京都市企業立地促進制度 補助率比較表
室谷さん、「京都市企業立地促進制度補助金」って聞いたことありますか?固定資産税が最大1億円も補助されるって本当ですか!?
本当ですよ!正式名称は「本社・工場等新増設等支援制度」といって、京都市内に本社機能のある事業所・工場・開発拠点・研究所を新設・増設する企業を対象に、固定資産税・都市計画税相当額を最大1億円補助する制度です。
えっ、1億円!?それって固定資産税がまるごとタダになるってことですか?
中小企業者A(資本金1億円以下かつ従業員100人以下)の場合は、なんと固定資産税・都市計画税相当額の100〜150%が3年間交付されます。つまり税額分がそのまま返ってくるうえに、特定地域では上乗せもある。ほぼゼロコストで立地できる計算ですね!
150%補助ってどういうことですか?税額より多く受け取れるってことですか?
そうなんです。京都市が指定する特定エリアに立地する場合、通常の固定資産税・都市計画税相当額に上乗せして補助される仕組みになっています。正確な対象エリアと上乗せ率は、京都市産業観光局企業誘致推進室に確認するのが一番確実です。
すごい制度ですね!どんな業種が対象なんですか?誰でも使えるわけじゃないですよね?
対象業種は3つに絞られています。製造業・ソフトウェア業・情報処理サービス業の3業種です。つまり「モノをつくる企業」と「ITで価値を生み出す企業」が中心というイメージです。
対象業種はわかりました。具体的にはどんな要件を満たせばいいんですか?
大きく分けて4つの要件があります。まず業種(製造業・ソフトウェア業・情報処理サービス業)、次に設備投資額、それから雇用者数、そして事業内容の要件ですね。
| 要件 | 中小企業者 | 大企業 |
|---|
| 設備投資額 | 1,000万円以上 | 2,500万円以上 |
| 常時雇用者数 | 5名以上 | 5名以上 |
| 雇用増加 | 市内雇用者を1名以上増加 | 市内雇用者を1名以上増加 |
| 補助率 | 固定資産税等の100〜150% | 固定資産税等の50〜75% |
| 交付年数 | 2〜3年間 | 1年間 |
| 補助上限 | 最大1億円 | 最大1億円(雇用増加数に応じた上限あり) |
設備投資1,000万円か。それって中小企業にとってきつくないですか?
ポイントは「生産等設備取得額の合計」という点です。建物の建築・購入だけじゃなく、生産設備・機械装置・開発機器の取得額も合計できるので、実際には達成しやすいケースが多いですよ。工場を新設すれば設備投資が1,000万円を超えるのは珍しくないです。
あと「賃貸オフィスへの入居でも申請できる」って聞いたんですが、本当ですか?
建物の建築・購入だけでなく、賃借も補助対象事業に含まれています。ただし補助されるのは「固定資産税・都市計画税相当額」なので、賃料そのものが補助されるわけではありません。賃借の場合は建物所有者が納付する固定資産税等の扱いについて、事前に京都市に確認することが大切ですね。
なるほど。では申請できない条件というのもあるんですか?
はい、いくつか除外要件があります。主なものを挙げると、暴力団関係者・風俗営業者・必要な営業許認可を未取得の事業者・市町村税を滞納している事業者は対象外です。通常の事業者なら問題ないと思いますが、滞納がある場合は解消してから申請しましょう。
補助の種類が複数あるって聞きましたが、どう違うんですか?
この制度は3本柱になっています。メインの「固定資産税・都市計画税補助」に加えて、「雇用創出補助」と「埋蔵文化財発掘調査費補助」があります。京都ならではの独自制度が揃っていて面白いんですよ。
対象事業所の常時雇用者・役員のうち、新たに市内に居住された人数 × 10万円 × 1年分が補助されます。さらに製造業・ICT・スポーツ・環境エネルギー・ヘルスケア等の京都市産業政策に特に寄与する分野の企業、または京町家に入居する企業は補助金額が2倍になります。上限は2,500万円です。
2倍!?それはすごいですね。京町家のオフィスって粋ですし!
そうなんです(笑)。京都らしいユニークな制度ですよね。そして3つ目の埋蔵文化財発掘調査費補助が、京都進出を検討するうえで特に重要です。
埋蔵文化財って、工事中に土器とか出てくるやつですか?
まさにそれです!京都市内は埋蔵文化財の包蔵地が非常に広範囲に分布していて、建設予定地が該当すると文化財保護法に基づく発掘調査が必要になります。この調査費用、ざっくり数千万円かかることもあるんですよ。
そこを京都市がカバーしてくれるのがこの補助です。発掘調査費用の50%・上限2,500万円が補助されます。京都進出の最大のリスク要因だった埋蔵文化財問題を行政がカバーしてくれるわけです。これは京都固有の非常に手厚い支援ですね。
| 補助種類 | 補助内容 | 上限額 |
|---|
| 固定資産税・都市計画税補助 | 税相当額の50〜150%(企業区分による) | 最大1億円 |
| 雇用創出補助 | 新規市内居住者 × 10万円(産業貢献・京町家は2倍) | 最大2,500万円 |
| 埋蔵文化財発掘調査費補助 | 調査経費の50% | 最大2,500万円 |
3つ合わせると理論上、1億2,500万円超の支援を受けられる可能性があるんですね!
全部を最大限活用すれば確かにそうなります。とはいえ現実的には、補助額は設備投資規模・雇用計画・建設地によって大きく変わります。まずは京都市の企業誘致推進室に相談して、自社の場合の概算を聞いてみることをおすすめします。
京都市企業立地促進制度 申請フロー
では実際の申請の流れを教えてください。どこから始めればいいんですか?
最初のステップが一番重要で、着工予定日の90日前までに京都市に事前連絡することです。これを忘れると補助が受けられなくなるので絶対に守ってください!
1事前相談(着工90日前まで)京都市産業観光局企業誘致推進室に連絡し、申請の意思を伝える。自社の適格性・対象エリア・特定地域該当有無を確認する
2補助対象事業指定申請(着工30日前まで)指定申請書・事業所設置事業計画・審議資料を京都市に提出。審査を経て補助対象事業の指定を受ける
3事業実施(工事・設備導入・採用)指定を受けた後、計画に基づいて建設・設備導入・人材採用を実施する
4実績報告実際の設備投資額・雇用者数・市内常時雇用者増加数を報告書にまとめて提出する
5補助金交付審査完了後、固定資産税・都市計画税相当額の補助金が年次で交付される(中小A 3年間、中小B 2年間、大企業 1年間)
着工30日前って結構ギリギリですね。書類の準備は何が要りますか?
主な書類は事業計画書・設備投資計画・雇用計画・登記事項証明書・直近の決算書・市町村税の納税証明書などです。特に事業計画書は「どのように京都市の産業振興に貢献するか」という観点で書くと審査官の印象がよくなりますよ。
この制度はJグランツからの申請受付を行っていないため、GビズIDは不要です。直接京都市の担当窓口に申請書類を提出する形になります。申請様式は京都市の
公式ページからダウンロードできますよ。
採択されるためにはどんな点を意識すればいいですか?
ポイントは5つあります。まず設備投資計画の最適化、次に雇用計画との連動、それから特定地域への立地検討、埋蔵文化財リスクの事前確認、そして長期的な税負担軽減の試算です。
- 設備投資の最適化: 「生産等設備取得額」の範囲を正確に把握し、中小企業1,000万円・大企業2,500万円の下限を確実に超える計画を立てる
- 雇用計画の先行着手: 京都は大学が多く優秀な人材が豊富だが、採用には時間がかかる。立地計画と並行して採用活動を開始する
- 特定地域の確認: 立地候補地が京都市指定の特定地域に該当するか事前確認。該当すれば補助率が上乗せされ有利
- 埋蔵文化財の事前調査: 建設予定地が包蔵地に該当するか、京都市文化財保護課への照会で確認する
- 長期試算の実施: 補助が複数年継続するため、投資回収計画に補助期間全体での軽減効果を織り込む
特定地域ってどこのことですか?具体的に教えてもらえますか?
具体的なエリアは京都市が制度要綱で定めていますが、詳細は年度ごとに更新される場合があるため、最新の要綱PDF(令和8年度版)を京都市のHPで確認するか、直接担当窓口に問い合わせるのが確実です。
すごく手厚い制度ですね。既に京都市内に事業所がある企業でも使えますか?
はい!既存の京都市内企業でも、新たに本社機能・工場・開発拠点・研究所を新増設する場合は対象になります。ただし市内の常時雇用者の総数が申請時から増加する必要があります。既存拠点の移転だけでは原則対象外です。
この制度の補助は「固定資産税・都市計画税相当額の補助」という形なので、直接的に経費を補助するのではなく、新増設した建物・設備にかかる税金分を補助する仕組みです。
| 補助対象 | 対象外 |
|---|
| 新増設した建物の固定資産税相当額 | 土地取得にかかる固定資産税・都市計画税 |
| 新増設した建物の都市計画税相当額 | 消費税等 |
| 生産等設備にかかる固定資産税相当額 | 事業所の賃借料そのもの |
| 埋蔵文化財発掘調査費(50%補助) | 従業員採用経費 |
| 雇用創出補助(新規市内居住者分) | 引越し・移転費用 |
| — | 設計費・建築確認申請費用 |
土地の税金は対象外なんですね。建物と設備だけということか。
そうです。なので建物・設備への投資が大きいほど補助額も大きくなるという設計です。土地を購入して工場を建てる場合、土地代の税金は出ませんが、建物部分と設備の税金分は全額(中小A)戻ってくると考えると、実質的に建物・設備の固定資産税負担がゼロになるわけですね。
それは相当なメリットですね!補助金の受け取りはいつになるんですか?
固定資産税・都市計画税は毎年課税されますので、補助は実際に課税された後の精算払いになります。中小企業者Aなら3年間にわたって毎年補助金を受け取れるわけです。長期的な資金繰りの計画に組み込みやすいですね。
この補助金、他の制度と一緒に使えたりするんですか?
重層的な活用が可能です。まず製造業であれば
ものづくり補助金との併用が有力です。設備導入費の一部をものづくり補助金でカバーしつつ、固定資産税部分を本制度で補助してもらうイメージですね。
ものづくり補助金は最大1,000万円ですよね。それと1億円の本制度を組み合わせるとかなり強力ですね!
情報処理サービス業やソフトウェア業なら
IT導入補助金との組み合わせも検討できます。ITシステム・ソフトウェアの導入費用をIT導入補助金でカバーし、開発拠点の固定資産税を本制度で補助するという戦略です。
東京23区から本社機能を移転する場合は、国の「地方拠点強化税制」も活用できる可能性があります。移転に対する法人税の優遇措置と本制度を組み合わせれば、税負担を大幅に圧縮できますよ。
- 製造業: 本制度(固定資産税補助・最大1億円)+ものづくり補助金(設備費補助・最大1,000万円)
- IT業: 本制度(固定資産税補助)+IT導入補助金(ソフト・システム導入費)
- 東京から移転: 本制度+地方拠点強化税制(法人税優遇)+地域雇用開発助成金(新規雇用助成)
- 特定産業(ICT/ヘルスケア等): 本制度の雇用創出補助が2倍になるため、採用計画を充実させる
なるほど!京都市・府・国の三層で重ねていくわけですね。ではここで基本情報をまとめてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 京都市企業立地促進制度補助金 本社・工場等新増設等支援制度 |
| 実施機関 | 京都市産業観光局企業誘致推進室 |
| 対象業種 | 製造業・ソフトウェア業・情報処理サービス業 |
| 対象地域 | 京都市内 |
| 補助上限 | 最大1億円(固定資産税等補助)+最大2,500万円(雇用創出・埋蔵文化財) |
| 補助率(中小A) | 固定資産税等の100〜150%・3年間 |
| 補助率(中小B) | 固定資産税等の100〜150%・2年間 |
| 補助率(大企業) | 固定資産税等の50〜75%・1年間 |
| 公募期間 | 2025年3月31日〜2027年3月31日 |
| 申請方法 | 京都市への直接申請(Jグランツ不可) |
| 公式ページ | 京都市HP |
| jGrants掲載 | jGrants |
- 着工90日前までの事前相談が必須。これを怠ると補助が受けられない
- 着工30日前までに補助対象事業指定申請書を提出すること
- 市町村税(固定資産税等)の滞納がないか事前に確認
- 建設予定地の埋蔵文化財包蔵地該当有無を京都市文化財保護課で確認
- 賃借の場合は建物所有者の固定資産税扱いについて事前協議が必要
最後に読者からよく来そうな質問に答えてもらえますか?
もちろんです!まず「既に京都市内に事業所がある企業でも申請できますか?」という質問ですが、新たな新増設であれば対象になります。ただし市内常時雇用者の総数が申請時から増加することが条件です。
「賃貸オフィスでも使える」というのはどういう条件ですか?
補助の仕組みが「固定資産税の補助」なので、実際に固定資産税が課税される部分があることが前提です。賃借の場合は建物所有者が税を納付していますが、その取り扱いについては京都市と事前に協議する必要があります。ケースバイケースなので、まずは相談を。
「中小企業者」の定義はどうやって判定するんですか?
中小企業者Aは資本金1億円以下かつ常時使用する従業員100人以下の会社、中小企業者Bはその他の中小企業者、大企業はそれ以外という区分です。詳細は中小企業基本法に準じますが、判定が難しいケースは京都市に確認してください。
「京型グローバル・ニッチ・トップ企業育成補助金」というのも同じページにありましたが、何が違うんですか?
これは本制度とは別のもので、京都市が認定する優良中小企業(Aランク認定企業・オスカー認定企業など)を対象にした補助金です。条件が厳しい一方で建物の建築・購入のみが対象(賃借不可)という特徴があります。まず本社・工場等新増設等支援制度への申請を検討し、認定企業に該当する場合は両方を検討するのが現実的です。
申請書類を書くのが難しそうですが、サポートはありますか?
京都市産業観光局企業誘致推進室が無料で相談に応じています。京都商工会議所や中小企業診断士などの専門家に依頼するのも有効ですよ。
ありがとうございます!まとめると、製造業・IT企業で京都への進出・拡張を考えている企業にとっては、まず相談してみる価値が十分ありそうですね!
まさに!着工90日前の事前相談が全ての起点なので、立地検討を始めたら早めに京都市に連絡することをおすすめします。京都は大学・研究機関が集積していて優秀な人材が豊富ですし、この補助制度と合わせれば、立地コストを大幅に圧縮しながら事業拡大できる環境が整っていますよ。
京都でほかにもビジネスに使える補助金はあるんですか?
製造業の設備投資なら
ものづくり補助金も要チェックです。設備費の一部を最大1,000万円補助してもらえますよ。IT業やソフトウェア開発系なら
IT導入補助金で業務システム・ソフトウェアの導入コストを抑えられます。
大型の設備投資をするなら他にどんな補助金がありますか?
京都府の補助金一覧でまとめて見られますよ。制度によっては市・府・国の三層を重ねて活用できますので、ぜひ組み合わせを検討してみてください!