをおすすめします。

Q監理技術者と主任技術者の違いは?
A

一般建設業許可では主任技術者(2級施工管理技士等)の配置で足りますが、特定建設業許可で元請として施工する場合は監理技術者(1級施工管理技士・1級建築士等)の配置が必要です。2025年の改正では、ICT活用等の条件下で専任義務の緩和も行われています。

Q特定建設業許可の取得にどれくらいの期間がかかりますか?
A

知事許可の標準処理期間は一般と同じく約30日です。ただし、財産要件の確認や1級資格者の確保に時間がかかるケースが多く、準備期間を含めると3〜6ヶ月程度を見込んでおくのが現実的です。特に資本金の増資が必要な場合は株主総会決議や登記変更の期間も加わります。

基本情報

根拠法建設業法第3条
対象元請として大規模な下請契約を行う建設業者
更新
有効期間: 5年

更新手数料: 5万円

更新時も特定建設業の財産的基礎要件(資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損比率20%以下・流動比率75%以上)を満たす必要がある

公式サイトを見る

関連法令

建設業法第3条・第15条が根拠。第15条で特定建設業の許可基準として「発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有すること」を規定。令和7年2月1日施行の建設業法施行令改正(令和6年政令第329号)により、特定建設業の下請代金基準が5,000万円(建築一式8,000万円)に引き上げ。

最終更新: 2026年3月12日

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