室谷さん、今日はまた面白そうな補助金が出てきましたね!「カーボンニュートラルコンビナート構築促進補助金」って…名前だけで息切れしそうです(笑)。そもそも「コンビナート」って工場が集まったエリアのことですよね?
佐藤さん、その通り!石油化学や鉄鋼の工場が密集している巨大産業地帯のことです。山口県には岩国・大竹、周南、宇部・山陽小野田という3つのコンビナート地域があるんですが、この補助金はそれらの地域で脱炭素に向けた企業連携の調査や設備投資を支援するものなんですよ。
なるほど!で、この補助金のキャッチコピーが「コンビ補助金 FS枠」って書いてあるんですけど、FSって何の略ですか?
フィジビリティスタディ(Feasibility Study)の略で、「実現可能性調査」のことです。つまり、本格的な設備投資の前に「本当にこの事業は実現できるのか?コストは?効果は?」を調べるための調査事業に使える枠なんですよ!
じゃあ、単なる調査に5000万円も使えるってこと?すごいですね!
ちょっと待ってください(笑)。まず基本を押さえましょう。この補助金の目的は、山口県内のコンビナートの国際競争力を維持・強化しながら、2050年カーボンニュートラルを実現すること。具体的には、二酸化炭素排出削減や次世代燃料・素材の供給基地化につながる企業間連携事業を支援するんです。
なるほど。1社だけでやるんじゃなくて、複数社が連携して取り組むことが前提なんですね。
その通り!しかもコンビナート企業2社以上を含むグループでないと応募できません。単独企業では門前払いですよ。
公式ページには「設備投資事業 フィジビリティスタディ枠」とありますね。他にも枠があるんですか?
実はこの補助金、大きく分けて設備投資事業と研究開発・実証試験事業の2本立てで、さらにそれぞれに細かい枠があります。今回私たちが注目するのは設備投資事業の「フィジビリティスタディ枠(FS枠)」ですが、他にも設備・施設整備枠(上限5億円!)や研究開発向けの連携創出支援枠など、全部で5つの枠があるんですよ。
そうなんです。でもFS枠は「まずは調査から始めたい」という企業にピッタリ。大型設備投資の前段階として、リスクを抑えつつ事業の可能性を探れるのが魅力です!
じゃあ、肝心のお金の話を教えてください!上限は5000万円、補助率は2/3以内ですよね?
はい、まさにその通り。補助限度額は5,000万円(※事業期間計)、補助率は2/3以内です。
| 項目 | 内容(FS枠) |
|---|
| 補助上限額 | 5,000万円(事業期間全体) |
| 補助率 | 2/3以内 |
| 事業期間 | 交付決定日~令和9年3月まで(最長2年:令和10年3月まで) |
| 採択件数目安 | 1件程度 |
2/3ってすごいですよね!事業費が1500万円なら1000万円が補助金ってことですから。でも「以内」っていうのが気になります。
さすが佐藤さん、細かいところに目をつけますね。補助率2/3以内というのは「最大で2/3まで補助しますよ」という意味。事業内容によってはそれより低い率になる可能性もあります。あくまで上限が2/3という理解でいてください。
それにしてもFS(調査)で5000万円って、結構な金額ですよね。普通の調査ってそんなにかかるものなんですか?
一般の市場調査とはわけが違います。コンビナートの脱炭素化調査って、例えば「工場Aの排熱を工場Bで活用するための配管ルートの設計」「CO2回収装置の導入可能性評価」「次世代燃料の供給チェーン構築に向けた技術検証」など、大掛かりな設備前提の調査になるんです。専門のエンジニアリング会社に依頼したり、試作品の簡易試験をしたりするだけで、あっという間に数千万円規模になることもあるんですよ!
なるほど!設備投資の前段階でしっかり調査できるように、5000万円もの枠を用意しているわけですね。
2/3の補助率、イメージで言うと「自己負担は3分の1で済む」ってことですよね。例えば総事業費3000万円なら自己負担は1000万円、補助金が2000万円。これはデカい!
その計算、まったく正しいです!例を示すとこんな感じ。
ざっくり計算すると、自己負担が抑えられるから「リスクを取って調査に踏み切れる」ってわけですね。
そう!補助金の最大の魅力は返済不要であること。しかも調査段階で採択されれば、その後本格的な設備投資(設備・施設整備枠:上限5億円、補助率1/3以内)につなげることも視野に入ります!
ここからは対象者について深掘りします。公式情報には「コンビナート企業2社以上を含む複数の構成員(個人を除く)による事業グループ」とありますね。
そうです。ここで大事なのは2社以上のコンビナート企業がグループに含まれていること。しかも代表申請者は県内のコンビナート企業でなければいけません。
つまり、グループのリーダーを務めるのは必ずコンビナート企業じゃないとダメで、他のメンバー(例えば設計会社や大学など)が代表になることはできないってことですね。
その通り!あと、地域会議におけるコンセンサス(合意)を得た事業でなければなりません。これ、結構重要なポイントです。
地域会議って何ですか?そしてコンビナート企業とは具体的にどの会社を指すんですか?
公式の定義では、岩国・大竹地域、周南地域、宇部・山陽小野田地域の3エリアにある「コンビナート企業連携検討会議(地域会議)」を構成する企業のことです。具体的な企業名は公表されていませんが、各コンビナートに立地する石油化学メーカーや電力会社、ガス会社などが該当します。
ということは、例えば東京都のIT企業が「うちも参加したい!」と飛び込んでも、メンバーになれない可能性が高い?
まあ、グループの構成員になることは可能かもしれませんが、代表にはなれませんし、そもそも事業実施場所は山口県内に限られます。実質的に、山口県のコンビナートに拠点がある企業が中心になる制度ですね。
公式ページに「個人を除く」と書いてありますね。個人事業主はダメってことですか?
残念ながら、個人事業主は対象外です。「複数の構成員(個人を除く)」と明記されていますから。法人格が必要で、しかもグループで応募する形になります。
もう一つ気になるのが「地域会議においてコンセンサスを得た事業に限る」という条件。これは厳しそうですね…。
かなり重要なハードルです。地域会議というのは、同じコンビナートエリアに立地する企業同士が集まって「地域全体としてどう脱炭素を進めるか」を話し合う場なんです。その会議で「このグループの事業計画は地域にとって有益だ」という合意を得ないと、申請自体ができません。
つまり、勝手にグループを作って申請書を出せばOKではなく、事前に地域の企業と調整し、みんなの了解を得る必要があると。
その通り!この点は、単独で申請できる他の補助金とは大きく異なる特徴です。とはいえ、地域全体の方向性を決める会議なので、事業がCO2削減や地域活性化に貢献する内容なら、基本的にはコンセンサスは得やすいでしょう。
具体的にどんな経費に使えるんですか?調査って言っても、人件費から外注費まで色々ありそうです。
はい、FS枠の対象経費をざっくり分類するとこんな感じです。
人件費も対象になるんですね!自社の社員が調査に使った時間も経費計上できるのは嬉しい!
ただし、対象になる経費とならない経費の線引きが重要です。公募要領でしっかり確認してください。
じゃあ、具体的にどんなものに使えるか、教えてください!
- 調査委託費:専門のコンサルタントや研究機関にFSを依頼する費用
- 機器賃借費:調査用の測定機器や分析機器をレンタルする費用
- 旅費:現地調査や関係者との打ち合わせのための交通費・宿泊費
- 人件費:自社の従業員が調査プロジェクトに専従した場合の人件費
- 資料購入費:技術資料やデータベースの購入費用
- 会議費:地域会議や関係者との調整会議の会場費・茶菓子代
結構幅広いですね!でも「資料購入費」って、普通の書籍代も入るんですか?
あくまで事業に直接必要な資料に限ります。例えば「CO2回収技術に関する専門書」はOKかもしれませんが、事務所全体で使うような一般書は対象外でしょう。事業との関連性が審査のポイントになります。
逆に、これは使えないよ、という経費も教えてください。
- 土地の購入費:調査段階では土地は不要なので対象外
- 建物の建設費:FS枠は調査まで。本工事は設備・施設整備枠へ
- 汎用的な備品:机や椅子、パソコンなどの日常的な事務用品
- 飲食費:ただし会議での軽食程度はグレーゾーン。公募要領で確認を
- 消費税:補助金の対象経費は税抜き金額が基本
パソコン買うのはダメなんですね…調査に使うからOKかと思いました。
FS枠はあくまで「調査事業」ですから、設備投資は設備・施設整備枠の役割なんです。とはいえ、調査に必要な特殊なセンサーや測定器の購入はケース・バイ・ケース。事前に山口県産業脱炭素化推進室に確認するのが一番確実です!
じゃあ、実際に申請するにはどうすればいいんですか?流れを教えてください!
コンビ補助金 申請の流れ(FS枠)- 1
地域会議でコンセンサスを得る
事業計画を地域会議に提案し、合意を得る
- 2
- 3
必要書類を準備
計画書、収支計画書、応募要件確認書など
- 4
Jグランツまたはメールで提出
代表申請者が申請。締切は8月28日17:15必着
- 5
- 6
事業の実施
交付決定日~令和9年3月まで(最長2年)
- 7
実績報告・完了検査
令和9年3月末頃。その後補助金支払い(4月頃)
最初のステップが「地域会議でコンセンサスを得る」!これ、ハードル高くないですか?
確かに、他の補助金にはない独特のステップですよね。でも、普段から地域会議に参加している企業であれば、自然な流れで進められるはずです。もし「うちの会社はまだ地域会議に入っていない」という場合は、まず山口県産業脱炭素化推進室に相談することをおすすめします。
相談窓口は、産業労働部産業脱炭素化推進室、電話083-933-2474ですね!担当は補助制度・手続きに関することは村上さん・岡本さん、連携事業の内容に関することは勢登さんと。
そう!相談は無料ですし、「こんな調査を考えているんだけど、コンセンサスを得られるかな?」といった事前相談も歓迎だと思います。公募期間は令和8年7月24日~8月28日と約1ヶ月しかないので、早めに動くことが成功の鍵です!
申請はJグランツ(電子申請システム)とメールの2つの方法があるんですね。どっちがオススメですか?
公式にはどちらでもOKですが、私はJグランツをおすすめします。理由は2つ。1つは、記入漏れやエラーがシステム側でチェックされること。もう1つは、提出後のステータスが確認できることです。
でもJグランツって、最初にGビズID(gBizID)が必要ですよね?
そうです!GビズIDは国が提供するビジネス向けの共通認証システム。まだ取得していない法人は、早急に取得手続きを開始してください。審査には数週間かかることもありますから、公募開始を待たずに準備するのがベストです。
なるほど!ええと、GビズID取得の流れとしては…Webサイトから申し込んで、書類を提出して、審査を経て発行される…という感じですよね。
公式サイトからダウンロードできる様式はこちらです。
- (様式)計画書表紙、(別紙1)事業計画書(Word)
- (別紙2)事業収支計画書(Excel)
- (別紙2-2)共同事業費説明書(Excel)
- (別紙3)応募要件の確認書(Word)
- (別紙4)暴力団排除に関する誓約書(Word)
結構なボリュームですね…WordとExcelのファイル、ちゃんと埋められるか不安です。
心配なら、山口県産業脱炭素化推進室に事前相談するのが一番です!「計画書の書き方が分からない」「収支計画の数字の妥当性が知りたい」といった相談も受け付けてくれます。電話でもメールでもOKですよ。
ここが一番気になります!審査で何を重視されるんですか?
公募要領に審査基準の詳細が載っていますが、大きく分けると次の3つがポイントになります。
特に「実現可能性」って、どうやって評価されるんですか?
例えば、調査項目が漠然としていないか、スケジュールに無理がないか、予算が適切に組まれているか、といった点がチェックされます。**「こういう調査をして、こういう結果を得て、次のステップにどう活かす」**というストーリーが明確なほど評価は高まります。
なるほど。脱炭素への貢献度も気になります。「CO2を○トン削減します」って具体的な数字が必要ですか?
FS枠は調査段階ですから、正確な削減量を事前に示すのは難しいですよね。ただし、「この調査によって、最終的にどの程度のCO2削減が見込めるか」の見通しは示すべきでしょう。例えば「工場Aの排熱利用により、年間○トンのCO2削減が期待できる。その実現可能性を調査する」といった書き方です。
最後に「連携の意義」。これは複数社でやるからこそ生まれるメリットを強調すればいいんですね。
そうです!「単独ではできないこと」をアピールするのがポイント。例えば「A社の技術とB社の設備を組み合わせることで、新たなカーボンリサイクル事業の可能性が拓ける」といったストーリーが理想的です。
最後に、申請者がよく疑問に思うことをいくつかQ&A形式でまとめてもらいました。
-
Q: 採択は何件程度見込まれていますか?
-
A: FS枠の採択件数目安は1件程度です。非常に狭き門ですが、それだけに支援内容は手厚いと言えます。
-
Q: コンセンサスを得るために、地域会議に参加していない企業はどうすれば?
-
A: まずは山口県産業脱炭素化推進室に相談し、地域会議への参加方法やコンセンサス獲得のプロセスを確認してください。
-
Q: 他の補助金との併用は可能ですか?
-
A: 基本的に、同一経費に対する重複は認められません。ただし、異なる経費であれば併用可能な場合もあります。公募要領で確認するか、県の担当者に相談してください。
-
Q: 事業期間が長期化した場合はどうなりますか?
-
A: FS枠では、最長**2年間(令和10年3月まで)**に延長可能です。ただし、その場合も補助限度額は5,000万円(事業期間計)で変わりません。
-
Q: メール申請とJグランツ申請、どちらが有利ですか?
-
A: 審査での有利不利はありません。ただし、Jグランツの方がシステム上のチェックがあるため、書類不備のリスクを減らせます。
-
Q: グループ内の役割分担はどの程度詳細に書く必要がありますか?
-
A: 事業計画書(別紙1)や共同事業費説明書(別紙2-2)に記載します。各社の担当業務と予算配分を明確にすることが求められます。
室谷さん、今日は本当に詳細に解説いただきありがとうございました!最後に、この補助金のポイントをまとめてください!
それでは、この記事のポイントを一言で言うと…**「コンビナート企業の連携で、未来の脱炭素社会を切り拓くチャンス!」**です!
この制度、かなり専門的でハードルが高そうですが、しっかり準備すれば大きな成果が得られそうですね!
そうですね。何より返済不要の補助金で、しかも最大5000万円。そして採択されれば、次の設備投資(設備・施設整備枠)への道も開けます。山口県のコンビナート企業の皆さん、ぜひ前向きに検討してみてください!
皆さん、疑問があれば遠慮なく問い合わせてくださいね!室谷さん、本日はありがとうございました!
ありがとうございました!皆さんの挑戦を応援しています!