室谷さん、福岡県の漁業で今使える補助金や助成金って、どんなものがあるんですか?玄界灘と有明海を抱える福岡ならではの支援策はありますか?
福岡の漁業は今、まさに転換期を迎えています。ALPS処理水の海洋放出に伴い、中国をはじめとする一部国・地域の輸入規制が続く中で、ホタテやナマコなど輸出依存度の高い水産物の販路をどう分散するかが最大の課題です。国は緊急支援として、輸出先多角化や国内加工体制の強化に巨額の補助金を投入していますよ。
具体的に、福岡の漁業者がすぐに使える制度を教えてください。
輸出だけではなく、国内向けの加工拠点を整備する補助金もあるそうですね。
その通りです。
令和5年度と令和6年度の「地域の加工拠点整備支援事業」では、
上限175,875万円(補助率1/2以内)で、水産加工施設の新築や改修、冷凍・冷蔵設備の導入を支援します。福岡県内の漁協や水産加工業者が連携して申請すれば、大型の加工ラインを整備し、国内販路を一気に拡大できます。
福岡ならではの強みを活かせそうですね。国内販路開拓に特化したものは?
令和5年度の「国内販路拡大等支援事業」では、
上限64,237万円(定額)で、新商品開発や販促イベント、商談会出展などを支援します。また、最新の令和6年度版である
「国内販路拡大等支援事業」では約10.1億円の予算が確保され、継続した対策が可能です。玄界灘の鮮魚や有明海の海苔など、福岡ブランドを全国に売り込むチャンスです。
ALPS対策以外にも、輸出を広げる補助金はありますか?
アフリカはまだ未知の市場ですが、農林水産省が力を入れているんですね。
人口増が著しいアフリカでは、冷凍技術や品質管理ノウハウを持つ日本企業の進出余地が大きいです。福岡の水産加工会社が、現地での加工拠点立ち上げを検討する場合などに活用できます。
有明海の海苔養殖や、新しいスマート養殖に使える制度はないですか?
国の制度としては直接的な後継者支援は少ないのですが、
産地連携推進緊急対策事業(上限3億円)で、収穫機械の導入や研修体制の整備を間接的に支援できる場合があります。また、福岡県独自の制度や水産庁の事業もあるので、冒頭の相談窓口で確認されるのが確実です。
まず、これらの補助金は公募期間が決まっており、年度ごとに内容が変わることです。例えば、令和6年度のALPS対策は締切が2025年3月21日でしたが、令和7年度事業も2026年2月5日まで公募があります。常に最新情報をチェックしてください。また、コンソーシアム形式が求められるケースも多いので、漁協や県、商工会議所と連携して準備を進めることをお勧めします。
MSCやMELなどの水産エコラベル認証を取るための補助金はありますか?
直接「認証取得費用」を対象とした国庫補助は今のところリストにはありません。ただ、輸出促進事業の中で、認証取得が販路拡大に必要と認められれば、間接補助の対象になる可能性があります。具体的には、
ALPS対策の輸出先多角化事業などで、新規市場開拓の一環として認証費用が認められるか、執行団体に確認するとよいでしょう。
有明海の海苔養殖業者がALPS処理水の風評被害で使える補助金は?
海苔は中国への直接輸出は多くありませんが、加工品として間接的な影響を受けています。国内販路拡大支援事業で、新商品の試作や販促活動を行うことが可能です。また、産地連携事業で乾海苔から加工海苔へのシフトに伴う設備投資を支援することも考えられます。
ありがとうございました。福岡の漁業がこれらの補助金を活かして、持続可能な経営を実現してほしいですね。
まさに、ピンチをチャンスに変える好機です。ぜひ積極的に活用を!