今日はNEDOの委託事業について聞いていきたいんですけど、そもそも「ポスト5Gフィジカルアイ」って何ですか?なんか難しそうな名前で…
えっ、これ実はめちゃくちゃ面白いテーマなんですよ!「フィジカルAI」って、触覚と動作を統合したロボット向けのAIのことで、たとえばロボットが柔らかいものをつかむとき、どのくらいの力で握ればいいか「感覚」で調整するようなシステムです!
そうです。従来のロボットはカメラ映像(視覚)だけで動いていたんですが、触覚センシングと動作制御を組み合わせることで、未知の環境にも柔軟に適応できるAIロボットの実現を目指しています。工場の生産ラインや医療・介護現場でも使えるようになる技術ですね。
はい!ポスト5Gの「超低遅延・大容量通信」があってこそ、触覚データをリアルタイムで送受信しながら遠隔でロボットを操作することが初めて実現できます。本事業はその通信基盤とフィジカルAI技術を同時に発展させようという、国家戦略レベルの研究開発テーマなんです!
なるほど、すごい規模感ですね。これはNEDOが主体でやるんですか?
NEDOが委託者として研究費を全額出して、企業や大学がその研究を受託する形です。プロジェクトコードはP26007、技術・事業分野はAIで、公募期間は2026年3月11日から2026年4月27日正午まで設定されています。
NEDO委託事業と補助金の比較
そもそも「委託事業」って補助金と何が違うんですか?
これ、一番大事なポイントですね!補助金は事業者が費用を出して、後から一定割合を国が補填する仕組みですが、委託事業はNEDOが研究開発を「委託」するので、研究費は全額NEDOが負担します!
そうなんです!ただ、成果(知的財産を含む)の取り扱いについてはNEDOとの間で取り決めがあって、成果の一部はNEDOに帰属する場合があります。その点はポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業に関する特別約款で詳細が定められています。
なるほど、お金は出してもらえるけど、成果は共有になると。
そうです。あと研究期間が最長5年間という長期プロジェクトなのも大きな特徴です。1〜2年の短期補助金と違って、基礎研究から実証実験まで腰を据えた研究開発ができます。
| 比較項目 | NEDO委託事業 | 一般的な補助金 |
|---|
| 費用負担 | 全額NEDO負担 | 事業者が一部負担 |
| 研究期間 | 最長5年間 | 1〜3年が多い |
| 成果帰属 | NEDOと共有 | 原則として事業者 |
| 自己資金不要 | 不要 | 必要(自己負担分) |
| 競争率 | 高い | 中程度〜高い |
| 対象 | 企業・大学等 | 制度によって異なる |
競争率が高いって書いてありますが、どのくらい難しいんですか?
NEDO委託事業は技術レベルの高さと実施体制の充実さが問われます。大学の研究室単独よりも、企業と大学がコンソーシアムを組んだ提案のほうが採択されやすい傾向があります。ざっくり言うと「基礎研究力と実用化能力の両方を見せられるか」が勝負の分かれ目です。
このテーマについてもう少し具体的に教えてもらえますか?触覚と動作を統合するって、どういう場面で役に立つんですか?
例えば、工場の自動化ラインで「柔らかい食品」をつかむロボットを想像してください。硬すぎると食品がつぶれる、弱すぎると落とす。人間は手の感覚で無意識に力加減を調整していますよね?
その「感覚」をAIに持たせるのがフィジカルAI技術です。触覚センサーから得られる圧力・温度・滑りなどのデータをリアルタイムで処理して、動作制御にフィードバックをかける。従来の視覚ベースAIに触覚を加えることで、未知の形状の物体を手探りで認識しながら操作するような、人間に近い繊細な動作制御が実現できます!
それはものすごい技術ですね。どんな分野に応用できますか?
製造業(柔軟物の自動処理)、物流(多品種小ロット品のピッキング)、医療・介護(遠隔手術ロボット、介護支援ロボット)、さらには災害対応ロボットまで、幅広い分野に応用が期待されています。ポスト5Gの低遅延通信と組み合わせれば、遠隔操作での繊細な作業も可能になります!
GXとの関連って何ですか?公募の説明にGXってありましたけど。
GX(グリーントランスフォーメーション)への貢献も評価ポイントになっています。フィジカルAI技術による製造プロセスの最適化や無駄の削減、エネルギー効率の向上が期待されているためです。研究計画書にはGX貢献の観点を具体的に盛り込むことが採択率を上げるコツです!
| 産業分野 | 具体的な活用場面 | フィジカルAIの役割 |
|---|
| 製造業 | 食品・柔軟物の自動ライン | 力加減を感覚で調整 |
| 物流 | 多品種混載ピッキング | 形状認識と把持力制御 |
| 医療 | 遠隔手術支援ロボット | 触覚フィードバック伝送 |
| 介護 | 体位変換・移乗介助 | 繊細な力制御 |
| 災害対応 | がれき除去ロボット | 不整地適応動作 |
いろんな組織が応募できます!企業(民間企業・ベンチャーを含む)、大学(国公立・私立)、研究機関(国立研究開発法人等)、団体(業界団体、一般社団法人等)、そしてこれらの組織によるコンソーシアム・共同提案も全部OKです。
企業規模による制限は設けられていません!ただし最長5年間の研究を遂行できる体制と技術力が求められます。スタートアップなら大学の研究室とコンソーシアムを組んで応募することで、技術力と実施体制の両面を補強できます。実際そういう形での採択事例が多いですよ!
触覚センシング、動作制御、AI・機械学習のいずれかに関する研究実績や技術力があると強いです。また、最長5年間の研究開発を遂行できる研究体制(人員・設備)を確保できることも重要です。
GbizIDは事前取得が必須!2〜3週間かかります
Jグランツでの電子申請にはGbizIDが必須です。GbizIDプライムの取得審査には2〜3週間程度かかる場合があります。応募を検討する場合は早急に申請手続きを開始してください。GbizIDの申請は「GbizID(デジタル庁)」の公式サイトから行えます。
デジタル庁が運営する法人向け認証システムで、Jグランツをはじめとした国の電子申請システムを使うために必要なIDです。一度取得すれば複数の申請で使い回せるので、研究開発型の企業なら必ず持っておきたいIDです。
NEDO委託事業申請フロー図
1公募要領のダウンロードと熟読 -NEDO公式HP(nedo.go.jp)から公募要領(528KB)と研究開発計画をダウンロードします。技術的な要件と審査基準を把握するために必ず読み込んでください。
2GbizIDの確認・取得 -Jグランツでの電子申請に必要です。未取得の場合はデジタル庁のGbizIDサイトから申請します(審査に2〜3週間かかる場合があります)。
3研究計画の策定 -触覚‐動作統合に基づく環境適応型フィジカルAIの研究開発について、技術アプローチ・実施体制・スケジュール・期待成果を具体化します。GX貢献の観点も盛り込みましょう。
4提案書類の作成 -NEDO所定の様式(別添1〜7・積算用総括表)に従い、提案書、研究経歴書、提案者情報、ワーク・ライフ・バランス認定状況、GXに係る取組申告書等を作成します。
5Jグランツで電子申請 -電子申請システム「Jグランツ」から提案書類を提出します。応募期限は2026年4月27日(月)正午まで。余裕をもって提出してください。
6審査・採択 -NEDOによる書類審査・ヒアリング審査を経て採択者が決定されます。
4つの柱を押さえることです!まず「テーマとの整合性」、次に「実施体制の充実さ」、そして「社会実装への道筋」、最後に「GX・カーボンニュートラルへの具体的な貢献」です!
公募要領に記載された技術的要件を一つひとつ丁寧に対応させた提案書を作ることです。「触覚‐動作統合」「環境適応」「フィジカルAI」という3つのキーワードに対して、自社や研究室の技術がどのように貢献できるかを明確に示しましょう。
研究代表者の実績だけでなく、チーム全体の専門性の幅広さと補完関係を示すことが重要です。触覚センシング専門家、動作制御専門家、AI/機械学習専門家をチームに揃えられるかが鍵です。大学と企業の共同提案にすることで、基礎研究力と実用化能力の両方をカバーできます。
- テーマ整合性 -公募要領の要求事項に漏れなく対応する(触覚センシング・環境適応・GX)
- 実施体制の充実 -異なる専門性を持つ複数機関でのコンソーシアム形成が有効
- 社会実装ビジョン -5年後の技術社会実装シナリオ(製造・物流・医療等)を具体的に描く
- GX貢献の定量化 -省エネルギー効果や環境負荷低減の見通しを数値で示す
社会実装のビジョンって、研究者ってあまり得意じゃないんじゃないですか?
そこが企業との共同提案が強い理由でもあります!企業側が「研究成果をどう事業化するか」のシナリオを描き、大学が「技術的な深さ」を担保する。役割分担が明確なコンソーシアムほど審査員の評価が高くなる傾向があります。
かなり幅広いですよ!人件費から設備費、消耗品費、旅費、外注費まで研究開発に必要な費用はほとんどカバーできます。
| 経費カテゴリ | 対象となる費用の例 |
|---|
| 人件費 | 研究員・技術者の人件費、外部専門家招聘費 |
| 設備費・装置費 | 触覚センサー、計測機器、試作品製作費、ソフトウェア |
| 消耗品費 | 実験用消耗品、電子部品・材料費 |
| 旅費 | 国内外出張旅費、学会参加旅費 |
| 外注費 | 試験・分析の外注、ソフトウェア開発外注 |
| その他経費 | 学会発表費、論文投稿費、知的財産関連費用 |
注意が必要なものがあります!土地・建物の取得費は認められません。汎用性の高い事務機器(一般的なPC・プリンター等)も対象外。他の国費による研究開発と重複する経費も認められないので、複数の国のプロジェクトに参加している場合は注意が必要です。
- 土地の取得費、建物の建設・購入費
- 汎用性の高い事務機器(一般的なPC・プリンター等)
- 飲食費・交際費・接待費
- 他の国費と重複する研究開発費
- 間接経費率の上限を超える一般管理費
- 研究開発目的に合致しない設備・備品
NEDO委託事業では間接経費率に上限が設けられています。詳細は公募要領に記載されていますので、積算用総括表を作成する際にNEDOの規定を確認してください。
知的財産の扱いが気になるんですが、研究成果って全部NEDOのものになるんですか?
全部ではないんですが、ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業に関する特別約款で細かく定められています。基本的には「研究成果の知的財産をNEDOと共有する」形になりますが、実施許諾を受けて商業利用できる場合もあります。詳細は契約前にNEDO担当者に確認することを強くお勧めします!
主たる実施者は国内の企業・大学等である必要があります。海外機関との共同研究は可能な場合もありますが、安全保障上の観点(技術情報の管理・流出防止)から慎重な検討が必要です。別添5に「NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票(技術流出防止措置対象_委託事業版)」が含まれているのもそのためです。
専門性の「補完性」が重要です!触覚センサー技術を持つ電子部品メーカー×ロボット制御の研究室×AI開発のスタートアップ、というような組み合わせが理想的です。各機関の役割分担を明確にして、コンソーシアム全体として公募テーマを完全にカバーできる体制を見せることが採択への近道です。
同一の研究開発内容について他の国費(経済産業省の補助金、文部科学省の科研費等)との重複受給はNGです。ただし、研究テーマが明確に異なれば別の公的資金との併用が可能なケースがあります。
たとえば本事業でフィジカルAIの基礎技術を開発して、その成果を活用した社会実装フェーズで
情報通信拠点機能強化支援事業費補助金を活用するといった形です。補完関係にある制度を組み合わせることで、研究開発から社会実装まで切れ目なく支援を受けられます!
なるほど、研究フェーズと実装フェーズで使い分けるんですね。
そうです。ただし知的財産の帰属にも影響するため、複数の公的資金を組み合わせる場合は必ずNEDO担当者に事前相談することが重要です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 事業名 | ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業 |
| テーマ番号 | g10:触覚‐動作統合に基づく環境適応型フィジカルAIの研究開発 |
| 技術分野 | AI【GX】 |
| プロジェクトコード | P26007 |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 事業形態 | 委託事業(研究費全額NEDO負担) |
| 研究期間 | 研究開発開始から最長5年間 |
| 公募期間 | 2026年3月11日〜2026年4月27日(月)正午 |
| 対象者 | 企業・大学等(コンソーシアム可) |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請のみ) |
| 問い合わせ | AI・ロボット部(土井、西尾、安江、外村担当) |
| 公式ページ | NEDO公募ページ |
| jグランツページ | Jグランツ申請ページ |
2026年4月27日正午が締切なので、次回公募に向けた準備を今から始めることが重要です。NEDOは過去にも同じ大型プロジェクトで複数回公募を実施しており、次回公募の可能性もあります。今から研究計画の構想、GbizIDの取得、コンソーシアム候補との関係構築を進めておきましょう!
- GbizIDプライムの取得(2〜3週間かかる)
- 公募説明会資料(NEDO HPで公開中)を精読して技術要件を理解
- コンソーシアム候補(大学研究室・企業)とのネットワーク構築
- 研究計画の構想と自社技術との整合性整理
- GX貢献(省エネルギー・環境負荷低減)の定量的な試算
まず、委託事業と補助金の違いを改めて教えてください。
委託事業はNEDOが研究開発を委託する形で研究費を全額負担します。補助金は事業者の自己負担を前提に一部を補助します。自己負担ゼロが委託事業の最大の魅力ですが、成果の一部がNEDOに帰属する点が補助金と異なります。
NEDO委託事業では、革新的な技術を持つスタートアップが大学や大手企業とコンソーシアムを組んで採択された事例があります。重要なのは企業規模よりも「技術力と実施体制」です。
年度ごとの研究計画見直しの際に予算の調整が可能です。研究の進捗状況や技術的な方向転換に応じて、NEDOとの協議の上で予算配分の変更が認められる場合があります。ただし大幅な計画変更は事前にNEDOの承認が必要です。
経験者でも45日前後、初めての場合はそれ以上かかることがあります。提案書の技術的な深さが採択の鍵なので、準備期間を十分に確保することが大切です。次回公募を狙うなら、今から構想を練り始めることを強くお勧めします!
このNEDO委託事業と似たような制度はほかにもありますか?
ポスト5G関連や情報通信分野では複数の制度があります。用途や形態で使い分けることが大切ですよ!
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