室谷さん、B型とかC型の肝炎って、治療費がすごく高いって聞いたんですが…。
そうなんですよ! 特にインターフェロンフリー治療とか、1コースで薬代だけで100万円を超えることもある。それを「やっぱり無理…」と諦めてほしくないから、国と都道府県が一緒になって医療費助成制度を設けているんです。
あります! 「肝炎治療医療費助成(埼玉県)」という制度で、B型・C型ウイルス性肝炎の治療を受けている人の医療費自己負担に月額の上限を設けて、それを超えた分を公費で賄ってくれるんです。ざっくり言うと、毎月1万円か2万円払えば、残りは全部助成してもらえる仕組みですよ。
1万円か2万円か、どっちになるかはどう決まるんですか?
世帯の所得によって変わります。詳しくは次のセクションで解説しますね!
肝炎治療医療費助成 自己負担月額上限の比較図
まず「どんな治療が対象になるか」から教えてもらえますか?
はい! 対象は大きく2種類です。C型肝炎に対するインターフェロンフリー治療とインターフェロン治療、それからB型肝炎に対する核酸アナログ製剤治療とインターフェロン治療。これらで保険が適用されているものに限ります。
そうです。保険が通っている治療に係る初診料・再診料・検査料・入院料・投薬料等も含まれます。それと、副作用の治療で治療を続けるために必要なものも対象ですよ。ただ、無症候性キャリアへのインターフェロン治療、インターフェロンの少量長期治療、入院中の食事療養標準負担額、差額ベッド代や選定療養費などの保険外診療は対象外なので気をつけてください。
なるほど! では、自己負担の月額上限はどうやって決まるんですか?
世帯の市町村民税(所得割)の課税年額の合計で決まります。住民票上の世帯全員の税額を合算して判定します。
自己負担月額上限の判定基準(世帯の市町村民税所得割)
- 甲(月額上限20,000円): 世帯の課税年額が235,000円以上の場合
- 乙(月額上限10,000円): 世帯の課税年額が235,000円未満の場合
上限を超えた医療費は公費(埼玉県)が負担します。
上限を超えた分は、病院の窓口で払わなくていいんですか?
埼玉県が指定した医療機関であれば、受給者証と「自己負担限度月額管理票」を提示することで、窓口での支払いが上限額までで済みます。それを超えた分は公費が適用されます。管理票は大切に保管してください。紛失しても再発行はできませんよ!
えっ、再発行できないんですか! それは怖いですね。
そうなんです! 少し意外に思われることが多いポイントです。ちなみに、健康保険の高額療養費が適用される場合もあります。高額療養費と本制度の自己負担限度額を比較して、どちらが有利かを加入している健康保険に確認しておくのも大事ですよ。
この制度、誰でも申請できるわけじゃないですよね? 要件を教えてください。
3つの要件を満たす必要があります。まず埼玉県内に住所があること、次に国民健康保険や組合健康保険などの公的医療保険に加入していること、そして埼玉県の認定協議会で承認されること、の3つです。
埼玉県が設置している専門家の審査組織です。申請書類が適切かどうかを審査して、助成を受ける資格があるかを判断します。主治医の診断書が必要で、その診断書を書けるのも、日本肝臓学会肝臓専門医か埼玉県肝炎医療研修会受講修了医に限られています。
かかりつけの先生がどちらでもない場合はどうすればいいんですか?
埼玉県では「埼玉医科大学病院の肝臓病相談センター」が肝疾患診療連携拠点病院として指定されています。電話番号は049-276-2038(直通)です。専門医への紹介についても相談できますよ。
他の医療給付制度で、同じ治療に対して給付を受けている方は原則対象外です。二重助成は認められません。ただし、インターフェロンフリー治療不成功後のインターフェロンを含む再治療については、日本肝臓学会肝臓専門医の診断書に限定されていますので、再治療を検討している方は特に確認が必要です。
世帯の市町村民税課税年額が235,000円以上でも、同一世帯に18歳未満の扶養対象者がいる場合、廃止前の扶養控除を換算して税額が減額され、月額上限が20,000円から10,000円に下がる可能性があります。申請時に保健所で確認してください。
そういう細かい制度があるんですね。では次は、実際にどう申請するかを聞かせてください!
肝炎治療医療費助成の申請フロー図
流れを整理しますね。まず主治医と治療方針を相談して、診断書を書いてもらうことからスタートします。
1主治医(日本肝臓学会肝臓専門医または埼玉県肝炎医療研修会受講修了医)に治療方針を相談し、診断書の作成を依頼する
2「肝炎治療受給者証交付申請書」「診断書」「世帯調書」「住民票」「市町村民税課税証明書」「被保険者証の写し等」を準備する
3住所地を管轄する保健所に提出する(随時受付・予約不要)
5承認後、受給者証と自己負担限度月額管理票が郵送される
6県が指定した医療機関に受給者証と管理票を提示して受診する
審査があるため、通常は数週間から1か月程度かかります。審査が通れば、助成の始期は保健所が申請書類を受け付けた日の属する月の初日からになります。たとえば2026年6月10日に受け付けてもらえたなら、2026年6月1日から有効になります!
ほんとですか?! 申請した日じゃなくて月初日からさかのぼるんですね!
そうなんです! ただ、受給者証が届いてから治療を開始したい方は、診断書に記載の「治療開始月」の初日からとすることもできます。治療のタイミングを考えて、どちらが有利かを主治医と相談してみてください。
治療の種類によって異なります。核酸アナログ製剤治療は1年間(医師が継続必要と認めれば更新可)、インターフェロンフリー治療は2か月または3か月です。インターフェロン治療については有効期間の延長申請もあります。
| 書類名 | 備考 |
|---|
| 肝炎治療受給者証交付申請書(様式1号) | 保健所で入手またはPDF/Wordダウンロード可 |
| 診断書 | 治療内容に応じた様式。申請日以前3か月以内に作成されたもの |
| 世帯調書(様式3号) | 住民票上の世帯全員分 |
| 世帯全員の住民票 | マイナンバー記載なし、申請日前3か月以内に発行 |
| 世帯全員の市町村民税(所得割)課税非課税証明書 | 申請時に取得できる最新のもの |
| 加入医療保険が確認できる書類 | マイナポータル資格情報画面の印刷、資格確認書の写しなど |
| 市町村民税世帯合算対象除外申告書 | 該当者のみ |
マイナンバーを使って書類を省略できるって聞いたんですが?
はい! 住民票、課税証明書、保険証の写しについて、マイナンバー情報連携を利用することで省略できます。ただし、通常の申請より処理に時間がかかることがあります。マイナンバーカードを持っている方はカード1枚で本人確認も完結します。
住所地を管轄する保健所でもらえます。または
埼玉県公式ページからPDF・Word形式でダウンロードも可能ですよ。
埼玉県では、本制度の診断書を作成できる医師は「日本肝臓学会肝臓専門医」または「埼玉県肝炎医療研修会受講修了医」に限定されています。かかりつけ医がこれらに該当するかどうか、事前に確認してください。インターフェロンフリー治療不成功後の再治療に係る診断書は「日本肝臓学会肝臓専門医」のみ作成可。
医療機関で受診するときに、受給者証と自己負担限度月額管理票を提示するだけです。毎月の上限額まで窓口で払い、上限を超えた分は公費で賄われます。管理票に自己負担額を医療機関に記入してもらい、翌月以降の管理に使います。
その場合でも大丈夫です! 一旦全額支払ったあと、「肝炎治療療養費支給申請書」を保健所に提出することで、払い戻しを受けられます。その際は領収書の原本が必須なので、絶対に捨てないでください。
埼玉県が指定していない医療機関で受診した場合はどうなりますか?
その場合も療養費として後から払い戻してもらえます。ただし、手続きの手間を考えると、できるだけ埼玉県指定の医療機関を利用するのがスムーズです。なお、埼玉県医師会に加入していない医療機関は、別途指定申請が必要ですので、主治医に確認してもらいましょう。
| 状況 | 対応方法 |
|---|
| 指定医療機関で受給者証提示あり | 窓口で上限額のみ支払い、超過分は公費自動適用 |
| 受給者証交付前に受診した | 療養費支給申請(領収書原本が必要) |
| 指定外医療機関で受診した | 療養費支給申請(領収書原本が必要) |
B型肝炎の核酸アナログ製剤治療って、長期間続けることが多いですよね? 毎年申請が必要なんですか?
必要です! 受給者証の有効期間は1年間なので、継続して治療を受ける場合は更新申請が必要になります。更新時期の3か月前に保健所から通知が届きます。通知が届いたら早めに主治医に相談して、治療状況確認票を作成してもらいましょう。
そうなんです! 住所変更があった場合は特に早めに保健所へ連絡してください。更新後の受給者証有効期間の開始日が令和9年度(2027年度)に該当する方は、投薬内容の分かるもの(お薬手帳等)に加えて、血液検査の内容が分かる書類も必要になりました。早めの準備が大事ですよ!
いくつか気になる質問があるんですが、聞いていいですか? まず、世帯の中に収入の高い同居人がいると不利になりますか?
いい質問です! 判定基準となる「世帯」は住民票上の世帯全員で計算しますが、例外措置があります。配偶者以外の世帯員で、患者・配偶者と相互に扶養関係にない方は、申告によって世帯合算から除外できます。たとえば、患者の親と同居しているが互いに扶養関係がない場合などが該当します。「市町村民税世帯合算対象除外申告書」を提出することで対応できますよ。
C型肝炎でインターフェロンフリー治療に失敗した場合も申請できますか?
できます。インターフェロンフリー治療不成功後の再治療(インターフェロンを含む治療や、別のインターフェロンフリー治療)も対象です。ただし、その場合の診断書は日本肝臓学会肝臓専門医のみが作成できます。一般の内科医では作成できないので注意が必要です!
残念ながら、入院時の食事療養標準負担額は助成対象外です。治療に係る保険診療の医療費のみが対象ですよ。
埼玉県内に住所がなくなった時点で受給資格を失います。転居先の都道府県で改めて申請が必要になります。転出の際は埼玉県の受給者証を保健所に返還してください。逆に、県外から埼玉県に転入した場合は新たに申請が必要です。
埼玉県の窓口か、お住まいを管轄する保健所が対応しています。制度の詳細や書類の不明点は遠慮なく電話で聞いてみてください!
- 埼玉県保健医療部疾病対策課: TEL 048-830-3598
- 各保健所: お住まいの管轄保健所(一覧はこちら)
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 肝炎治療医療費助成(埼玉県) |
| 対象者 | 埼玉県在住・公的医療保険加入・認定協議会で承認された方 |
| 対象治療 | B型肝炎(核酸アナログ製剤治療・インターフェロン治療)/ C型肝炎(インターフェロンフリー治療・インターフェロン治療) |
| 助成内容 | 月額自己負担上限 10,000円(乙)または20,000円(甲) |
| 上限区分 | 世帯の市町村民税所得割が235,000円以上→甲20,000円 / 235,000円未満→乙10,000円 |
| 申請先 | 住所地を管轄する保健所 |
| 受付期間 | 随時(通年)受付 |
| 問い合わせ | 埼玉県保健医療部疾病対策課 TEL 048-830-3598 / 各保健所 |
| 公式ページ | 埼玉県公式ページ |
- 公的機関がATMの操作を求めることは絶対にありません
- 保健所や埼玉県が電話で個人情報(口座番号・暗証番号)を聞くことはありません
- 「受給者証の手続きに費用がかかる」と言われたら詐欺です
- 不審に思ったら、埼玉県疾病対策課(048-830-3598)または最寄りの警察署に相談してください
ありがとうございました! 治療費の不安があってもこの制度を使えば、安心して治療を続けられそうですね。
そうです! 肝炎は早期治療が大事な病気です。費用の心配で治療を諦めないで、ぜひ積極的に活用してください! 埼玉県内のほかの給付金・助成制度も確認しておくと、さらにお得になることがありますよ。
肝炎の治療費助成以外にも、医療費の負担を減らせる制度はあるんですか?
はい! 特定の疾患を抱えている方向けには、難病医療費助成制度なども活用できるケースがあります。埼玉県内の他の自治体の医療費関連給付金も合わせて確認してみてください。