室谷さん、今日は「省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業」という補助金について聞きたいんですが、正式名称が長くてちょっと何の補助金かわかりにくいですよね!
ほんとに!(笑)正式には「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業)」という名前で、今回対象になっている①番はプラスチック資源のリサイクル設備に特化した補助金です。環境省が令和5年度から令和9年度まで実施している大型事業の一部ですね。
環境省の補助金なんですね!なんで今こんなに大規模なの?
2022年に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行されて、自治体や企業によるプラスチック回収量の増加が求められるようになったんですよ。でも回収量を増やしてもリサイクルできる設備が追いついていないという問題があって。だから設備導入を後押しする補助金なんです。
なるほど、回収量増加に設備が追いついていない問題を解決するわけか!
そうです。令和8年度の予算額はざっくり73億円(7,297百万円)、令和7年度補正予算分と合わせると100億円超えるスケールで、本気度が伝わりますよね!
100億円超え!それはすごい規模ですね。誰でも申請できるわけじゃないですよね?
申請できるのは(ア)民間企業、(イ)一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人、(ウ)その他環境大臣の承認を得た者、の3種類です。個人や自治体単独はNGです。
補助率比較 中小企業1/2・大企業等1/3
補助率はどのくらいなんですか?中小企業と大企業で違うんですか?
そうなんです!中小企業基本法に定める中小企業者の場合は補助率1/2(50%)、それ以外(大企業等)は1/3(33.3%)です。補助上限額は公募要領には明示されていませんが、令和8年度の総予算7,297百万円(約73億円)の範囲内で採択されます。
中小企業なら半額出てくれるのはかなり大きいですね!
超大きいですよ!プラスチックのリサイクル設備って、破砕機・洗浄機・選別機をひとそろい入れると数億円になることもあります。その半分が補助されるとなると、かなり投資判断が変わってきますよね。
| 区分 | 補助率 | 対象 |
|---|
| 中小企業者 | 1/2(50%) | 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者 |
| 大企業等 | 1/3(約33%) | 上記以外(大企業、一般社団・財団法人等) |
| リース利用(中小) | 1/2(50%) | 貸渡先が中小企業の場合はリース事業者が1/2 |
使えます!ただし条件が細かくて、途中解約できない契約であること、法定耐用年数の70%以上(10年以上の設備は60%以上)のリース期間が必要で、補助金交付額相当分がリース料の低減に充てられる旨の特約が必要です。あと親会社・子会社間のリース契約は対象外です。
なるほど、しっかりルールがあるんだ。予算は単年度ですか?
原則は単年度で、令和9年2月末までに事業完了が必要です。ただし、最大2カ年度(令和10年2月まで)の複数年度事業としても申請できます。ただし2年目の補助金交付は確約されていないので、資金計画は慎重に立てる必要があります。
大きく分けると2つのルートがあります。一つ目はリサイクル設備の導入ルートで、これまでリサイクルできなかったプラスチックへの対応量を増やしたり、高品質な再生素材を供給するための設備が対象です。
廃プラスチックのリサイクルに必要な、破袋機・破砕機・洗浄機・脱水機・異物除去装置などの前処理設備、選別装置や押し出し機などの原料化設備、それらに電源を供給する設備などです。さらにそれら設備の実施設計費や配管・配線・運搬・据付・試運転調整に要する費用も補助対象になります。
二つ目はリユース設備の導入ルートで、プラスチック使用量の削減に資するリユース(繰り返し使用)に必要な設備が対象です。こちらも国内資源循環が安定的に見込める事業であることが条件です。
- 対象: 破袋機、破砕機、洗浄機、脱水機、異物除去装置(前処理設備)
- 対象: 選別装置、押し出し機等(原料化設備)
- 対象: リユースに必要な設備
- 対象: 上記設備への電源供給設備、配管・配線等の直接工事費・実施設計費
- 対象: 設備の運搬・据付・試運転調整費用
- 対象外: 中古品・新古品・既存機器の改造(新品のみ補助対象)
- 対象外: 土地・建屋・基礎・道路等の建築土木費用
- 対象外: 既存設備の撤去・廃棄費用、官公庁への申請費用
そうです、新品のみが補助対象です。一度でも稼働した設備、整備済み中古、既存機器の改造も全部NGです。ここは要注意!
よく見ましたね!設備の電動機はトップランナー基準のIE3(国際規格)以上を使用することが必要です。ただしインバータ駆動など除外されている電動機は除く、とされています。省エネ機器の導入を促進するという趣旨です。
申請の資格について詳しく教えてください。業種の制限はあるんですか?
業種の制限は基本的にありません。製造業・リサイクル業はもちろん、小売業・卸売業・情報通信業なども申請できます。ただし事業内容としてプラスチック資源のリサイクルまたはリユースを行うことが大前提です。
自社でリサイクル事業をやっていない会社でも申請できますか?
できます!リサイクル等事業者と連携(共同申請)することで、これからリサイクル事業に参入する事業者も申請可能です。その場合は、リサイクル事業者との契約書や覚書等が必要になります。
- 使用済製品等のリサイクル促進とCO2排出抑制を図る事業であること
- 製造された再生素材の国内資源循環が安定的に見込める事業であること(再生素材を国内で利用する事業者が確保されていること)
- 設備導入後のCO2削減効果と再生素材利用状況を、交付規程第16条に基づく事業報告書として提出すること(事業完了後3年間、年度毎に報告義務あり)
そうなんです、これが意外と見落とされるポイントです。毎年度終了後30日以内に、過去1年間のCO2削減効果などを環境大臣に報告する義務があります。目標が達成できない場合は補助金の返還を求められることもありますので、ここは申請前にしっかり見込んでおく必要があります。
補助金の使い方にも注意が必要なんですね。設置場所の要件は?
日本国内の事業所に設備を設置する事業に限られます。海外に設備を置く事業は対象外です。なお同一事業者が複数の事業所について申請する場合は、原則として事業所単位での申請が必要です。
申請はオンライン補助金申請システム「jGrants」を使います。jGrantsで「バリュー」と検索して、「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業 令和7年度(補正予算)第2次公募及び令和8年度第1次公募」を選んで申請します。
申請フロー GビズID取得から採択まで
jGrantsを使うにはGビズIDが必要ですよね!
そうです!GビズIDプライムが必須です。取得には2〜3週間かかるので、申請締切ギリギリに気づいても間に合いません。公募期間は令和8年5月1日から令和8年6月5日の12時必着なので、まだ取得していない方は今すぐ動き出してください!
1GビズIDプライムの取得 まだ持っていない場合はGビズIDの公式サイトから申請。取得まで2〜3週間が目安なので、公募開始前から準備を。
2公募要領の熟読と申請書類の準備 財団(公益財団法人廃棄物・3R研究財団)のHPから様式一式をダウンロード。応募申請書【様式1】、実施計画書【様式2】、経費内訳【様式3】が中心書類。
3CO2削減効果計算書の作成 ライフサイクルフロー図(様式あり)、フロー図詳細(様式あり)、プラスチックCO2削減効果計算書(Excelシートまたはバウンダリ方式)を作成。
4資金調達計画書の作成 補助金の支払いは原則精算払いのため、補助金額を除いた自己資金・融資等での資金調達計画を具体的に示す必要あり。
5jGrantsで申請書類を提出 令和8年6月5日12時必着。jGrantsにログインし、所定フォームへファイルをアップロード。
6審査・採択 財団が設置する委員会で審査。必要に応じてヒアリングや追加資料提出が求められることも。
7交付決定後に事業開始 交付決定日より前に発注・着工した経費は補助対象外。交付決定通知を必ず待つこと。
主なものをまとめると以下の通りです。結構多いので早めに準備を始めることをおすすめします!
| 書類区分 | 内容 |
|---|
| 応募申請書【様式1】 | 申請者情報、事業概要等 |
| 実施計画書【様式2】 | 事業の詳細、CO2削減計画等 |
| 導入前後比較表【様式A】 | 設備導入前後の処理能力・消費電力等の比較 |
| 再生素材の売却先詳細【様式B】 | 再生素材の売却先情報 |
| CO2削減効果計算書(その1・2) | ライフサイクルフロー図、削減量計算シート |
| 経費内訳【様式3】 | 補助対象経費の詳細 |
| 資金調達計画書 | キャッシュフロー計算書等 |
| 暴力団排除誓約書【別紙1】 | 必須添付書類 |
| 経理状況説明書 | 直近2決算期の貸借対照表・損益計算書 |
難しいですね、正直。エクセルシートで算出する方法とバウンダリ方式という2つの計算方法があります。導入する設備によって使うフローが変わるので、早めに財団の公募要領をしっかり確認することが大切です。なお、算出した削減量の根拠も明示が必要です。
審査項目は大きく「適格性・合理性」と「事業効果・事業意義」の2軸です。事業の実施計画の確実性と合理的な実現性が最初に問われます。そして設備導入によるCO2削減効果の大きさも重要な評価ポイントです。
CO2削減効果が大きいほど採択されやすいということ?
そういうことです!加点項目として、申請者の温室効果ガス排出削減に関する目標設定、デコ活応援団への参画・デコ活宣言の登録、エコ・ファースト認定、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」に基づく各種認定計画なども評価されます。
- 対策1: CO2削減量の計算は保守的に見積もらず、根拠を丁寧に示す(算出根拠の明確性が評価される)
- 対策2: 再生素材の売却先(利用事業者)を事前に確保し、関心表明書を取得しておく
- 対策3: 資金調達計画を具体的に(金融機関との交渉状況を示す書類があれば強い)
- 対策4: デコ活宣言やエコ・ファースト認定など加点になる取り組みを事前に進める
- 対策5: 廃掃法の許可が必要な場合は、取得見込みの根拠を明確に示す
再生素材の売却先も事前に確保しないといけないんですね!
これが実は大きなポイントで、「再生素材を国内で利用する事業者が確保されていること」が対象事業の要件になっているんです。申請書類に仕入先・売却先からの関心表明書等を添付する必要があります。審査が通っても、再生素材を買ってくれる先がなければビジネスとして成り立ちませんから、当然といえば当然ですね。
なるほど!バリューチェーン全体で成立することを証明しないといけないわけか。
まさにその通りです。この補助金の名前に「バリューチェーン」と入っているのは伊達じゃなくて、メーカー・リテイラー・ユーザー・リサイクラー全体の連携で初めて成立する設備投資を支援するというコンセプトなんです。
はい、まとめてみましょう。意外と対象外になりやすいものがあるので要注意です。
| 区分 | 内容 |
|---|
| 補助対象 | 補助対象設備の購入費用 |
| 補助対象 | 購入物の運搬・据付・試運転調整費用 |
| 補助対象 | 対象設備の実施設計費 |
| 補助対象 | 対象機器間の配管・配線等の直接工事費・間接工事費 |
| 対象外 | 中古品・新古品・既存機器の改造 |
| 対象外 | 土地・建屋・基礎・道路等の建築土木 |
| 対象外 | 既存設備の撤去・移設・廃棄費用 |
| 対象外 | 官公庁への申請・届出費用 |
| 対象外 | 本補助金への応募・申請に係る費用 |
| 対象外 | 予備品 |
多くの補助金で共通のルールですね。外部のコンサルタントに申請書作成を依頼した費用なども補助対象外です。あと補助金の支払いは原則精算払いなので、事業完了後に実績を報告してから入金される仕組みです。申請の段階では補助金を含まない資金調達計画が必要になります。
精算払いか!それはキャッシュフロー的にきついですね。
そうなんですよ。だから交付申請書に資金調達計画書の添付が求められて、金融機関からの融資が確定・協議中の場合はそれを証明する書面まで求められます。設備投資額が大きいので、事前に取引銀行に相談しておくことをおすすめします。
採択されてからが実は本番で、いくつか重要なルールがあります。まず交付決定日より前に発注・着工した経費は補助対象外になります。採択の内示があってからも、正式な交付決定通知が来るまで発注してはいけません。ここでよく失敗が起きます。
焦る気持ちはわかりますが、ルール上NGです!それから補助事業で取得した設備(取得財産等)は法定耐用年数の間は勝手に処分できません。処分する場合は財団に事前申請して承認を得る必要があります。
- 発注の早まり: 交付決定通知前の発注は補助対象外。内示があっても正式通知を待つ
- 設備の無断処分: 法定耐用年数期間中の譲渡・売却・廃棄には財団の事前承認が必要
- 報告書の未提出: 事業完了後3年間、毎年度終了後30日以内に報告書提出が義務
- CO2削減目標の未達: 計画した削減効果が達成できない場合は補助金返還を求められることも
国のお金を使っているので当然ですが、申請前にちゃんと把握しておかないと後で困りますよね。あと不正が発覚した場合は、交付決定解除+補助金返還+年10.95%の加算金と、かなり厳しい制裁があります。適正な執行を心がけることが大切です。
申請前に質問したいときはどこに問い合わせればいいんですか?
申請先は公益財団法人廃棄物・3R研究財団です。担当者名も明記されていて、金井・福田・久松・岩崎の各担当者が対応されています。
- 所在地: 〒130-0026 東京都墨田区両国3-25-5 JEI両国ビル8階
- 電話: 03-5638-7162
- FAX: 03-5638-7165
- メール: r.koudoka-1@jwrf.or.jp
- 担当: 金井、福田、久松、岩崎
問い合わせ先がはっきりしているのはありがたいですね!
公募要領にはよくある質問のQ&Aページも財団のHPに掲載されると書いてあります。電源を供給する設備の対象範囲など細かい点は、そちらも確認するといいでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業(バリューチェーン) |
| 公募期間 | 令和8年5月1日〜令和8年6月5日(12時必着) |
| 補助率 | 中小企業1/2、大企業等1/3 |
| 予算規模 | 令和8年度7,297百万円、令和7年度補正3,000百万円 |
| 補助事業期間 | 原則単年度(令和9年2月末まで)、最長2カ年度 |
| 対象 | 民間企業、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人 |
| 対象地域 | 日本国内(全国) |
| 申請方法 | jGrants(GビズIDプライム必須) |
| 実施機関 | 公益財団法人廃棄物・3R研究財団(環境省から委託) |
| 公式情報 | 公募要領PDF |
同じバリューチェーン事業の④番として
④リチウム蓄電池リサイクル設備導入事業(バリューチェーン)もあります。LIB(リチウム蓄電池)や太陽光パネルなど再エネ関連製品のリサイクルを対象とした補助金で、申請窓口や補助率は同じ枠組みです。プラスチックではなく金属資源系のリサイクルに取り組む方はそちらをチェックしてください!
そうです。環境省がこの「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業」というひとつの大きな枠の中に、プラスチック系①〜③と金属資源系④を設けているんです。
ありますね!蓄電システムの導入なら
業務産業用蓄電システム導入支援事業が対象です。今回の設備補助と組み合わせることはできませんが、エネルギー管理全体を考えるなら参考になります。
この補助金についてよくある質問をまとめてほしいです!
本当にダメです!一度でも稼働した設備・新古品・既存機器の改造は全て補助対象外です。購入前に確認が必要です。
再生素材の売却先が決まっていない段階でも申請できますか?
対象事業の要件として「再生素材の国内資源循環が安定的に見込める事業」である必要があります。応募書類には売却先からの関心表明書等の添付が求められますので、申請前に少なくとも見込み先の目処をつけておく必要があります。
gBizIDを持っていない場合、今から申請に間に合いますか?
令和8年6月5日が締切で、GビズIDプライムの取得には2〜3週間かかります。今から申請すれば締切には間に合いますが、余裕がありません。今すぐ申請開始することをおすすめします!
同一事業者が2つの事業所に設備を導入したい場合は、それぞれ別々に申請ですか?
原則は事業所単位での別々申請です。ただし例外があって、複数事業所の廃棄物を一括輸送して一括リサイクル処理する場合は、代表事業者(設備所有者)が一件でまとめて申請できます。
かなり厳しいです。交付決定の解除+既払い補助金の返還に加えて、年10.95%の加算金が課されます。さらに刑事罰の可能性もあります。適正な執行が大前提です。