室谷さん、今日もよろしくお願いします。さっそく本題なんですが、またすごく長い名前の補助金があるんですよ。「【二次公募】令和8年度 天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金」。これ、読むだけで息が切れませんか?(笑)
確かに、ひと息では読めないですよね(笑)。でも名前のわりに中身はわりとストレートで、災害で電力が止まっても動く「停電対応型」のガス設備を導入する事業者を応援する制度です。
停電しても動くガス設備……。ふだんの電気は電力会社からもらうわけですけど、いざというときの“保険”みたいなイメージでしょうか?
そのとおりです。公式の制度詳細には、災害時の電力供給停止にも対応可能な停電対応型のコージェネレーションシステムや停電対応型のガスヒートポンプエアコンを導入する事業者に対し補助金を交付する と書かれています。つまり非常時のエネルギー供給を確保したい法人向けなんですよ。
コージェネレーション……カタカナが続きますね。これは簡単にいうとどういう機械ですか?
コージェネレーションシステムは、燃料で発電すると同時に、そのときに発生する熱も利用する設備です。この補助金の対象になっているのは「ガスコージェネレーションシステム」、略してCGSと呼ばれるタイプ。ガスを燃料にすることで、系統の電力が止まった状況でも動かせる設計になっているものを見込んでいるわけです。
つまり、ガスさえ供給されれば自家発電できる……。なんだか心強いですね!では、もうひとつのガスヒートポンプエアコン、いわゆるGHPはどういう位置づけなんですか?
GHPは「ガスヒートポンプエアコン」。ガスエンジンでコンプレッサーを回して空調を行う方式ですね。この制度では、停電対応可能なガスコージェネレーションシステム(ア) と、停電対応可能なガスヒートポンプエアコン(イ) のどちらか、または両方を導入する計画が基本になります。
なるほど。CGSかGHPか、どちらか選べばいいんですね。え、でも「どちらか」と言い切れない理由がありそう。
いいところに気づきました。どちらを入れても、必ずセットで設置しなければいけないものがあるんです。それが運転状況を確認するために必要な専用の計測装置(ウ) 。つまり「CGS+計測装置」か「GHP+計測装置」か、あるいは「CGS+GHP+計測装置」という構成が基本になります。
計測装置もセットで補助対象になるってことですね。ただ機械を置くだけじゃなくて、ちゃんと動いているか見える化しましょう、という趣旨なんでしょうか。
そうです。公式の交付対象要件にも「(ア)及び(イ)とし、(ウ)を合わせて設置すること」と明記されています。補助金をもらって導入した設備が、いざというときに確実に動くことが大切だというメッセージでしょうね。
前提がだいたい見えてきました。ほかにも「これは特徴的だな」と思う点はありますか?
まず対象が全国の事業を営む法人であること。それから、後ほど詳しく話しますが、補助率は補助対象経費の1/3以内 というのも大きな特徴。自己負担は発生しますが、それだけ大きな設備投資のハードルを下げてくれる仕組みです。
1/3補助、確かに助かりそうですね。停電対応設備はそれなりに金額が張りそうですから。
さらに設置先が「公共性の高い建物」や「災害時に避難所等として活用される建物」に限られるという点も、この制度の大きな特徴です。「補助金を出すからには、災害時に地域の役に立つ形で使ってくださいね」という設計なわけです。
この補助金の3つの特徴 停電対応型ガス設備が対象
停電対応CGS、停電対応GHPに加え、運転状況を確認する専用計測装置の設置が必要です。
事業を営む法人が対象
国や自治体の防災計画に関係する施設などを所有・運営する法人が想定されています。
1/3以内の補助率
設備の種類とガス供給方式によって上限額が異なります。募集期間は令和8年9月2日から24日までです。
なるほど!「どんな建物に設置するか」や「どんなガスの供給を受けているか」といった細かい条件が効いてきそうですね。では次は、いちばん気になるお金の話を聞かせてください!
基本はシンプルで、補助対象経費の1/3以内 です。ざっくりいうと、かかった費用の3分の1までが補助される計算ですね。たとえば1,000万円の設備を入れたら、条件を満たせば333万円ちょっと、というイメージです。
3分の1かー。ちゃんと計画すればかなり助かる額になりそうですね。誰でも全額がもらえるわけじゃなくて、あくまで「対象経費の1/3以内」という枠の中での話、と。
そうです。しかもこの制度には「設備の種類」と「ガス供給方式」ごとに上限額が設定されています。ここを読み間違えると期待と金額がズレるので、次の表を一緒に見てください。
表で見ると、けっこうハッキリ数字が並びますね。まずは停電対応CGSの場合からですか?
停電対応CGSの場合、中圧ガス供給なら上限2億4,000万円(240,000,000円) 、**低圧ガス供給なら上限6,000万円(60,000,000円)**です。一方、停電対応GHPの場合の上限は6,600万円(66,000,000円) 。この3パターンが公式に示されています。
設備の種類 ガス供給方式 補助金上限額 停電対応CGS 中圧ガス供給 2億4,000万円(240,000,000円) 停電対応CGS 低圧ガス供給 6,000万円(60,000,000円) 停電対応GHP ― 6,600万円(66,000,000円)
おお……CGSでも中圧ガス供給なら2億4,000万円までとれる可能性があるんですね。びっくりしました。でも、低圧だと6,000万円までに下がる。
そこがポイントです。補助率はあくまで1/3以内なので、上限額いっぱいをもらうためには、その3倍の補助対象経費=事業規模が必要になります。中圧CGSで満額を目指すなら、ざっくり7億2,000万円規模の事業計画になる計算です。現実的には、まず自分の建物に合う設備がどれか、というところから考えるのがいいでしょう。
数字だけ聞くと「デカい!」ですが、建物の規模と設備次第ってことですね。ところで中圧とか低圧って、そもそも何が違うんですか?
これはガスを運んでくる導管(パイプ)の圧力レベルの違いですね。この制度では、天然ガスを主原料とするガスを「中圧導管」または「耐震性を向上させた低圧導管」から供給を受けていること が要件になっています。
単にガスが来ていればいいわけじゃなくて、「どのパイプから来ているか」まで要件に入っているんですね。
はい。そして例外なく、天然ガスを主原料とするガスを燃料とした設備 を導入して使うことが必要です。ガス供給の方式が中圧か低圧か、耐震性のある低圧導管かどうかは、ガス会社との契約や導管の情報を確認しないと分からない部分なので、申請前にきっちり調べる必要があります。
計算例をもう少し具体的に聞いてもいいですか?たとえば“停電対応GHPだけで勝負する場合”はどうなりますか?
GHPの場合、上限は6,600万円です。補助率1/3なので、満額の6,600万円を受け取るには補助対象経費が1億9,800万円規模 になる必要があります。一方、小規模な建物ならそこまでの費用にはならないでしょうから、「もらえるのは実際の経費の1/3」と考えるのが素直です。
つまり「上限が大きい=誰でももらえる」ではなく、あくまで経費の1/3。上限は“これ以上は出ません”という天井なんですね。
その理解で正しいです。ちなみに公式ページの概要欄では補助上限額が「-」と表示されていますが、交付要件の説明の中で上記の3パターンの金額が示されています。ですから「上限なし」と誤解しないようにしてください。
大事な注意ポイントですね。しかも補助金は基本的に後払い・精算払いになるケースが多いので、資金計画はちゃんと組まないと……という話もよく聞きます。この制度がどういう払い方かは、公募要領を確認する必要がありそうですね。
まさにそのとおりです。事業を進める前に、交付規程や公募説明資料を必ず確認 してください。ここで紹介した制度のあらましに加えて、書類の書き方や手続きの細かいルールが載っていますから。
ではここからは「申請できる人」の話を深掘りしましょう。まず大前提は何ですか?
交付対象要件の(1)に、事業を営む法人を対象とする と明記されています。つまり個人事業主として申し込むことは想定されていません。あくまで法人が申請主体になる点をまず押さえてください。
なるほど。では従業員数とか資本金の条件はあるんですか?
jGrantsの情報では、従業員数の制約なし とされています。また対象業種をみると、農業・林業、漁業、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉などが並んでいます。
え、すごくたくさんありますね。農業も漁業も建設業も製造業も。飲食や福祉まで入っている。
そうなんです。ざっくり言えば、法人として事業を営んでいて、後述する「建物」と「設備」の条件を満たせば、業種としてはかなり広く応募の可能性があると見てよいと思います。ただし、あくまで事業を営む法人が前提ですから、その点だけは注意してください。
「事業を営む法人」という言葉はわりと広いですが、ガスの供給面ではどんな条件があるんでしたっけ?
再確認すると、天然ガスを主原料とするガスを中圧導管または耐震性を向上させた低圧導管により供給を受けること 、そして天然ガスを燃料とした設備を導入して使用すること が要件です。
つまり「プロパンガスしか来ていない場所」や、「耐震性の低い低圧導管からしかガスをもらっていない場所」は、そもそも対象外になり得るわけですね。
その可能性が高いです。ただし「自分の事業所がどの導管なのか」は一目では分かりにくいので、都市ガスの供給事業者に確認するのが確実です。地域によっては導管の耐震化が進んでいるかどうかもポイントになりそうです。
ウチの建物は大丈夫かな?と不安になったら、まずガス会社さんに相談するのがよさそうですね。で、次がこの制度の核心。設置する“建物”の条件ですよね。
ここが一番ややこしくて、かつ重要なところです。対象設備は、以下(ア)(イ)のいずれかの建物に設置されること が求められます。しかも、どの場合でも、補助対象設備は建物と同一敷地内 に設置し、災害時に寄与する屋内空間の床面積を明確にすること が必要です。
「建物と同じ敷地内」と「寄与する床面積の明確化」。これはつまり、申請時に図面などで説明しなさいよ、ということですよね。
そうです。ではまず(ア)の「公共性の高い建物」から。これは2つに分かれていて、a. 国や地方公共団体が定める防災計画において指定される建物 と、b. 国や地方公共団体、社会福祉法人、医療法人及び学校法人が所有及び運営する建物 です。
役所が指定する避難所とか、自治体が運営する施設、社会福祉法人や医療法人、学校法人が持っている建物は、この(ア)に該当し得るわけですね。
そのとおりです。たとえば医療法人が運営する病院や、学校法人が運営する学校などがイメージしやすいでしょう。さらに「その他審査委員会が認めた建物」という(ウ)の枠もありますが、これは個別の判断になるので、まずは(ア)か(イ)に当てはまるかを検討するのが基本です。
では次に(イ)ですね。「災害時に避難所等として活用され、避難所としての機能が高い以下の建物」とありました。具体的にはどんな建物ですか?
対象はa. 避難所、避難場所(屋内) 、b. 協定による避難場所(屋外)に併設された建物 、c. 帰宅困難者受入建物 、d. 災害時帰宅支援ステーション 、e. 一斉帰宅抑制事業者の建物 、f. 協定による物資提供を住民等に行う建物 です。
けっこういろいろありますね。オフィスビルでも「帰宅困難者を受け入れます」と自治体と約束していれば対象になる可能性があるってことか。
ええ。ただし、これらのaからfに該当するだけで終わりではなく、①から③の条件をすべて満たすこと が必要です。①は**地方公共団体との協定、又は協定に準じる取組みがある(見込みを含む)**こと。つまり「これから協定を結ぶ予定がある」段階でもいい、ということですね。
見込みでもOKというのは意外と融通が利きますね。②と③は?
②は設備の規模の条件です。停電対応CGSの場合、単機発電能力25kW以上の機器を設置すること 。停電対応GHPのみの場合、室外機2台以上かつ冷房能力合計112kW以上の機器を設置すること とされています。③は、系統電力の停電時には、補助対象設備から空調・照明・電気コンセントの3つのうち、2つ以上を避難スペースに供給できること です。
機器が大きければいい、というわけではなくて、「停電時に避難スペースで人が生活できる最低限の電気・空調をまかなえる」ことを自治体との協定とセットで示せ、ということなんですね。これはかなり作り込まれた要件です。
そうなんです。だから「補助金の対象になりたいなら設備のカタログ値だけでOK」ではなく、建物側の役割と設備の能力をうまく説明する必要があります。このあたりがこの補助金の攻略しどころでもありますね。
ここまでで「誰が」「どんな建物に」が分かりました。次は「お金の使途」です。あらためて、対象になる設備を整理するとどうなりますか?
公式には次の3つです。(ア)停電対応可能なガスコージェネレーションシステム 、(イ)停電対応可能なガスヒートポンプエアコン 、(ウ)運転状況を確認するために必要な専用の計測装置 。そして(ウ)は(ア)または(イ)と必ず合わせて設置します。
CGSだけ設置する場合も、GHPだけ設置する場合も、計測装置はワンセットで必要。この計測装置は“専用の”という表現なので、既存のモニタリングシステムを流用する……というわけにはいかない可能性が高いですね。
その点は注意ですね。「専用の計測装置」が必要と書かれている以上、対象設備の運転状況を確認できるものとして申請書類上も整理しておくのが無難です。どの機種やシステムが該当するかは公募要領や説明資料で確認してください。
設備本体だけでなく、工事費や設計費なども補助対象になるんでしょうか?ここは気になる人が多いと思うんですが。
実は、私どもが確認できる公式情報の中には「この細かい経費項目が対象です」という一覧が明記されていないんですね。ですから、何が補助対象経費になるかは、必ず都市ガス振興センターホームページで公募説明資料を確認してください 。ここを飛ばして申請すると、後で「この費用は対象外でした」となるリスクがあります。
なるほど。どんな制度でも「本体の購入費はOK、でも申請前に発生した費用はNG」みたいな線引きがありますもんね。この制度も、いつから発生した費用が対象になるのかを早めに確認しておくのが肝心そうだ。
加えて、この制度は災害時に寄与する屋内空間の床面積を明確にすること や、補助対象設備と建物が同一敷地内にあること が前提です。このため、設備の選定と同じくらい「どの部屋に電気や空調を供給するのか」という設計的な説明が大切になります。
導入を検討するときのプラス面と注意点 停電時に空調・照明・電気コンセントなどを避難スペースへ供給できる設備を対象に補助が出る 補助率が補助対象経費の1/3以内。CGSなら上限6,000万円〜2億4,000万円、GHPなら6,600万円 全国の事業を営む法人が対象で、業種の列挙は多岐にわたる × デメリット
「事業を営む法人」が前提で個人事業主は対象外 ガス供給が中圧導管または耐震性を向上させた低圧導管である必要がある 建物の用途や避難所としての協定、計測装置の設置など確認すべき要件が多い
なるほど、プラス面も大きいですが、やることが少なくない。これは計画的に進めないと締切に間に合わなくなりそうですね。
そうなんです。だからこそ、設備の見積もりを取る前に、まず建物とガス供給と防災協定の「現在地」を整理してほしいですね。それから申請の流れを確認していきましょう。
いよいよ申請の実務です。この補助金はどこから申し込むんですか?
jGrantsって、以前からある補助金のポータルサイトですよね。確かログインに「GビズID」が必要だった気がします。
そのとおり。申請にはGビズIDが必要 です。まだ持っていない法人は、事前に取得の手続きを進めておきましょう。公式ページには「当サイトの代理申請:不可」とも表示されていますから、基本的に自社でIDを取得して申請する流れになります。
補助金申請の流れ 1 公募要領を確認
都市ガス振興センターのホームページで交付規程や申請様式を入手します
2 GビズIDを取得
jGrantsでの申請に必要。余裕をもって準備します
3 建物とガス供給の条件を確認
中圧・低圧の別、耐震性のある低圧導管かどうかを確認します
4 地方公共団体との協定を確認
避難所等として使う場合は協定や見込みがあるか確認します
5 申請書類を作成
申請様式に設備内容・床面積・災害時の供給先などを整理して記入します
6 jGrantsから申請
募集期間は2026年9月2日から9月24日まで。締切厳守で送信します
7 審査・交付決定へ
審査を経て交付が決定されます。詳細スケジュールは要確認です
わかりやすい!ざっくり7ステップですね。ちなみに、申請書類には何を書くイメージですか?「どんな設備を入れるか」だけじゃ足りないですよね。
建物の用途や災害時に設備が寄与する屋内空間の床面積、停電時の供給先となる避難スペースの説明、ガス供給方式、導入するCGSやGHPの能力など、多岐にわたります。申請様式は都市ガス振興センターのホームページに掲載されていますから、まず様式を見てから社内で情報を集める のが確実です。
では肝心のスケジュールを確認します。募集期間はいつまでですか?
2026年9月2日から2026年9月24日まで です。今回の記事タイトルにもあるとおり、これは二次公募 という位置づけになります。
9月2日スタートで、9月24日締切。つまり期間は3週間くらい。結構タイトですね!
ええ。しかもこの手の補助金は「書類が揃ってから申請しよう」と思っていると、あっという間に締切を迎えます。ガス供給方式の確認や、自治体との協定やその見込みの確認には日数がかかるので、9月2日を待たずに準備を始めるのが鉄則 です。
なるほど。ちなみに制度の説明を聞ける場は用意されているんですか?
都市ガス振興センターホームページで公募説明動画を公開している とのことです。申請を検討するなら、まずこの説明動画を見て、そのうえで公募説明資料を読み込むのがおすすめです。
公募スケジュール 2026年9月2日
二次公募開始
公募要領に沿って申請の準備を開始します
2026年9月24日
申請締切
jGrantsから期間内に申請します。締切後の提出は原則不可です
締切後
審査・交付決定
審査委員会での確認が行われます。詳細な日程は公募要領で要確認です
「二次公募」と聞くと「一次で漏れた人がもう一度チャンスを得られる」というイメージを持つんですが、実際は初めて知った事業者でも応募できるんですよね?
制度名に「二次公募」とあるのは、あくまで今回の公募回次を表していると考えてよいでしょう。公式の交付対象要件は一次も二次も基本的に同じ制度の枠組みです。過去に応募したかどうかが要件に含まれているわけではありませんから、「いま初めて知った」という法人も、要件を満たせばチャンスがあると前向きに捉えてください。
ここからは「どうすれば採択されやすいか」を教えてください。審査ではどんなポイントが重視されそうですか?
何よりも先に、交付対象要件をひとつずつ証明できるか が問われます。特に(ア)や(イ)の建物区分、(イ)の場合は自治体との協定やその見込み、設備の能力(CGSなら単機25kW以上、GHPのみなら室外機2台以上かつ冷房能力合計112kW以上など)、停電時に空調・照明・コンセントのうち2つ以上を避難スペースへ供給できること。これらは定性的な説明ではなく、客観的な資料で示す必要があります。
「見込みを含む」という表現はありましたけど、それでも「ただ思っています」では通らない、と。
そういうことです。「地方公共団体と協議中」といった状況でも、どこまで具体的に進んでいるのかを説明できる資料や経緯が求められるでしょう。また、建物と同一敷地内であることや、災害時に寄与する屋内空間の床面積を明確にすること も必須です。
つまり申請書は「防災に関する事業計画書」としての読みごたえが問われるわけですね。設備の型番だけ並べればいいわけじゃない。
採択へのポイント
①対象建物の区分を正確に把握する。②ガス供給方式(中圧導管か耐震性のある低圧導管か)を確認する。③避難所等として活用する場合は自治体との協定や見込みを早めに整理する。④停電時に供給するスペースと設備の能力を図面と数字で説明できるようにする。⑤計測装置を含めた設備構成で申請する。
加えて、公募説明資料に記載されている細部の条件を確認することも欠かせません。この記事では公式情報の範囲でお伝えしていますが、実際の審査では「その他審査委員会が認めた建物」(ウ)のケースも含め、個別判断が入る余地があります。だからこそ、自分のケースに迷ったら早めに問い合わせるのが一番です。
書類を作っていると、「この費用は対象になるの?」とか「この建物、本当に要件を満たしてる?」といった疑問が湧いてきそうです。そういうときは誰に聞けばいいんですか?
まずは一般社団法人 都市ガス振興センター に問い合わせるのが本筋です。電話番号は03-6435-7692 。公式ページでもお問い合わせ先として案内されています。
なるほど。いきなりjGrantsのヘルプに聞くより、まず執行団体に聞くのが確実なんですね。
ええ。補助金の交付事務を行っている執行団体ですから、設備・要件・申請書類に関する具体的な質問はここに聞くのが早いです。ただし、審査の合否に関する個別の相談にどこまで答えてもらえるかは分かりません。あくまで「制度の適用や書類の書き方」の範囲で、丁寧に確認しましょう。
この制度は名称が長いぶん、対象も細かくて複雑ですから、1人で抱え込まないのが大事そうですね。
ここからはよくある疑問をピックアップして聞いていきます。まず「個人事業主ですが、申請できますか?」という質問。これはどう答えたらいいですか?
交付対象要件(1)に事業を営む法人を対象とする とあります。つまり個人事業主は対象になりません。法人を設立していない状態での申請は想定されていないので、この点は間違えないようにしてください。
あらためて聞くと、けっこうシビアな条件ですね。では、いわゆる「従業員数」の縛りはどうですか?
jGrantsの公開情報には従業員数の制約なし と明記されています。また対象業種には農業、林業、漁業から建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス業、医療・福祉などが並んでいます。
ということは、社員が3人の小さな会社でも、社員が1,000人いる大きな会社でも、法人であれば同じ土俵で検討できる可能性があるわけですね。
はい。ただし、あくまで「従業員数の制約がない」だけであって、建物や設備、ガス供給の要件は別途あります。そこをクリアできるかどうかが申請の分かれ目です。
最後の疑問です。「自分の建物が(ア)と(イ)のどちらに当たるのか分からない」という人に向けて、一言お願いします。
まずは、自治体の防災計画で指定を受けている建物かどうか、自治体との協定があるかどうかを確認してみてください。そのうえで、**一般社団法人 都市ガス振興センター(03-6435-7692)**へ問い合わせるのが確実です。
ふむふむ。やはり「まず自分で調べて、足りない情報は執行団体に聞く」が基本姿勢ですね。
お問い合わせ先
一般社団法人 都市ガス振興センター「天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金」係
電話:03-6435-7692
受付時間は公募期間中変更がある可能性があります。公式ページをあわせてご確認ください。
お話を聞いて、この制度の輪郭がかなりクリアになりました!最後に、もう一度ポイントを整理してもらえますか?
もちろん。まず基本情報を表にまとめますね。制度名は**【二次公募】令和8年度 天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金**。補助率は補助対象経費の1/3以内 で、上限額は設備とガス供給方式によって2億4,000万円、6,000万円、6,600万円 と変わります。
項目 内容 制度名 【二次公募】令和8年度 天然ガス利用設備による強靱性向上対策事業費補助金 補助率 補助対象経費の1/3以内 補助金上限額 停電対応CGS(中圧):2億4,000万円(240,000,000円)/停電対応CGS(低圧):6,000万円(60,000,000円)/停電対応GHP:6,600万円(66,000,000円) 募集期間 2026年9月2日〜2026年9月24日 対象地域 全国 対象者 事業を営む法人 執行団体・問い合わせ先 一般社団法人 都市ガス振興センター/03-6435-7692 公式URL https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeXgMAL
ありがとうございます!これだけでも十分な情報量ですが、「導入設備は何か」と「建物の条件」は、あらためてどう一言でまとめられますか?
導入するのは停電対応CGSまたは停電対応GHP+専用計測装置 。設置する建物は防災計画に指定された建物や公共性の高い建物、または避難所等として活用される建物 です。そして避難所等の場合は、自治体との協定や見込みが求められます。
申請を考えている事業者に向けて、最後のひとことをお願いします。
この補助金は、名前のとおり「強靱性向上」がテーマです。つまり、非常時に人が安全に過ごせる建物をつくること が本質。だからこそ申請書では、設備の型番だけでなく「この建物で、停電時にどんなスペースを守るのか」を具体的に説明することが大切です。
なるほど。防災計画との関係や自治体との協定など、事前準備は多めですが、だからこそ「しっかり計画している法人」が評価されやすい制度とも言えそうですね。
そうですね。募集期間は2026年9月24日まで 。まだ少し先に思えても、ガス供給方式の確認や自治体との調整には時間がかかります。気になる事業者は、今週中に都市ガス振興センターのホームページをのぞいてみてください。
1 対象は停電対応CGSまたは停電対応GHP+専用計測装置を導入する事業を営む法人 2 補助率は補助対象経費の1/3以内。上限はCGS中圧2億4,000万円、CGS低圧6,000万円、GHP6,600万円 3 設置する建物は防災計画や避難所等に関する要件を満たす必要がある 4 避難所等の場合は自治体との協定や見込みがあり、設備の能力や供給スペースの条件もチェック 5 募集期間は2026年9月2日〜9月24日。jGrantsからの申請でGビズIDが必要 6 詳細は都市ガス振興センターホームページの公募説明資料と交付規程を必ず確認
まさに“備えあれば憂いなし”ですね。防災力アップを検討している法人の方は、今回の二次公募をきっかけに動き出してみてはいかがでしょうか。室谷さん、今日はありがとうございました!
こちらこそ!申請を検討するみなさんが、良い形で書類をそろえられるよう応援しています。ぜひ早めの情報収集を!