室谷さん、今回のテーマ、ちょっと意外だったんですけど「働くパパママ育業応援奨励金【働くパパコースNEXT】」ですよ!パパが育児休業を取ると会社に補助金が出るって、ホントですか?
ホントですよ、佐藤さん(笑)。正確には「育業」って呼んでますけどね。東京都がやってる制度で、中小企業の男性従業員がきちんと育業をして職場に戻って、さらに職場環境を整えたら、会社にドカンとお金が入るんです。
うわ、それはすごい。育休って「給料が減るから…」って尻込みする人もいるじゃないですか。でも会社側にメリットがあるなら、経営者も「取ってこい!」って言いやすくなるんじゃないですか?
まさにそこが狙いなんですよ!「パパが育児に参加するのが当たり前」って文化を作りたい。そのために、会社にインセンティブを与える。しかも、金額がデカいんです。上限は330万円。さらに頑張ればプラス90万円。合計420万円!中小企業には大きいですよね。
えっ、420万円!?ちょ、ちょっと待ってください。それ、誰でももらえるわけじゃないですよね?何か条件があるんでしょ?
もちろん条件はあります。でも、仕組みはシンプルです。要するに「パパ従業員が15日以上の育業をする」「ちゃんと職場に復帰する」「会社が育業しやすい環境を整える」この3つをクリアすればOK。今日はその細かいルールをぜーんぶお話ししますよ。
よろしくお願いします!まずは基本の「キ」から教えてください。誰が対象で、いくらもらえて、いつまでにやればいいんですか?
まず対象になるのは、東京都内で事業を営む中小企業です。従業員数が300人以下ってのが大きな壁ですね。
300人以下。結構多い中小企業が対象になりそう。業種は?何か制限あります?
それがね、めちゃくちゃ広いんですよ。農業、漁業、建設、製造、情報通信、飲食、医療、福祉…ほとんどの業種が入ってます。特殊な除外はあるけど、普通の会社ならまず入ると思っていいです。
じゃあウチの会社も対象かも!いくらもらえるんですか?さっき330万円って言いましたけど、パパが1人取ればそれだけ出るの?
そこがポイントで、金額は「パパが取った育業の日数」で変わります。一番短いコースで15日、最長で180日以上。日数に応じて25万円から330万円まで、10段階くらいに分かれてるんですよ。
細かい!じゃあ、ざっくり「15日取れば25万円」ってことですね。
そう。でも、せっかく取るならもっと長く取ったほうがお得ですよ。例えば90日以上だと165万円。半年で上限の330万円ですからね。会社としても「長期で取ってくれたほうが助かる」って感じじゃないですか?
それ、すごいインセンティブですね!で、いつまでにやればいいんですか?締切は?
これも重要。 申請受付期間は2025年7月1日から2026年3月13日までです。ただし、事業自体は2025年4月1日から2026年3月31日までに完了してないといけません。
2026年3月13日が申請締切で、事業完了期限も2026年3月13日って書いてありますね。つまり「育業を終えて職場に復帰して3ヶ月経って、さらに申請の準備をする」って考えると、もうすぐ動き出さないと間に合わないんじゃ…?
鋭い!そうなんですよ。もう募集は始まってます。パパに育業してもらう計画を立てて、すぐ準備しないとあっという間に時間がなくなります。これは注意が必要です。
ここは本当にややこしいので覚えておいてください。申請受付期間は「子が2歳になるまでの間に育業を終え、復帰後3ヶ月が経過した日の翌日から2ヶ月以内」というルールがあります。つまり、パパの子どもの年齢によって締切がバラバラなんです!「事業完了期限は2026年3月13日」とセットで考えて、早めに行動しましょう。
なるほど。じゃあ、具体的な金額の表を見せてくださいよ!
| 育業日数 | 奨励金額 |
|---|
| 15日以上 30日未満 | 25万円 |
| 30日以上 45日未満 | 55万円 |
| 45日以上 60日未満 | 82.5万円 |
| 60日以上 75日未満 | 110万円 |
| 75日以上 90日未満 | 137.5万円 |
| 90日以上 105日未満 | 165万円 |
| 105日以上 120日未満 | 192.5万円 |
| 120日以上 135日未満 | 220万円 |
| 135日以上 150日未満 | 247.5万円 |
| 150日以上 165日未満 | 275万円 |
| 165日以上 180日未満 | 302.5万円 |
| 180日以上 | 330万円 |
おおっ!15日で25万、30日で55万…ってきれいに上がってますね。これって、例えば「29日」だと25万円で、「30日」だと55万円。日数が1日違うだけで金額が倍近く変わるんですね!
その通り!だから「15日でいいや」じゃなくて、「30日取ろう」とか「90日取ろう」って会社が推奨するようになるんですよ。制度の設計が上手いですよね。
でも、15日って結構ハードル低くないですか?パパたちは取りやすそう。
そうなんですよ。ここがこの制度のミソで、 「2歳の誕生日の前日まで」 に15日取ればいい。つまり、産まれてすぐじゃなくて、1歳半の時とか、2歳になる直前の数ヶ月でまとめて取ってもOK。柔軟なんです。
あ、それはいいですね!「仕事が片付いたから今月取ろう」って調整できる。
ただし、条件があります。「養育する子と育業中に同居していること」ってのがありますからね。別居してるとダメです。あと、ちゃんと雇用保険の被保険者で、6ヶ月以上勤めてる必要があります。
さっき「さらに90万円プラス」って言ってましたよね?それ、どうやったらもらえるんですか?
これが「加算となる取組」です。4つあって、それぞれ取組むとお金が加算されます。表で見ましょう。
| 加算項目 | 内容 | 加算額 |
|---|
| 加算① | 管理職の育業と社内周知 | 20万円 |
| 加算② | 育業メンター制度の整備とパパ向け育業マニュアルの作成 | 20万円 |
| 加算③ | 同僚への応援評価制度・表彰制度の整備と育業応援プランシートの作成 | 30万円 |
| 加算④ | 同僚への応援手当支給と育業応援プランシートの作成 | 30万円 |
加算①の「管理職の育業」って、管理職の人が自分も育業を取るってことですか?それとも「管理職が部下に育業を促せ」ってこと?
正確には「管理職の育業」です。つまり、会社の課長とか部長クラスの男性が自ら育業を取得して、それを社内に周知する。これで20万円。トップがやると説得力ありますよね。
なるほど!加算②は「メンター制度」。実際に育業を取った先輩パパが、これから取る人をサポートするってこと?
そうです。先輩パパの体験談を聞けるとか、パパ向けのマニュアルを作るとか。これで20万円。そして、加算③と加算④が大きい。
同僚に手当を出すってすごいですね。「育業をする人の代わりに頑張った同僚に表彰とか手当を出す」ってことですか?
その通り!育業する人を応援する同僚に、ちゃんと評価やお金で報いる仕組みを作る。これで30万円。③と④の両方をやれば、加算額は合計50万円(③+④で50万円、単純合計の60万円ではない)です。ただし、注意点があります。
加算③と加算④の両方をやるときは、合計で50万円までなんです。③+④=60万円じゃなくて、50万円になる。あと、この加算は 「働くママコースNEXT」の加算①・②と併給できません。過去にママコースで同じ内容の加算をもらってたら、パパコースでは使えないってことです。
加算①〜④のすべてを取組めば、基本の330万円 + 20万 + 20万 + 50万(③+④の上限)で、合計420万円!これがこのコースの天井です。ただし、要件は厳しいので、公募要領で詳細を確認してくださいね。
さっき「従業員300人以下」「東京都内の中小企業」って言いましたけど、それ以外にも何か条件ありますか?
ありますよ〜。これが結構細かい。まず、都内に本店か支店があって、実際に営業していること。登記だけあるペーパーカンパニーはダメです。
あと、これは重要。 過去に「働くパパコース」や「もっとパパコース」で奨励金をもらったことのある企業は申請できません。つまり、このコースは1回きり。一度もらったら終わりです。
えっ!じゃあ、毎年パパを送り出しても、2回目からはもらえないんですか?
そうです。同じコースは1企業1回だけ。ただし、同じ会社で「働くママコースNEXT」や「パパと協力!ママコース」は別コースなので、そちらは申請できます。複数コースの併給も可能なものがあります。
なるほど…。あと、従業員数とか、労働法令を守ってるかの確認も厳しそうですね。
ええ。例えば、 36協定を結んでるかとか、年次有給休暇を年5日取らせてるか、残業時間の上限を守ってるか。当たり前のことですが、この機会にちゃんと確認したほうがいいです。特に「就業規則を労働基準監督署に届け出てるか」は、従業員が10人未満でも必要になります。
あ、それは見落としがちですね。会社の規模に関わらず届出が必要ってことか。
そうです。あと、これは絶対に守ってほしいんですが、 風俗営業とか性風俗関連の事業は対象外。あと、暴力団関係者もNG。当たり前ですけどね。
会社側の条件は分かりました。じゃあ、実際に育業を取るパパ本人の条件は?
まず、雇用保険の被保険者であること。そして、申請する会社で育業を始める前に 6ヶ月以上継続して働いていること。これが基本。
そうです。あと、これが結構キモなんですが、 会社の代表者(社長)の三親等以内の親族はダメなんですよ。
そうなんです。これは「身内だけでお金を回すのを防ぐ」ためのルールですね。同族経営の会社だと、ここで引っかかるケースもあるので注意です。
なるほど。あと、育業の期間はどうやって数えるんですか?「15日以上」って、連続じゃないとダメ?
良い質問です!ここがこの制度の便利なところで、 「合計15日以上」でいいんです。連続じゃなくて大丈夫。例えば、1月に5日、2月に10日、合計15日でもOK。ただし、子どもの2歳の誕生日の前日までに全部取り終えて、職場に復帰して3ヶ月経ってから申請するって流れです。
じゃあ、パパが「今週は忙しいから来月にしよう」って調整できる。フレキシブルでいいですね!復帰後も、ちゃんと3ヶ月働き続けるって条件もあるんですか?
そうです。「原職復帰後、就労実績が確認できること」とあります。復帰したその日に辞めちゃったらダメってことですね。
ここからが本番ですね。申請の手続きってどうやるんですか?書類をポンと送ればいいの?
今は基本的に 「Jグランツ」という電子申請システムを使います。まず、会社として「GビズIDプライム」ってIDを取得しないといけません。これがないとスタートラインに立てない。
GビズID…聞いたことあるけど、取得に時間がかかるって噂ですよ?
その通り! GビズIDの発行には最長で2週間くらい見ておいたほうがいいです。しかも、会社の登記情報とかが必要で、それも準備に時間がかかる。だから「申請しようかな?」と思ったら、まずGビズIDの取得手続きを始めてください。これホントに重要!
郵送も必要なんだ。全部オンラインじゃないんですね。
そうなんです。個人情報が含まれる書類は、セキュリティの関係で郵送が求められます。申請後に「電子申請における郵送チェックリスト」ってのを確認して、必要なものを同梱して送るって流れ。ここを間違えると差し戻しになるので注意です。
あと、この制度って「働くママコースNEXT」とか他のコースと併用できるんですか?
ここが一番ややこしいポイントかもしれません。この制度には4つのコースがあって、それぞれ併給できるものとできないものがあります。表で確認しましょう。
| 併給しようとするコース | パパコース(申請コース) | もっとパパコース | ママコース | 協力コース |
|---|
| 令和7年度 | (申請コース) | × | 〇 | 〇 |
| 過年度(R3〜R6年度) | × | △(条件あり) | 〇 | 〇 |
うわ、ややこしい!つまり、今年の「パパコース」と今年の「もっとパパコース」は併給できないってことですよね?
その通り。もっとパパコースは「複数人が育業できる体制が整っている」とみなされるので、パパコースと一緒にはもらえない。でも、ママコースや協力コースは別の目的なので併給できる。あと、過去にパパコースをもらった会社は、もう2度とパパコースには申請できません。
なるほど。じゃあ、今年パパコースを取ったら、来年はもっとパパコースにチャレンジするってのは?
それはOKです。過年度の「もっとパパコース」をもらった会社で、従業員300人以下の場合は、今年のパパコースに申請するときは 必ず加算となる取組を実施することが条件になります。これが経過措置ですね。
あー、過去にもらった会社は「加算をやれば再チャレンジできる」ってことか。でも、同じパパコースは1回だけってのは変わらないんですね。
そうです。あと、これは盲点なんですが、 過去に受給した会社と「同一代表者」だと別法人でもダメなんです。別の会社を作って申請をすり抜けようとするのを防ぐためですね。
室谷さん、こういう補助金って、書類の不備で「差戻し」になって、そのまま諦めちゃう人も多いって聞きます。具体的にどこでつまずくんですか?
そうですね。まず、Jグランツの操作ミス。特に 「申請フォームの下書き」や「差戻し後の編集」でやらかす人が多い。
不備があって差戻しになったとき、マイページから正しい手順で編集しないと、新しい申請フォームが勝手に生成されて「重複申請」扱いになっちゃうんですよ。だから、必ず 「申請履歴」→「事業の詳細」→「作成済みの申請」の『支給申請』をクリックして編集する。ここを間違えると、後で「申請が2つある!」ってパニックになります。
うわ、それは怖い。手順を間違えるとシステムが混乱するんですね。あと、書類の提出漏れとかは?
そうですね。特に 「郵送が必要な書類」を忘れるケース。Jグランツで電子申請したら終わりじゃなくて、別途郵送しないといけない書類があります。その郵送にも「電子申請における郵送チェックリスト」を同梱する必要がある。このチェックリストがないだけで受け付けてもらえないこともあるので、注意してください。
ほんと、細かいですね…。でも、それだけ厳しくしてるってことは、それだけお金を出す価値があるってことか。
その通り!東京都としても「パパの育業を本気で進めたい」っていう強い意志を感じます。だからこそ、書類の不備で落ちるのは本当にもったいない。公募要領は必ず熟読してください。
- 早めのGビズID取得: 申請受付開始(7月1日)の前にIDを取っておく。
- 公募要領の熟読: 特に「P16〜P21」の要件と「P19の職場環境整備」部分は何度も読む。
- 加算はできるだけ取る: 基本額だけでもいいけど、加算まで取れば審査の通過率も上がる(と推測される)。
- 問い合わせは積極的に: 財団の担当者は親切です。迷ったら電話(03-5211-2399)するのが一番早い。
じゃあ、具体的にどんな書類を用意すればいいんですか?
まず、Jグランツの申請フォームに記入する項目がたくさんあります。それに加えて、添付書類が必要。例えば…
- 就業規則(労働基準監督署の受領印が必要!)
- 育業の証明書類(パパの育業開始・終了日がわかるもの)
- 賃金台帳や出勤簿(復帰後の勤務実績の証明)
- 加算の取組を証明する書類(マニュアルの写し、手当の支給規定など)
- 会社の登記簿謄本や納税証明書
結構ありますね…。特に就業規則の受領印って、もしウチの会社がまだ届けてなかったらもう遅いですか?
いや、まだ間に合います!ただし、申請前にきちんと労働基準監督署に届け出て、受領印をもらってください。これをやってないと申請自体ができません。ちなみに、 従業員が10人未満の会社でも届出が必要です。多くの中小企業がここを見落としがちなので、今すぐ確認したほうがいいです。
大事なポイントですね。書類の準備って、どのくらい前から始めればいいですか?
理想は、パパが育業を始める前、つまり今すぐです!なぜなら、加算の取組の中には「管理職自身が育業をする」ってのがある。管理職のスケジュール調整には時間がかかる。あと、育業応援プランシートの作成も、実際にパパが育業に入る前に準備しておかないと間に合いません。
あ、なるほど。パパが育業を取ってから準備するんじゃなくて、取る前に環境を整えとけってことか。
そうです。申請はパパが復帰して3ヶ月後ですけど、加算の取組はそれより前に実施しておく必要がある。だから「まずは会社の制度を整えよう」って動き出さないとダメなんです。
さっき、過去にもっとパパコースをもらった会社がパパコースに申請するときは、加算が必須って話がありましたよね。あれ、詳しく教えてください。
はい。令和5年度か令和6年度に「もっとパパコース」の奨励金をもらった会社で、従業員が300人以下の場合。その会社が令和7年度の「パパコースNEXT」に申請するときは、 必ず加算となる取組(加算①〜④のどれか)を実施しないといけないというルールです。
つまり、「もっとパパコースをもらった実績があるなら、もう一度申請するならしっかり環境を整えてこい」ってことか。基本額だけもらって終わり、は許されないんですね。
その理解で合ってます。でも逆に言えば、過去にもらった会社でも、加算をちゃんとやれば再チャレンジできるってこと。これはチャンスとも言える。
あと、これは確認ですが、過年度(平成30年度〜令和6年度)の「パパコース」をもらった会社は、今年のパパコースには絶対に申請できないんですよね?
その通り。過年度のパパコースをもらった会社は、もう二度とパパコースには申請できません。これは絶対です。
室谷さん、今日はめちゃくちゃ勉強になりました!最後に、この制度を一言でまとめるとしたら?
そうですね…「パパの育業を会社ぐるみで支援すれば、最大420万円がもらえる、東京都からの強力な後押し制度」ってところですかね。でも、金額が大きい分、要件も手続きも複雑。特に GビズIDの取得と就業規則の整備は今すぐ始めてください。
確かに「申請したい!」と思ったら、まずはGビズIDですね!あと、問い合わせ先も教えてください。
はい。公益財団法人 東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 育児介護支援係です。電話番号は 03-5211-2399。受付時間は平日の9時から17時まで。12時から13時はお昼休みなので避けてくださいね。
ありがとうございます!では、最後にこの制度の最大の注意点を教えてください。
ズバリ「 申請期間がパパの子どもの年齢に依存する」こと。そして「 同じパパコースは1企業につき1回だけ」ってこと。この2つを間違えると、チャンスを逃します。絶対に公募要領を読んで、計画的に動いてください!