今日は石川県の「新商品・新サービス開発支援事業助成金」を教えてください。旧制度の「いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド」の後継制度だと聞いたんですけど、どんな制度なんですか?
そうなんです!石川県の地域資源を使って新商品・新サービスを開発する事業者を、開発から販路開拓まで一貫してサポートする助成金です。公益財団法人石川県産業創出支援機構、通称ISICOが運営していて、令和8年度から旧チャレンジ支援ファンドの名前を変えてリニューアルしました。
石川県で生産・製造された農林水産物や鉱工業品、それと能登の伝統工芸技術や観光資源も含まれます。石川県が「地域産業資源」として指定したものが基準になっていて、加賀野菜、九谷焼、輪島塗、金沢箔、能登の海産物…石川県らしい素材がたくさん使えるんです。
なるほど!それで、どんな種類の助成金があるんですか?
これが面白いところで、
全部で8つのメニューが用意されています。ざっくりと分けると「地域資源活用型」と「社会課題解決型」の2軸で、さらに事業フェーズごとに細かく分かれているんです。
石川県 新商品・新サービス開発支援事業助成金 助成メニュー一覧
| メニュー | 事業区分 | 助成限度額 | 助成率 | 助成期間 |
|---|
| メニュー1 | 地域資源活用・新商品開発(中小企業) | 300万円 | 2/3以内 | 3年以内 |
| メニュー2 | 地域資源活用・新商品開発(小規模企業) | 150万円 | 3/4以内 | 3年以内 |
| メニュー3 | 事前調査(企業・組合単独) | 50万円 | 定額(10/10) | 1年以内 |
| メニュー4 | 事前調査(4者以上グループ) | 100万円 | 定額(10/10) | 1年以内 |
| メニュー5 | 海外販路拡大 | 500万円 | 2/3以内 | 3年以内 |
| メニュー6 | 大学・公設試等連携 | 1,000万円 | 2/3以内 | 3年以内 |
| メニュー7 | 社会課題解決(中小企業) | 300万円 | 2/3以内 | 3年以内 |
| メニュー8 | 社会課題解決(小規模企業) | 150万円 | 3/4以内 | 3年以内 |
メニュー6が最大1,000万円!これはすごいですね。でも「大学連携」って敷居が高そう…
たしかに大学との共同研究契約が必須なんですが、石川県には金沢大学・金沢工業大学・北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)・石川県立大学と、連携先候補が豊富にあります。さらにISICO自体が産学連携のマッチング支援もしているので、「どこに声をかければいいかわからない」という場合もまずISICOに相談すれば紹介してもらえます。
えっ、ISICOがマッチングまでしてくれるんですか!
そうなんです。助成金の交付だけじゃなくて、専門家派遣やビジネスマッチングなど、事業化に向けた総合支援が受けられる点がこの制度の大きな特徴の一つです。
従業員数5名以下の中小企業者・個人事業主が小規模企業者として扱われます。メニュー2とメニュー8が小規模企業向けで、助成率が2/3から3/4に上がるんですね。自己負担が25%で済む計算になるので、小さな会社にとってはかなり使いやすい設計です。
なるほど、次のセクションでは誰が申請できるか詳しく教えてもらえますか?
基本は石川県内に主たる事業所を有する中小企業者です。中小企業の規模要件はjGrantsでは従業員数300名以下と記載されていますが、製造業・建設業等では300人以下、卸売業では100人以下、サービス業では100人以下など、業種によって異なります。組合等の中小企業団体も対象です。
幅広い業種が対象で、農林水産業から製造業、情報通信業、卸小売業、飲食・宿泊業、医療・福祉まで対象です。石川県が持つ多様な地域資源を活かせる事業であれば、基本的に検討の余地があります。
石川県外に本社があるけど石川県に支店がある、という場合はどうなりますか?
これはよくある質問で、「主たる事業所」の定義がポイントになります。一般的には登記上の本店所在地か、主要な事業活動を行っている拠点が石川県内にある必要があります。県外本社で石川県支店のみという場合は、事前にISICOに直接相談して対象かどうか確認することをお勧めします。
- 所在地要件: 主たる事業所が石川県内にあることが必須
- GビズID: jGrantsで電子申請する場合は必須。取得に2〜3週間かかるため早めの準備が必要
- 過去の採択との関係: 過去に助成を受けた企業でも、新たな事業計画なら再申請可能
- 公募要領の確認: 各メニューで対象者・対象経費の詳細が異なるため必ず個別に確認
社会課題解決型のメニュー7・8は、地域資源を使わなくても申請できると聞きましたが?
正解です!社会課題解決型(メニュー7・8)は、地域資源の活用が要件ではありません。石川県が直面する少子高齢化、能登半島地震からの復興、人手不足といった社会課題を解決するような新商品・新サービスであれば、石川の地域資源を使っていなくても申請できます。
申請資格がわかりました。次は実際にどんな経費に使えるか教えてください。
新商品開発に直接必要な経費が対象です。主なカテゴリをまとめました。
| 経費カテゴリ | 具体例 |
|---|
| 原材料費 | 試作品製作用素材、農産物・伝統工芸素材等の調達費 |
| 機械装置・工具器具費 | 開発用機械・設備の購入費、開発用ソフトウェア |
| 外注加工費 | 試作品製作委託、デザイン・設計外注費 |
| 委託費 | 市場調査委託、技術分析・品質検査、知財調査 |
| 旅費・交通費 | 市場調査出張費、海外展示会渡航費(メニュー5) |
| 広告宣伝・販路開拓費 | 展示会出展費、パンフレット制作費、ECサイト構築費 |
| 専門家謝金 | 技術指導・アドバイザーへの謝金、大学研究者への共同研究費 |
- 土地・建物の取得費・賃借料: 不動産関係は一切対象外
- 人件費: 自社従業員の給与・賞与は使えない
- 一般管理費: 光熱水費・通信費などの間接コスト
- 飲食・接待費: いかなる名目でも不可
- 消費税: 助成対象経費に消費税は含まれない
- 汎用備品: パソコン・プリンター等の事務機器(新商品開発に特化しないもの)
- 助成事業と直接関係ない経費
多くの公的補助金で人件費は対象外なんです。ただ、大学・公設試等との連携費(共同研究費)はメニュー6で助成対象になるので、研究開発の専門的な部分を外部に委託するかたちで対応する事業者も多いです。
経費の使い方がわかりました。いよいよ申請の手順を教えてください!
大きく分けてオンラインと電子メールの2つの提出方法があります。jGrants(Jグランツ)経由のオンライン申請がメインですが、
事前にGビズIDを取得しておく必要があります。GビズIDの取得には2〜3週間かかるので、締切の1ヶ月前には手配を始めてください。
石川県 新商品・新サービス開発支援事業助成金 申請の流れ
電子メールでも申請できるんですね。GビズIDなしでも大丈夫ってことですか?
電子メール(
shigen@isico.or.jp)での申請であればGビズID不要です。ただ、今後の補助金申請でjGrantsを使う機会が増えているので、GビズIDはこの機会に取得しておくことをお勧めします。
審査のポイントを教えてもらえますか?採択されるコツみたいなものがあれば。
ISICOの審査で重要視されるのは大きく3点です。まず「なぜ石川の地域資源なのか」という必然性。次に「誰にどう売るのか」という販路の具体性。最後に「技術的・事業的に実現できるのか」という実現可能性です。
- 地域資源×自社技術の掛け合わせを数字で示す: 単に地元素材を使うだけでなく、自社の技術やノウハウとの組み合わせで生まれる独自価値を競合比較表で示す
- ターゲットを絞り込んだ販路戦略: 「良い商品を作れば売れる」はNG。ターゲット顧客、市場規模推計、価格設定根拠、販売チャネルを明記。事前のヒアリング結果があれば大きな加点
- 年度別マイルストーンで実現可能性を示す: 最長3年間を活かし「1年目 試作・テスト」「2年目 改良・テストマーケティング」「3年目 本格販売・販路拡大」という具体的工程表を作成
事前調査のメニュー3・4って、いつ使うといいんですか?
商品アイデアはあるけど「本当に売れるのか」「技術的に作れるのか」がまだ見えていない段階に使うのがベストです。定額助成(企業単独50万円・グループ100万円)なので調査費が全額まかなえます。事前調査の結果を踏まえてメニュー1や5に申請すると、「根拠のある事業計画」として審査でも有利に働きます。
社会課題解決型(メニュー7・8)の場合は何を強調すればいいんですか?
対象とする社会課題が石川県にとって切実であることと、ソリューションが課題を実質的に改善できることを定量的なデータで示すことが鍵です。能登半島地震の復興支援や高齢化への対応など、石川県が特に直面している課題に紐づけると強くなります。
大学連携メニューについても教えてください。1,000万円は大きいですよね。
ほんとに!ただし大学・公設試等との共同研究契約の締結が必須で、「大学・公設試等共同研究費」の計上も必須です。単に大学の先生にアドバイスをもらうだけではなく、正式な共同研究として契約を結ぶ必要があります。連携先探しはISICOに相談するのが最も効率的です。
なるほど。次は他の補助金との組み合わせについて聞かせてください。
ものづくり補助金や事業再構築補助金とは一緒に使えますか?
原則として、
同一事業への国の補助金との重複受給は認められません。ものづくり補助金(
経産省のものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)と同じ事業に同時に申請するのは基本NGです。ただし、事業内容が明確に区分できる場合や助成対象経費が異なる場合は併用が認められることもあるので、事前にISICOに確認してください。
石川県内の他の支援制度との組み合わせはどうですか?
ISICOが提供する専門家派遣制度やビジネスマッチング支援は、本助成金と並行して利用できます。また市町村独自の補助金については個別に確認が必要ですが、対象経費が重複しなければ組み合わせられるケースもあります。
メニューを段階的に使う方法もあると聞いたんですが?
これが賢い使い方で、制度設計上も想定されています。最初にメニュー3か4の事前調査で市場調査・技術調査を実施して(1年)、その結果を踏まえてメニュー1や5や6の本格開発に申請するというステップアップ活用ができます。審査でも「事前調査の結果がある」ということが説得力を持つので、両方を組み合わせると採択率が上がりやすいんです。
これだけ多彩なメニューがあると、全体像をまとめて確認したくなりますね。基本情報を一覧で整理してもらえますか?
もちろんです。申請前に確認しておきたい制度の基本スペックをまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 新商品・新サービス開発支援事業助成金(旧いしかわ中小企業チャレンジ支援ファンド) |
| 運営機関 | 公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO) |
| 対象地域 | 石川県内 |
| 助成限度額 | 50万円〜1,000万円(メニューにより異なる) |
| 助成率 | 2/3以内(小規模企業者は3/4以内)、事前調査は定額 |
| 助成期間 | 1〜3年間(メニューにより異なる) |
| 公募期間 | 令和8年4月20日(月)〜令和8年6月12日(金)16時必着 |
| 審査期間 | 令和8年6月中旬〜8月下旬(予定) |
| 採択通知 | 令和8年9月(予定) |
| 公式サイト | https://www.isico.or.jp/site/shinseihin/challengefund.html |
| 問い合わせ電話 | 076-267-5551(ISICO成長プロジェクト推進部 新商品・サービス開発支援課) |
| 問い合わせメール | shigen@isico.or.jp |
| 申請方法 | jGrants電子申請(GビズID必要)または電子メール(PDF) |
今からすべき準備チェックリスト(令和8年4〜6月公募)
- GビズID取得: 電子申請をするなら今すぐ申請(2〜3週間かかる)
- ISICOへの事前相談予約: メール(shigen@isico.or.jp)または電話(076-267-5551)で相談枠を確保
- 地域資源の選定: 石川県指定の地域産業資源リストをISICO公式サイトで確認
- 事業計画書の素案作成: 対象商品・サービスの独自性、市場性、販路計画の骨子を検討
- 競合調査: 既存の類似商品・サービスとの差別化ポイントを整理
この助成金と、他の補助金との違いを比べてみたいんですが、どう違うんですか?
比較すると選び方がクリアになりますよ。石川県固有の強みと、全国制度の使い分けを一覧にまとめました。
| 補助金名 | 最大金額 | 補助率 | 対象 | リンク |
|---|
| 石川県 新商品・新サービス開発支援事業助成金 | 1,000万円 | 2/3〜3/4・定額 | 石川県内中小企業 | 本記事 |
| ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 4,000万円〜 | 1/2〜2/3 | 全国中小企業 | 詳細 |
| 石川県 中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業) | 300万円 | 1/2 | 石川県内中小企業 | 詳細 |
| 小規模事業者持続化補助金(能登半島地震等 災害支援枠) | 200万円 | 2/3・定額 | 石川県内小規模事業者 | 詳細 |
ものづくり補助金は最大4,000万円とスケールが全然違いますね!
ただし審査の厳しさも段違いで、採択率は直近で数十%台です。この助成金のメニュー6(大学連携・最大1,000万円)は石川県内の事業者に特化した分、ISICOのサポートが手厚い点が大きな差別化ポイントです。特許関連や海外展開を目指すなら、海外出願支援(
/subsidy/412)と組み合わせるのも効果的です。
原則として同一年度に同一事業で複数メニューへの重複申請はできません。ただし事業内容が明確に異なる場合(メニュー1で食品開発、メニュー5で別商品の海外展開など)は認められる場合があります。詳細は公募要領をご確認ください。
いいえ、助成金は原則として事業完了後の精算払いです。つまり一旦自己資金で事業を進めて、終了後に実績報告をして助成金を受け取る流れになります。助成期間中の運転資金として石川県の制度融資やJFC融資を事前に手当てしておくことが必要です。
過去に助成を受けたことがある会社でも再申請できますか?
新たな事業計画であれば再申請は可能です。ただし過去の助成事業の内容と重複している場合や、過去の助成事業で問題があった場合は採択されにくくなる可能性があります。具体的な審査基準はISICOに直接確認してください。
交付決定後に事業内容や経費配分を大幅に変更する場合は、事前にISICOへ変更申請を行い承認を受ける必要があります。市場環境の変化で計画修正が必要になることはよくあることなので、ISICOの担当者と定期的にコミュニケーションを取り早めに相談することが大切です。
石川県の補助金制度をもっと調べたいんですが、どこで情報を探せばいいですか?
何より
早めにISICOに相談することが一番大事です。ISICOは「相談段階からサポートします」と明言していて、事業計画の相談も無料で受け付けています。公募期間は令和8年6月12日が締切なので、今すぐISICOに電話(076-267-5551)かメール(
shigen@isico.or.jp)で事前相談の予約を入れることをお勧めします!
石川県の地域資源で新事業に挑戦したい方や、社会課題解決型のビジネスを立ち上げたい方に最適な助成金制度です。8つのメニューの中から自社に合ったものを選んで、ぜひ挑戦してみてください。北陸の補助金・助成金をさらに調べたい方は
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