児童扶養手当 月額一覧(令和8年4月〜)
室谷さん、「児童扶養手当」って聞いたことはあるんですけど、正直どんな制度か詳しく知らなくて。ひとり親家庭向けのお金が出る制度、ですよね?
そうです!ひとり親家庭に毎月手当が支給される、国の制度です。離婚・死別・未婚などで父または母と生計を同じくしていない子どもを育てているご家庭が対象で、子どもの福祉の増進と、養育する親の自立を後押しする目的があります。
令和8年4月以降の最新額だと、子ども1人の場合、全部支給で月額48,050円です。年間に換算すると57万円超になりますね。
ただし、所得によって「全部支給」「一部支給」「支給停止」の3段階があります。所得が高くなるにつれて、もらえる額が段階的に減っていく仕組みです。
なるほど。制度の背景から教えてもらえますか?なぜこういう制度があるんでしょう?
日本のひとり親家庭は、経済的に厳しい状況に置かれやすいというデータがあります。ひとりで子育てをしながら仕事もこなすのは大変で、収入も限られがちです。そういった家庭を社会全体で支えようという考えから、児童扶養手当が作られました。父子家庭にも平成22年8月から支給対象が広がっています。
父子家庭も対象になったんですね。じゃあ次は、誰がもらえるのかを教えてください!
「ひとり親家庭」と一口に言っても、いろんなケースがあると思うんですよね。離婚だけじゃなくて……。
そうなんです。児童扶養手当の支給対象は、以下のいずれかに当てはまる児童を養育している親または養育者です。次の8つのケースが法令に列挙されています。
- 父母が婚姻を解消した(離婚した)場合
- 父または母が死亡した場合
- 父または母が1年以上拘禁されている場合
- 父または母が政令で定める重度の障害の状態にある場合
- 父または母の生死が不明な場合
- 母が婚姻によらないで出産した場合(未婚の母)
- 父または母から1年以上遺棄されている場合
- 父または母が裁判所からのDV保護命令を受けた場合
DVの被害者も対象になるんですね!それはとても大切な制度ですね。
平成24年8月からDV保護命令が要件に追加されたんです。子どもが18歳に達した年度末(3月31日)まで支給されます。障害がある場合は20歳まで対象になります。
年齢制限は18歳の年度末なんですね。じゃあ逆に、もらえない場合はどういうケースですか?
代表的な「対象外」のケースをお伝えします。まず、子どもが児童福祉施設に入所・里親に預けられている場合は対象外。それと重要なのが、父または母の配偶者(内縁関係を含む)に子どもが養育されている場合も対象外になります。
内縁関係でもNGなんですね!これは気をつけないと。
事実婚状態だと「ひとり親」とは見なされないんです。あと、所得が一定額を超えると支給停止になります。こちらは次のセクションで詳しく話しますね。
以下のいずれかに該当する児童(18歳年度末まで、障害あり20歳まで)を養育している親・養育者が対象
- 離婚・死別・行方不明などで父または母と生計を同じくしていない
- DV保護命令を受けた
- 父または母が重度障害の状態
- 未婚で出産した
対象外: 内縁関係あり、子どもが施設入所中、子どもが父/母の配偶者に養育されている
いよいよお金の話ですね!全部支給と一部支給の違いが気になります。
| 区分 | 全部支給 | 一部支給(範囲) |
|---|
| 児童1人 | 月額 48,050円 | 月額 48,040円〜11,340円 |
| 第2子加算 | +11,350円 | +11,340円〜5,680円 |
| 第3子以降(1人あたり) | +11,350円 | +11,340円〜5,680円 |
第3子以降の加算が令和7年1月から拡充されたって聞いたことがあります!
よく知ってますね!令和6年11月分(令和7年1月支給分)から、第3子以降の加算額が第2子と同じ水準に引き上げられました。それまでは第3子以降は6,450円(全部支給)だったのが、11,350円に大幅アップしたんです。
これは大きな改正ですね。所得制限はどうなっていますか?
令和6年11月分から所得制限限度額も引き上げられました。現行の基準がこちらです。
| 扶養親族の数 | 全部支給の所得上限 | 一部支給の所得上限 |
|---|
| 0人(扶養なし) | 69万円未満 | 208万円未満 |
| 1人 | 107万円未満 | 246万円未満 |
| 2人 | 145万円未満 | 284万円未満 |
| 3人 | 183万円未満 | 322万円未満 |
給与収入から給与所得控除を引いた後の「所得額」で判定します。さらに、受け取っている養育費の8割相当額が所得に加算されるので注意が必要です。ざっくり言うと、扶養なしで年収約180〜200万円くらいまでが全部支給の目安と考えてもらうといいでしょう。
養育費も所得に含まれるんですね、知りませんでした!
そこはよく見落とされがちなポイントです。年収200万でも養育費を月3万円受け取っていると、年間で29万円が加算されるので、実質229万円として判定されます。
養育費を受け取っている場合、その8割相当額が所得として加算されます。所得計算のときは必ず養育費の受取額を申告が必要です。忘れると後日返還を求められる場合があります。
児童扶養手当 申請から受給までの流れ
住んでいる市区町村の窓口(子育て支援課、こども課など)に必要書類を持参して認定請求を行います。市部に住んでいる方は各市が窓口、郡部(町・村)にお住まいの方は都道府県の担当窓口になることもあります。
1請求者と対象の子ども全員の戸籍謄本(外国籍の方は在留カード等)を準備する
2世帯全員の住民票(続柄・本籍が記載されているもの)を取得する
4支給要件に応じた追加書類を確認する(離婚の場合は不要書類がある場合も)
5市区町村の窓口に書類を提出し、認定請求書を記入・提出する
そうなんです。DV被害の場合は裁判所の保護命令書のコピーが必要だったり、父または母が行方不明の場合は申立書が必要だったりと、要件によって異なります。必ず事前に窓口に電話して確認してから持参することをおすすめします。
都道府県が認定を行うので、少し時間がかかります。認定されると申請した月の翌月分から支給開始になります。さかのぼって支給は原則できないので、早めに申請するのが大事です!
- さかのぼり支給は原則不可。対象と分かったらすぐ申請
- 「書類が全部揃ってから」と待たずに、まず窓口に相談
- 必要書類は要件によって異なるので事前電話確認が確実
- 戸籍謄本は「全部事項証明書」を取得(一部事項証明書は不可の場合あり)
もらえる時期はいつですか?毎月じゃないんですよね?
年6回です。1月・3月・5月・7月・9月・11月の各11日に、前月までの2か月分が一括で口座振込されます。
奇数月の11日なんですね。支給日が土日祝日だったら?
その場合は繰り上げて、直前の金融機関営業日に支給されます。口座振込なので、受け取り忘れはないと思いますが、口座の残高確認を習慣にしておくと安心ですね。
年に6回、2か月分がまとめて入ってくる感じですね。
そうです。昭和60年8月より前から受給している方は、郵便局口座への支払いになる場合もありますが、現在の新規受給者は指定の金融機関口座への振込です。
| 支給月 | 支給対象期間 |
|---|
| 1月11日 | 11月・12月分 |
| 3月11日 | 1月・2月分 |
| 5月11日 | 3月・4月分 |
| 7月11日 | 5月・6月分 |
| 9月11日 | 7月・8月分 |
| 11月11日 | 9月・10月分 |
この表わかりやすいです!では、毎年やらなきゃいけない手続きもあるんですよね?
はい、重要な継続手続きがあります。次のセクションで詳しく説明しましょう。
「現況届」というものが毎年8月1日〜31日に提出義務があります。2年間提出しないと受給資格がなくなりますので、絶対に忘れないでください!
資格が自動的に失われてしまいます。そうなると再申請が必要で、空白期間の手当はもらえません。毎年6〜7月頃に市区町村から案内が届くので、届いたらすぐに対応しましょう。
受給している間に状況が変わった場合の届出も必要ですよね?
もちろんです。以下のような変化があった場合は速やかに届出が必要です。
| 変化の種類 | 必要な届出 |
|---|
| 再婚・内縁関係の形成 | 受給資格喪失届(速やかに) |
| 子どもの増減 | 額改定届・請求書 |
| 公的年金の受給開始・変更 | 公的年金給付等受給状況届 |
| 氏名・住所・口座変更 | 変更届 |
| 子どもが18歳年度末を迎える | 自動終了(届出不要) |
再婚したら終わりになるんですね。内縁関係もNGだというのは大事な情報ですね。
重要なのは、資格を失った後に受け取った手当は全額返還義務があるという点です。うっかり届出を忘れると後で大変なことになるので、変化があったらすぐに窓口に連絡することを習慣にしてください。
手当を受給して5年以上経過した場合、または支給要件該当から7年以上経過した場合は、「一部支給停止適用除外事由届出書」の提出が必要です。
提出しないと手当額が約2分の1になります。対象の方には事前に市区町村から通知が来ます。就労・求職活動・障害などの証明書類を添えて提出してください。
離婚じゃなくて、夫が亡くなったケースでは遺族年金をもらいながら児童扶養手当もできるんですか?
平成26年12月1日から法改正で、公的年金を受給していても年金額が児童扶養手当額より低い場合は差額分を受け取れるようになりました!
それは大事な改正ですね!前は年金を受けていたら手当はゼロだったということですか?
そうなんです。かつては「年金を受けると手当はもらえない」というルールがあって、障害基礎年金を受給しているひとり親は手当をもらえませんでした。それが改正されて、差額分の受給が可能になったんです。
たとえば、児童扶養手当が月48,050円(全部支給)で、受給している遺族基礎年金が月40,000円だとすると、差額の8,050円が児童扶養手当として支給される、という仕組みです。
年金が手当を上回っていたら手当はゼロになる、ということですね。
その通りです。公的年金を受給している方は、「公的年金給付等受給状況届」の提出も必要になりますので、忘れずに行ってください。
自治体や国がATMを操作させることは絶対にありません。
- 「手当を受け取るためにATMで操作して」→詐欺
- 「手数料を振り込めば手当が増える」→詐欺
- 電話やメールで口座情報・マイナンバーを聞く→詐欺
不審な連絡があった場合は、お住まいの市区町村の担当窓口に直接確認してください。
問い合わせが多い点をお答えします。まず「同居している親(祖父母)の収入が多いと手当はもらえないか?」という質問が多いんですが、判定されるのは受給者本人の所得で、同居の親族の所得は基本的には関係ありません。ただし、配偶者・扶養義務者の所得が一定額を超えると支給停止になる場合があります。
同居の祖父母の所得は基本影響しないんですね。安心しました。
ただし、祖父母が「扶養義務者」に当たる場合は所得制限の対象になります。具体的には扶養義務者は236万円以上(扶養0人)で支給停止になります。
民法上の扶養義務者は、直系血族(親・子)と兄弟姉妹が該当します。祖父母も含まれます。詳しくは市区町村の窓口で確認してください。
一般的な離婚の場合は、書類が揃えば数週間で認定されることが多いですが、要件が複雑(例: 遺棄・DV保護命令など)の場合は少し時間がかかることもあります。書類の不備がないよう事前に窓口で確認するのが一番の近道です!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象者 | ひとり親家庭の親・養育者(離婚・死別・DV等) |
| 対象児童 | 18歳年度末まで(障害あり20歳未満) |
| 支給額 | 月額 11,340円〜48,050円(児童1人・令和8年4月〜) |
| 申請先 | 住所地の市区町村窓口 |
| 支給時期 | 年6回(奇数月の11日) |
| 現況届 | 毎年8月1〜31日(必須) |
| 公式情報 | こども家庭庁 児童扶養手当 |
青森県 こどもみらい課 家庭支援グループ
電話: 017-734-9295
申請は住所地の市区町村窓口(子育て支援課・こども課など)へ。郡部(町・村)にお住まいの方は都道府県担当窓口にご確認ください。
ひとり親家庭が活用できる制度はいくつかあります。障害のある子どもを育てている場合は
特別児童扶養手当も別途申請できます。また
障害児福祉手当もあります。地域によってはひとり親家庭の医療費助成や公営住宅の優遇措置など、独自の支援もあります。
複数の制度を組み合わせて活用することが大事なんですね。
ひとり親家庭向けの制度は児童扶養手当以外にもたくさんあります!住まいの都道府県や市区町村の窓口に「ひとり親向けの支援を教えてください」と聞いてみるのが一番確実です。都道府県別の一覧は
青森県の補助金・給付金一覧や
全国の補助金・給付金一覧からも確認できますよ。