【九州経済産業局】中小企業等知的財産支援地域連携促進事業費補助金(令和8年度)
基本情報
この補助金のまとめ
この補助金の特徴
申請主体は産業支援機関(中小企業本人ではない)
本補助金の申請者は中小企業等ではなく、都道府県の中小企業支援センター・金融機関・商工会・商工会議所・認定支援機関などの産業支援機関です。支援機関が地域の中小企業に対して知財支援を提供するための体制整備・事業構築に対して補助されます。中小企業が直接申請する一般的な補助金とは仕組みが異なる点を必ず押さえてください。
A型とB型の2タイプ、目的に応じて選択
A型(地域中小企業支援拡充型)は「既存の知財支援施策をより多くの中小企業に届けるための拡充」が目的で、補助率1/2・上限1,000万円。B型(地域中小企業支援構築型)は「新たな知財支援施策をゼロから作る」目的で、定額補助・上限500万円です。既に知財支援実績のある機関はA型、実績はないが新規に立ち上げたい機関はB型という使い分けが基本です。
九州7県限定の地域特化型支援
対象地域は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県に限定されています。九州経済産業局の管轄内で中小企業の知財活用を底上げするための地域政策であるため、九州域内の産業支援機関が申請主体となります。九州に拠点を持つ金融機関・商工会等は積極的に検討すべき制度です。
地域ステークホルダーとの連携が評価軸
採択審査では、特許事務所・弁理士・大学・金融機関・行政機関などの地域ステークホルダーとどのような連携体制を組めるかが重要な評価軸となります。単独機関での申請より、複数のステークホルダーが参加する連携型の事業計画が高評価を受けやすい傾向があります。
短期申請期間への対応が必須
申請期間は2026年4月1日〜5月8日のわずか38日間です。事業計画書の作成・関係機関との調整・予算積算など、3月中から準備を開始しないと間に合わない可能性があります。特にB型で新規施策を構築する場合は、連携先機関との事前合意形成に時間がかかるため、早期の根回しが不可欠です。
ポイント
対象者・申請資格
申請可能な機関種別
- 都道府県の中小企業支援センター(よろず支援拠点含む)
- 商工会・商工会議所
- 金融機関(地方銀行・信用金庫・信用組合等)
- 認定経営革新等支援機関(認定支援機関)
- 一般社団法人・公益財団法人等の産業支援団体
- 大学・高専(産学連携・知財教育機能を持つ機関)
対象となる事業活動
- 中小企業向け知的財産(特許・商標・意匠・著作権等)の相談・診断・支援体制の構築または強化
- 知財専門家(弁理士・弁護士等)と地域中小企業をつなぐマッチング機能の整備
- 中小企業の知財戦略立案支援のためのセミナー・研修プログラムの拡充
- 地域ステークホルダー(特許事務所・金融機関・商工会等)の連携ネットワーク形成
- 知財デューデリジェンス・知財評価を活用した融資・投資支援モデルの構築(金融機関向け)
対象とならない機関・活動
- 九州7県(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)以外に主たる事業拠点を持つ機関
- 中小企業が直接申請する場合(産業支援機関のみが申請主体)
- 知財支援と無関係な一般的な中小企業支援活動(販路開拓・IT化支援等のみの事業)
- 個人コンサルタント・個人弁理士(法人格のある機関が対象)
ポイント
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申請ガイド
Step 1: A型・B型の選択と事業コンセプトの確定
自機関の知財支援実績を棚卸しし、A型(既存施策の拡充)かB型(新規施策の構築)かを決定します。過去に知財相談窓口・セミナー開催実績がある機関はA型が適切。全く新しい知財支援機能を立ち上げる場合はB型を選択します。両タイプへの同時申請が可能かどうかも九州経済産業局に確認してください。
Step 2: 地域ステークホルダーとの連携体制構築
採択審査の核心は「地域ステークホルダーとの連携」の具体性です。特許事務所・弁理士会・金融機関・大学・商工会等への連携協力依頼を早期(3月中)に開始し、連携覚書(MOU)または参画確約書の取得を目指します。連携先の強さと多様性が審査官の評価を大きく左右します。
Step 3: 支援する中小企業の具体像とニーズ調査
「誰の・どのような知財課題を・どのように解決するか」という支援ターゲットを具体化します。地域の主要産業(製造業・農業・観光業等)の知財ニーズ調査結果や、過去の相談対応から浮かび上がった課題を計画書に盛り込むことで、事業の実証性と必要性を証明します。
Step 4: 事業計画書・予算計画の作成(〜4月下旬)
事業の目的・実施内容・実施体制・スケジュール・KPI(支援件数・相談件数・知財出願件数等)を具体的に記載した事業計画書を作成します。A型は「拡充前後の比較」でインパクトを示し、B型は「構築後の持続可能性」を重視した計画書にします。
Step 5: 申請書類の提出(締切: 2026年5月8日)
指定の申請書類一式を九州経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 知的財産室に提出します。書類不備による機会損失を防ぐため、締切1週間前には担当窓口に書類確認の相談をすることをお勧めします。
ポイント
審査と成功のコツ
「支援件数」と「知財出願・活用件数」のKPI設定で実効性を示す
地元の知財専門家(弁理士・特許事務所)との強固な連携体制
A型は「拡充効果の定量化」、B型は「持続可能性の証明」
九州の地域産業特性を踏まえた知財ニーズの分析
ポイント
対象経費
対象となる経費
人件費(3件)
- 知財支援事業に専従するコーディネーター・担当者の人件費
- 知財相談窓口の専任スタッフの給与・賞与相当額
- 事業企画・管理担当者の人件費(補助事業割当分)
外注・委託費(3件)
- 弁理士・弁護士への専門的知財支援業務の委託費
- 知財診断・知財評価の外部専門家への委託費
- 研修・セミナーの外部講師謝金・運営委託費
調査・リサーチ費(3件)
- 地域中小企業の知財ニーズ・課題調査のための外部調査委託費
- 先進的な知財支援モデルの調査・ベンチマーク費用
- 特許・商標の先行技術調査ツールの利用費
システム・ツール費(3件)
- 知財相談管理システム・CRMツールの導入費
- オンライン相談・セミナー配信システムの構築費
- 知財ポートフォリオ管理ツールのライセンス費
広報・普及啓発費(3件)
- 知財支援サービスの広報チラシ・パンフレット制作費
- 地域中小企業向け知財セミナーの開催経費(会場費・資料費等)
- 知財活用事例集・ガイドブックの制作・印刷費
会議・連携活動費(3件)
- ステークホルダー連携会議の開催費(会場費・通信費)
- 地域知財支援ネットワーク構築のための交流会・ワークショップ費用
- 連携機関との調整・打ち合わせの旅費・交通費
対象外の経費
対象外の経費一覧(8件)
- 中小企業が直接受けるサービス費用(補助金は支援機関の運営費が対象であり、中小企業への直接給付は不可)
- 知財支援と直接関係のない一般的な組織運営費・固定費(家賃・光熱費等)
- 代表者・役員の報酬・役員報酬への算入分
- 不動産取得費・土地代・建物の新築費用
- 他の補助金・助成金と重複して申請している経費
- 消費税(課税事業者の場合)
- 九州7県外の活動に係る経費(他地域での出張費等は原則対象外)
- 知財支援と無関係な研究開発費・設備投資費
よくある質問
Q金融機関(地方銀行・信用金庫)でも申請できますか?
はい、金融機関は申請可能な「産業支援機関」に含まれます。近年、知財を担保とした融資(知財担保融資)や知財評価を活用した事業性評価が注目されており、金融機関が知財支援体制を整備することは政策的にも推進されています。特に「知財デューデリジェンスを活用した融資・支援モデルの構築」はB型の典型的な対象事業となります。ただし、金融機関が申請する場合でも「中小企業への知財支援」が主目的であることを明確に示す必要があります。金融機関自身の業務効率化や収益事業への活用が主目的と判断される場合は対象外となりますので、計画書の目的設定に注意が必要です。
QA型とB型の両方に同時申請できますか?
公募要領上での明示的な禁止規定は一般的には設けられていませんが、同一機関が同一事業期間にA型・B型双方に申請する場合は、事業内容が明確に分離されていることと、経費の二重計上がないことが条件となります。不明な場合は、公募開始後に九州経済産業局 知的財産室に直接確認することを強く推奨します。実務上は、まずどちらか一方に絞って申請の質を高める戦略が採択率の観点からは有利な場合が多いです。
Q九州に拠点があれば、本社が九州外の機関でも申請できますか?
九州7県内に事業拠点(支店・営業所等)を持ち、その拠点が主体となって九州域内の中小企業への知財支援を行う事業であれば申請可能と考えられます。ただし、本補助金の趣旨は九州地域の産業支援体制の強化であるため、「九州拠点での活動実績」と「九州域内中小企業への支援体制の具体性」が審査で問われます。本社が東京・大阪にある全国展開の支援機関が申請する場合は、九州拠点の独立した活動実績と地域貢献の具体性を強調した計画書が必要です。事前に九州経済産業局に確認することを推奨します。
Q支援対象は知的財産全般ですか?特定の知財種類(特許のみ等)に限定されますか?
特許・実用新案・商標・意匠・著作権・営業秘密・地理的表示(GI)など、知的財産全般が対象となります。特定種類への限定はされていません。ただし事業計画書では「どの知財種類を中心に支援するか」を明確にした方が審査官に訴求しやすいです。例えば「九州の農業・食品加工業向け商標・GI支援」「製造業向け特許・技術秘匿化支援」など、地域産業の特性に応じた知財種類への特化型計画は採択率が高まる傾向があります。
Q過去に同様の補助金を受給している機関でも申請できますか?
過去の受給歴は原則として申請の妨げになりません。ただし以下の点を確認してください。①過去に受給した補助金の事業が適切に完了・報告されていること(未完了・報告未提出の場合は申請不可の場合あり)。②過去の補助事業と今回の申請事業が実質的に同一でないこと(A型の場合、前回補助で構築した施策を同一内容で再申請するのは拡充と見なされない可能性があります)。③過去の成果・実績を活用して「さらなる拡充」を示すA型申請は逆にポジティブに評価される場合もあります。
Q事業期間はどのくらいですか?補助金はいつ振り込まれますか?
事業実施期間は交付決定後(2026年7月頃予定)から2027年3月末頃までが標準的な期間となります。ただし、公募要領で具体的な実施期間が指定されるため、必ず最新の公募要領を確認してください。補助金の支払いは事業完了後の精算払いが原則であるため、事業実施中は自己資金で経費を立替払いする必要があります。資金繰り上の負担が大きい場合は、事前に概算払いの可否を事務局に確認することをお勧めします。
Q採択後、計画した支援件数のKPIを達成できなかった場合はどうなりますか?
補助金の返還義務は、通常「不正使用・虚偽申請・目的外使用」が発生した場合に生じるものであり、KPI未達成だけで直ちに返還義務が生じるわけではありません。ただし、KPI未達成の場合は事業完了報告で達成できなかった理由と今後の改善策を詳細に説明する義務があります。また、著しく目的から逸脱した場合や補助事業の実施を放棄した場合は補助金の一部または全額返還を求められることがあります。KPI設定時は実現可能性を保守的に見積もり、確実に達成できる水準を基準値として計画書に設定することをお勧めします。
Q他の補助金・助成金と併用できますか?
本補助金は九州経済産業局が運営する産業支援機関向けの補助金であり、申請主体は産業支援機関です。中小企業向けの一般的な補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金等)とは申請主体が異なるため、制度の性質上、同一経費での重複申請は原則発生しません。 【特許庁系の知財支援制度との関係】: 特許庁が運営する「中小企業等知財支援施策」や「地域中小企業IP支援事業」など、国の知財支援施策と趣旨が重複する場合は、同一事業内容での二重申請に該当しないか確認が必要です。ただし支援対象者(中小企業)が異なる場合や、実施内容が補完的な場合は併用が認められることがあります。 【地方自治体の産業支援補助金との関係】: 各県・市の産業振興補助金や中小企業支援体制強化補助金と、本補助金の対象経費が重複しないよう整理することが重要です。同一の職員人件費を複数の補助金に計上することは原則禁止です。 【NEDO・中小機構の支援事業との関係】: 中小機構(中小企業基盤整備機構)の広域連携支援事業や、NEDOの知財活用関連事業との経費区分整理も必要です。いずれも申請前に担当窓口への確認を推奨します。 【本補助金を活用した中小企業の補助金活用促進】: 産業支援機関が本補助金で知財支援体制を構築した結果、その支援を受けた中小企業が「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」等の申請で知財要件を満たせるようになるという間接的な相乗効果が期待できます。この点を事業計画書の「波及効果」として盛り込むと審査官への訴求力が高まります。
詳細説明
事業概要:産業支援機関が主役の知財支援強化制度
本補助金は、九州経済産業局が管轄する九州7県(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島)において、中小企業の知的財産保護・活用を促進するための産業支援機関向け補助制度です。一般的な補助金と大きく異なる点は、申請主体が中小企業ではなく産業支援機関(商工会・金融機関・支援センター等)であることです。
2タイプの違いと選択の考え方
- A型(地域中小企業支援拡充型): 既存の知財支援施策を拡充・強化する事業が対象。補助率1/2以内、上限1,000万円。既に知財相談窓口・セミナー・診断支援の実績がある機関向け。
- B型(地域中小企業支援構築型): 新たな知財支援施策をゼロから構築する事業が対象。定額補助、上限500万円。初めて知財支援機能を立ち上げる機関向け。A型より補助率が高い実質定額補助のため、スタート資金として活用しやすい設計。
政策的背景:九州中小企業の知財活用課題
九州地域の中小企業は、優れた技術・農産品ブランド・伝統産業の技法などの知的財産を保有しながら、それを戦略的に保護・活用できていないケースが多く課題となっています。特許・商標出願件数は大都市圏と比較して低水準にとどまり、知財を経営に活かす支援体制の地域間格差が問題です。本補助金はその格差を縮小し、九州中小企業の競争力強化を図ることを目的としています。
地域ステークホルダーとの連携の重要性
採択審査において最も重視される評価軸の一つが「地域ステークホルダーとの連携」です。弁理士会・特許事務所・金融機関・大学・行政機関・業界団体などが有機的に連携し、中小企業を支援するエコシステムの形成が求められます。単一機関での申請より、複数の専門機関が参画する連携体制を持つ事業計画が採択されやすい傾向があります。
支援対象となる知財の範囲
- 特許権: 製造業・食品加工業・農業技術の技術的発明の保護
- 商標権: 地域ブランド・企業ブランド・農産品ブランドの保護と活用
- 意匠権: 伝統工芸・製品デザインの権利保護
- 著作権: コンテンツ・ソフトウェア・デザイン資産の管理
- 営業秘密: 製造ノウハウ・顧客データなどの機密情報管理
- 地理的表示(GI): 農林水産物・食品の産地ブランド保護
採択後の実施と報告義務
採択後は事業実施期間(通常1〜2年)中に、設定したKPI(支援件数・出願支援件数等)に向けた進捗管理と定期報告が求められます。事業完了後は成果報告書の提出と、九州経済産業局による事業効果の確認が実施されます。補助金の適切な使用を証明するための証憑書類(領収書・請求書・契約書等)の保管期間は補助事業終了後5年間が基本です。
申請から採択までのスケジュール
- 公募期間: 2026年4月1日〜2026年5月8日
- 審査・採択: 2026年6月頃(予定)
- 交付決定: 2026年7月頃(予定)
- 事業実施: 交付決定後〜2027年3月頃(予定)
- 完了報告: 事業終了後速やかに提出
問い合わせ先
九州経済産業局 地域経済部 産業技術革新課 知的財産室まで、電話または電子メールにて事前相談が可能です。公募開始前でも事業概要についての相談は受け付けていますので、申請を検討している機関は早期に連絡を取ることを強く推奨します。
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