キャリアアップ助成金の申請方法|必要書類と電子申請の手順
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キャリアアップ助成金の申請方法|必要書類と電子申請の手順
キャリアアップ助成金の申請は「計画書の届け出」「取組みの実施」「支給申請」の3段階です。それぞれの段階で必要な書類が異なり、期限を過ぎると申請できなくなります。
この記事では、正社員化コースを例に、支給申請に必要な書類・提出先・電子申請の方法を具体的に解説します。
申請の全体フロー
キャリアアップ助成金の申請は、以下の順番で進めます。
- キャリアアップ管理者の選任
- キャリアアップ計画書を提出 (取組み実施の前日まで)
- 就業規則の整備(転換規定の追加・変更届の提出)
- 取組みの実施(正社員化など)
- 第1期の支給申請 (6ヶ月分の賃金支給後、2ヶ月以内)
- 第2期の支給申請 (12ヶ月分の賃金支給後、2ヶ月以内)※重点支援対象者のみ
最も重要な点は、2番の「計画書の提出」が取組みの前日までに完了していること。計画書なしで正社員化してしまうと、支給申請自体ができません。
計画書の作成方法については キャリアアップ計画書の書き方と提出方法 を参照してください。
支給申請のタイミング(期限)
正社員化コースの場合、支給申請には厳格な期限があります。
第1期の申請期限
正社員として転換した労働者に、正規雇用としての賃金を 6ヶ月分支給した日の翌日 から 2ヶ月以内。
例: 令和8年10月1日に正社員化した場合
- 令和9年3月31日: 6ヶ月分の賃金支給完了
- 令和9年4月1日〜5月31日: 第1期の申請受付期間(2ヶ月間)
第2期の申請期限 (重点支援対象者のみ)
正規雇用としての賃金を 12ヶ月分支給した日の翌日 から 2ヶ月以内。
第1期の支給申請が不支給決定を受けた場合、第2期は申請できません。
この期限は延長できません。正社員化を実施したら、すぐにカレンダーに申請期限を記入しておきましょう。
支給申請に必要な書類(正社員化コース)
支給申請に必要な書類は、申請様式と添付書類に分かれます。
申請様式
- 支給申請書 (様式3号)
- 支給申請チェックリスト (厚生労働省の様式)
様式は厚生労働省の「申請様式ダウンロード」ページから取得します。令和8年4月1日以降の取組みには令和8年度版の様式を使用してください。
添付書類
| 書類の種類 | 具体的な書類 |
|---|---|
| キャリアアップ計画関連 | キャリアアップ計画書(届出済みのもの) |
| 雇用関係書類 | 転換前の雇用契約書または労働条件通知書 |
| 雇用関係書類 | 転換後の雇用契約書または労働条件通知書 |
| 賃金関係書類 | 転換前6ヶ月分の賃金台帳 |
| 賃金関係書類 | 転換後6ヶ月分(第1期)または12ヶ月分(第2期)の賃金台帳 |
| 出勤・労働時間 | 転換前後の出勤簿またはタイムカード |
| 就業規則関連 | 就業規則(転換規定を含むもの)の写し |
| 就業規則関連 | 就業規則変更届の写し(変更した場合)と受理印のあるもの |
| 社会保険関連 | 被保険者資格取得届の写し(転換時の社会保険加入証明) |
加算を受ける場合の追加書類 (例)
- 正社員転換制度を新たに規定した場合:変更前後の就業規則の比較資料
- 派遣労働者を直接雇用した場合:派遣契約書の写し
書類に不備があると審査が止まります。提出前にチェックリストで確認してください。
申請先
支給申請書と添付書類は、事業所の管轄にある 都道府県労働局またはハローワーク に提出します。
提出先は事業所の所在地によって異なります。具体的な提出先は厚生労働省の公式サイトで確認できます。
電子申請の方法
キャリアアップ助成金の支給申請は、電子申請システムを使ってオンラインで提出できます。
電子申請できるコース
以下のコースが電子申請に対応しています(2026年4月時点)。
- 正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
電子申請の手順
ステップ1:GビズIDプライムを取得する
電子申請には「GビズID(法人・個人事業主向けの共通認証システム)」のプライムアカウントが必要です。まだ取得していない場合は、GビズIDの公式サイト(gbiz-id.go.jp)から申請してください。
取得まで数週間かかる場合があります。電子申請を希望する場合は、早めに準備しておきましょう。
ステップ2:厚生労働省の電子申請ページにアクセスする
厚生労働省のキャリアアップ助成金公式ページに「電子申請はこちら」のリンクがあります。コースを選択してアクセスします。
ステップ3:申請情報を入力し、添付書類をアップロードする
画面の指示に従って申請情報を入力し、必要書類をPDFまたは画像ファイルでアップロードします。
ステップ4:送信して控えを保存する
申請を送信すると、受付番号が発行されます。受付番号と申請内容の控えを必ず保存してください。
申請後の流れ
支給申請を提出した後の流れは次の通りです。
- 書類審査 (都道府県労働局で内容を確認)
- 実地調査 (書類の不備や確認が必要な場合、事業所への調査が行われることがある)
- 支給決定または不支給決定の通知
- 支給(振込)
審査から支給まで、数ヶ月かかる場合があります。申請後はしばらく待つ必要があります。
不正受給について
次のような行為は不正受給とみなされます。
- 実際には正社員化していないのに申請した
- 賃金を実際より多く記載した
- 書類を偽造・改ざんした
不正受給が判明した場合、助成金の全額返還に加え、不正受給額の20%の罰則金が科されます。さらに、不正受給決定日から5年間、すべての雇用関係助成金(他の種類の助成金も含む)を受給できなくなります。「バレないだろう」は通用しないため、正確な申請を徹底してください。
よくある質問
Q. 申請書類の様式は毎年変わりますか?
A. 制度の見直し等により、その都度申請様式が改定されます。支給申請の際は、取組みを行った日に対応する年度の様式を使用してください。古い様式で申請すると受け付けられない場合があります。必ず厚生労働省の公式サイトから最新版をダウンロードしてください。
Q. 紙での申請と電子申請、どちらが早く処理されますか?
A. 審査期間に大きな差はありませんが、電子申請は書類の郵送コスト・往復の手間を省けます。GビズIDをすでに持っている事業者には電子申請が便利です。
Q. 支給申請後に書類の不備があった場合はどうなりますか?
A. 都道府県労働局から書類の補正・追加提出を求められます。速やかに対応しなければ審査が遅れます。不備が多い場合は不支給決定になることもあるため、提出前に添付書類を再確認してください。
Q. 支給額はいつ口座に振り込まれますか?
A. 支給決定後、通常は数週間以内に振り込まれます。申請から支給まで合計で数ヶ月かかることが多いです。
Q. 過去に不支給になった場合、再申請はできますか?
A. 第1期で不支給になった場合、第2期の申請はできません。ただし、不支給の理由が解消された別の転換事案については、新たに申請できる場合があります。具体的な状況については管轄の都道府県労働局に確認してください。
キャリアアップ助成金の全体ガイド
キャリアアップ助成金の全体像・各コースの金額・対象者については キャリアアップ助成金ガイド をご参照ください。
正社員化コースの詳しい条件は 正社員化コースの条件と申請の流れ で解説しています。
まとめ
支給申請の成否を分けるのは「書類の正確さ」と「期限の厳守」です。
申請前のチェックポイントをまとめます。
- キャリアアップ計画書が取組み前日までに提出済みか
- 転換後の賃金が3%以上増加しているか(賃金台帳で確認)
- 就業規則に転換規定が記載されているか
- 全ての添付書類が揃っているか(チェックリストで確認)
- 申請期限(6ヶ月分の賃金支給翌日から2ヶ月以内)を把握しているか
不安な場合は、社会保険労務士に申請代行を依頼することも選択肢の一つです。