この制度って何?賃上げと設備投資をセットで支援する補助金

事業場内最低賃金を50円以上引き上げる

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今日は埼玉県向けの「業務改善助成金」について教えてください。まず、これはどんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

端的に言うと、中小企業・小規模事業者が、事業場内最低賃金を50円以上引き上げて、生産性向上につながる設備投資を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。正式名称は【埼玉】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)ですね。
佐藤

佐藤

編集長

長い名前ですね(笑)。「事業場内最低賃金」って、よく聞く「最低賃金」とは違うんですか?
室谷

室谷

代表取締役

地域別最低賃金は都道府県ごとに国が定める最低額ですが、事業場内最低賃金は「その事業場で最も低い時間給」を指します。計算方法は地域別最低賃金と同様のルールです。業務改善助成金では、雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げていただく必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。従業員の中でいちばん時給が低い人の金額を上げる、と。それが50円以上必要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。そして、生産性向上に資する設備投資等の計画も立てて申請します。交付決定後に計画どおり事業を進めて、結果を報告すると、設備投資にかかった費用の一部が助成金として支給されます。

設備投資とのセットがポイント

佐藤

佐藤

編集長

「賃上げ」と「設備投資」の両方がセットなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そこがこの制度の特徴です。賃金引上げ計画と設備投資等の計画を立て、事業所ごとに申請します。たとえば同じ会社でも工場Aと事務所Bがあれば、それぞれ別々に申請する形ですね。
佐藤

佐藤

編集長

事業所ごとに申請するんですね。ところで、助成額は最大いくらになるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

最大600万円です。事業場内最低賃金の引上げ額や労働者数によって上限が変わるので、あとで詳しく解説しますね。
佐藤

佐藤

編集長

600万円は大きい!これは期待できそうです。そもそも、なぜ「業務改善」っていう名前なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

賃金を上げるだけではなく、設備投資によって業務の生産性を上げることを目的にしているからですね。この制度の対象になるのは、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満の事業者です。低賃金の労働者がいる事業場を対象に、賃上げと生産性向上の両方を後押しする設計になっています。
業務改善助成金の3つのポイント
賃上げが条件
事業場内最低賃金を50円以上引き上げる計画が必要
設備投資とセット
生産性向上に資する設備投資等の計画を立てる
最大600万円
引上げ額・人数・事業場規模に応じて助成上限が決まる

いくらもらえる?補助上限と助成率を解説

コースは50円・70円・90円の3種類

佐藤

佐藤

編集長

助成額の話をもっと詳しく聞かせてください。いくらもらえるかは何で決まるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

事業場内最低賃金の引き上げ額と、引き上げる労働者数、それから事業場の規模で決まります。コースは3種類で、50円以上引き上げる「50円コース」、70円以上の「70円コース」、90円以上の「90円コース」です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。たくさん上げるほどコースが上がって、助成上限も大きくなるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。50円コースで1人引き上げる場合は40万円から、90円コースで10人以上引き上げると600万円まで。自社の状況に合わせて計画を立てられます。
佐藤

佐藤

編集長

ざっくり言うと、引上げ額が大きいほど、人数が多いほど上限も上がる。覚えやすいですね。

事業場規模で上限額が変わる

佐藤

佐藤

編集長

さっき「事業場の規模」も関係すると言ってましたけど、具体的には?
室谷

室谷

代表取締役

表で見るのがいちばん分かりやすいですね。「事業場規模30人未満」の事業者と「右記以外」の事業者で上限が異なります。たとえば70円コースで2〜3人引き上げる場合、30人未満だと100万円、右記以外だと50万円です。
佐藤

佐藤

編集長

あれ、少人数の事業場のほうが手厚いんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そういう設計になっています。小規模な事業場ほど助成のハードルを下げたい、という意図が感じられますね。全コース・全人数の上限額はこの表にまとめました。※の10人以上区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります。
コース引き上げる労働者数事業場規模30人未満右記以外
50円コース1人40万円30万円
50円コース2〜3人70万円40万円
50円コース4〜5人70万円70万円
50円コース6〜7人90万円90万円
50円コース8人以上110万円110万円
50円コース10人以上※130万円130万円
70円コース1人50万円40万円
70円コース2〜3人100万円50万円
70円コース4〜5人130万円130万円
70円コース6〜7人180万円180万円
70円コース8人以上230万円230万円
70円コース10人以上※300万円300万円
90円コース1人100万円90万円
90円コース2〜3人240万円150万円
90円コース4〜5人270万円270万円
90円コース6〜7人360万円360万円
90円コース8人以上450万円450万円
90円コース10人以上※600万円600万円

助成率は4/5と3/4の2パターン

佐藤

佐藤

編集長

助成率も2種類あると聞きました。どう使い分けるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

事業場内最低賃金が1,050円未満なら助成率は4/51,050円以上なら3/4です。つまり、もともとの賃金水準が低い事業場ほど手厚く助成される仕組みですね。
佐藤

佐藤

編集長

仮に100万円の設備投資なら、4/5なら80万円、3/4なら75万円もらえる計算ですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。ただし、設備投資にかかった費用に助成率を掛けた金額と、コースの助成上限額を比べて、どちらか安い方が支給額になります。ここは計算例を見たほうが早いですね。

計算例で具体的に確認しよう

佐藤

佐藤

編集長

ぜひ具体的な数字で見せてください!
室谷

室谷

代表取締役

公式のリーフレットに載っている例だと、事業場内最低賃金が1,040円の事業場で、8人の労働者を1,130円まで引き上げる90円コースを申請したとします。1,040円は1,050円未満なので助成率は4/5、90円コースの8人以上は上限450万円ですね。
佐藤

佐藤

編集長

そこで設備投資に600万円かけたら、600万円×4/5で480万円。でも上限が450万円だから…?
室谷

室谷

代表取締役

その通り、450万円が支給額です。480万円と上限450万円を比べて、安い方の450万円になります。設備投資額をいかに助成上限に近づけるかもポイントですね。

引き上げる労働者数の数え方

佐藤

佐藤

編集長

助成額は「引き上げる労働者数」でも変わりますよね。この数え方がちょっと難しいんですが…。
室谷

室谷

代表取締役

わかりやすい例が公式の資料に載っています。事業場内最低賃金が1,050円の事業場で70円コースを申請する場合です。まず、事業場内最低賃金である労働者Aは「引き上げる労働者」に算入できます。Aの賃金が上がることで、その金額に追い抜かれる労働者Cも、申請コース以上引き上げていれば算入できます。
佐藤

佐藤

編集長

逆に算入できないケースは?
室谷

室谷

代表取締役

申請コース以上賃金を引き上げていないB、すでに引上げ後の事業場内最低賃金以上であるDは算入不可です。「実際に賃金が上がる人」を数えるイメージですね。引き上げる対象労働者は、週所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者であることもあわせて確認しておいてください。

誰が申請できる?対象者・業種・規模をチェック

中小企業・小規模事業者が対象

佐藤

佐藤

編集長

どんな事業者が申請できるんですか?個人事業主でも大丈夫ですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象になるのは中小企業・小規模事業者です。ただし、大企業と密接な関係を有する企業、いわゆる「みなし大企業」でないことが条件です。個人事業主の扱いを含めて、詳しい要件は公募要領で確認してくださいね。
佐藤

佐藤

編集長

ほかに押さえておくべき条件はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であること。そして、解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないことが要件です。心当たりがある場合は、申請前に必ず担当窓口に相談したほうがいいですね。
佐藤

佐藤

編集長

安心して申請できる状態かどうか、事前チェックが大事なんですね。

対象業種はほぼ全業種をカバー

佐藤

佐藤

編集長

業種の制限はあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象業種が明記されていて、農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業です。
佐藤

佐藤

編集長

飲食店や宿泊施設も入ってますね。事務所系のサービス業も対象になりそうです。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。ほぼ全業種と言っていいくらい広いです。埼玉県内で事業を行う中小企業・小規模事業者なら、かなりの割合で対象になり得るでしょう。

従業員数に制約はない

佐藤

佐藤

編集長

従業員数の条件はありますか?ウチは従業員が多いんですが…。
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツの情報では、従業員数の制約なしとされています。その代わり、先ほどの助成上限額の表にあるとおり、事業場規模30人以上かどうかで上限額の区分が変わります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。「申請できない」わけじゃなくて「もらえる額が変わる」んですね。
室谷

室谷

代表取締役

そういう理解で合ってます。あと、申請単位は事業所ごとです。同じ会社でも複数の事業所があれば、それぞれ別々に申請します。どの事業所で申請するかも、事前に整理しておきたいポイントですね。

どんな経費が対象?設備投資とIT導入の具体例

対象経費の例をチェック

佐藤

佐藤

編集長

具体的にどんな設備が対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

助成対象になるのは、生産性向上に資する設備投資等です。公式の資料に例が挙がっていますよ。たとえば、POSレジシステム導入による在庫管理の短縮リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮などです。
佐藤

佐藤

編集長

POSレジは飲食店や小売店でよく見るあれですね。在庫管理が楽になるから生産性向上、と。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。そのほかに、国家資格者による経営コンサルティング、具体的には顧客回転率の向上を目的とした業務フローの見直しも対象になります。顧客管理情報のシステム化も対象経費の例に挙がっています。
佐藤

佐藤

編集長

設備投資だけじゃなくて、コンサル費用も対象になるんですね。これは意外でした。
室谷

室谷

代表取締役

機器・設備の導入だけでなく、業務プロセスの改善も「生産性向上」と見なされるんですね。ただし、何でも対象になるわけではありません。「生産性向上に資する」と認められるかどうかの判断は、公募要領で詳細を確認してください。
対象経費の例と注意点
メリット
  • POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
  • リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
  • 国家資格者による顧客回転率向上の業務フロー見直し
  • 顧客管理情報のシステム化
×デメリット
  • 生産性向上に資さない設備等は対象外(要綱で要確認)
  • 交付決定前の設備導入は対象外
  • 複数回に分けた賃金引上げは認められない
  • 予算の範囲内で募集終了の可能性あり

特例事業者なら対象が広がる

佐藤

佐藤

編集長

「特例事業者」っていう枠があると聞きました。どんな事業者が該当するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

2つの要件があります。1つは賃金要件で、事業場内最低賃金が1,050円未満であること。もう1つは物価高騰等要件で、申請前6か月間平均における利益率が前年度と比べて3%ポイント以上低下していることです。
佐藤

佐藤

編集長

原材料費の高騰で利益が圧迫されている会社は、対象になる可能性があるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう。そして物価高騰等要件に該当する事業者は、助成対象経費の拡充も受けられます。通常は助成対象外となるパソコン・スマホ・タブレット等の端末と周辺機器の新規導入が対象になるんです。IT導入を考えている事業者には大きいですね。
佐藤

佐藤

編集長

それはありがたい!ただし条件があるんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

その通り。併せて、就業規則等に事業場内最低賃金が1,100円である旨を定めていただく必要があります。特例の適用条件を含めて、詳細は交付要綱で確認してくださいね。

交付決定前の導入は対象外

佐藤

佐藤

編集長

申請する前に設備を導入してしまったらダメなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

注意してください。交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象となりません。必ず交付決定を待ってから導入する流れを組みましょう。
佐藤

佐藤

編集長

うわ、これはうっかりやりがちなミスですね。肝に銘じます(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

あと、予算の範囲内で交付するため、申請期間内でも募集を終了する場合があります。同一事業所からの申請は年度内1回までですから、計画的に進めてください。

いつまでに申請する?期間と提出先

申請期間は令和8年9月1日から

佐藤

佐藤

編集長

申請期間はいつですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の制度詳細によると、令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または令和8年11月30日のいずれか早い日まで、となっています。
佐藤

佐藤

編集長

締切が「発効日の前日か11月30日かの早い方」なんですね。地域別最低賃金の発効日は、資料の例だと10月1日ですけど、それに合わせて締切が動く感じですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。Jグランツの募集期間欄には2026年8月31日から2028年3月31日までと表示されていますが、公式の制度詳細では受付期間が上記のように定められています。表示と実際の受付が食い違っている可能性があるので、公募要領で必ず確認してください。

提出先は埼玉労働局

佐藤

佐藤

編集長

申請書はどこに出すんですか?
室谷

室谷

代表取締役

事業場の所在地を管轄する都道府県労働局です。この申請フォームは埼玉労働局への申請フォームですね。誤った提出先に申請すると、その労働局で「棄却」処理され、正しい提出先へ再申請することになります。
佐藤

佐藤

編集長

提出先を間違えると、申請期間内に正しいところへ出し直す必要がある。こわいですね。
室谷

室谷

代表取締役

しかも、交付申請後に書類の修正や添付漏れが分かった場合は、申請を行った都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に連絡する形になります。提出前にしっかり確認するのが鉄則です。

Jグランツで電子申請

佐藤

佐藤

編集長

申請方法は電子申請ですか?
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツでの電子申請になります。この制度のページに「ログインして申請する」とありますから、Jグランツにログインして、必要事項を記入し、作成した交付申請書・添付書類を申請フォームの「申請書類」欄にアップロードする流れですね。Jグランツ申請マニュアルも用意されています。
佐藤

佐藤

編集長

代理申請もできると書いてありましたけど、どういうことですか?
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツの情報では「代理申請 可」とされています。詳しい操作方法は、Jグランツ申請マニュアルで確認するのが確実です。あと、注意点として、取得財産の処分に係る事前承認手続きなど、一部の手続きは電子申請ができず、都道府県労働局に直接行うことになっています。
業務改善助成金の申請フロー
  1. 1
    交付要綱・要領を確認
    厚労省サイトで最新の内容を熟読
  2. 2
    申請書類を作成
    交付申請書・添付書類を用意
  3. 3
    Jグランツにログイン
    埼玉労働局宛ての申請フォームへ
  4. 4
    必要事項を記入
    申請書類をアップロード
  5. 5
    申請ボタンをクリック
    添付漏れ・記載ミスを最終確認
  6. 6
    交付決定後に事業を実施
    設備導入と賃金引上げを実行
  7. 7
    事業の結果を報告
    設備投資費用の一部が支給

審査で見られるポイントと注意点

添付漏れ・記載ミスに要注意

佐藤

佐藤

編集長

審査で厳しく見られるポイントって何ですか?
室谷

室谷

代表取締役

なんといっても書類の添付漏れや記載ミスですね。公式の注意事項に「交付申請の際に書類の添付漏れや記載ミス等が多く見受けられます」と明記されています。申請ボタンをクリックする前に、今一度確認してくださいと呼びかけられているんです。
佐藤

佐藤

編集長

実際に多いミスなんですね。申請側としては、余裕をもって書類を準備したいところです。
室谷

室谷

代表取締役

あとは、申請前に厚生労働省ウェブサイトの交付要綱・交付要領や申請マニュアル、Q&Aを熟読しておくことが大切です。申請書の作成に便利なお役立ちツールも掲載されています。

不正受給は絶対にダメ

佐藤

佐藤

編集長

不正受給に関する注意もありましたよね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。故意に事実と異なる記載をした場合や、添付書類の偽造などで不正受給を行うと、不正受給額の返還に加えて加算金を支払う義務を負う場合があります。さらに刑事事件として告発されることもある、と明記されています。
佐藤

佐藤

編集長

それは怖い…。書類は正直に、正確に、が大前提ですね。
室谷

室谷

代表取締役

もちろんです。この制度に限らず、助成金は「計画どおり事業を実行して、結果を報告する」ことで成立します。賃金引上げも設備投資も、きちんと実行できる計画を立てましょう。

審査の攻略法は「計画の具体性」

佐藤

佐藤

編集長

通るコツみたいなものはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

制度の要件に沿って言えるのは、生産性向上に資する設備投資であることを、いかに具体的に示せるかです。たとえばPOSレジシステムの導入なら「在庫管理の短縮」というように、どう生産性向上につながるかを説明できる計画が求められます。
佐藤

佐藤

編集長

「設備を買いたいから」ではなく、「この業務を改善するためにこの設備を入れる」というストーリーが必要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう捉えると分かりやすいです。あと、賃金引上げは複数回に分けての実施は認められません。1回の引上げで事業場内最低賃金を50円以上上げる計画にしてください。引上げ後の金額を就業規則等に定めることも忘れずに。

いつまでに何をする?スケジュールを把握しよう

賃金引上げは発効日の前日まで

佐藤

佐藤

編集長

賃金の引き上げは、いつまでにやらないといけないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

賃金引上げ期間は、令和8年9月1日から、申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日までです。公式の資料には、10月1日に地域別最低賃金が1,040円から1,090円に改定される場合の例が載っていて、前日の9月30日までに引き上げを完了していれば対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

ということは、発効日の当日に引き上げてもダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

残念ながら、その例では発効日の当日の引上げは対象外とされています。地域別最低賃金の発効に対応して引き上げる場合は、発効日の前日までに完了させましょう。

事業完了期限は交付決定年度の1月31日

佐藤

佐藤

編集長

事業を完了させる期限はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

事業完了期限は交付決定年度の1月31日です。設備投資と賃金引上げをこの期限までに完了して、事業の結果を報告する流れになります。
佐藤

佐藤

編集長

交付決定がいつになるかにもよりますが、年明けすぐが締切になる可能性もあるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。申請期間は令和8年9月1日から始まりますから、秋には申請して、年内に設備導入、年明けに報告というイメージを持つと分かりやすいです。やむを得ず期限を延ばしたい場合は、事業完了期限の延長の理由書(例)などのツールも公開されていますから、確認してみてください。
令和8年度の制度スケジュール
  1. 令和8年9月1日
    申請受付開始
    Jグランツで受付開始
  2. 発効日(資料の例では10月1日)
    地域別最低賃金の発効
    発効日の前日までに賃金引上げを完了
  3. 令和8年11月30日
    申請締切(早い日)
    発効日の前日または11月30日のいずれか早い日
  4. 交付決定年度の1月31日
    事業完了期限
    設備投資と賃金引上げを完了させて報告

基本情報をまとめて確認!よくある質問も

制度の要点はこれだ!

佐藤

佐藤

編集長

ここまでの話を整理すると、賃上げと設備投資のセットで、最大600万円の助成が受けられる制度なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。基本情報をまとめると、対象地域は埼玉県、実施機関は業務改善助成金、補助上限は600万円、助成率は3/4〜4/5です。公式URLはJグランツのページですね。
佐藤

佐藤

編集長

申請前に必ずチェックしたい情報です。
項目内容
制度名【埼玉】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)
実施機関業務改善助成金
対象地域埼玉県
補助上限額600万円
助成率3/4〜4/5
申請期間令和8年9月1日〜地域別最低賃金の発効日の前日、または令和8年11月30日のいずれか早い日
対象業種農業、林業/漁業/建設業/製造業/情報通信業/卸売業、小売業/医療、福祉など19区分
公式URLhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDdumMAD

よくある質問

佐藤

佐藤

編集長

最後に、申請を検討している人が迷いやすいポイントを教えてください。過去にこの助成金を使ったことがあるんですけど、また申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の資料には「過去に業務改善助成金を活用した事業者も助成対象となります」と明記されています。ただし、同一事業所の申請は年度内1回までです。過去に使ったからといって自動的にNGにはなりませんが、必ず最新の交付要綱・要領で要件を確認してくださいね。
佐藤

佐藤

編集長

予算が途中で尽きてしまうことはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あり得ます。公式の注意事項に「予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があります」とあります。気になる場合は、早めに申請準備を始めるのが賢明です。
佐藤

佐藤

編集長

ほかの補助金と併用できますか?
室谷

室谷

代表取締役

この制度の併給ルールについて、公式の情報には明記されていません。併用を検討している場合は、公募要領で確認するか、コールセンターに直接問い合わせてください

問い合わせ先と参考情報

佐藤

佐藤

編集長

問い合わせ先はどこですか?
室谷

室谷

代表取締役

業務改善助成金コールセンターです。電話番号は0120-366-440、受付時間は平日9時から17時までです。Jグランツの「この補助金に問い合わせる」機能には対応していませんので、問い合わせは電話になります。
佐藤

佐藤

編集長

参考にしたいサイトはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

厚生労働省の業務改善助成金のページに、交付要綱・交付要領や申請マニュアル、Q&A、お役立ちツールがまとまっています。Jグランツの申請ページとあわせて、必ず最新の情報を確認してください。
佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今日はありがとうございました!埼玉県で賃上げと設備投資を考えている事業者には、かなり頼りになる制度だと分かりました。
室谷

室谷

代表取締役

ぜひ活用を検討してみてください。ただし、申請期間と提出先の誤りには本当に気をつけて。公募要領で最新の要件を確認して、書類は余裕をもって準備しましょう!