小児慢性特定疾病ってどんな制度ですか?

佐藤
編集長
小児慢性特定疾病の医療費助成制度、聞いたことはあるんですけど、どんな制度なのか実は詳しく知らなくて。

室谷
代表取締役
これ、長期治療が必要な子どもを抱えるご家庭にとっては本当に重要な制度なんです!国が指定する特定の疾病を持つ18歳未満の子どもの医療費自己負担を大幅に軽減してくれる公費助成制度です。

佐藤
編集長
へえ!具体的にどんな病気が対象になるんですか?

室谷
代表取締役
令和7年(2025年)4月1日から新たに13疾病が追加されて、全801疾病が対象になりました。悪性新生物(がん)、慢性腎疾患、慢性心疾患、内分泌疾患、膠原病、糖尿病、先天性代謝異常、血液疾患、免疫疾患、神経・筋疾患、慢性消化器疾患、染色体または遺伝子に変化を伴う症候群など、幅広い疾患が含まれています。

佐藤
編集長
801疾病!それはかなり多いですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。わが子が難しい病気を抱えているご家庭からすると、まずは「うちの子の病気は対象か?」というのが最初の確認事項になります。対象かどうかは、厚生労働省が運営する小児慢性特定疾病情報センターのホームページで確認できますよ。

佐藤
編集長
なるほど。医療費の助成って、どんな仕組みで行われるんですか?

室谷
代表取締役
公的医療保険が適用された医療費のうち、自己負担分に上限を設けてくれる仕組みです。その上限額を超えた分は国と都道府県が公費で負担してくれます。だから受給者証を取得すると、月々の自己負担が所得に応じて最大15,000円に抑えられるというわけです。
対象者と要件

佐藤
編集長
誰でもこの制度を使えるわけじゃないんですよね?具体的な対象者を教えてください。

室谷
代表取締役
はい、要件がいくつかあります。まず大前提として、国が指定する801疾病のいずれかに罹患していること、そして厚生労働大臣が定める対象基準を満たしていることが必要です。

佐藤
編集長
年齢制限はありますか?

室谷
代表取締役
原則として18歳未満の児童が対象です。ただし、18歳到達時点で既に認定を受けていて、引き続き治療が必要と認められる場合は、20歳の誕生日の前日まで延長できます。

佐藤
編集長
18歳を超えても使えるケースがあるんですね!

室谷
代表取締役
そうです!成人になっても治療が続く子どもさんがいらっしゃいますからね。それから、公的医療保険(国民健康保険や健康保険など)に加入していること、または生活保護受給者であることも条件になります。

佐藤
編集長
診断書はどこで出してもらえばいいんですか?

室谷
代表取締役
お住まいの都道府県が指定した「指定医」に診てもらって、「医療意見書」を作成してもらう必要があります。すべての医師が書けるわけではなく、都道府県が指定した医師のみです。ここが大事なポイントで、指定医以外が作成した意見書は申請に使えません。
対象者チェックリスト
- 国が指定する801疾病のいずれかに罹患している(令和7年4月1日現在)
- 厚生労働大臣が定める対象基準を満たしている
- 18歳未満の児童(条件を満たせば20歳の誕生日前日まで延長可)
- 公的医療保険に加入している、または生活保護受給者
- 都道府県指定の「指定医」による診断・医療意見書がある
- 都道府県が指定する「指定医療機関」での治療を受けている
自己負担上限額


佐藤
編集長
自己負担がどのくらいになるか、具体的に教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
所得に応じて月額の自己負担上限額が設定されています。表で確認してみましょう。
| 階層区分 | 階層区分の基準 | 月額上限(一般) | 月額上限(重症) |
|---|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給 | 0円 | 0円 |
| 低所得1 | 非課税世帯・年収約80万9千円以下 | 1,250円 | 500円 |
| 低所得2 | 非課税世帯・年収80万9千円超 | 2,500円 | 1,250円 |
| 一般所得1 | 市町村民税課税以上71,000円未満 | 5,000円 | 2,500円 |
| 一般所得2 | 市町村民税71,000円以上251,000円未満 | 10,000円 | 5,000円 |
| 上位所得 | 市町村民税251,000円以上 | 15,000円 | 10,000円 |

佐藤
編集長
生活保護世帯は0円なんですね!

室谷
代表取締役
そうです。一番経済的に厳しいご家庭には完全に無料で医療を受けてもらえる仕組みになっています。そして重症患者と認定された場合は、各区分の半額になります。

佐藤
編集長
「重症」ってどういう基準ですか?

室谷
代表取締役
2つの基準があって、どちらかを満たせば重症患者になります。一つは、厚生労働大臣が定める重症患者認定基準に該当する場合。もう一つは、1か月ごとの小児慢性特定疾病に係る医療費の総額が5万円を超える月が年間6回以上ある場合です。

佐藤
編集長
医療費が高額な月が続くと重症認定されるんですね。

室谷
代表取締役
そうです。入院時の食費については、通常の入院患者さんと同様に2分の1の自己負担があります。ただし、生活保護受給者と血友病患者さんは入院時の食事療養費の自己負担もありません。

佐藤
編集長
きめ細かい配慮がされているんですね。所得の判定はどうやって行われるんですか?

室谷
代表取締役
医療保険の所得区分をもとに判定されます。申請時に「医療保険の所得区分に係る同意書」を提出することで、保険者から情報を取得して判定する仕組みになっています。自分で証明書を用意する手間が省けるようになっているんですよ。
申請方法と流れ


佐藤
編集長
実際に申請するにはどうすればいいんですか?

室谷
代表取締役
申請の窓口はお住まいの住所地を管轄する保健所です。市区町村の役場ではないので注意してください!

佐藤
編集長
えっ、保健所なんですか!

室谷
代表取締役
そうです。ちなみに政令市(札幌市・仙台市・横浜市・川崎市・名古屋市・大阪市・神戸市・京都市・広島市・北九州市・福岡市など)や中核市にお住まいの方は、各市の保健所に申請します。都道府県の保健所ではなく市の保健所になるので、まず「どこの保健所が担当か」を確認してください。

佐藤
編集長
申請してから認定までどのくらいかかりますか?

室谷
代表取締役
保健所によって多少差があります。受給者証が届くまでの間、一時的に自己負担上限額を超えて払った分は後から「償還払い」で取り戻せます。受給者証が届いたら、指定医療機関か保健所に相談してみてください。

佐藤
編集長
医療費助成はいつから始まりますか?

室谷
代表取締役
助成の開始日は、指定医が対象要件を満たすと診断した日(診断年月日)からになります。令和5年(2023年)10月から開始時期が見直されました。ただし、申請日から遡れるのは原則1か月です。やむを得ない理由がある場合は最長3か月まで遡れます。

佐藤
編集長
「やむを得ない理由」ってどんな場合ですか?

室谷
代表取締役
具体的には、医療意見書の受領に時間がかかった場合、症状の悪化で申請書類の準備が遅れた場合、大規模災害で提出が遅れた場合などが認められています。診断されてすぐ申請するのが一番スムーズです!
必要書類一覧

佐藤
編集長
必要書類を詳しく確認したいんですが。

室谷
代表取締役
はい、新規申請に必要な書類をまとめましょう。
| 書類名 | 誰が作成するか | 備考 |
|---|---|---|
| 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書(新規) | 保護者 | 保健所または都道府県HPで入手 |
| マイナンバー調書 | 保護者 | 患者・保護者のマイナンバーが必要 |
| 医療意見書 | 指定医 | 指定医のみ作成可 |
| 医療保険の所得区分に係る同意書 | 保護者 | 所得判定のため保険者情報を同意 |
| 重症患者認定申告書 | 保護者 | 重症認定を希望する場合のみ |
| 人工呼吸器等装着者証明書 | 指定医 | 人工呼吸器等を使用している場合 |

佐藤
編集長
マイナンバーが必要なんですね。

室谷
代表取締役
はい。患者本人と保護者のマイナンバーが必要になります。マイナンバーカードかマイナンバー通知カード、それを確認できる書類を準備しておいてください。書類は都道府県のホームページからダウンロードできますが、保健所の窓口でも受け取れます。
申請期限と遡り期間に注意
- 助成開始は「指定医が診断した日(診断年月日)」から
- 申請日から遡れるのは原則1か月のみ
- やむを得ない理由がある場合のみ最長3か月
- 診断されたらできるだけ早めに保健所に申請することが重要です
変更届・更新の手続き

佐藤
編集長
認定を受けた後に引越したり、保険が変わったりした場合はどうなりますか?

室谷
代表取締役
その場合は変更届の提出が必要です!住所や保険の変更、氏名・保護者の変更があったときは必ず保健所に届け出てください。届け出が遅れると、自己負担額の計算に影響が出ることがあります。

佐藤
編集長
受給者証の有効期間はどのくらいですか?

室谷
代表取締役
原則として1年間です。毎年更新の手続きが必要で、更新時も指定医に医療意見書を書いてもらう必要があります。有効期間が切れると受給者証が使えなくなるので、更新の時期を忘れないようにしてください。

佐藤
編集長
更新を忘れると一時的に助成が受けられなくなるんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです!保健所から更新のお知らせが来るはずですが、受給者証の有効期間を手帳やスマートフォンのカレンダーに登録しておくことをおすすめします。
問い合わせ先・申請窓口

佐藤
編集長
実際に申請するときはどこに行けばいいですか?

室谷
代表取締役
お住まいの地域を管轄する保健所の健康増進課・難病・母子保健係などに問い合わせてください。都道府県によって窓口の名称が異なります。
申請窓口の探し方
- 都道府県が管轄する保健所に申請(例として愛媛県の場合、四国中央保健所・西条保健所・今治保健所・中予保健所・八幡浜保健所・宇和島保健所)
- 政令市・中核市にお住まいの方は各市の保健所へ
- 対象疾病・指定医の確認は小児慢性特定疾病情報センター(www.shouman.jp)
- 制度の詳細は厚生労働省ホームページでも確認できます

佐藤
編集長
松山市に住んでいる場合は?

室谷
代表取締役
松山市の場合は松山市保健所(089-911-1870)に問い合わせてください。このように政令市・中核市は独自の保健所で対応していますので、まずはお住まいの市区町村に確認するのが一番スムーズです。
給付金詐欺にご注意ください
- 公的な医療費助成の申請にATMの操作は一切不要です
- 保健所や市区町村の職員が電話でマイナンバーや銀行口座を聞くことはありません
- 「手続き代行」と称して費用を請求する業者は詐欺の可能性があります
- 申請に関する不審な連絡があった場合は、必ず保健所か市区町村に直接確認してください
申請後の流れ(償還払いについて)

佐藤
編集長
受給者証が届く前に受診した場合の医療費はどうなりますか?

室谷
代表取締役
有効期間の開始日から受給者証を受け取るまでの間に、自己負担上限額や負担割合(2割)を超えて医療費を支払った場合、差額を「償還払い」で返してもらえます。

佐藤
編集長
それは安心できますね!

室谷
代表取締役
ただし、自動的に返ってくるわけではなく、申請が必要です。医療費の領収書を保管しておいて、管轄の保健所または指定医療機関に相談してください。指定医療機関によっては窓口で直接調整してくれるところもあります。
| 基本情報 | 詳細 |
|---|---|
| 対象疾病数 | 801疾病(令和7年4月1日現在) |
| 対象年齢 | 18歳未満(条件付きで20歳誕生日前日まで延長) |
| 自己負担上限 | 月額0円〜15,000円(所得区分による) |
| 申請期間 | 通年受付(継続制度) |
| 申請先 | 住所地管轄の保健所 |
| 公式情報 | 愛媛県公式ページ |
よくある質問

佐藤
編集長
最後に、よくある疑問点を教えてください。

室谷
代表取締役
いくつかよく聞かれることがありますね。

佐藤
編集長
まず、「うちの子の病気が対象かどうかわからない」という場合は?

室谷
代表取締役
小児慢性特定疾病情報センター(www.shouman.jp)に疾病の一覧が掲載されています。それでもわからない場合は、かかりつけの指定医か保健所に直接相談してください。指定医が対象疾病かどうかを確認してくれます。

佐藤
編集長
子どもが18歳になってしまった場合の手続きはどうすれば?

室谷
代表取締役
18歳到達時点で認定を受けていれば、指定医から「引き続き治療が必要」と判断された場合に限り20歳の誕生日前日まで延長できます。延長の手続きは管轄の保健所で行ってください。18歳を過ぎたら「指定難病」の医療費助成制度も検討の余地があります。

佐藤
編集長
転居した場合はどうなりますか?

室谷
代表取締役
同じ都道府県内の転居であれば管轄の保健所が変わるだけで、変更届の提出で対応できます。他の都道府県に転居した場合は、転居先の都道府県で新規申請が必要になります。受給者証は都道府県ごとに発行されているためです。

佐藤
編集長
関連する制度もありますか?

室谷
代表取締役
はい、いくつか関連する制度があります。特定医療費(指定難病)医療費助成は成人の難病患者向けで、18歳以降に引き継げる可能性があります。また、障害児福祉手当は重度の障害のある18歳未満の子どもに月額手当が支給される制度です。重症の小児慢性特定疾病患者さんは両方の制度が絡む場合もあります。小児慢性特定疾病医療費助成(鹿児島市)のような地域独自の上乗せ助成も確認してみてください。経済的にも支援が必要な場合は、障害児福祉手当(豊中市)のような地域制度や年金生活者支援給付金制度なども視野に入れてみてください。

佐藤
編集長
制度を知らないともらえないままになってしまいますよね。

室谷
代表取締役
まさにそうです!この制度はプッシュ型ではなく申請が必要な制度なので、自ら動かないと助成を受けられません。難しい疾患を抱えるお子さんのご家族は、ぜひ積極的に保健所に相談してみてください。医療費の負担が大幅に軽くなりますよ!

室谷
代表取締役