室谷さん、三重県に住んでいる友人から「不妊治療の助成が4種類あるみたいで、どれを申請すればいいかわからない」って相談されたんです!
えっ、4種類!それは確かに混乱しますね。実は三重県は、令和4年4月に不妊治療が保険適用になったのをきっかけに、県独自の助成事業を新たに創設したんです。保険適用で安くなった部分と、逆に保険が効かなくなった部分の両方をカバーするために設計された制度です。
保険適用で安くなった…でも助成が必要な部分がある?どういうことですか?
体外受精や顕微授精の標準的な治療は保険が使えるようになって自己負担が減ったんですが、「先進医療」と呼ばれる一部の治療は保険と併用できるものの、10割自己負担なんです。それだと治療の選択肢が狭まってしまうので、県が独自にカバーしているというわけです!
なるほど!じゃあ4種類の助成それぞれ、何をカバーしているか教えてもらえますか?
もちろんです。4種類をざっくり言うと、「先進医療の費用助成」「保険回数を使い切った後の追加回数助成」「PGT-A検査を含む治療費助成」「不育症治療費助成」です。それぞれ対象者や金額が違うので、一つずつ見ていきましょう。
三重県 特定不妊治療費助成事業4種類の概要比較
あります!4つの事業すべてに共通する基本条件が3つあります。1つ目は法律上の夫婦または事実婚の夫婦であること。事実婚の方も対象なのが三重県の特徴です。2つ目は夫婦のどちらか一方または双方が三重県内の実施市町に住所を有していること。3つ目は治療開始日時点で妻の年齢が43歳未満であることです。
事実婚でもOKなんですね!それは助かる人も多そう。でも「実施市町」っていう言葉が出てきましたけど、すべての市町が対象じゃないんですか?
そこが大事なポイントです!この事業は実施主体が市町で、三重県が市町に補助するという仕組みなんです。令和8年1月時点で、先進医療助成・回数追加・不育症は29市町、PGT-Aは23市町で実施中です。まずお住まいの市町が実施しているか確認が必要ですね。
え、そうなんだ!市町によって使えないケースもあるんですね。
そうです。ただ、29市町というのは三重県内の市町のほぼ全域をカバーしています。四日市市と伊賀市は独自事業として先進医療も助成しているので、実質的にほとんどの地域で何らかの助成を受けられます。
- 法律上の夫婦または事実婚の夫婦であること
- 夫婦のどちらか一方または双方が実施市町に住所を有していること
- 治療開始日時点で妻の年齢が43歳未満であること
3つの条件さえクリアすれば、4つの事業のどれかに当てはまりそうですね。それじゃあ事業ごとの詳細に入っていきましょうか!
先進医療というのは、国が認めた有効性・安全性の高い治療法で、保険診療と組み合わせて受けられるものです。ただし、先進医療の部分は10割自己負担になります。そこで県が「先進医療費の70%」を助成して、自己負担を約30%まで下げてくれる仕組みです。
上限5万円です。先進医療にはいくつか種類がありますが、たとえば「子宮内フローラ検査」「ERA検査(子宮内膜受容能検査)」なども対象に含まれます。保険診療の特定不妊治療と併用して実施されたものが対象で、厚生労働省地方厚生局への届出・承認を受けた保険医療機関で実施されている必要があります。
そうです。ただ、主要な不妊治療専門クリニックはほぼ対応しているので、通っているクリニックに確認してみるといいですよ!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象治療 | 保険診療の特定不妊治療と併用した先進医療 |
| 助成金額 | 先進医療費の70%(上限5万円) |
| 自己負担 | 約30% |
| 実施市町 | 29市町(四日市市・伊賀市は独自事業) |
上限5万円までとはいえ、かなり助かりますね。この事業だけ見てもいい制度ですが、保険の回数を使い切ったらどうなるんですか?次の事業に続くんですよね?
「回数追加事業」って何ですか?どんな人が対象なんですか?
体外受精など特定不妊治療には保険の回数制限があるんです。40歳未満なら通算6回、40歳以上43歳未満なら通算3回まで。それを使い切った後も治療を続けたい場合に、保険適用外でも1回あたり最大30万円が助成されます!
マジですか!回数を使い切っても続けられるんですね。
そうです。ただ合算で1子あたり通算8回まで(保険適用回数、PGT-A助成と合算)という上限があります。治療の種類によって助成額が違いまして、採卵から胚移植まで行う「治療A・B・D・E」は1回上限30万円、胚移植のみの「治療C・F」は1回上限17万5千円です。
治療の種類で金額が違うんですね。自分の治療がどれに当たるか、医療機関に確認が必要そう。
そうですね。三重県の公式ページにも治療区分の一覧PDF(治療A〜F)があるので、担当医に確認してもらうか、窓口で聞くのがベストです!
| 治療区分 | 助成上限額 |
|---|
| 治療A・B・D・E(採卵〜胚移植) | 1回あたり30万円 |
| 治療C・F(胚移植のみ等) | 1回あたり17万5千円 |
| 上限回数 | 保険・PGT-A合算で1子あたり8回 |
これは保険を使い切ってしまった方には大きな支えになりますね。次はPGT-Aというやつですが、それは令和7年から始まった新しい事業ですよね?
「PGT-A」って聞き慣れない言葉ですが、どんな検査なんですか?
PGT-Aは「着床前胚染色体異数性検査」の略称です。体外受精で作った受精卵(胚)の染色体を検査して、数に異常のないものを選んで移植する技術です。流産を繰り返している方や、なかなか妊娠に至らない方に特に有効とされています。
そうなんです。PGT-Aを実施すると混合診療扱いになって保険が使えなくなるため、全額自己負担になります。それを助成するのがこの事業です。助成額は事業2と同じで、採卵〜胚移植で1回上限30万円、1子あたり6回まで助成されます。
PGT-Aはより絞られていて、妻が35歳以上43歳未満であることが必要です。さらに、「保険適用の体外受精等を2回以上やって不成功」か「流産を2回以上経験」のどちらかを満たす必要があります。ただし夫婦のいずれかに染色体構造異常(均衡型染色体転座など)がある場合は除外されます。
35歳以上43歳未満という年齢条件がポイントなんですね。実施できる施設も決まってるんですか?
はい、公益社団法人日本産科婦人科学会が認定した施設のみで実施できます。全国に認定施設がありますが、一部のクリニックのみなので、受診前に確認が必要です!
- 妻の年齢が治療開始日時点で35歳以上43歳未満(事業1・2は43歳未満)
- 保険適用の体外受精等2回以上不成功、または流産を2回以上経験していること
- 日本産科婦人科学会認定施設で実施されたこと
- 1子あたり6回まで(事業2との合算で通算8回まで)
条件が細かいですね。年齢や経緯によって使える制度が違うということがよくわかりました。最後の不育症助成についても教えてください!
「不育症」という言葉、最近よく聞くようになりましたが、どういう状態のことですか?
不育症とは、妊娠はできるけれど流産や死産を繰り返してしまい、子どもを産めない状態のことです。原因の特定や治療法の多くが保険外診療なんです。特に血液凝固異常や免疫異常など、複数の原因が絡み合うことも多くて、検査だけでもかなりの費用がかかります。
それは精神的にも経済的にも辛いですね…。この助成はどのくらいもらえるんですか?
金額は市町の規定によって異なります。三重県からは市町への補助率が2分の1、上限5万円という補助が入ります。ただ、令和4年4月以前からの継続事業なので、三重県内の29市町でしっかり実施されています。医師が必要と認めた不育症の治療・検査が対象です。
金額は市町次第なんですね。具体的にいくらもらえるかはお住まいの市町に確認が必要ですね。
そうです。お住まいの市町の窓口に相談するのが一番確実です!関連して、市町独自の制度が上乗せされているところもあるので、まずは窓口に電話してみましょう。
4つの事業の比較を一覧で見たいんですが、まとめてもらえますか?
| 事業名 | 対象年齢 | 助成金額 | 上限回数 | 実施市町数 |
|---|
| 先進医療費助成 | 43歳未満 | 費用の70%(上限5万円) | 制限なし | 29市町 |
| 回数追加事業 | 43歳未満 | 最大30万円/回 | 1子あたり8回(合算) | 29市町 |
| PGT-A助成 | 35歳以上43歳未満 | 最大30万円/回 | 1子あたり6回 | 23市町 |
| 不育症助成 | 制限なし | 市町規定(県補助上限5万円) | 市町規定 | 29市町 |
こうして並べると、それぞれの立ち位置がよくわかりますね!では申請方法について教えてもらえますか?
不妊治療助成金 申請フロー
申請先はお住まいの市町の担当窓口です。三重県庁ではなく、各市町に申請します。事業によって必要書類が異なりますが、基本的には「医療機関の証明書」「治療費の領収書」「申請書」などが必要になります。
対象医療機関で治療を受ける(領収書・証明書を保管)
治療終了後、お住まいの市町の担当窓口に申請書類を提出
治療を受けながら同時に申請できるんじゃなくて、治療が終わってから申請するんですね。
そうです。申請の期限も各市町の規定によって異なります。治療後に期限が設けられていることがほとんどなので、治療が終わったら早めに窓口に連絡してください!
- 助成金額・必要書類・申請期限は市町ごとに異なります
- 令和8年1月時点の情報です。変更になる場合があります
- 詳細は必ずお住まいの市町の担当窓口に確認してください
市町によって違いますが、よく求められるものを挙げると、「医療機関が発行する治療費証明書(指定様式の場合も)」「治療費の領収書」「夫婦の住民票」「申請書(市町の窓口でもらう)」「振込先の口座情報」あたりが基本です。事実婚の場合は「事実婚関係に関する申立書」が追加で必要になることもあります。
事実婚だと追加書類があるんですね。事前に窓口に確認したほうがよさそう。
そうですね。最近はホームページに申請書類一式が掲載されている市町も増えてきているので、事前にダウンロードして準備しておくとスムーズです!
| 書類 | 備考 |
|---|
| 申請書 | 市町の窓口でもらうかWEBからダウンロード |
| 医療機関の証明書 | 治療内容・費用が記載されたもの |
| 治療費の領収書 | 原本が必要な場合あり |
| 夫婦の住民票 | 世帯全員記載のもの |
| 振込口座の情報 | 通帳コピー等 |
| 事実婚申立書 | 事実婚の場合のみ |
いくつか疑問がありまして…まず、複数の事業を同時に申請できますか?
はい、条件を満たせば複数の事業を組み合わせて申請できます!たとえば、保険適用の治療と同時に先進医療を受けた場合は事業1と事業2を別々に申請できます。ただし、同一治療について複数の事業で重複して申請することはできません。
なるほど、重複はNGだけど組み合わせはOKなんですね。引越しで市町が変わった場合はどうなりますか?
治療開始時点でお住まいの市町が実施市町であれば申請できます。治療後に引越しした場合も、治療時点の住所地の市町に申請するのが基本です。ただし、引越し後の市町では対象外になるケースもあるので、早めに確認することをおすすめします。
夫婦のどちらかが三重県外に住んでいる場合はどうですか?
DBの説明にもある通り、「夫婦のどちらか一方または双方が実施市町に住所を有していること」なので、どちらか一方でもOKです!共働きで別の場所に住民票がある方も対象になりえます。
各市町の規定によります!ただ一般的には治療終了から6ヶ月〜1年以内というケースが多いです。手術や採卵が終わったタイミングで早めに市町の窓口に連絡しておくと安心です。
- 申請にあたってATMでの操作や送金を求めることは絶対にありません
- 市町の担当者が「手数料」「保証金」を求めることはありません
- 不審な連絡があった場合は、必ず市町の担当窓口に直接確認してください
- 個人情報(口座番号・マイナンバー等)を電話で聞かれた場合は、折り返し連絡をしてから対応してください
詳しく教えてもらいありがとうございました!最後に基本情報をまとめてもらえますか?
もちろんです。まず三重県の窓口(事業の制度全体について)は子ども・福祉部 子どもの育ち支援課 母子保健班(電話 059-224-2248)です。ただし申請は各市町窓口で行います。お住まいの市町のページを確認するか、直接電話で問い合わせるのが一番確実ですよ!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 新たな特定不妊治療費助成事業 |
| 実施主体 | 三重県内各市町(県が補助) |
| 対象者 | 法律婚・事実婚夫婦(妻43歳未満、うちPGT-Aは35歳以上43歳未満) |
| 最大助成額 | 1回30万円(回数追加・PGT-A) |
| 申請先 | お住まいの市町の担当窓口 |
| 三重県問い合わせ | 子どもの育ち支援課 母子保健班 TEL 059-224-2248 |
| 公式サイト | 三重県 新たな特定不妊治療費助成事業 |
- 三重県 全般問い合わせ: 子ども・福祉部 子どもの育ち支援課 母子保健班 TEL 059-224-2248
- 申請窓口: お住まいの市町の担当窓口(三重県庁では受け付けていません)
- 公式サイト: 三重県 新たな特定不妊治療費助成事業
三重県内の市町で、さらに独自の不妊治療助成がある場合もあるんですか?
あります!市町独自の上乗せ助成を実施しているところもあるので、お住まいの市町の制度もあわせて確認してみてください。たとえば伊勢市や鈴鹿市はPGT-A助成も個別に実施しています。
重ねて受けられる場合もあるってことですね。それは調べてみる価値がありますね!
不妊治療は身体的にも金銭的にも大変な治療です。使える制度は全部使って、少しでも負担を軽くしてほしいですね。