建設業許可(一般)
請負代金500万円以上(建築一式1,500万円以上)の建設工事を行うには必須。知事許可9万円・大臣許可15万円、有効期間5年。
知事許可: 9万円 / 大臣許可: 15万円(登録免許税)
知事許可:約30日、大臣許可:約120日
5年
都道府県知事 / 国土交通大臣
建設業許可(一般)とは
建設工事を請け負う場合に必要な許可。軽微な建設工事(請負代金500万円未満、建築一式は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅)のみを請け負う場合は不要。土木一式・建築一式の2つの一式工事と27の専門工事、計29業種ごとに許可を取得する。
こんな事業者が取得する必要があります
建設工事の請負を営もうとする者(個人・法人)
以下に当てはまる場合、この許可が必要です
500万円以上の工事を請け負う予定がある
建築一式工事以外で請負代金500万円以上(税込)、建築一式工事で1,500万円以上の工事を受注する場合は許可が必須です。
経営業務管理責任者となる人材がいる
建設業で5年以上の経営経験を持つ常勤役員、または組織的な管理体制(常勤役員+補佐者)を確保できるか確認してください。
専任技術者を配置できる
施工管理技士等の国家資格保有者、または10年以上の実務経験者を各営業所に常勤配置できるか確認してください。
財産的基礎(500万円以上)を証明できる
自己資本500万円以上、または金融機関の預金残高証明書(申請直前1ヶ月以内発行)で500万円以上を証明できるか確認してください。
社会保険に加入している
健康保険・厚生年金保険(法人・常時5人以上の個人)、雇用保険(従業員がいる場合)に適正に加入していることが許可要件です。
欠格要件に該当しない
破産して復権を得ていない、禁錮以上の刑から5年未経過、建設業法違反で許可取消しから5年未経過などに該当しないことを確認してください。
元請から許可取得を求められている
軽微な工事のみでも、元請企業やゼネコンから取引条件として許可取得を求められている場合は、早めの取得を検討しましょう。
申請の流れ
建設業許可(一般)の申請から取得までの流れです。標準処理期間は知事許可:約30日、大臣許可:約120日です。
要件確認
経営業務の管理責任者(建設業5年以上の経営経験)、専任技術者(国家資格等)、財産的基礎(自己資本500万円以上)、誠実性、欠格要件非該当の5要件を確認
書類準備
申請書類一式を作成・収集。証明書類の取得に1〜2ヶ月かかることが多い
申請
知事許可は都道府県庁の建設業課、大臣許可は地方整備局に申請。電子申請(JCIP)も利用可能
審査
書類審査。知事許可は約30日、大臣許可は約120日が標準処理期間
許可通知
許可通知書を受領。許可番号が付与される
必要書類
申請時に提出が必要な書類の一覧です。事前に揃えておくとスムーズに進みます。
建設業許可申請書(様式第1号)
申請者の基本情報(商号・所在地・役員構成・営業所一覧など)を届け出る書類。許可の根幹となる書類で、記載内容が登記簿や他の添付書類と一致している必要がある。
各都道府県の建設業課窓口、または国土交通省の各地方整備局サイトからダウンロード
工事経歴書
直前3年の各事業年度における主な完成工事を記載
申請業種で実際に工事実績があるかを審査される。請負金額の大きい順に記載し、未成工事も含める。経営事項審査を受ける場合は記載ルールが異なるため注意。
自社で作成。契約書・注文書・請求書などを基に正確な金額を記載する
直前3年の各事業年度における工事施工金額
業種ごとの年間施工金額を記載。申請業種の施工実績を定量的に示すもの。工事経歴書の合計金額と一致させる必要がある。
自社で作成。決算書の完成工事高と整合性を取る
経営業務の管理責任者証明書
常勤役員等のうち、建設業に関し5年以上の経営経験を持つ者を証明
許可の5大要件のひとつ。建設業の経営を適正に行える人材がいることを証明する。令和2年改正で「組織としての管理体制」でも可能に。経験年数は登記簿や確定申告書で裏付ける。
自社で作成。証明者の経歴を裏付ける登記簿謄本・確定申告書の写しを添付
専任技術者証明書
国家資格の合格証・免許証の写し、または実務経験証明書を添付
許可の5大要件のひとつ。施工の技術力を担保する。1級・2級施工管理技士、建築士、技能士などの国家資格か、指定学科卒業+実務経験(大卒3年・高卒5年)、または10年以上の実務経験で証明する。
資格の場合は合格証明書の写し。実務経験の場合は過去の勤務先に証明書への押印を依頼
財務諸表(貸借対照表・損益計算書等)
直前1期分。自己資本500万円以上であることの証明
許可の5大要件のひとつ(財産的基礎)。自己資本額500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があることを示す。新設法人の場合は開始貸借対照表で資本金500万円以上を証明。
税理士が作成した決算書一式。個人事業主の場合は確定申告書の写し
誓約書
建設業法第8条の欠格要件に該当しないことを誓約
破産者、禁錮以上の刑を受けた者、暴力団関係者など、法定の欠格事由に該当しないことを申請者自身が誓約する。虚偽の場合は許可取消し+5年間の再申請不可。
所定の様式に記入・押印。役員全員分が必要
健康保険等の加入状況
健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入が許可要件
令和2年10月から社会保険の加入が許可要件に追加。適用除外でない限り、未加入の場合は許可が下りない。
年金事務所発行の「健康保険・厚生年金保険 被保険者標準報酬決定通知書」や、ハローワーク発行の「雇用保険適用事業所設置届事業主控」の写し
登記事項証明書(法人の場合)
法人の商号、本店所在地、役員構成、目的などを公的に証明する書類。申請書の記載内容と一致しているか確認される。
法務局の窓口またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム)で取得。発行手数料480〜600円
納税証明書
法人税(法人)または所得税(個人)の納税証明書
税金を適正に納付していることの証明。「未納の税額がないこと」の証明(その3の3)が求められる場合もある。
税務署の窓口、e-Tax、または郵送で取得。発行手数料400円(1税目1年度につき)
身分証明書・登記されていないことの証明書
役員全員分が必要
成年被後見人・被保佐人に登記されていないことを証明。欠格要件の確認に使われる。身分証明書は破産者でないことも証明する。
身分証明書は本籍地の市区町村役場で取得(手数料300円程度)。登記されていないことの証明書は法務局で取得(手数料300円)
費用・手数料
申請手数料(公式)
知事許可: 9万円 / 大臣許可: 15万円(登録免許税)
新規申請の場合。更新・業種追加はいずれも5万円
自分で申請 vs 行政書士に依頼
| 自分で申請 | 行政書士に依頼 | |
|---|---|---|
| 費用 | 知事許可の場合、申請手数料9万円+証明書取得費用(数千円程度)で約10万円 | 行政書士報酬10万〜20万円(一般・知事許可の場合)+申請手数料9万円で合計約20〜30万円。特定建設業は報酬15万〜25万円が相場 |
| 期間 | 書類準備に1〜2ヶ月+審査に約30日(知事許可)で合計2〜3ヶ月 | 行政書士が書類作成を代行するため、着手から1〜2ヶ月で申請可能 |
行政書士に依頼するメリット
要件充足の事前確認で不許可リスクを回避、書類の不備による補正・差し戻しを防止、経営業務管理責任者や専任技術者の証明書類の収集を代行、許可後の届出(決算変更届等)もサポート
おすすめ
初めての申請や要件が複雑な場合は行政書士に依頼するのがおすすめ。更新のみなら自分で対応できるケースも多い
よくある失敗と対策
申請時によくあるミスと、その防ぎ方をまとめました。
経営業務管理責任者の経験年数が足りないまま申請する
結果: 申請が却下され、手数料9万円が無駄になる。経験を積むまで数年待つ必要が生じ、事業計画が大幅に遅れる。
対策: 申請前に行政書士や管轄の建設業課に相談し、経営経験の証明書類(確定申告書・工事契約書等)が揃うか事前に確認する。
専任技術者の常勤性を証明できない
結果: 書類不備で差し戻しとなり、審査期間が延びる。最悪の場合、許可が取得できない。
対策: 健康保険証の写し・住民票・出勤簿等で常勤性を証明できるよう、事前に書類を整えておく。他社との兼務は認められない点に注意。
更新期限(5年)を失念する
結果: 許可が失効し、新規申請からやり直しになる。許可番号が変わり、取引先への説明も必要になる。
対策: 有効期限の6ヶ月前にはリマインダーを設定し、30日前までに更新申請を完了させる。行政書士と顧問契約していれば管理してもらえる。
決算変届を提出していない
結果: 更新申請の際に過去分をまとめて提出する必要があり、更新手続きが大幅に遅延する。最悪、許可更新に間に合わない。
対策: 税理士の決算業務と連動させ、決算確定後すぐに変更届を提出するフローを作る。
軽微な工事だと思い込んで無許可で受注する
結果: 材料費込み・消費税込みで500万円以上になっていた場合、建設業法違反で3年以下の懲役または300万円以下の罰金。5年間許可取得不可。
対策: 請負金額は材料費・消費税を含めた総額で判定される点を理解し、少しでも500万円に近い案件は慎重に確認する。
無許可営業の罰則
無許可営業は3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)。法人の場合は両罰規定により1億円以下の罰金。営業停止処分に違反した場合も同様の罰則が科される。虚偽申請による許可取得も第47条の対象。
罰則を受けると、今後の許認可取得にも影響が出る場合があります。必ず事前に申請を行いましょう。
よくある質問
Q建設業許可がなくても工事はできますか?
軽微な建設工事であれば許可不要です。具体的には、建築一式工事以外は請負代金500万円未満(税込)、建築一式工事は1,500万円未満(税込)または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事が該当します。ただし、元請企業が下請にも許可取得を求めるケースが年々増えており、実質的には許可がないと仕事を受けにくい状況です。
Q個人事業主でも建設業許可は取得できますか?
はい、個人事業主でも取得可能です。法人と同じく5つの要件(経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格要件非該当)を満たす必要があります。財産要件は、預金残高証明書で500万円以上を証明すれば足ります。ただし、個人許可は事業主本人に紐づくため、法人成りした場合は新たに法人として許可を取り直す必要があります。
Q知事許可と大臣許可の違いは?
営業所が1つの都道府県内にある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にまたがる場合は大臣許可が必要です。知事許可の申請手数料は9万円、大臣許可は15万円です。なお、知事許可でも全国で工事を施工することは可能です。営業所の所在地で判断されます。
Q建設業許可の有効期間と更新は?
有効期間は5年間です。期間満了の30日前までに更新申請が必要で、更新手数料は知事許可5万円、大臣許可5万円です。更新を忘れると許可が失効し、新規申請からやり直しとなるため、期限管理は必須です。
Q申請から許可取得までどのくらいかかりますか?
知事許可の標準処理期間は約30日(営業日)です。ただし書類の準備期間を含めると、着手から許可取得まで2〜3ヶ月が一般的な目安です。行政書士に依頼すると、書類の不備による差し戻しを防げるため、よりスムーズに進みます。
QJCIP電子申請は使えますか?
はい、2023年1月から建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)が稼働しており、全国の都道府県で順次対応が進んでいます。GビズIDを取得すればオンラインで申請可能で、登記事項証明書や納税証明書の添付が不要になる場合もあります。窓口訪問や郵送が不要になるため、時間と手間を大幅に削減できます。
Q経営業務管理責任者の要件を満たせない場合は?
2020年の建設業法改正により、常勤役員個人の経験だけでなく、「常勤役員+補佐する者」の組み合わせで組織としての管理体制を整えることでも要件を満たせるようになりました。例えば、建設業の経営経験2年以上の常勤役員に加え、財務管理・労務管理・業務運営の経験者を補佐として配置する方法があります。
基本情報
更新手数料: 5万円(知事許可・大臣許可とも)
有効期間満了の30日前までに更新申請が必要。更新を忘れると許可が失効し、新規申請からやり直しになる
関連法令
建設業法(昭和24年法律第100号)が根拠法。第3条で許可制度を規定、第7条で一般建設業の許可基準(4要件)、第15条で特定建設業の許可基準を定める。第47条〜第55条が罰則規定で、無許可営業には3年以下の懲役又は300万円以下の罰金。令和7年2月1日施行の建設業法施行令改正により、特定建設業の下請代金基準が4,500万円→5,000万円(建築一式7,000万円→8,000万円)に引き上げ。
最終更新: 2026年3月12日
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