促進上乗せ措置 2種類の制度
室谷さん、事業再構築補助金の第13回公募で「促進上乗せ措置」っていうのが出てきたんですけど、これって通常の補助金とは別のものなんですか?
そうなんです! これ、ちょっと特殊な位置付けで、正確には第13回公募で採択された交付候補者の中で、特定の条件を満たした方だけが申請できる「追加支援」なんですよ。普通の補助金申請とは違って、採択が決まってから交付申請する段階で使う専用のページなんですね。
えっ、採択された後の話なんですか! てっきり最初の応募申請かと思ってました。
よく誤解されるポイントです! 順番で言うと「応募申請→採択決定→交付申請」という流れなんですが、この促進上乗せ措置は3番目の「交付申請」フェーズで手続きするものなんです。なので、まだ応募してない方はまず通常の事業再構築補助金に応募するところから始める必要があります。
なるほど、そういう仕組みなんですね。で、どんな企業が対象になるんですか?
対象は大きく2種類あって、「卒業促進上乗せ措置」と「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」です。名前が似てますが中身はかなり違います。
「卒業促進」と「中長期大規模賃金引上促進」、両方ともなんか難しそうな名前ですね(笑)。それぞれ簡単に言うとどういうことですか?
まず「卒業促進上乗せ措置」から。これは一言で言うと中小企業が中堅企業へと「卒業」するための支援なんです。日本の中小企業って、わざと中小企業の枠内に留まろうとするケースがあるんですよ。税制優遇とか補助金の恩恵を受け続けたいから。でもそれだと経済の成長にならない、ということで、「よし! 中堅企業になるぞ」って頑張る企業を後押しする制度です。
ほんとに? わざと小さいままでいようとする企業があるんですか!
あります、あります!(笑)実際に「2,000万円の売上を超えると税率が変わるから超えないようにしよう」みたいな経営判断をしてる企業は珍しくないんです。で、「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」の方は、読んで字のごとく従業員の給料を大幅に・長期にわたって引き上げる計画を持つ企業への追加支援なんですよ。
なるほど! 成長する気があるなら背中を押すよ、という制度なんですね。
| 種別 | 対象となる企業 | 求められること |
|---|
| 卒業促進上乗せ措置 | 中小企業 → 中堅企業への成長を目指す企業 | 事業再構築を通じて中堅企業への規模拡大を実現 |
| 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 | 大規模な賃金引上げ計画を持つ企業 | 中長期にわたる大幅な賃金引上げ計画と財源確保 |
そうです! 国としては「補助金を呼び水にして、日本経済全体をレベルアップしたい」という狙いがあるんですよね。だから単なるバラマキじゃなくて、しっかりとした成果目標が伴う制度になっています。
気になるのはやっぱりお金の話ですよね。具体的にいくらもらえるんですか?
この促進上乗せ措置の補助上限額は最大1億5,000万円という大きな数字です! ただ、これは「上乗せ分」の上限なので、通常の補助金に加えてさらにこれだけの支援が受けられる、ということなんですよ。
えっ、ざっくり1.5億円分追加でもらえるってこと!?
そう考えていただいて大丈夫です。ただ補助率については公募要領を必ず確認していただく必要があります。枠や事業規模によって変わるので、一概に「何割」とは言えないんですが、通常の事業再構築補助金の補助率(中小企業の場合は原則3分の2程度)をベースに加算される仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 最大1億5,000万円(上乗せ分) |
| 補助率 | 公募要領に従う(枠・規模による) |
| 申請期限(卒業促進・コロナ回復加速化枠等) | 2026年6月30日まで |
| 申請期限(GX進出類型) | 2026年8月30日まで |
| 申請期限(卒業促進・中長期賃金引上促進) | 事業計画期間終了の6か月前まで |
| 電子申請 | jGrantsを使用(GビズIDプライム必須) |
| 実施機関 | 中小企業庁 事業再構築補助金事務局 |
| 公式サイト | https://jigyou-saikouchiku.go.jp/ |
申請期限がいくつかあるんですね。どれが自分に当てはまるのかよくわからない…。
それがこの制度の難しいところで、採択された事業類型によって締切が違うんです。自分がどの枠で採択されたか確認してから、対応する締切を確認するのが正解です。迷ったら事務局に問い合わせるのが一番確実ですよ。
じゃあ、誰でも申請できるわけじゃないんですよね? 具体的にどんな企業が対象になるんですか?
基本条件はまずこれです。事業再構築補助金の第13回公募で採択された補助金交付候補者であること。これが前提中の前提です。他の回で採択された方はこのページの対象外なので、ご注意ください。
第13回限定なんですね! 第12回とかで採択された方は?
わかりました。第13回の採択者という前提として、さらに「卒業促進」か「中長期賃金引上促進」の対象になる必要があるわけですよね?
そうです。卒業促進の場合は中小企業から中堅企業への成長(卒業)を目指す事業者、中長期大規模賃金引上促進の場合は大規模な賃金引上げ計画を持つ事業者が対象です。
卒業促進上乗せ措置の対象
- 第13回公募で採択された補助金交付候補者
- 卒業促進上乗せ措置の対象として採択されている
- GビズIDプライムアカウントを保有している
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置の対象
- 第13回公募で採択された補助金交付候補者
- 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置の対象として採択されている
- GビズIDプライムアカウントを保有している
GビズIDプライムアカウントは、法人や個人事業主がオンラインで行政手続きを行うための認証システムです。jGrantsで電子申請するために必須なんですよ。暫定アカウントは2023年3月31日に利用終了しているので、お使いの方は正式なプライムアカウントを取得し直してください。
幅広い業種が対象です。製造業、建設業、情報通信業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉など、ほぼ全業種の中小企業が対象になります。ただし第13回公募ではサプライチェーン強靱化枠は対象外でした。この点は事業内容とともに必ず確認してください。
補助金で使えるお金って、何にでも使えるわけじゃないですよね? どんな経費が対象になるんですか?
対象経費はかなり広範囲で、事業再構築に直接必要な経費全般が対象です。建物費・機械装置費・システム構築費など、新しい事業を立ち上げるための主要な投資はほとんどカバーされています。
| 対象経費カテゴリ | 具体例 |
|---|
| 建物費 | 建築・改修費、建物撤去費、賃貸物件の原状回復費 |
| 機械装置・システム構築費 | 設備・機械の購入費、システム開発費、ソフトウェア導入費 |
| 技術導入費 | 知的財産権の導入費、技術移転費用 |
| 専門家経費 | コンサルタント費用、技術指導費用 |
| 運搬費 | 設備の運搬・搬入費用 |
| クラウドサービス利用費 | クラウド利用料、サブスクリプション費用 |
| 外注費 | 加工・設計等の外注費用 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 広告制作費、展示会出展費 |
使えない経費もしっかり覚えておく必要があります。人件費は対象外というのが最大のポイントです。「補助金で社員の給料を払いたい」というご要望をよく聞くんですが、これはNGです。
これらは補助対象になりません
- 人件費(社員・アルバイトの給与)
- 土地の取得費用
- 汎用性のある備品(PC・タブレット等の購入費)
- 自動車等の車両購入費
- 補助事業に関係のない経費
- 消費税等の公租公課
- 不動産の取得費用
そうなんです。「汎用性がある」というのがポイントで、専用システムの開発費はOKですが、普通のパソコンは「他の用途にも使えるから」という理由でNGになります。経費の線引きは案外細かいので、事前に専門家に確認することをおすすめします。
事業再構築補助金 交付申請の流れ
具体的にどうやって申請するのか教えてください! 手続きって複雑なんですか?
採択後の交付申請なので、応募申請よりも具体的な準備が必要になります。基本的にはjGrantsというオンラインシステムを使った電子申請です。順を追って説明しますね。
結構な工数がかかりそうですね。申請期限はいつまでですか?
採択された事業類型によって異なります。成長分野進出枠(通常類型)やコロナ回復加速枠(最低賃金類型)で採択された方は2026年6月30日が交付申請の締切です。GX進出類型の方は2026年8月30日。そして卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置については事業計画期間終了の6か月前までという形になっています。
事業計画期間終了の6か月前って、どうやって計算するんですか?
自分の採択時の事業計画書を見ると、事業実施期間が記載されているはずです。その終了予定日から6か月を逆算して締切を計算してください。わからない場合は事務局に確認するのが確実ですよ。
交付申請で気をつけるべきことを教えてください! 応募段階では採択されたのに、交付申請でつまずく方もいるんですか?
いるんですよ、これが。採択=補助金確定ではなくて、採択後の交付申請で「この経費は補助対象外です」と判定されることがあります。なので気を抜けないんです。
ポイント1:事業計画の具体的な実行方法を示す
採択時に提出した事業計画の「具体的な実施方法」を示す必要があります。設備投資の仕様・導入スケジュール・収益計画などを数値で裏付け、実現可能性の高い計画を提示してください。
ポイント2:上乗せ措置の目標達成計画を明確に
卒業促進の場合は中堅企業への成長シナリオ、賃金引上促進の場合は具体的な賃金引上げ計画と財源を明確にします。上乗せ措置には成果目標が伴うため、達成に向けたロードマップが重要です。
ポイント3:適正な経費管理体制を構築する
補助金の不正受給には厳しい罰則(5年以下の懲役または100万円以下の罰金)があります。経費の使途を明確にし、適正な証憑書類の管理体制を構築してください。第三者によるチェック体制も有効です。
補助金の不正は本当に厳しく対処されます。不正内容の公表・交付決定取消・補助金が交付済みの場合は加算金を課した上での返還請求、さらに刑事罰まであります。「少しくらい…」は絶対NGです。
採択された事業類型によって交付申請の締切日が異なります。自分がどの枠で採択されたかを必ず確認し、対応する締切日を把握してください。期限を過ぎると交付申請の権利を失うことがあります。また、暫定GビズIDプライムアカウントは2023年3月31日に終了しているため、正式なGビズIDプライムアカウントが取得できているか事前に確認してください。
事業再構築補助金は申請書類が複雑なため、認定支援機関や中小企業診断士などの専門家のサポートを受けることで、書類の品質向上と手続きの円滑化が期待できます。ただし、専門家費用も補助対象経費に含まれる場合がありますので、計画段階から相談しておくと効率的です。
事業再構築補助金って、他の補助金と一緒に使えるんですか?
同一経費での国庫補助金との併用はできません。ただし対象経費が異なる場合は他の補助金との組み合わせが可能なケースもあります。例えば対象経費が異なるIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金との組み合わせは要件確認次第で可能です。
自治体独自の補助金や融資制度は国の補助金と併用できるケースが多くあります。事業再構築に伴う自己負担分を自治体制度で補完するという戦略も有効です。ただし詳細は事業再構築補助金事務局および各制度の事務局に事前確認してください。
| 比較項目 | 本補助金(促進上乗せ措置) | 関連する他の補助金 |
|---|
| 対象フェーズ | 事業再構築(第13回採択後の交付申請) | 各制度による |
| 補助上限 | 最大1億5,000万円(上乗せ分) | 制度による |
| 対象者 | 第13回採択者限定 | 広く中小企業等 |
| 申請システム | jGrants(電子申請) | 制度による |
他の回で採択された方向けのページも教えてもらえますか?
ここまで色々と教えてもらいましたが、最後に基本情報をまとめてもらえますか?
ありがとうございました! 第13回の採択者で、卒業促進か中長期賃金引上促進の対象になっている方は、早めに準備を始めた方がいいですね。
そうですね。交付申請の書類作成には時間がかかりますし、GビズIDの取得にも数日かかります。書類の不備があると修正を求められて期限ギリギリになる危険もあるので、余裕を持って動き始めるのが大切です。認定支援機関や中小企業診断士などの専門家をうまく活用しながら、確実に進めていってください!
事業再構築補助金の第13回公募で採択された補助金交付候補者のうち、卒業促進上乗せ措置または中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置の対象となった方が利用できます。他の応募回で採択された方は対象外ですのでご注意ください。
上乗せ分として最大1億5,000万円です。具体的な補助率や金額の詳細は公募要領をご確認ください。
暫定GビズIDプライムアカウントは2023年3月31日をもって利用終了となりました。暫定アカウントで申請された方は2023年4月14日以降に新たにGビズIDプライムアカウントを作成し、ログインし直してください。
Windows版のChrome・Firefox・Edge、macOS版のChrome・Firefox・Safari、Android版のChromeに対応しています。Internet ExplorerやEdgeのIEモードはエラーが生じるため使用しないでください。
ダブルクォーテーション・カンマ・タブの使用は避けてください。特にWebページからコピー&ペーストした際にタブ文字が混入することがありますのでご注意ください。
交付決定取消となり、補助金が交付済みの場合は加算金を課した上での返還が求められます。また不正内容の公表・5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。