室谷さん、「職業訓練受講給付金」って聞いたことあるんですけど、正直よくわからなくて。雇用保険が切れた後に使える制度なんですか?
そうなんです!ざっくり言うと、雇用保険をもらえない人が職業訓練を受けるとき、月10万円の給付金をもらいながら無料でスキルアップできる制度です。ハローワークが全部サポートしてくれるんですよ。
えっ、月10万円!?それってかなりの金額じゃないですか!
大きいですよね。しかも訓練自体は無料なので、実質「お金をもらいながらスキルアップ」ができるんです。令和5年(2023年)4月1日から制度が改正されて、対象者が広がったのも特徴です。
主に「離職して雇用保険を受給できない方」ですね。たとえば、雇用保険の適用がなかった短期アルバイトをしていた方、フリーランスや自営業を廃業した方、雇用保険の受給期間が終わった方などです。あと、一定額以下の収入でパートタイム勤務しながら正社員への転職を目指す在職者の方も使えます。
へえ、在職者でも使えるんですね!それは知らなかったです。
そうなんですよ!「辞めてから使う制度」という印象を持ちがちですが、収入が低いパートタイムの方でも申請できます。ただし細かい収入要件があるので、次のセクションで一緒に確認しましょう。
職業訓練受講給付金 支給要件チェックリスト
じゃあ実際にもらえるかどうか、どうやって確認するんですか?
6つの要件を全部満たす必要があります。1つでも外れると給付金はもらえないので、ちゃんとチェックしてみてください。
- 本人収入: 月8万円以下
- 世帯収入: 世帯全体で月30万円以下
- 金融資産: 世帯全体で300万円以下
- 不動産: 現在住んでいる以外に土地・建物を所有していない
- 出席率: 訓練実施日全てに出席(やむを得ない理由がある場合は8割以上)
- 過去の受給: 過去6年以内に職業訓練受講給付金を受けていない
月8万円以下って、かなり低いですね。フルタイムのアルバイトだと超えそうな気がします。
そうですね。フルタイムだと大体超えてしまいます。この制度は「今すぐ生活費が必要な状態で訓練を受ける方」を想定しているので、収入要件はわりと厳しめです。
世帯収入が月30万円ってのはどう計算するんですか?同居してる家族の収入も含めるんですか?
そうなんです。配偶者や親が収入を持っていれば、それも合算します。「世帯」の範囲は住民票を同一にしている方が対象ですね。ただし、別居している子や扶養されていない家族は対象外なのでご安心を。
金融資産300万円以下というのはどういう意味ですか?
預金・株・投資信託などの合計が300万円を超えていると対象外になります。「生活に困っている人向けの制度」なので、ある程度の貯蓄があればまずそちらを使ってね、という趣旨ですね。
なるほど。じゃあ要件が満たせなくても、訓練だけは受けられるんですか?
そこが大事なポイントで、給付金の要件を満たさない場合でも、訓練は無料で受講できます! 収入要件で少し外れる方でも「訓練だけ受けたい」という場合は申し込みができるので、ハローワークで確認してみてください。
本人収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下で他の要件を満たす場合は、月10万円の訓練受講手当は出なくても、通所手当(月上限42,500円)のみ支給を受けられます。本人収入がやや高めでも、通勤交通費の補助は受けられる可能性があります。
通所手当だけでももらえるケースがあるんですね。それは知っておきたい情報です!では収入要件さえ満たせば、あとはどんな訓練でも受けられるんですか?
訓練の選択肢はかなり広いですよ。次で給付額の詳細を見てから、訓練の種類も説明しますね。
月10万円というのはわかりましたが、他にも手当があるんですか?
3種類の手当が組み合わさっています。それぞれ見てみましょう。
| 手当の種類 | 金額 | 支給条件 |
|---|
| 職業訓練受講手当 | 月10万円 | 収入・資産等の支給要件を全て満たす場合 |
| 通所手当 | 実費(月上限42,500円) | 訓練施設への交通費(定期代等) |
| 寄宿手当 | 月10,700円 | 訓練のため別居が必要な場合のみ |
交通費の実費も出るんですね!月42,500円まで。電車やバスで通うなら全額出るってことですか?
そうです。定期乗車券や回数券の実費が出ます。ただし月上限が42,500円なので、それを超える場合は自己負担になります。遠方から通う方は注意が必要ですね。
訓練施設に通うために、今の自宅を出て近くに引っ越す必要がある場合です。配偶者や子、父母と別居して寄宿する場合で、ハローワークが「住居の変更が必要」と認めた場合に月10,700円が出ます。あまり該当するケースは多くないですが、遠方から訓練施設に通う場合には確認してみる価値があります。
合計したらかなりになりますよね。月10万円+交通費実費なら、生活費かなり助かりますね。
そうです!しかも訓練自体は基本無料(テキスト代など一部自己負担あり)なので、支出を抑えながら新しいスキルを身につけられます。
月10万円の給付金を受けていても生活費が不足する場合、「求職者支援資金融資」という貸付制度も使えます。単身者は月5万円、扶養家族ありは月10万円を、訓練月数分だけ借りられます。利率は年2%(うち信用保証料0.5%含む)で、担保・保証人は不要です。
融資制度まであるんですね!では実際にどんな訓練が受けられるのか教えてください。
大きく2種類あります。「求職者支援訓練」と「公共職業訓練(ハロートレーニング)」です。
| 訓練の種類 | 期間 | 主な内容 |
|---|
| 基礎コース | 2〜4か月 | 多くの職種に共通する基本的な能力を習得 |
| 実践コース | 3〜6か月 | 特定職種の実践的なスキルを習得 |
千葉県の例でいうと、パソコン基礎科、Webデザイン科、介護福祉士実務者研修養成科、建築CAD・BIM科、ネットワークエンジニア養成科などがあります。成田市、柏市、船橋市、千葉市などで受講できますよ。
そうなんです。しかもeラーニング形式のコースも増えています。ネットワークエンジニア養成科(eラーニングB)やWEBデザイン/サイト制作/マーケティング科(eラーニングA)などは在宅受講が可能で、小さなお子さんがいる方にも人気があります。
在宅で受けながら月10万円もらえるのはかなりいいですね。申請の流れが気になってきました。
職業訓練受講 申請フロー
ハローワークに行くところから始まります。手順を順番に説明しますね。
複数回の相談が必要なんですね。「今日行って明日から受講」というわけにはいかないんですね。
そうなんです。訓練コースによって募集期間が決まっているので、使いたいと思ったら早めにハローワークへ相談に行くのがベストです。募集締切日ギリギリは窓口が混雑することも多いですよ。
基本的なところでいうと、本人確認書類(マイナンバーカード等)、収入や世帯状況がわかる書類などが求められます。詳細は最寄りのハローワークに事前確認するのが確実です。また、給付金の申請にはマイナンバーが必要になるので、用意しておくといいですよ。
マイナンバーが必要なんですね。把握しておかないと。あと、給付金の申請と訓練の申込みは別々にするんですか?
訓練の受講申込みとは別に、給付金の支給申請は毎月行う必要があります。ハローワークで月に1回の職業相談を受けた後に申請する流れですね。ちゃんと通っていれば自然と申請できるので、そこまで複雑ではないです。
なるほど。では実際に訓練を受けている間に気をつけることはありますか?
一番大事なのは出席率です。訓練実施日全てへの出席が原則で、やむを得ない理由がある場合でも8割以上の出席が必要です。育児や介護の場合は証明ができなくても8割以上で認められる場合があります。
1日でも無断欠席したらアウトになるリスクがあるんですね。気をつけないと。
令和4年7月1日から制度が拡充されて、雇用保険の受給資格者でもハローワーク所長が指示する公共職業訓練の対象に求職者支援訓練が追加されました。ただし細かい条件がありますので、現在雇用保険を受給中の方はハローワークで直接確認するのが確実です。
訓練受講料は無料です。ただし、テキスト代や教材費などは自己負担になります。コースによって金額は異なりますが、数千円〜1万円程度が多いようですね。
あります。コースの定員に限りがあるので、定員を超えた場合は抽選や先着順になります。また、応募者が定員の半数に満たない場合はコースが中止になることもあるので、早めに動くことをおすすめします。
はい、訓練期間中だけでなく、訓練終了後3か月間はハローワークによる積極的な就職支援が続きます。ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングや、求人先への紹介等のサポートがありますよ。「訓練が終わったら放置」ということはないので、安心してください。
「職業訓練受講給付金の手続きをする」などと言って、ATMでお金を振り込ませたり、口座番号やマイナンバーを電話で聞き出したりする詐欺が報告されています。ハローワークや厚生労働省がATMの操作を求めることは絶対にありません。不審な連絡があった場合は、すぐにハローワークか警察に相談してください。
残念ながらあるんです。公式の手続きはすべてハローワークの窓口か書面で行われます。電話やメールで「手続きのためにお金が必要」という話は100%詐欺なので、絶対に応じないでください!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 対象者 | 雇用保険を受給できない求職者(特定求職者) |
| 給付金額 | 月10万円(職業訓練受講手当)+通所手当(月上限42,500円)+寄宿手当(月10,700円) |
| 訓練種別 | 求職者支援訓練(基礎コース2〜4か月・実践コース3〜6か月)、公共職業訓練 |
| 申請先 | 最寄りのハローワーク |
| 受付期間 | 随時(訓練コースの募集期間あり) |
| 公式情報 | 厚生労働省 求職者支援制度ご案内 |
生活に困っている求職者の方には、本当に心強い制度ですね。
そうなんです!「どうすればいいかわからない」と感じている方も多いですが、まずはハローワークに行って相談するだけでいい。相談自体は無料ですし、担当者が状況に合わせて次のステップを一緒に考えてくれますよ。
住まいの問題が重なっている方はどうしたらいいですか?
同じハローワークで「住居確保給付金」の相談もできる場合があります。職業訓練と住居支援を並行して活用することで、生活の立て直しがしやすくなりますよ。