室谷さん、今日は福岡県宗像市の補助金ですよね。まずは名前からして「食のまち」という感じですが、何ができるんですか?
正式名称は「食のまち宗像推進補助金」です。宗像市の食材を活用した販路拡大・域内消費の促進による商工業の振興を図るための補助金ですね。
要するに、宗像の食材で商品をつくったり、イベントを打ったりするお手伝いなんですね。
そのとおりです。市内の地域資源等を生かした特産品の開発、または食関連イベント等の実施にかかる経費の一部を補助します。
名前の「食のまち」にぴったりの制度ですね。次の話を聞く前からちょっとワクワクしてきました!
補助対象になる事業は、具体的にどんなものがあるんですか?
地域特産品開発支援事業と食を生かした賑わいづくり事業の2本立てです。
特産品を新しくつくるだけじゃなくて、既存品の改良やパッケージ変更も対象になるんですよね?
そのとおりです。「新たな地域特産品の開発」「既存の地域特産品の改良」「既存の地域特産品のパッケージ変更」の3タイプが対象です。
市内で生産された原材料を加工した商品、または市内で原材料を製造・加工する商品で、市の魅力を発信できる商品と定義されています。
宗像ならではのアピールポイントがある商品ってことですね。
もう一方の賑わいづくり事業は、3者以上(飲食事業者含む)の事業者が連携して行う食のイベントです。地域の食材を活用した料理の提供もしくは販売イベントやフェアの開催が対象になります。
ひとりで飲食店を経営しているだけではダメなんですね。
そうです。複数事業者で連携することがポイントですね。来場者に使用食材が分かる表示を行うなど、宗像の食の魅力が伝わるように情報発信することも必要です。
2つの補助対象事業地域特産品開発支援事業
新商品の開発・既存商品の改良・パッケージ変更
食を生かした賑わいづくり事業
3者以上が連携する食イベントやフェア
jGrantsの情報では、製造業、サービス業(他に分類されないもの)、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業が挙げられています。
飲食店だけじゃなく、ものづくり企業も狙えるんですね。
ええ。ただし、あくまで宗像市内に事業所または店舗を構えて、市内で事業を行っていることが前提です。従業員数の制約はありませんでした。
なるほど。じゃあ次は、気になる金額の話を聞いてみたいです!
補助上限額は20万円、補助率は補助対象経費の2分の1です。
補助率2分の1って、かかった経費の半分が返ってくるってことですよね。
その認識でOKです。ただし、経費の全額が補助対象になるわけではなく、あとで説明する対象経費に限られます。
注意点があります。補助対象経費に消費税は含みません。それから、補助対象経費に1,000円未満の端数がある場合は端数を切り捨てます。
細かいルールですね。領収書の税抜き金額ベースで計算するんですね。
はい。計算の基礎になるのは税抜き経費という認識でいいです。正確なところは募集要領で確認してください。
例えば補助対象経費が30万円だった場合、補助率2分の1なので15万円の補助になります。
40万円なら上限いっぱいの20万円になるんですか?
そのとおりです。40万円の半分は20万円ですから、上限額とちょうど一致します。45万円かかった場合も補助上限があるので20万円までです。
なるほど。上限を超えたぶんは自己負担になるわけですね。
| 補助対象経費 | 補助金額の計算 | 補助額 |
|---|
| 30万円 | 30万円 × 2分の1 | 15万円 |
| 40万円 | 40万円 × 2分の1 | 20万円 |
| 50万円 | 50万円 × 2分の1 = 25万円 | 上限のため20万円 |
費用が大きければ大きいほど補助額が増えるわけではなく、上限はあくまで20万円。計画を立てるときは「どこまでを補助対象経費にするか」を意識しましょう。
はい、申請できます。宗像市内に事業所又は店舗を有し、市内で事業を行っている事業者であれば、個人事業主も法人も対象です。
会社の登記簿謄本が必要と聞くと法人だけかと思ってました。
個人事業主の場合は本人確認書類の写しが必要です。免許証、保険証、マイナンバーカード(番号は黒塗り)などが挙げられています。
「熱意を持って取り組む事業者」という文言も公式ページにありましたね。審査では気合の入り方も見られるんでしょうか。
公式には「熱意を持って新しい地域特産品づくりや賑わいづくりに取り組む事業者」という表現があります。思い入れの強さも大事な要素ということですね。
大きく3つあります。1つ目は宗像市内に事業所又は店舗を有し、市内で事業を行っていること。2つ目は市税等に滞納がないこと。3つ目は暴力団員もしくは暴力団でなくなった日から5年を経過しない者でないこと、または暴力団もしくは暴力団員と密接な関係を有する者ではないことです。
基本は「市内でちゃんと事業をしている」ことと「市税を払っている」ことが大事なんですね。
そうですね。市税に滞納がないことの証明書を申請書類として用意する必要があります。
イベント事業の場合、連携する3者それぞれが申請するんですか?
違います。「食を生かした賑わいづくり事業」は、市内事業者1者を代表事業者として補助の対象になります。
ただし、連携するすべての事業者が市税滞納がないことと暴力団排除の要件を満たす必要があります。代表者だけでなく、全体のチェックが入るイメージです。
それだけ連携メンバーの質も見られるんですね。ここはしっかり整理しておかないと。
特産品開発の場合、どんな費用が補助対象になりますか?
商品開発に係るアドバイザーの謝金及び旅費、成分の分析や検査、商品加工の委託、原材料の購入、機器リース料、パッケージやラベルの制作費などです。
原材料も対象になるんですか? 販売する商品の原材料はだめですよね?
そのとおり。注意書きがあって、販売用に製造する商品の原材料は除くとされています。テスト段階で使う原材料というイメージでしょうか。詳細は公募要領で確認してほしいですね。
公式ページには令和7年度の実績として、宗像産の卵・大豆・あまなつを使った「むなかたたまごのころころぼーろ」や、未利用のアカモクを使ったペットフードふりかけ「アカモクone」などが紹介されています。
へえ、食品以外の商品も生まれてるんですね。ペットフードふりかけは面白い!
宗像の食材を活用する発想が広いと、補助金の活用チャンスも広がりますね。
講師謝金及び旅費、ホームページ制作の委託、イベント実施に必要な物品の購入、会場使用料、車両借上料、機器のリース料、チラシ・パンフレット・ポスター等の制作費などです。
会場費やチラシ代が補助対象になるのはありがたいですね。
さらに「その他特に市長が必要と認める経費」も対象になる可能性があります。ただし、該当するかは個別判断です。
まず汎用性があり、事業終了後も引き続き利用できる物品の購入費です。備品を買って終わり、みたいな形は対象外になります。
なるほど。イベント用に買った物品でも、あとから使い回せるものはダメなんですね。
ほかにも、補助対象者やその構成員、雇用関係にある人への謝金等は対象外。自社製品の調達、関係会社からの調達も対象外です。他の補助金の対象になっている経費もだめです。
経費のポイント- アドバイザー謝金・旅費
- 分析や検査、加工委託
- 原材料購入(一部条件あり)
- 機器リース料
- パッケージ・ラベル制作
- イベント開催の物品・会場費
×デメリット
- 消費税は含まない
- 汎用性のある物品は対象外
- 構成員や従業員への謝金は対象外
- 自社・関係会社からの調達は対象外
- 他の補助金の対象経費は対象外
対象になる経費とならない経費の線引きがけっこう細かいですね。申請前にしっかり整理する必要がありそうです。
募集期間は令和8年6月1日から令和8年12月25日までです。2026年でいうと6月1日から12月25日ですね。
ただし注意したいのが、受付は速い者勝ちの可能性があること。市の公式ページには「受付は先着順で予算上限に到達次第終了」とあります。
え、じゃあギリギリまで待っていると締切前に終了するかもしれませんね。
まさにそこが落とし穴。余裕をもって提出するのがおすすめです。
スケジュール早見表2026年6月1日
受付開始
先着順のため早めに準備
2026年12月25日
受付終了
予算上限に達すると早期終了の場合も
交付決定後
事業実施
交付決定後に発生した経費が対象
令和9年3月31日
事業完了期限
この日までに事業を完了
メールと窓口の2通りです。メールは sangyouseisaku@city.munakata.lg.jp へ。宗像市産業政策課商工観光係宛てです。
宗像市産業政策課、北館2階です。住所は〒811-3492 宗像市東郷1丁目1番1号。持参する形になります。
参考HPには制度概要が載っていますが、申請受付は行っていないと明記されています。提出はメールか窓口と覚えておいてください。
交付申請書、事業計画書、支出計画書、誓約書、市税に滞納のないことの証明書、見積書、登記簿謄本等の写し。個人事業主は本人確認書類の写しも必要です。
市税に滞納のないことの証明書は、申請日から3か月以内に取得したものが必要です。あと見積書は事業に係る経費が記載されたものが必要ですね。
まず募集要領で要件を確認し、事業計画をまとめて、必要書類を用意します。その後にメールか窓口で申請し、審査を経て交付決定です。それから事業を実施し、最後に実績報告書と請求書を出します。
交付決定がゴールではなく、その後の報告まで含めてセットなんですね。
そうです。ここを忘れると補助金を受け取れないので、最後まで気を抜けません。
申請から受給までの流れ- 1
- 2
- 3
必要書類を用意
市税の滞納がない証明書は3か月以内のもの
- 4
メールまたは窓口で申請
sangyouseisaku@city.munakata.lg.jp または北館2階
- 5
- 6
- 7
公募要領には「熱意を持って新しい地域特産品づくりや賑わいづくりに取り組む事業者」という言い方があります。つまり、なぜこの商品をつくるのか、なぜこのイベントを開くのかを具体的に説明できるかが大事です。
思い込みではなく、数字や計画で説明する必要がありそうですね。
ただし採点基準までは公開されていません。詳細な審査基準は公募要領で確認してください。
来場者に対し、使用食材が分かる表示を行ったり、宗像の食の魅力が伝わる情報発信を行うことが要件です。つまり「料理を出しました」だけでは弱い。
食材の産地表示や、宗像の魅力を伝える工夫を計画に組み込むといいわけですね。
あと、料理提供が付随的に行われるだけのイベントは対象外になる場合があります。あくまで食をテーマにしたイベントであることを明確にしましょう。
受付は先着順なんですよね。いつ動き出すのがいいですか?
募集開始は令和8年6月1日です。その前に商品企画やイベントの構想、見積書の取り寄せまで終わらせておくと、受付開始と同時に提出できます。
先に準備して、ふたを開けたらすぐ出せる状態をつくっておくのが理想ですね。
そうです。予算上限に達すると受付終了なので、のんびりしているとチャンスを逃します。
いえ、まず実績報告です。事業完了後30日を経過した日か、交付決定のあった日の属する年度の3月31日のどちらか早い日までに実績報告書を提出します。
「完了後30日」か「3月31日」の早い方、ですね。
必要書類は実績報告書、支出報告書、領収書の写し、事業成果が分かる写真などです。特産品なら商品写真、イベントなら当日の会場写真やチラシの現物が要ります。
まだです。実績報告書の審査が完了して補助金額が確定した後に請求書を提出します。
そうですね。確定通知後に請求書を宗像市産業政策課へ提出する流れです。慌てずに手続きを進めましょう。
交付決定後に申請を取り下げる場合や、計画と変更が生じる場合は事前に提出してください。変更申請書や申請取り下げ書があります。
だめです。変更内容によっては追加書類が必要になる場合もあります。まずは産業政策課へ相談するのが安心です。
この補助金では、他の補助金で交付決定を受けた、または受ける予定の経費は補助対象外です。同じ事業の経費を二重にもらうことはできません。
制度ごとに経費を分けるなら、可能性はあるんですか?
この補助金のルールの範囲では、あくまで他補助金の対象経費は対象外です。使う経費をきっちり分ける必要があります。
補助金の交付は事業者ごとに1年度中1回のみです。複数事業者が連携する事業の場合、年度中に補助金を既に交付している、または交付を行った連携事業者の中に当該事業者が含まれている場合は対象外です。
つまり一度使ったら、同じ年度の別イベントでは使えない。
そうです。1回きりと心得て、計画をしっかり立てましょう。
採択されたら、商品やイベントの内容は内緒にできますか?
市内事業者の取組事例として、事業内容を公表させていただくことがあると明記されています。あらかじめ知っておいてください。
補助金をもらった以上、地域への発信も求められるんですね。
ええ。宗像の食の魅力を発信するのがこの補助金の趣旨ですから、むしろ積極的にアピールしたいところです。
はい、基本情報を一覧にしました。ざっくり頭に入れて、詳細は募集要領を確認してください。
20万円という上限は大きく見えなくても、新商品の開発やイベントの第一歩を後押ししてくれる心強い制度ですね。
そうですね。先着順の側面もあるので、気になる方は募集要領を早めにチェックしてみてください。