最近、長野県内の製造業さんから「海外に出たいけど、何か使える補助金ないですか」って相談が増えてるって聞きました。実際のところ、どんな制度があるんですか?
ありますよ、思ってるより多く!長野県って精密機械や電子部品、食品、酒造業まで幅広い産業があるんで、海外展開の支援制度も県独自のものと国の制度を合わせると20件以上あります。まず全体感を整理しましょうか。
20件以上!それは多いですね。全部把握するだけで大変そう(笑)。
(笑)そうなんです。だから「何から手をつければいいか分からない」って方が多い。大きく分けると、①長野県独自の助成金、②国の補助金(中小企業向け)、③知的財産の外国出願支援、④貿易手続きデジタル化支援、⑤輸出促進の農水省系制度——この5系統になります。
長野県はワインやクラフトビール、味噌、日本酒の蔵元が多いですからね。食品・農産物の輸出支援は農水省がかなり手厚くやってるんです。それに観光庁系の訪日外国人向けコンテンツ強化補助金も一部該当します。
なるほど。じゃあ、まず長野県独自の制度から教えてもらえますか?
長野県の海外展開支援制度の全体像を示す比較図
いちばん使いやすいのが「中小企業海外販路開拓助成金」です。2026年3月2日から12月25日まで受け付けていて、海外の展示会・見本市・商談会への出展費用を補助してくれます。
助成上限が100万円で、補助率は経費の3分の2以内です。出展料や装飾料はもちろん、通訳代、印刷物、外国語版PR動画の制作費、旅費・宿泊料、貿易専門家への謝金まで入ります。これだけ使えれば、ほとんどの出展費用はカバーできますよね。
そうなんです。令和8年度は予算上限が2,000万円で、2026年4月27日時点で231万2千円の交付決定済みです。まだ余裕はあるけど早めに動いた方がいい。申請はメール(
chusho@pref.nagano.lg.jp)で事業計画書を送るだけです。
- 担当: 産業労働部 経営・創業支援課
- 電話: 026-235-7195
- FAX: 026-235-7496
- メール: chusho@pref.nagano.lg.jp
- 受付期間: 令和8年3月2日〜令和8年12月25日(予算上限達次第締切)
もう1つ、長野県独自のやつがあるって言ってましたよね?
はい。「
長野県 中小企業等外国出願支援事業補助金」です。これは特許・実用新案・意匠・商標を海外で権利化したい企業向けで、上限300万円、補助率2分の1です。長野県産業振興機構が運営していて、外国特許庁への出願手数料、現地代理人費用、翻訳費用が対象になります。
特許の海外出願って高いですよね。翻訳だけでも数百万かかるって聞きました。
ざっくり英語圏への特許出願で150〜200万円、多言語展開すれば500万円超えることもある。だから補助が大きい。1企業あたり上限300万円ですが、特許1件150万円・実用新案や意匠・商標は各60万円という案件別上限もあるので、複数権利をまとめて申請するのが賢いやり方です。
なるほど、まとめて1回で申請するのがコツなんですね。
そう!1社1申請なので、まとめないと損します。同じく長野県産業振興機構が相談窓口をやってるので、申請前に一度相談することをおすすめします。
申請フロー 長野県企業が海外展開補助金を活用するステップ
国の制度の中で長野の事業者さんに特に使ってほしいものって、どれですか?
まず
ものづくり補助金(21次締切)のグローバル枠ですね。補助上限3,000万〜4,000万円、補助率1/2か2/3。海外展開のための設備投資、システム構築、マーケティング活動まで使えます。長野県の精密機械・電子部品メーカーが海外向けに新製品ライン立ち上げるには理想的な制度です。
採択率ってどのくらいですか?ものづくり補助金って競争率高そうで(笑)
グローバル枠の採択率はざっくり40〜50%くらいです。全枠の中では比較的高い方なんですよ。なぜかというと、グローバルな事業計画を書ける企業がまだそんなに多くないから。逆に言えば、しっかり海外展開の意志と計画があれば採択可能性は高い。
賃上げ加点を組み合わせると採択率がさらに上がります。従業員への賃上げ計画を盛り込んだ事業計画書を書くと審査で有利になるんです。GビズIDの取得は最低3〜4週間かかるので、申請したいと思ったら今すぐ取得作業を始めてください。
jGrantsという電子申請システムにログインするための行政IDです。これがないと申請できません。取得に時間かかるのに、公募スタートしてから慌てて取りに行く人が多くてですね(笑)。
(笑)それは焦りますね。次はINPITの外国出願補助金ですか?
注意点として、INPITの方は年2回公募(第1回と第2回)で、1社1申請です。長野県の産業振興機構の補助金と一緒に活用するには、申請タイミングの調整が必要です。
| 制度名 | 上限額 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 長野県海外販路開拓助成金 | 100万円 | 2/3 | 展示会・商談会出展費用 |
| 長野県外国出願支援補助金 | 300万円 | 1/2 | 外国出願費用(翻訳・代理人費) |
| INPIT外国出願補助金 | 300万円 | 1/2 | 外国出願費用(全国対象) |
| ものづくり補助金(グローバル枠) | 3,000〜4,000万円 | 1/2〜2/3 | 設備投資・マーケティング等 |
| 貿易手続デジタル化推進補助金 | 2,000万円 | 中小2/3 | 貿易業務システム化 |
| 酒類業振興補助金(海外展開枠) | 1,500万円 | 1/2 | 日本酒等の海外販路拡大 |
| 農林水産物輸出促進緊急対策事業 | 4,000万円 | 定額10/10 | 農水産物・食品の輸出 |
長野はワインやクラフトビール、日本酒の蔵元が多いですけど、そういった事業者向けの制度もあるんですか?
あります!
令和8年度酒類業振興支援事業費補助金の「海外展開支援枠」が使えます。
詳細ページはこちら。上限1,000万円(グループ申請なら最大1,500万円)、補助率1/2。海外向けの販路開拓や酒蔵ツーリズム向けのブランディングにも使えます。
そう、外国人観光客を酒蔵に呼び込む体験コンテンツの開発・プロモーションも対象になります。長野の酒蔵さんにはすごくマッチしてる制度だと思います。国税庁が窓口で、全国の酒類製造業者・卸業者・小売業者が対象です。
全額補助は大きい!でもアフリカってハードル高くないですか?
そこが正直なところで(笑)、FS(実現可能性調査)が最初のステップなので、いきなり現地進出じゃなく「まず調べてみる」フェーズから支援されます。上限4,000万円、NPOやコンソーシアムも申請可能なので、農業組合や食品加工組合でまとめて取り組むのが現実的です。
なるほど、組合単位で動ければリアリティが出てきますね。
海外展開をやると、通関とか貿易書類の手続きが大変って聞きますよね。
国の政策として中小企業の貿易参入を後押ししてるんです。実は貿易手続きの複雑さが「海外展開の壁」になってる中小企業は多い。紙とFAXで書類をやり取りしてたら非効率で、そこをデジタル化することでコスト削減と新規輸出の実現につながります。
いや、輸出業務を持つ全業種が対象です。食品輸出をしたい食品メーカーさんでも使えます。
- GビズIDの取得: jGrantsで申請する補助金は必須。発行まで3〜4週間かかる
- 先着順制度は要注意: 長野県海外販路開拓助成金は予算上限に達次第締切。早めに申請
- 採択後払いのリスク: 多くの補助金は「補助事業完了後に申請」の後払い。先に自己資金が必要
- 外国出願補助金の1社1申請ルール: 県のINPIT両方で別々に申請。1申請で複数案件をまとめること
- 消費税は補助対象外: 消費税分は自己負担
補助金の申請って、一人でやるのは難しいですよね。どこに相談すればいいですか?
長野県には「国際サポネットNAGANO(長野県海外展開企業サポートネットワーク)」という仕組みがあって、ジェトロ長野・中小企業基盤整備機構・日本政策金融公庫・長野県産業振興機構などが連携してます。毎月第2金曜日に無料の相談会も開催しています。
毎月1回は頻繁でいい!メールで相談できるんですか?
そういう横断的な相談窓口があるのは助かりますね。中国市場向けの相談ってできますか?
ジェトロ長野が詳しいです。それ以外に、長野県産業振興機構が上海に駐在員を置いていて、中国の市場情報収集や中国企業との商談サポートをやっています。
上海に駐在員いるのは心強いですね!県内企業は無料で使えるんですか?
基本的に無料の相談や情報提供は利用できます。展示会や商談会のセッティング支援も状況によっては対応してます。長野県の精密機械や電子部品は中国市場でのニーズが高いので、活用してる企業は増えてますよ。
実際に海外展開の補助金を使おうと思ったら、最初に何をすればいいですか?
大きく3ステップです。まず相談、次に制度選択、最後に申請です。
ものづくり補助金など大型補助金は確認書が必要です。長野県産業振興機構や商工会議所が窓口になってることも多いので、まず地元の商工会・商工会議所に相談するのが最初の一歩として手軽ですよ。
国際サポネットのことを知ってる人は少なそうですけど、これは本当に使って欲しいですね。
そう思います。補助金の申請支援だけでなく、海外展開の戦略相談まで乗ってもらえる。「展示会に出るかどうか迷ってる」段階から使えます。
長野県のほかの市区町村レベルや商工会議所の海外展開支援も細かくあります。あと、小規模事業者持続化補助金は海外市場調査の経費も対象になるケースがあります。上限200万円で補助率2/3です。
「販路開拓」全般が対象なので、ホームページの外国語対応、海外バイヤーとの商談のための翻訳資料作成なども該当します。ただし海外旅費は基本的に対象外なので注意です。
なるほど。まとめると、長野県の企業が海外展開で使える制度って思ってたより多いですね。
正直、これでも主要どころに絞った説明で、市区町村レベルの制度や業界団体の助成金まで含めると50件以上あります。大事なのは「自社の海外展開のフェーズに合わせて制度を選ぶこと」です。まず調査・展示会参加のフェーズ、次に権利取得・ブランディングのフェーズ、その後に設備投資・大型展開のフェーズ——それぞれに使える補助金が違います。
段階に合わせて制度を組み合わせるのが賢いやり方なんですね。
そう!補助金は一つだけじゃなく、複数を組み合わせて使うのが基本です。長野県の助成金と国の補助金を同時進行で進めてる企業もたくさんいます。一人で抱え込まないで、まず相談窓口に連絡してみてください。
- ジェトロ長野(Japan External Trade Organization): 長野市内、海外展開の総合相談
- 長野県産業振興機構(NICE-O): 補助金申請支援・上海駐在員による中国市場対応
- 国際サポネットNAGANO: 毎月第2金曜日相談会(メール: san-kikaku@pref.nagano.lg.jp)
- 長野県産業労働部 経営・創業支援課: 長野県独自補助金の申請窓口(電話: 026-235-7195)