令和7年度の東京都救急補助金、実際どんな制度なの?

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、「救急搬送患者受入体制強化事業」って、今まで補助金の一覧で何度か目にしてたんですけど、これって具体的に何をする補助金なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これはですね、東京都が独自に実施している補助金で、救急外来に「救急救命士」を新たに配置するための人件費を補助してくれる制度なんです。病院の救急外来に救急救命士を置いてもらって、医師や看護師の負担を減らしつつ救急搬送の受入件数を増やそう、という施策ですね。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、救急救命士って救急車の中にいる人ですよね?病院の中にも置けるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです、これが結構面白いポイントで!法改正によって、医師の指示の下であれば医療機関内でも救急救命処置を行えるようになったんですよ。だから東京都がその制度を活かして、「じゃあ救急外来にも配置しよう」という流れで始まった補助事業なんです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど!東京都って救急搬送件数が多いイメージありますけど、それが背景にあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

まさにそうで。東京都は全国でも救急搬送件数がトップクラスで、救急外来の混雑が年々深刻化してるんですよね。医師や看護師だけでは対応しきれない状況が続いていて、受入困難(いわゆる「たらい回し」)の発生も問題になっています。本事業はそれを解消するための具体的な手立てです。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、どんな病院が対象なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

東京都内の「指定二次救急医療機関」が対象です。公的病院は除かれていて、民間の指定二次救急医療機関が主な対象になります。救急告示を受けていても公立だとこの補助は対象外、という点は最初に確認が必要ですね。

補助金の具体的な金額と仕組みを理解する

東京都救急搬送患者受入体制強化事業の補助金概要
東京都救急搬送患者受入体制強化事業の補助金概要
佐藤

佐藤

編集長

で、実際にいくら出るんですか?「交付要綱等を参照」ってjGrantsには書いてあって、金額がわからなくて……
室谷

室谷

代表取締役

これは東京都が公開している資料に詳細が載っていて、ざっくり説明すると救急救命士1人あたりの基準額が430万円、補助率が4分の3(75%)なんです。対象は最大2名まで、補助を受けられる期間は最長3年間というのが基本的な枠組みです。
佐藤

佐藤

編集長

430万円の75%だから、1人あたり最大322万5千円ってことですね?
室谷

室谷

代表取締役

そうなりますね。2名分だと645万円が上限の目安になります。ただしこれは基準額なので、実際の補助額は申請する経費の実績に基づいて確定します。基準額を超えた部分は自己負担になる、という仕組みです。
佐藤

佐藤

編集長

3年間っていうのは何でそういう縛りがあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これは「体制整備」に対する補助だからなんですよね。最初の立ち上げ期に支援して、3年後には自力でその体制を維持できるようにしてほしい、という東京都の意図があります。補助が終わっても救急救命士の配置を継続できるように、最初から持続可能な計画を立てることが重要になってくるわけです。
補助の基本条件内容
対象東京都指定二次救急医療機関(公的病院除く)
対象経費救急救命士等の人件費(新規雇用・配置替含む)
基準額1人あたり430万円
補助率4分の3(75%)
対象人数最大2名まで
補助期間最長3か年
交付条件休日・夜間帯に月48時間以上従事すること
佐藤

佐藤

編集長

月48時間以上従事って、これは何のための条件なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

「救急医療の手薄になる時間帯に配置してほしい」ということなんです。救急搬送が特に集中するのは休日と夜間なので、そこにきちんと人を充ててくれる医療機関を支援する、という趣旨があります。日中だけ置いてハイ終わり、では本来の目的を果たせないですからね。

交付条件と申請資格を詳しく確認する

佐藤

佐藤

編集長

先ほど出てきた補助金交付条件って他にもありましたよね?「救急搬送人員または応需率が増加すること」みたいな条件が。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです、これが大事なポイントで!事業開始前の年(基準年)と比べて、救急搬送人員または応需率が増加することが交付条件になっています。つまり「救急救命士を置いたことで実際に受入件数が増えた」という実績が求められるんです。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、それって結構ハードル高くないですか?もし増えなかったら補助金を返還しなきゃいけないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

実績報告の段階で確認される仕組みになっています。増加が確認できなければ補助金額の確定に影響が出る可能性があります。だからこそ、申請前に「うちの救急外来は本当に救急救命士を配置することで受入数を増やせるか」を真剣に検討することが大切なんですよね。

申請前に必ず確認すること

この補助金には「基準年対比で救急搬送人員または応需率の増加」という実績要件があります。単に人を配置するだけでなく、受入体制の実質的な強化につながる計画が必要です。申請前に東京都保健医療局に事前相談をすることを強くおすすめします。

佐藤

佐藤

編集長

申請資格の話をもう少し詳しく聞かせてもらえますか?どんな医療機関が申請できて、どんな医療機関はできないのか。
室谷

室谷

代表取締役

申請できる医療機関の要件はこういう条件になっています。
要件内容
所在地東京都内
医療機関の種別指定二次救急医療機関
開設主体民間(公的病院は除外)
配置人材救急救命士等(国家資格保有者)
業務内容医師の指示の下での救急救命処置・調整業務等
勤務条件休日・夜間帯に月48時間以上従事
佐藤

佐藤

編集長

「救急救命士等」の「等」って、救急救命士以外の人も対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

交付要綱には「救急救命士等」とあって、救急搬送患者への対応業務を担える人材が広くカバーされているんです。診療録の代行入力、物品運搬、傷病者のトリアージ補助、転院搬送に向けた連絡準備など、医師・看護師以外でも担える業務をする人材が対象になります。具体的な職種の範囲は東京都に確認するのが確実です。

申請の流れを把握する

令和7年度救急搬送患者受入体制強化事業の申請フロー
令和7年度救急搬送患者受入体制強化事業の申請フロー
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ実際に申請するとき、どういう手順で進めればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大きく分けると4つのステップです。まず最初は交付要綱をしっかり読んで、自院の状況を分析することから始まります。
佐藤

佐藤

編集長

交付決定前に事業開始したらダメってところ、うっかりミスしやすそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

ほんとうに要注意です!補助金ではよくある落とし穴で、「もう採用内定を出してしまった」みたいなケースが危ない。内定は出せても、実際の配置開始(雇用開始)は交付決定後にするのが鉄則です。

対象経費と対象外経費を正確に把握する

佐藤

佐藤

編集長

補助金が使える経費って、具体的に何ですか?人件費だけですか?
室谷

室谷

代表取締役

主要なのは人件費ですが、それ以外もカバーされています。
経費区分具体的な内容
人件費給与・賃金、法定福利費(社会保険料等)、通勤手当
研修費院内外のスキルアップ研修費、資格維持に関連する費用
設備整備費救急外来での処置に必要な医療機器等の整備費
佐藤

佐藤

編集長

設備費も出るんですね!それはありがたい。
室谷

室谷

代表取締役

ただし、あくまで「救急外来配置の救急救命士が使う」機器が対象で、病院全体の医療機器整備には使えません。あと、以下に挙げるものは明確に対象外なので要注意です。

補助対象外の経費(使えないもの)

以下の経費は補助の対象になりません。事業計画に含めないよう注意してください。

  • 医療機関の通常運営に係る一般管理費
  • 既に配置済みの既存職員の人件費(新規配置分のみが対象)
  • 建物の新築・大規模改修費
  • 救急外来以外の部門に配置する職員の経費
  • 他の補助金で充当されている経費(二重補助禁止)
佐藤

佐藤

編集長

「既存職員の人件費は対象外」っていうのが重要ですね。以前から救急救命士がいる病院は……?
室谷

室谷

代表取締役

既存の救急救命士を救急外来に「配置替え」した場合は対象になる可能性があります。ただし「配置替等を含む」という表現がありますが、あくまで新たな配置が要件なので、詳細は東京都に確認が必要です。既存配置でそのまま「ハイ申請」とはいきません。

審査の突破口は「数字で語る計画書」

佐藤

佐藤

編集長

申請に通るためにどうすればいいですか?成功のコツを教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

一言で言うと「数字で語れるかどうか」です。審査する側は「この病院に補助金を出したら本当に救急受入が改善されるか」を見ています。だから感覚論じゃなく、実績データに基づいた計画が必要です。

採択率を上げる申請書の書き方

採択に向けて以下の3点を必ず盛り込んでください。

1. 現状データによる問題提示 直近3年間の救急搬送受入件数・応需率・救急車の現場到着から病院到着までの時間データを示し、「この病院には救急受入体制の強化が必要」という現状を客観的に説明します。

2. 配置計画の具体性 「何人を」「何曜日の何時台に」「どの業務を担当させるか」を明確に示します。「夜間と休日の全時間帯をカバーする」「月48時間以上を2名体制で担保する」など、交付条件を満たす計画であることを示してください。

3. 効果目標の定量化 「1年目:応需率を現状83%から88%に改善」「救急搬送受入件数を月5件増加」など、具体的な数値目標を設定します。定量目標があることで審査者が事業の有効性を判断しやすくなります。

佐藤

佐藤

編集長

現状データが大事なんですね。準備する書類の中に、現状の救急搬送データも入れるべきですか?
室谷

室谷

代表取締役

絶対入れるべきです!救急搬送に関する月別の受入件数・応需率・救急車平均到着時間などを過去2〜3年分まとめて添付できると、「この病院は本当に課題を抱えていて、改善の余地がある」ということが伝わります。データがない病院より、データで語れる病院の方が明らかに有利です。
佐藤

佐藤

編集長

逆に、こういうことをしちゃうと落ちやすいってパターンはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

「とにかく経費を積み上げただけの計画書」は弱いですね。なぜその人数が必要か、なぜそのシフト帯に配置するか、という理由が薄い申請は審査通過が難しい。あと、「補助が終わったら配置をやめます」みたいな計画はNG中のNGです。3年後以降も継続できる財務的な裏付けを示せると強い申請になります。

3年後を見据えた申請の鉄則

この補助金は最長3年間の時限支援です。審査では「補助終了後も体制を維持できるか」という持続可能性も重要視されます。3年後の自己負担額(人件費)を試算し、それが経営的に見合うという根拠(救急受入増加による収益増加見込みなど)を示すことが採択への近道です。

類似補助金との比較・活用術

佐藤

佐藤

編集長

似たような補助金って他にもあるんですか?東京都の医療系でいうと。
室谷

室谷

代表取締役

いくつかありますね。医療機関が組み合わせて使えそうなものを紹介すると、まず災害時看護体制整備事業があります。これは東京都が災害支援ナースの所属先医療機関に協力金を払う制度で、看護師が災害派遣に参加した際の人員不足補填に使えます。救急医療機関にとっては関連性が高い補助です。
佐藤

佐藤

編集長

ほんとだ、同じ東京都の医療系ですね。他には?
室谷

室谷

代表取締役

東京都生産性向上・職場環境整備等支援事業というのもあって、これは医療・福祉分野向けに最大5,000万円(補助率10/10)という非常に手厚い補助です。ICT導入や業務効率化の設備投資に使えるので、救急外来のシステム整備を本補助金と並行して進めることで、デジタルと人材配置の両面から救急体制を強化できます。
佐藤

佐藤

編集長

補助率10/10はすごいですね!あと、災害対策という観点ではどうですか?
室谷

室谷

代表取締役

令和7年度東京都医療施設浸水対策計画策定支援事業があります。これは病院の浸水対策計画を立てるためのコンサルタント費(最大448万円)を東京都が補助する制度で、水害時に救急機能を止めないための計画づくりに活用できます。救急医療機関が災害に強くなるという観点で、今回の補助金と組み合わせると総合的な救急体制強化になります。
補助金名補助上限補助率用途リンク
救急搬送患者受入体制強化事業(本制度)最大約645万円3/4救急救命士等の人件費/subsidy/156
東京都生産性向上・職場環境整備等支援事業5,000万円10/10ICT・設備投資詳細
災害時看護体制整備事業協力金制度定額看護師の災害派遣協力詳細
医療施設浸水対策計画策定支援事業448万円記載なし浸水対策計画策定費詳細
佐藤

佐藤

編集長

複数の補助金を組み合わせる際に気をつけることはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

同一の経費に対して複数の補助金を重複して使う「二重補助」は絶対NGです。例えば救急救命士の人件費に本補助金を使いながら、同じ人件費に別の補助金も充てる、ということはできません。各補助金で対象経費をきっちり区分することが大前提です。

申請前に必ず押さえておくべき基本情報

佐藤

佐藤

編集長

申請する前に確認しておくべき基本情報をまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

こちらが制度の基本情報です。
項目内容
制度名令和7年度救急搬送患者受入体制強化事業
実施主体東京都保健医療局
根拠法令救急搬送患者受入体制強化事業補助金交付要綱(令和4年8月31日付4福保医救第45号)
対象地域東京都
対象業種医療、福祉
募集期間2023年11月15日〜2030年5月30日
補助上限額基準額430万円/人(最大2名・最長3年)
補助率4分の3(75%)
jGrants IDa0WJ2000000pejTMAQ
公式ページjGrants補助金ポータル

問い合わせ先

東京都保健医療局医療政策部救急災害医療課 救急医療担当

電話: 03-5320-4427

受付時間は東京都の窓口開庁時間に準じます。事前相談は必須です。申請書類の準備前に、まず電話で「指定二次救急医療機関であるか」「配置予定の人材要件」「現時点の公募状況」を確認してください。

佐藤

佐藤

編集長

公式URLはjGrantsのページですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。jGrantsで「a0WJ2000000pejTMAQ」を検索するか、直接東京都保健医療局に問い合わせると最新の交付要綱を入手できます。募集期間が2030年5月30日まで設定されているので、令和7年度中はいつでも申請の相談ができる状態です。

準備に必要な30日をどう使うか

佐藤

佐藤

編集長

準備目安が「約30日」ってサイトに出てましたけど、30日でどういうことをするんですか?
室谷

室谷

代表取締役

大まかにはこんなスケジュール感です。最初の1週間で交付要綱の読み込みと現状データの収集、2週目で事前相談・配置計画の策定、3週目で申請書類の作成、4週目で最終確認と提出、という流れですね。
佐藤

佐藤

編集長

現状データの収集って、普段から集めてないとすぐ出てこなかったりしますよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんですよ。救急搬送受入件数、応需率、救急車の待機時間など、月次でデータを管理している病院であればすぐ出せますが、そうでない場合は遡って集計する作業が意外と時間かかります。「申請しよう」と決めたらまずデータ収集から始めることをおすすめします。
佐藤

佐藤

編集長

この補助金、ゼロから始めるにはどのくらい事前準備が大変ですか?
室谷

室谷

代表取締役

難易度としては「やや簡単」な部類です。GビズIDなどのシステム申請ではなく、東京都への直接申請なので、窓口への相談がしやすいです。ただし実績要件(応需率・受入件数の増加)があるので、単純に書類を揃えれば通るというわけでもありません。配置計画の質が問われます。

よくある質問(FAQ)

佐藤

佐藤

編集長

最後に、よくある質問をいくつか教えてください。特に「え、そうなの?」ってなりやすいやつ。
室谷

室谷

代表取締役

一番多い「えっ」ポイントは、公立病院は対象外という点です。「東京都立病院や国立病院は?」という質問をよく受けるんですが、この補助は民間の指定二次救急医療機関が対象で、公的病院は除外されています。
佐藤

佐藤

編集長

それは確かに驚く人多そうですね。
室谷

室谷

代表取締役

あと、「救急救命士の国家資格がないと雇えませんか?」という質問も多いです。正直なところ、交付要綱の「救急救命士等」という表記には幅があるので、東京都に個別確認するのが一番確実です。「等」の範囲をどう解釈するかで申請対象が変わってくる可能性があります。
佐藤

佐藤

編集長

医療クラークや事務系スタッフはどうなんでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

診療録の代行入力や物品運搬など、医師・看護師の業務負担を軽減できる人材であれば「等」に含まれる可能性はあります。ただし「救急救命士」という名称が前面に出ている事業名なので、純粋な事務職員だと認められにくいかもしれません。これも東京都への事前確認が鉄則です。
佐藤

佐藤

編集長

今から申請を検討している病院に、一言アドバイスをするとしたら?
室谷

室谷

代表取締役

まず東京都保健医療局の救急災害医療課に電話してみることです!「申請できる医療機関かどうかわからない」「どんな書類が必要か」という段階から相談できますよ!補助金は申請してみないとわからない部分も多いので、まずは一本電話する行動力が大事です。救急搬送の受入体制に課題を感じている指定二次救急医療機関なら、ぜひ積極的に活用してほしい制度です!東京都が医療機関を全力でバックアップしてくれる、本当にありがたい事業だと思います!