三重県で使える主な補助金・助成金比較
三重県で人材育成や人材確保に使える補助金って、実際にどのくらいの規模感があるんですか?
国の制度と三重県独自の制度、さらに四日市市や津市などの市区町村レベルの制度まで全部合わせると、100件以上の補助金・助成金が存在します。ただ全部使えるわけじゃなくて、自社の状況に合わせて選ぶのが重要なんですよ。
中小企業の経営者さんってほんとに情報が届きにくいんですよね。厚生労働省の助成金だけでも「働き方改革推進支援助成金」が4コースあるし、「業務改善助成金」もある。それに加えて三重県独自の「県外専門人材確保支援補助金」もあります。
そんなにたくさんあるんですね。まず何から手をつければいいか教えてもらえますか?
まず大前提として、人材育成系の助成金と人材確保系の補助金は別物です。人材育成は今いる社員のスキルアップ・訓練に使うお金。人材確保は採用費用や新しい人を雇うコストを支援するもの。どちらに困っているかで選ぶ制度が変わってきます。
そうなんですよ。あと三重県って製造業が強い県なので、特に工場の現場で使える制度とか、自動車部品メーカーが活用しやすい制度が結構あります。伊賀・四日市・鈴鹿と産業集積がある地域ごとに使える制度も違ったりして、面白い構造をしてますよ。
補助金申請から受給までの流れ
国の制度から見ていきましょうか。どれが三重県の会社に特に使いやすいですか?
一番活用されているのは厚生労働省の「業務改善助成金」ですね。事業場内で一番低い時給を30円以上引き上げて、生産性向上のための設備投資をすると、その設備費用が最大600万円、補助率3/4〜9/10で助成されます。
設備を入れながら賃上げもできる、ということですか。
そういうことです。POSレジの導入でも、業務効率化ソフトでも対象になるので、三重県の食品製造系や小売系の中小企業さんが活用しやすい制度です。補助率が9/10になるケースもあるので、かなりお得感があります。詳しい内容は
業務改善助成金のページをご覧ください。
次に使いやすいのが「働き方改革推進支援助成金」の各コースです。これは4つのコースに分かれていて、それぞれ助成額が違うんですよ。
コース別に見ると、①労働時間短縮・年休促進支援コースが最大730万円(補助率3/4)、②業種別課題対応コースが最大1,000万円(補助率3/4)、③勤務間インターバル導入コースが最大600万円(補助率3/4)、④団体推進コースが最大1,000万円(定額)です。
ちなみに「人材開発支援助成金」というのは別の制度ですか?
そうです!これは厚生労働省の別制度で、社員の訓練費用と訓練中の賃金を助成してくれる仕組みです。三重労働局が窓口になっていて、「人材育成支援コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」などがあります。
そうなんです。たとえばDXやITのスキルアップ研修を受けさせる場合、研修費の50〜75%が出て、さらに研修中の賃金も一部助成される。これを「人への投資促進コース」で使う会社が三重県でも増えています。相談窓口は三重キャリア形成・リスキリング支援センター(電話059-336-5399)で、無料でアドバイスが受けられます。
電話相談ができるのは助かりますね。次のセクションに進む前に、リスキリング関連の補助金も国レベルであるって聞いたんですが。
ありますよ。経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金」ですね。これは企業じゃなくて、キャリア相談・訓練・転職支援を一体で提供する民間事業者向けの補助金です。補助率は1/2〜定額で、個人が利用する場合はこの補助を受けた民間事業者のサービスを活用する形になります。詳細は
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金のページを確認してください。
| 制度名 | 最大助成額 | 補助率 | 主な対象 |
|---|
| 業務改善助成金 | 600万円 | 3/4〜9/10 | 賃上げ+設備投資する中小企業 |
| 働き方改革助成金(業種別課題対応) | 1,000万円 | 3/4 | 建設・運送・医療等 |
| 働き方改革助成金(労時短縮コース) | 730万円 | 3/4 | 年休取得・時短推進する中小企業 |
| 働き方改革助成金(団体推進コース) | 1,000万円 | 定額 | 事業主団体(商工会等) |
| 働き方改革助成金(インターバル導入) | 600万円 | 3/4 | 勤務間インターバル制度を導入する企業 |
| 人材開発支援助成金 | 訓練経費・賃金の一部 | コース別 | 職業訓練を実施する事業主 |
| リスキリング支援事業費補助金 | 公募要領参照 | 1/2〜定額 | 訓練・転職支援を提供する民間事業者 |
こうして並べると全体像がつかみやすい!三重県独自の制度はどうなっていますか?
次のセクションで三重県独自の制度を詳しく見ていきましょう。これがまた面白いんですよ。
三重県は2026年5月から「県外専門人材確保支援補助金」を募集開始。U・I・Jターンで三重県内に移住してくる専門人材を採用する際の人材紹介手数料を、最大80万円(補助率1/2)助成します。
三重県独自の制度で最近話題のものがあると聞いたのですが。
それはズバリ「県外専門人材確保支援補助金」です。2026年5月1日から令和9年2月10日まで募集中で、県外から専門人材(概ね5年以上の専門経験を持つ人)をU・I・Jターンで正規雇用すると、人材紹介手数料の1/2(上限80万円)が支援されます。
経営幹部候補・販路開拓人材・事業再生人材・生産性向上人材の4タイプが対象とされています。中小企業の経営強化や新規事業創出を後押しするための制度なので、三重県のプロフェッショナル人材戦略拠点(プロ人材拠点)を通じた紹介が前提になります。
そうです。勝手に採用して「あとから補助金ください」は通らないんです。先に拠点に相談して、登録人材紹介事業者を経由する必要があります。早めに相談に行くのが鉄則ですね。問い合わせは三重県雇用経済部 中小企業・サービス産業振興課(中小企業・サービス産業振興班)まで。
四日市市や津市にも独自の制度があるって聞きました。
市レベルでも手厚いんですよ。まず四日市市は「中小企業人材スキルアップ支援事業費補助金」があって、従業員の資格取得費用の1/2(年間上限15万円)を補助します。令和6年度からITパスポートや基本情報技術者試験などのIT系資格も対象に加わったのが大きなポイントです。詳細は
四日市市中小企業人材スキルアップ支援事業費補助金のページをご覧ください。
IT系資格も対象になったんですか!これは使えそう。
さらに四日市市には「中小企業人材確保支援事業費補助金」もあって、就職フェアやインターンシップ合同説明会への出展費用を2/3(上限30万円)補助してくれます。採用コストをまるごとカバーできるわけじゃないですが、地方の中小企業が大手に比べて不利な採用市場で戦うための武器になりますよ。詳細は
四日市市中小企業人材確保支援事業費補助金のページまで。
四日市市の「中小企業働きやすい職場づくり支援事業費補助金」も見逃せないです。就業規則の見直しなどのソフト整備に上限10万円、職場環境の物的整備(ハード整備)に上限50万円、補助率は1/2です。従業員のワーク・ライフ・バランス向上を目的とした取り組みが対象です。詳細は
四日市市中小企業働きやすい職場づくり支援事業費補助金のページをどうぞ。
津市は「中小企業振興事業補助金(人材育成支援事業)」があって、2026年4月2日から10月30日まで募集中です。市内の研修開催や外部・オンライン研修への参加費用を1/2(上限10万円)補助します。研修内容は生産性向上、経営管理能力向上、販売営業力強化など幅広いです。詳細は
津市公式ウェブサイトで確認してください。
四日市市と津市、それぞれ特徴がありますね。海外展開したい場合の制度は?
それは三重県の「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」ですね。三重県内の中小企業が外国への特許・実用新案・意匠・商標出願をする費用を1/2(1企業あたり最大300万円)補助します。石油化学や自動車部品など三重県の主要産業で、海外で技術を権利化したいときに使えます。詳細は
三重県海外展開支援事業費補助金のページをどうぞ。
知財の海外展開支援まであるとは驚きました。次は申請のコツを教えてください。
ここまで制度の中身を見てきましたけど、実は「どう申請するか」でつまずく方が多いんですよ。注意点を整理しておきますね。
- GビズIDの取得: 多くの国の補助金・助成金でGビズIDが必要。取得に2〜3週間かかるので事前に準備を
- 事前着手の禁止: 交付決定前に工事や発注をすると対象外になる制度が多い
- 計画届の提出: 人材開発支援助成金など計画届が先に必要な制度では、訓練開始の1週間前までに提出が必要
一番多いのが「事前着手」ですね。補助金の交付決定が下りる前に設備を発注したり、採用を進めてしまうケース。これをやると原則として補助金がもらえません。業務改善助成金は「事前着手承認」という仕組みがありますが、他の制度にはないことが多いので要注意です。
計画届の提出漏れですね。人材開発支援助成金の場合、訓練を始める前に訓練計画を労働局に届け出る必要があるんですよ。訓練が始まってしまってから「ああ、届出が必要だったか」と気づいても遅い。三重労働局に相談すれば一緒に計画を作ってくれるので、先に電話(059-226-2111)することをおすすめします。
計画届が事前に必要なんですね。具体的な申請の流れって、どうなってますか?
自社の課題を整理する(人材育成か人材確保か、どの業種かを明確に)
GビズIDを取得する(プライムアカウントが必要な場合は書類提出が必要)
事業計画を立てる(交付決定前に着手しないよう注意)
必要書類を揃えて申請する(オンライン申請はjGrants経由のことが多い)
8ステップもあるんですね。「後払い」が基本なんですか?
そうなんです。ここが落とし穴で、補助金は基本的に「後払い」です。一度自分たちのお金で設備投資や研修費を払って、その後に補助金が入ってくる仕組みなんです。だから設備を発注してから補助金が振り込まれるまでの資金繰りを考えておく必要があります。三重県内の金融機関で「つなぎ融資」を活用するのも一つの手ですよ。
特に中小企業さんはキャッシュフローが厳しいことが多いので、補助金の受け取りまでの期間(数ヶ月〜1年近いこともある)の運転資金を確保しておくことが大事です。三重県産業支援センターや各市の商工会・商工会議所でも相談できますよ。
最後に、三重県の事業者さんにアドバイスをお願いします。
人材育成・人材確保系の補助金は種類が多くて複雑に見えますが、シンプルに考えてほしいのは「今の社員を育てたいのか、新しい人を採りたいのか」という軸です。育てる方向なら人材開発支援助成金や津市・四日市市の制度、採る方向なら三重県の県外専門人材確保支援補助金や四日市市の人材確保支援補助金が有力候補になります。
そして申請は「早めに相談」が鉄則です。三重労働局やハローワーク、三重県産業支援センターは無料で相談に乗ってくれます。GビズIDも早めに取っておくと、いざというときに焦らずに済みます。三重県内で働き方改革や人材育成に取り組む中小企業の方は、ぜひこれらの制度を活用してみてください。
ありがとうございました!三重県の制度が充実しているとわかりました。
- 三重労働局職業安定部職業対策課: 059-226-2111(人材開発支援助成金・働き方改革関連)
- 三重キャリア形成・リスキリング支援センター: 059-336-5399(リスキリング・訓練計画)
- 三重県雇用経済部 中小企業・サービス産業振興班: 059-224-2460(県外専門人材確保支援補助金)
- 四日市市産業支援センター: 059-352-8100(四日市市の各種補助金)