NEDOが調査の公募を出しているって聞いたんですけど、これって普通の補助金なんですか?
そこが最初の引っかかりどころです! これは自分の研究開発に補助金がもらえる話ではなくて、NEDOの業務を受託したい事業者を募る「調査等」の公募なんです。
えっ、受託? じゃあお金をもらう側じゃなくて、仕事を請け負う側ですか。
そうです。NEDOの告知にも「受託を希望する方は」という表現が使われています。ただ、jGrantsのページでは補助金として掲載されていて、補助上限額と補助率はどちらも「-」、つまり記載がない状態です。
しかも対象業種は「学術研究、専門・技術サービス業」。調査会社やコンサルティング、研究機関系の法人が想定されています。ここで「うちには関係ない」と閉じてしまうと、本体事業のほうも見えなくなります。
本体事業ってさっきから出てくるやつですよね。もう少し教えてください。
本体は「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」という補助事業です。技術の確立や事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要し、リスクは高いものの、国や世界全体で対処すべき経済社会課題の解決に資すると考えられる革新的な技術の研究開発に取り組むディープテック・スタートアップが対象とされています。
長い! でも要は、海外と一緒に研究開発するディープテックのスタートアップを応援する制度ですね。
そのとおりで、海外市場への展開を目的として海外の事業者との共同研究開発を希望するスタートアップに対して、国際共同研究開発活動を支援するものです。支援の形が独特で、日本側はNEDO、相手国側はその国の機関が支援する「コファンド形式」なんです!
コファンド形式! 国の機関がペアで支えるんですね。
2026年度の対象国は15カ国です。オーストリア、ベルギー(フランダース地域)、カナダ、エストニア、フランス、ドイツ、イスラエル、リトアニア、ルクセンブルク、韓国、シンガポール、スペイン、スイス、トルコ、英国。今回の公募は、この本体事業の審査や広報を支える側を探している、という関係になります。
この公募の性格調査等の受託公募
研究開発費がもらえる補助金ではなく、NEDOの業務を受託する側を募る公募
本体事業を支える仕事
ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発の審査支援や広報を担う
対象は企業(団体等を含む)
対象業種は学術研究、専門・技術サービス業。対象地域は全国
金額は公表されていない
補助上限額・補助率は記載なし。見積もりの考え方は公募要領で要確認
で、一番気になるお金の話です。いくらもらえるんですか?
これがですね、この公募については補助上限額も補助率も公表されていないんです。jGrantsのページでも「-」で、記載なしになっています。
ええっ、金額が書いてないの!? それじゃ判断できないですよ(笑)。
金額が示されないタイプの公募なので、見積もりを自分たちで組んで提案する形になります。だからこそ公募要領が公開されたら、委託費の考え方や見積もりの作り方を真っ先に確認してください。
そう、正直に要確認です。推測で数字を書くと提案書が崩れるので、公募開始後にNEDO Webサイトに掲載される公募要領を一次情報として当たってください。
じゃあ本体事業のほうは、どのくらいの規模なんですか?
本体事業は、補助対象費用の3分の2以内、そして補助金額の上限は1億円/件です。
補助対象期間は、交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年です。事業期間は2023年度から2031年度までで、予算額は事業期間総額で20億円とされています。
だから今回の公募も、委託期間が2026年度から2027年度(予定)と、単年度で終わらない前提になっています。ここは体制の組み方に直結します。
| 項目 | この公募(調査等) | 本体事業(国際共同研究開発) |
| 補助上限額 | 記載なし(-) | 1億円/件 |
| 補助率 | 記載なし(-) | 補助対象費用の3分の2以内 |
| 対象期間 | 委託期間 2026年度〜2027年度(予定) | 交付決定通知書に記載する事業開始日から原則2〜3年 |
| 事業期間・予算 | 記載なし | 2023年度〜2031年度、予算額20億円(事業期間総額) |
jGrants上では、対象業種が「学術研究、専門・技術サービス業」、対象地域は全国、対象者は「企業(団体等を含む)」です。従業員数の上限はなく、従業員数の制約なしとされています。
ええ、そこは制約なし。ただし代理申請は不可なので、応募は自分たちで行う必要があります。GビズIDを用意して、Jグランツから出す流れです。
NEDOの予告では、技術・事業分野が「スタートアップ支援」「国際展開支援」、対象者も「企業(団体等を含む)」とされています。ここも最終的には公募要領で確認してください。
要件が細かいので順番にいきますね。まず日本に登記されている未上場の中小企業で、主要な研究開発拠点を日本国内に有すること。提案者の主任研究者は日本の居住者であることです。
未上場の中小企業で、拠点は国内、主任研究者も国内ですね。
次に、原則として設立10年以内の企業であること。ただし創業時期に関わらず、ベンチャーキャピタル等スタートアップへの投資機能を有する金融機関等の法人から初めて資金調達を行ってから5年以内のものは対象になります。
ほう、10年を超えていてもルートがあるんですね。海外の相手はどうなるんです?
相手国側事業者と国際共同研究開発プロジェクトを実施する見込みで、その企業等と共同研究契約(Consortium Agreement)を締結できることが要件です。提案者である企業に、その他の企業や研究機関、大学等が委託先・共同研究先として参加することも可能です。
本体事業の対象になりそう?日本に登記された未上場の中小企業で、研究開発拠点が国内にある?
はい設立10年以内、または初回の資金調達から5年以内かを確認
共同研究契約を結べる海外パートナーがいるかを確認
NEDOの予告では業務概要が4つに分かれています。1つ目が公募支援業務で、本事業の公募における採択審査業務について、提案書類の要件チェック、CRD分析、書類内容不備確認、代表者面談日程調整、採択審査委員会運営支援、謝金支払い業務等を実施する、という内容です。
審査を自分でやるというより、審査が回るように支えるイメージですね。
そう捉えると分かりやすいと思います。2つ目は、終了案件の調査アンケート・ヒアリングの実施です。事業期間が終了した案件について、当該案件の事業者に対し、本事業の基本方針に記載のアウトカム指針に沿った調査アンケート・ヒアリングを行う、とされています。
終わった後まで追いかけるんですね。地味だけど、いちばん大事なところかも。
ええ、成果を次の設計に返す工程です。ここをどう回すかで提案の説得力が変わります。
3つ目が、国内スタートアップの海外展開支援に向けた調査です。諸外国におけるスタートアップの海外展開支援プログラム、そして日本のスタートアップの海外との協業連携の実態等を把握し、それらの課題を分析することで、日本のスタートアップの海外展開支援に向けた施策を立案し、2027年以降の事業の公募設計と広報戦略に活用する、という流れです。
調査がそのまま次の公募の設計に効いてくるんですね。
4つ目が広報戦略の立案及び実行です。事業の潜在的案件の発掘促進を念頭に、2027年度以降の公募への提案数増加を目的とした広報戦略を立案し、実行するとされています。
提案数を増やす! つまり、まだ知られていないという課題があるわけですよね。
まさにそこがこの業務の熱量の出どころだと思います。情報発信の手法そのものが調査対象になっているのは、そういうことなんです。
本体事業で支援される技術の分野って決まってるんですか?
対象技術は、量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙等の鉱工業技術とされています。
けっこう広いですね。逆に、これは外れるというものは?
原子力、医薬品開発及び再生医療等製品に係る開発は原則として除かれます。ここは見落としやすいので、提案の前に必ず確認してください。
本体事業の対象技術と原則除かれるもの- 量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙等の鉱工業技術
×デメリット
- 原子力
- 医薬品開発
- 再生医療等製品に係る開発は原則除く
なので図で持っておきましょう。対象は鉱工業技術、除かれるのは原子力と医薬品開発、再生医療等製品に係る開発です。本体事業の話であって、今回の公募の対象業種とは別の話なので、そこも分けて考えてください。
あ、そうか。今回の公募は「学術研究、専門・技術サービス業」でしたね。
そこを混ぜると提案書がずれます。公募は受託する側、本体事業は支援を受ける側。立場が逆なんです。
大枠はこうです。GビズIDを用意して、公募要領等をNEDO Webサイトで確認して、Jグランツ上で応募する、という流れになります。
Jグランツでの応募には、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要なんです。しかも取得に2週間以上かかる場合があるので、未取得なら余裕をもって登録手続きをしてください、とNEDOが案内しています。
募集期間が2026年9月14日から2026年10月20日までなので、GビズIDがまだの人は早めに動いたほうが安全です。
応募までの流れ- 1
GビズIDを準備
プライムまたはメンバーを取得。2週間以上かかる場合あり
- 2
公募要領等を確認
公募開始日にNEDO Webサイトへ掲載
- 3
Jグランツで応募
GビズIDのアカウントでログインして申請
- 4
不明点は問い合わせ
NEDO スタートアップ支援部 国際コファンドチームへ
GビズIDって、持ってない人はどうすればいいんですか?
まだの人は取得から始めます。NEDOの案内では、取得に2週間以上かかる場合もあるため、応募を検討しているなら余裕をもって登録手続きを、と書かれています。
締切が2026年10月20日なら、逆算するとかなりタイトですね。
そうなんです。しかも代理申請ができないので、法人として自分でアカウントを用意する必要があります。ここでつまずく人が多いので、最初に済ませておくのが安全です。
2026年8月19日に予告が掲載されました。NEDOの予告では公募開始時期は2026年9月上旬頃(予定)、業務開始時期は2026年12月頃(予定)、委託期間は2026年度から2027年度(予定)とされています。
開始日の「9月上旬」と、jGrantsの「9月14日」は少し違いますね。
そこは公募要領で要確認です。jGrantsのページでは募集期間が2026年9月14日から2026年10月20日と表示されていて、NEDOの予告は2026年9月上旬頃(予定)。開始日の扱いはNEDO Webサイトの掲載内容で必ず確認してください。
はい、締切の2026年10月20日から逆算して動きます。
公募スケジュール2026年8月19日
予告を掲載
NEDOが公募の予告を公開
2026年9月上旬頃
公募開始(予定)
公募要領等をNEDO Webサイトに掲載
2026年9月14日〜10月20日
jGrants上の募集期間
GビズIDが必要。代理申請は不可
2026年12月頃
業務開始(予定)
委託期間は2026年度〜2027年度(予定)
2027年度以降
成果が反映される公募
公募設計と広報戦略に活用
具体的な審査基準は公募要領で要確認ですが、業務概要が4項目ありますから、どこをどう担うのかを提案で示すことになります。審査運営の支援、終了案件の追跡、海外展開の調査、広報戦略の立案と実行ですね。
4つとも性格が違いますよね。事務局力と調査力と広報力。
だから1社で全部を担う前提なのか、体制を組んで臨むのかで提案の作り方が変わります。委託期間が2026年度から2027年度(予定)とまたがること、業務開始が2026年12月頃(予定)であることも、実行体制の説明に効いてきます。
もう1つ、公募要領等は公募開始日にNEDO Webサイトへ掲載されると案内されています。要件も評価の観点も、必ずそこで確認してください。推測で書き進めるのがいちばん危険です。
まずGビズIDの準備。次にNEDO Webサイトで公募要領等を入手。そして対象業種や対象者、見積もりの考え方を照合。最後にJグランツから応募、という順番です。
NEDOのスタートアップ支援部 国際コファンドチームです。メールアドレスは dt.cofund[]ml.nedo.go.jp で、[]を@に変えて使ってください、という案内になっています。
メモしました! こういう窓口がはっきりしているのはありがたいですね。
受託する側と支援を受ける側- NEDOの業務を受託する立場
- 対象は企業(団体等を含む)
- 対象業種は学術研究、専門・技術サービス業
- 補助上限額・補助率は記載なし
- 募集期間は2026年9月14日〜10月20日
- 代理申請は不可
- 補助を受ける立場
- 日本に登記された未上場の中小企業など
- 原則として設立10年以内の企業など
- 補助対象費用の3分の2以内、上限1億円/件
- 補助対象期間は原則2〜3年
- コファンド形式で海外機関と連携
そうなんです。同じ「ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発」という名前が入っていても、今回の公募は、その事業を運営する側の仕事を委託する公募です。
そこは要注意です。本体事業に応募したい人には本体事業の公募があります。NEDOの関連ページにも「2026年度『ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発』の公募について(予告)」が並んでいます。
では表にしておきます。制度名、実施機関、事業分類、募集期間、対象地域、対象業種、対象者、公式URLです。金額欄はどちらも記載がないので、そのまま「記載なし」としています。
jGrantsのページです。ここから詳細と申請画面に入れます。
| 項目 | 内容 |
| 制度名 | 「『ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発』新規採択支援業務及び潜在的案件発掘促進を目的とした情報発信手法に関する調査」の公募 |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 事業分類 | 調査等 |
| 補助上限額 | 記載なし(-) |
| 補助率 | 記載なし |
| 募集期間 | 2026年9月14日〜2026年10月20日 |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 学術研究、専門・技術サービス業 |
| 利用目的 | 研究開発・実証事業を行いたい |
| 対象者 | 企業(団体等を含む) |
| 従業員数の上限 | 制約なし |
| 代理申請 | 不可 |
| プロジェクトコード | P23021 |
| 公式URL |
https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeVeMAL |
jGrantsでは補助金として掲載されていますが、NEDOの告知では受託を希望する方を募る形になっていて、事業分類も「調査等」です。だから業務を受けるという前提で読むのが実態に近いと思います。
なるほど。金額が「-」なのもそれが理由かもしれないですね。
金額の扱いは公募要領で要確認です。見積もりの考え方がそこに書かれます。
jGrants上の締切は2026年10月20日です。ただGビズIDの取得に2週間以上かかる場合があるので、未取得ならそこが最初の関門になります。
はい。加えて公募要領等は公募開始日にNEDO Webサイトに掲載されると案内されていますから、掲載を待ってすぐ動けるように準備しておくのが得策です。
私たちのように、本体事業の支援を受けたい場合はどうすればいいんですか?
本体事業には本体事業の公募があります。NEDOのページでも「2026年度『ディープテック・スタートアップ支援基金/国際共同研究開発』の公募について(予告)」が案内されています。今回の公募と取り違えないようにしてください。
本体事業の要件は、日本に登記された未上場の中小企業、主要な研究開発拠点が国内、主任研究者が日本の居住者、原則設立10年以内、共同研究契約を締結できる海外パートナーがいること、などです。自社が当てはまるか、公募要領で確認してみてください。