室谷さん、「受験生チャレンジ支援貸付事業」って聞いたことありますか?ちょっと名前が長くて、何の制度なのかわかりにくくて。
ありますよ!東京都の制度で、略称は「受チャレ」って呼ばれてます。一定所得以下の世帯の受験生に、塾代とか受験料を無利子で貸し付けてくれる制度です。
えっ、無利子!?貸し付けだから返さないといけないんですよね?
そこがポイントで、高校や大学等に合格・入学した場合は返済が全額免除されるんです!実質的には給付と同じ効果があります。
マジですか!それ、貸付金って名前ついてるけど、受かれば返さなくていいってこと?
そうです。だから「入学すれば実質タダ」という感覚で使える制度なんですね。東京都の補助を受けて、東京都社会福祉協議会が実施しています。
なるほどなるほど。これは2026年度も申し込みできるんですか?
令和8年度(2026年度)の申し込みは2026年4月1日からスタートしています。通年で受け付けているので、いつでも区市町村窓口に相談できますよ。
無利子で塾代・受験料を借りられる、高校・大学等に入学すれば返済免除、東京都内在住の一定所得以下世帯が対象
貸付金額比較表
貸付金には「学習塾等受講料」と「受験料」の2種類があります。数字で見てみましょうか。
| 貸付の種類 | 対象 | 上限額 |
|---|
| 学習塾等受講料 | 中学3年生・高校3年生または準ずる方 | 30万円 |
| 高校受験料 | 中学3年生または準ずる方 | 2万7,400円 |
| 大学等受験料 | 高校3年生または準ずる方 | 12万円 |
学習塾が最大30万円か!これはかなり大きいですね!
はい。塾だけじゃなく、通信教育や家庭教師(事業者)、模擬試験なんかも対象になります。受験に向けた学習費用としてかなりいろんな用途に使えるんですよ。
ちなみに大学の受験料が12万円って、センター試験とかも含めると足りなくなりそうな気もするんですが。
複数の大学を受ける場合はトータルで12万円が上限ですね。ただ、他の公的制度を利用している場合は、その差額について申し込みできる仕組みになっています。
なるほど。では「塾代は今年度使ったから来年は受験料で申し込もう」とかはできますか?
1人の子供に対して1年度内に複数回申し込みはできないですが、中学3年生のときに塾代で利用して、高校3年生で再度申し込むことは可能です。2回使えると思ってもらっていい。
学習塾等受講料は上限30万円(従来の20万円から拡大)、大学等受験料は上限12万円(従来の8万円から拡大)に変更されています
まず受験生本人についての条件です。以下のいずれかに該当する方が対象になります。
| 対象となる受験生 |
|---|
| 中学3年生(高校受験を控えた方) |
| 高校3年生(大学受験を控えた方) |
| 高校中途退学者 |
| 高等学校卒業程度認定試験合格者 |
| 定時制高校4年生 |
| 浪人生 |
そうなんです。「中3・高3に準じる方」として浪人生や高校を途中でやめた方もしっかりカバーしているんです。それから世帯の条件も7つあります。
そうです。主なものを説明しますね。まず世帯の収入が一定基準以下であること。収入基準は世帯人数によって違います。給与・年金収入のみの場合は総収入額、事業所得等がある場合は合計所得金額で判定します。
公式サイト(jukenchallenge.jp)に世帯人数別の表が掲載されています。賃貸に住んでいる場合は、年額最大84万円(月額最大7万円)を限度に家賃支払額を収入から差し引ける特例もあります。
預貯金等の資産が600万円以下であること、土地・建物を所有していないこと(現在住んでいる家は例外あり)、東京都内に在住して住民登録していること、生活保護受給世帯でないことなどです。
できます。ただし在留資格が「永住者」「特別永住者」「日本人の配偶者等」「定住者(将来にわたって居住する見込みがある場合)」のいずれかであることが必要です。詳しくは区市町村窓口に確認してください。
世帯収入が基準額を超える場合、預貯金等資産が600万円超の場合、土地・建物を所有している場合(自宅以外)、生活保護受給世帯、東京都外に住民登録している場合は利用できません
申請フロー図
まずは区市町村の窓口に相談することから始まります。手続きの流れを順番に説明しますね。
1お住まいの区市町村窓口に相談する(世帯の生活状況を聞かれ、利用できるか確認)
3東京都社会福祉協議会が審査し、審査結果(貸付決定なら借用書)が郵送される
4借用書に署名・実印で押印し、印鑑登録証明書・通帳写しとともに窓口に提出する
5借受人の口座に貸付金が振り込まれる(借用書提出から2〜3週間程度)
6塾代や受験料に使い、領収書を区市町村窓口に提出する(令和9年3月末まで)
7進学した場合、入学年次の5月末までに償還免除申請書・在学証明書等を提出する
8審査が通れば「償還免除承認通知」が届いて手続き完了
領収書を提出しないと貸付金全額を一括返金することになります。忘れずに保管しておいてください。塾代の場合は「子供の名前・塾名(印)・受講年月・金額・支払日・内訳明細」が記載されたもの、受験料の場合は「子供の名前・受験学校名・金額・支払日」が記載されたものが必要です。
口座引き落としやクレジット払いの場合はどうなりますか?
明細書で上記内容が確認できない場合は、領収書として取り扱えません。その場合は窓口で配布される「納入証明書」を使います。
| 書類 | 備考 |
|---|
| 借入申込書 | 区市町村窓口でもらう |
| 身分証明書 | 運転免許証、マイナンバーカード(番号は伏せる)等 |
| 住民票 | 世帯全員・続柄記載、発行から3か月以内 |
| 課税証明書 | 父母等養育者分、最新年度のもの(令和8年度申込なら令和8年6月以降発行のもの) |
| 在学証明書または学生証 | 子供の氏名・学校名・学年が確認できるもの |
| 印鑑登録証明書 | 貸付決定後・借用書提出時に必要(発行から3か月以内) |
| 送金口座の通帳等の写し | 借用書提出時 |
塾のパンフレットや「学習塾等受講予定表」が必要です。受験料の場合は当年度の入試要項(学校名・受験料・受験日が記載されたもの)が必要になります。
ひとり親家庭等医療費の助成(マル親)の医療証、児童扶養手当、児童育成手当のいずれかの受給状況がわかる書類が追加で必要です。ひとり親世帯は収入基準の扱いが一部異なりますので、窓口で詳しく確認してください。
令和8年度の申し込みには令和8年6月ごろから発行される「令和8年度課税証明書」が必要です。令和7年度のものでは申し込みできません。課税証明書の発行前に申し込みをしたい場合は窓口に相談してください
不合格だった場合はどうなるんですか?全額返済しないといけない?
不合格だったり、合格しても入学しなかった場合でも、「償還免除の申立て」をすることで、審査により返済が免除される可能性があります。
なるほど、可能性があるってことは確実じゃないんですね。
そうです。受験に向けた取り組み状況を確認した上で、運営委員会の審査で判断されます。まず窓口に相談してみてください。仮に返済が必要になった場合も、無利子なので利息はかかりません。
均等返済で、最大60回(5年)に分けて返済します。原則として銀行口座からの自動引き落としです。返済は貸付を行った翌年度4月から6か月以内の措置期間を経て始まります。ただし、期限を過ぎると残元金に対して年利3.0%の延滞利子が発生するので注意が必要です。
そうか、期限内に返せば利息なしで返せるわけですね。
そうです。合格・入学したら速やかに免除申請する、それが一番いいですね。入学年次の5月末が申請期限なので、そこも忘れないようにしてください。
「受験生チャレンジ支援貸付事業」の名目で不審な電話・メールが来ても、ATMで手続きは一切不要です。個人情報や口座番号を電話で尋ねることもありません。不審に思ったら公式の問い合わせ先(03-3268-7189)か区市町村窓口に確認してください
最後に、よく聞かれそうな疑問にも答えてもらえますか?
まず、「塾だけじゃなく通信教育でも使えますか?」という疑問が多そうです。
通信教育もOKです!塾全般のほか、家庭教師(事業者)、模擬試験、サポート校の受講料、フリースクールの利用料なども対象になります。「入学試験に備えるための学習費用」という基準で広く対象になるイメージですね。
兄弟それぞれについて申し込みできます。例えば中学3年生のお兄ちゃんと高校3年生のお姉さんがいる場合、両方について申し込み可能です。
通年で受け付けています。令和8年度(2026年度)は2026年4月1日から受け付け開始。ただし学習塾の場合は受講開始前に手続きを完了させる必要があるので、早めの相談をおすすめします。
同じ年度内には1人の子供について1度しか使えませんが、中学3年生のときに使って、高校3年生になって再度申し込むことはできます。
なるほど!制度の使い方がよくわかりました。詳しい話は窓口に相談するのが一番ですね。
そうです。区市町村によって窓口の場所や担当課が違うので、まず電話で確認してから行くと効率的ですよ。
| 基本情報 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 受験生チャレンジ支援貸付事業(受チャレ) |
| 対象 | 東京都内在住・一定所得以下世帯の中3・高3等の受験生を養育する世帯 |
| 学習塾等受講料 | 上限30万円(無利子) |
| 高校受験料 | 上限2万7,400円 |
| 大学等受験料 | 上限12万円 |
| 返済免除 | 対象校に入学した場合(審査あり) |
| 申請先 | お住まいの区市町村窓口 |
| 公式サイト | jukenchallenge.jp |
| 東京都福祉局問い合わせ | 03-5320-4072 |
| 東京都社会福祉協議会 | 03-3268-7189 |
他にも子どもの教育や生活を支援する制度はありますか?
そうです。受チャレは「他の公的制度との差額分まで申し込み可能」なルールがあるので、他の支援制度と重複して使いやすい設計になっています。区市町村の窓口で、どの制度が使えるか一緒に相談してみてください!