今日は岩手県の「いわて若者移住支援金(新卒者向け)」を取り上げるんですね。これ、東京圏の大学を出た人が岩手に移住すると支援金がもらえる制度なんですか?
そうです! 正確には令和8年度(2026年度)から「いわて若者U・Iターン支援金」という新制度に移行していますが、基本的な仕組みはほぼ同じ。県外の大学等を卒業した若者が岩手県内の対象法人に就職・移住すると、最大25万円が支給されます。
最大25万円! 新卒でいきなりそれだけもらえるのはかなりありがたいですよね。
しかも岩手県が直接財源を出していて、震災復興・ふるさと振興パワー積立金を活用した制度なんです。若者の地方回帰を本格的に後押しするための制度ですね。
東京から地方に戻りたいけど踏み切れない人って多いと思うんですが、こういう制度があると決断しやすいですよね。
まさに。地方移住を「一歩踏み出すきっかけ」にしてほしいという岩手県の意図が制度設計に出ています。まず対象者の条件を整理しましょうか。
いわて若者移住支援金(新卒者向け)給付額の内訳
「新卒者向け」とありますが、どんな人が対象なんですか? 卒業したばかりの人だけ?
大枠は「県外の大学等を卒業してから3年以内・40歳未満」の方が対象です。具体的には3つの条件を全部クリアする必要があります。
- 県外に所在する大学・大学院・高等専門学校・専門学校・高等学校等に在籍していたこと
- 転入直前の3年以内に上記の学校を卒業・修了したこと
- 在籍期間中から住民票を移す直前まで、県外に在住していたこと
「卒業後3年以内」なんですね! 新卒でなくても、卒業から3年以内ならOKということ?
その通りです。2023年3月に大学を卒業した人なら、2026年3月中に転入・申請するところまで間に合います。「就活に苦労して数年が経った」という方でもチャンスがあるんですよね。
高校卒も対象に入るんですか?「大学等」って書いてあるから大学だけかと思ってた。
令和8年度から「大学等又は高等学校等」と範囲が広がっています! 高卒で就職する方も対象になりました。これは大きな変化ですね。
それは知らなかった! じゃあ移住先の岩手県側の条件は?
移住先についても条件があります。ざっくりまとめると4点です。
- 転入時に40歳未満であること
- 転入後1年以内に申請すること
- 申請後5年以上、移住先市町村に継続して居住する意思があること
- 進学・転勤による移住ではないこと
「5年以上居住する意思」か。移住してすぐ出てきたりしてはダメなんですね。
受給後に短期間で転出すると返還を求められる可能性があります。本当に岩手に根を下ろして生活する意思がある方向けの制度ということですね。次は就職先の条件も説明しましょう。
どこの会社に就職してもいいわけじゃないんですよね?
残念ながら、どこでもOKというわけではありません。「シゴトバクラシバいわて」というマッチングサイトに「移住支援金対象法人」として登録されている企業・団体の、新卒求人に応募する必要があります。
「シゴトバクラシバいわて」って初めて聞きました。どんなサイトですか?
岩手県と「ジョブカフェいわて」が運営する、岩手への移住・就職を支援するマッチングサイトです。求人情報だけじゃなく、移住相談窓口や体験プログラムの情報なども掲載されています。支援金対象法人は「新卒求人」として登録していることが条件なので、求人ページで確認できます。
就職してから「この会社は対象外だった」ってなったらつらいですね。
それは本当に要注意です! 事前に必ず「シゴトバクラシバいわて」で対象法人かどうか確認してから応募してください。それと、応募日が求人の対象掲載日以降でないといけません。古い求人だと掲載が外れていることもあるので、応募前の確認が大事です。
そうです。「週20時間以上の無期雇用契約に基づいて就業していること」「申請日から5年以上継続して勤務する意思があること」が必要です。アルバイトや有期雇用では対象外になります。また、転勤・出向ではなく新規の雇用であることも条件です。
- 「シゴトバクラシバいわて」に掲載されていない企業への就職
- アルバイト・派遣・有期雇用での就業
- 転勤や出向による岩手入り
- 岩手県外の企業から転籍しての就業
チェックリストが多いですね。でも知っていれば事前に準備できますね。給付額の話を詳しく聞きたいです!
基礎額に加算額が上乗せされる仕組みです。わかりやすく表にしましょうか。
| 種類 | 金額 | 条件 |
|---|
| 基礎額 | 15万円 | 全員 |
| 年齢加算 | +5万円 | 申請日が属する年度の4月1日時点で18歳以上26歳未満 |
| 女性加算 | +5万円 | 申請者が女性 |
| 合計最大 | 25万円 | 18〜25歳の女性の場合 |
23歳の女性なら全部当てはまるから25万円! すごいですね。
年齢加算は「申請日が属する年度の4月1日時点で18歳以上26歳未満」なので、年度の切れ目には注意が必要です。例えば2026年2月に申請するなら、2026年4月1日時点ではなく、2025年4月1日時点の年齢で判定されます。
ちょっとわかりにくい。具体例で説明してもらえますか?
例えば2026年7月に申請する場合、「2026年度の4月1日時点」、つまり2026年4月1日時点で18歳以上26歳未満かどうかを確認します。2000年5月生まれの方なら2026年4月1日時点で25歳なのでOK。2000年4月2日生まれの方も26歳の誕生日前日なのでOKです。
法律の年齢計算の話で少し複雑ですが、境界線上の方は確認しておくと安心ですよ。金額はざっくり15万〜25万円の範囲、と覚えておきましょう。
いわて若者移住支援金(新卒者向け)申請の流れ
令和8年度(2026年度)からは、申請先が「移住先の市町村の移住支援金担当課」になりました。市町村ごとに担当課名が違うので、引越し先の市町村役場に問い合わせるのが確実です。
「シゴトバクラシバいわて」で対象法人の新卒求人を見つける
応募・選考・採用決定(応募日は求人の対象掲載日以降であること)
申請時に「いわて若者U・Iターン支援金申請者向けアンケート」に回答(オンライン)
移住の経緯や就職状況、岩手の生活についての感想などを聞く内容です。電子申請で回答できます。これに回答しないと申請が受理されないので要注意です。
| 書類の種類 | 備考 |
|---|
| 申請書 | 市町村から入手 |
| 大学等の卒業証明書 | 卒業後3年以内であることの証明 |
| 就職先の雇用証明書 | 無期雇用・勤務時間・入社日の記載が必要 |
| 住民票 | 転入後のもの |
| その他市町村指定の書類 | 市町村により異なる |
細かい書類は市町村ごとに違うんですね。早めに確認したほうがいいですね。
転入後1年以内という期限があるので、移住が決まったら早めに市町村の担当課に連絡を取るのがベストです。申請手順や必要書類の最新情報を確認しておきましょう。
実は市町村によって制度の実施状況が異なります。令和8年4月時点で実施している(予定を含む)市町村は以下の通りです。
| 地域 | 対象市町村 |
|---|
| 沿岸部 | 宮古市、大船渡市、陸前高田市、釜石市 |
| 内陸部 | 雫石町、葛巻町、岩手町、紫波町、矢巾町、西和賀町、普代村、一戸町 |
令和8年4月時点の情報では入っていません。ただし今後追加される市町村もある可能性があります。移住先の候補地が決まったら、その市町村が実施しているかどうかを最初に確認するのが大事ですね。
盛岡市で就職する人は使えないの? ちょっと残念ですね。
盛岡市には別の移住支援制度がある場合もありますし、移住先は市町村で、就職先は盛岡市内という組み合わせもあります。とにかく、まず移住先市町村に制度の確認を! が鉄則です。
他の移住支援制度と合わせてもらうことはできますか?
これが要注意ポイントです。以下の制度との重複受給はできません。
- 岩手県移住支援金(世帯100万円・単身60万円)
- 一般向け若者移住支援金
岩手県移住支援金は最大100万円もあるんですね! 新卒者向けの25万円より金額が大きい場合もあるじゃないですか。
そうなんです。東京23区内に住んでいた方、または東京圏在住で東京23区に通勤していた方は「岩手県移住支援金」の対象になる場合があります。この場合は最大100万円(子育て世帯はさらに100万円加算で最大200万円)になるので、新卒者向け25万円より有利になる可能性が高いです。
じゃあ東京圏出身の人は移住支援金を選んだほうがいいケースもあるんですね。
はい。ただし移住支援金は要件が少し異なります。「住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上県外在住かつ直前1年以上連続」という条件なので、ストレートに大学卒業後すぐに移住する場合は「大学4年間は県外にいたが10年間の通算5年に届かない」というケースもあります。自分の状況に合った制度を選ぶのが大事です。
自分がどちらに当てはまるか、一度ちゃんと確認する必要がありますね。
岩手県の担当室に相談すれば、どちらの制度が有利かを教えてもらえます。遠慮なく聞いてみてください。
読者から多そうな疑問をいくつか聞かせてください。岩手出身で東京の大学に行った人も対象になりますか?
対象になります! 県外の大学を卒業し、卒業後3年以内に岩手県に戻ってきた場合も「新卒者向け支援金」の対象です。いわゆるUターンの方も対象ですね。ただし「在籍期間中から住民票を移す直前まで県外に在住していること」が条件なので、大学在学中に岩手に住民票を残していた場合は市町村に要確認です。
大学院を卒業した場合はどうですか? 大学院修了後3年以内もOK?
OKです。「大学院、高等専門学校、専門学校等」も対象に明記されています。大学院を修了した翌年から就職・移住した場合も、修了後3年以内であれば申請できます。
一般向けの場合は「世帯」での申請になりますが、新卒者向けは個人での申請です。夫婦それぞれが要件を満たせば、それぞれが申請できる可能性があります。ただし同一世帯内で「移住支援金(一般)」と「新卒者向け」の重複はできないため、市町村の担当課に確認が必要です。
受給後に就業継続義務期間内(5年間)に離職した場合、支援金の一部または全部を返還しなければならない可能性があります。やむを得ない理由(会社都合解雇など)については個別に相談できますが、自己都合退職は返還の対象になることが多いです。
逆に言えば、それだけ岩手での生活を真剣に考えている人向けの制度です。岩手の企業も新卒採用に積極的なところが多いので、ぜひ一度「シゴトバクラシバいわて」を見てみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象者 | 県外大学等卒業(卒業後3年以内)・40歳未満・岩手に移住就職 |
| 給付額 | 基礎15万円、年齢加算最大5万円、女性加算最大5万円(最大25万円) |
| 申請期限 | 転入後1年以内(随時) |
| 申請先 | 移住先市町村の移住支援金担当課 |
| 問い合わせ | 岩手県 商工労働観光部 定住推進・雇用労働室(TEL 019-629-5588) |
| 公式情報 | 岩手県公式ページ |
- 「シゴトバクラシバいわて」で移住先市町村が制度を実施しているか確認
- 応募する求人が「移住支援金対象法人」の新卒求人として掲載されているか確認
- 「岩手県移住支援金(一般)」との比較検討
- 移住先市町村の担当課に最新情報を問い合わせ
- この支援金の申請はATMや電話での手続きは一切ありません
- 「給付金を受け取るための手数料」を求める連絡は詐欺です
- 個人情報や口座情報を電話やメールで聞くことはありません
- 不審な連絡を受けた場合は、すぐに市町村の担当課や警察に相談してください
岩手への移住を検討するなら、他にもどんな支援がありますか?
いくつか紹介しますね。移住を後押しする複数の制度が用意されています。
こんなにあるんですね! まずは「シゴトバクラシバいわて」で求人を見て、気になる地域があれば市町村に問い合わせるのが最初のステップですね。
その通りです。岩手の企業は人材不足のところも多く、若い人材を積極的に求めています。支援金を活用しながら岩手での新しい生活を始めてみてください!