室谷さん、今日は東大の先端科学技術研究センターと石川県がタッグを組んだ補助金があるって聞いてきました!どんな制度なんですか?
そうですね、これは東京大学先端科学技術研究センター 、通称「先端研」と、石川県内の企業が連携して研究開発を行う事業です。石川県と公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)が窓口になって、補助金を交付してくれるんですよ。
えっ、東大の研究室と地元企業が組めるってすごくないですか?どういう経緯で始まったんですか?
実は平成24年3月に、東大先端研と石川県が全国の自治体としては初めて 連携協定を結んだんです。それ以来、県内企業が抱える研究課題を東大の研究者と一緒に解決する仕組みが動いています。
へえ!石川県が先駆けだったんですね。これは地元企業にとって大きなチャンスですよね。
まさに。特に製造業や情報通信業 、さらには農業や漁業 まで幅広い業種が対象なんです。石川県内に事業所があれば、大企業でも応募できます。
この補助金、聞いたところによると「研究開発支援」と「FS調査」の2種類があるって本当ですか?
その通り!今回メインでお伝えするのは新技術・新製品研究開発支援事業 、いわゆる本格的な研究開発型です。もう一つ、新技術・新製品開発事業化可能性調査事業 、略してFS(フィージビリティスタディ)事業もあります。
FS事業っていうのは、事前調査みたいなものですか?
はい、本格的な研究開発に入る前に、実用化可能性や市場調査 を行う事業です。上限は100万円 (国等の助成事業に申請予定なら200万円 )で、補助率は定額。研究開発支援事業の方は上限1,000万円 、補助率2/3 です。
なるほど!まずFSで調査してから、本格研究に進むパターンもあるんですね。
そうですね。ただし両方とも、東大先端研の教員と組むことが絶対条件。企業だけでは応募できませんから注意してください。
制度の特徴 東大先端研との共同研究
先端研教員と石川県内企業の連携体が必須
補助上限1,000万円・補助率2/3
研究開発支援事業。FS事業は定額100万円
対象業種が幅広い
製造業、情報通信業、農業、建設業など約20業種
対象地域は石川県
石川県内に事業所を有する企業が対象
じゃあ、まず研究開発支援事業の方から詳しく教えてください。上限1,000万円って言いましたけど、実際にいくらもらえるんですか?
上限は1,000万円 で、補助率は2/3 です。つまり、総事業費の3分の2まで補助が出ます。例えば総事業費が1,500万円なら、1,000万円が補助の上限。ただし補助率が2/3なので、最大でも補助金額は1,000万円までですね。
ということは、総事業費1,000万円なら補助は約667万円、2/3の額ってことですね。
その計算で合ってます。ただし注意点があって、経費の比率は企業:東大先端研がおおむね2:1 である必要があります。つまり企業側の支出が先端研の約2倍必要。
えっ、比率の条件があるんですか?具体的にどういうことですか?
例えば補助申請額を合計1,000万円とすると、企業側が約667万円、先端研側が約333万円くらいの配分になります。企業側の支出を多めにしないといけないんです。これは公募要領で詳しく確認してくださいね。
FS事業の方も教えてください。定額っていうのは、全額補助って意味ですか?
そうです!FS事業は補助率10/10 、つまり定額です。通常は上限100万円 、国等の研究開発助成事業に申請予定がある場合は上限200万円 。こちらも経費の比率は企業:東大先端研がおおむね2:1です。
全額補助ってすごい!でもFSはあくまで調査段階ですもんね。
そう。市場調査や技術課題の調査など、研究開発の前段階を支援するのが目的。逆に言うと、このFSの結果を基に本格的な研究開発に進むケースが多いです。
研究開発支援とFS事業の比較 項目 新技術・新製品研究開発支援 新技術・新製品開発事業化可能性調査 補助上限 1,000万円 100万円(通常)/200万円(国等申請予定) 補助率 2/3 定額(10/10) 補助期間 最長1年(年度またぎ可) 最長1年(年度またぎ可) 主な使途 研究開発・実用化研究 事前調査・市場調査
ここからは申請資格の話です。どういう人が対象になるんですか?
まず大前提として、東大先端研の教員 と石川県内企業 の連携体であること。教員は教授、准教授、講師、助教(特任教員・客員教員は除く)ですが、特任教員でも雇用条件で研究開発が職務として認められていればOKです。
企業側は石川県内に事業所があればいいんですか?大企業でもいける?
大企業もOKです。要件は以下の3つ:①石川県内に事業所を有する、②事業を主体となって実施する、③連携体の代表者として事業全体を管理する。つまり企業が代表者 になる必要があるんです。
なるほど。東大の先生が主導じゃなくて、あくまで企業が主体なんですね。
そうです。企業が研究開発の主体となって、先端研の教員が技術シーズを提供する形。連携体の代表者は企業側が務めます。
「石川県内に事業所を有する企業」って、具体的にどんなケースが該当しますか?
3パターンあります。①石川県内に本社 がある、②石川県内に事業本部 またはそれに類する組織があり、そこで事業展開する、③石川県内に開発部門 があり、そこで主体的に調査・研究を行い、結果が石川県の産業政策上有効と認められる場合。
なるほど。つまり石川県に本当の拠点がないとダメってことですね。本社が東京でも、石川に開発部門があればセーフ?
その通り。ただし③の場合は、その開発部門で主体的に研究が行われることと、県の産業政策上有効と認められる必要があります。応募時に確認したほうがいいですね。
業種の制限はありますか?私、飲食店やってるんですけど…
意外かもしれませんが、宿泊業・飲食サービス業 も対象です!他にも漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、医療・福祉、教育 など、実に20業種近く が対象。ほぼ全業種と言っていいでしょう。
対象者判定フローチャート 石川県内に事業所がありますか?
はい 東大先端研教員との連携体を組成できますか?
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補助金で使える経費の範囲を教えてください。研究開発って色々お金かかりますよね。
経費は大きく分けて、先端研側と企業側で異なります。先端研側は人件費・謝金、備品費、旅費、材料・消耗品費、雑役務費、通信運搬費 など。企業側は旅費、機器・設備等賃借料、クラウドサービス利用費、材料・消耗品費、外注加工・評価分析費、謝金、知的財産権関連経費・認証取得費 などです。
クラウドサービス利用費も対象なんですね!最近の研究開発だと、AIの計算用クラウドとか使いますもんね。
そうそう。それから外注加工・評価分析費 も対象。外部の試験機関に分析を依頼する費用なども含まれます。知的財産権関連経費は特許出願費用などですね。
これは使える!と思ったけど、気をつけるべき点はありますか?
あります。企業側の経費として、先端研へ支払う共同開発費は対象外 。あくまで企業が直接支出する経費が対象です。先端研への支払いは、経費比率の計算には含まれますが、補助対象経費にはなりません。
その「共同開発費(先端研へ支払う経費)は不可」って、結構重要なポイントですね。
重要です。企業が先端研に研究委託費を払うパターンはNG。逆に先端研側は、先端研教員の人件費や備品費を補助対象として申請できます。企業と先端研でそれぞれが使う経費を明確に分けて計上する必要があります。
なるほど。つまり企業は自社で使う研究費を申請し、先端研は先生方が研究に使う経費を申請する。両方合わせて経費比率2:1を満たす、と。
その理解でバッチリです。具体的な経費の範囲は公募要領に詳しく載っていますので、必ず確認してくださいね。
対象経費と対象外経費 旅費 / 機器・設備賃借料 / クラウドサービス利用費 材料・消耗品費 / 外注加工・評価分析費 謝金 / 知的財産権関連経費・認証取得費 × デメリット
企業側:先端研へ支払う共同開発費は対象外 先端研側の人件費は先端研経費として申請 他の補助金との重複受給は不可(実施期間中)
ここからは申請手順です。どうやって申し込むんですか?
申請はjGrants という電子申請システムを使います。まず必要なのがGビズID(gBiz IDプライム) 。これがないとログインできません。取得には2~3週間 かかるので、公募開始前に必ず取得しておきましょう。
えっ、2~3週間!?それは早めに動かないとですね。募集期間はいつからいつまでですか?
募集期間は2026年6月7日から7月31日まで 。でもISICOのページでは6月8日開始とあるので、正確には公募要領で確認してください。いずれにしても約2ヶ月間。締切は午後4時必着 です。
7月31日午後4時、絶対に間に合わせないと。GビズIDは今から取っておいたほうがいいですね。
そうですね。特に初めての方は、申請期間中にID取得でバタバタしないよう、余裕を持って。
主な提出物は以下の通り。事業計画書 (別紙1~5と提出書類チェックシート)、申請者と連携体構成員の決算書 (直近2ヵ年分)。個人事業主は確定申告書の写し、創業間もない場合は履歴事項全部証明書で代用できます。
事業計画書はWordやExcelで作成するんですね。様式はどこからダウンロードできますか?
電子申請なので、計画書の「提案者1東大先端研」「提案者2企業」欄の捺印は不要です。ただし決算書などの添付書類はきちんと用意してくださいね。
補助金申請の流れ 1 GビズIDを取得
gBiz IDプライムを取得。2~3週間かかるので余裕をもって
2 公募要領・様式をダウンロード
ISICOサイトから事業計画書様式を入手
3 連携体を組成
東大先端研教員と打ち合わせ、研究計画を策定
4 事業計画書を作成
別紙1~5+チェックシートを記入、決算書を添付
5 jGrantsから電子申請
募集期間内にオンライン提出。締切は7月31日16時必着
6 審査・採択
書類審査の後、採択5件程度(FSと合計)
この補助金の審査って、どんなポイントが重視されるんですか?
採択は5件程度 (研究開発支援とFSの合計)と狭き門です。重視されるのは、まず連携の実効性 。東大先端研の教員と企業が本当に協力して研究を進められる体制かどうか。
形だけの連携じゃダメってことですね。具体的にどうアピールすればいいですか?
役割分担を明確にしましょう。東大先端研が持つ技術シーズ をどう活用するか、企業側が持つ事業化ノウハウ をどう組み合わせるかを具体的に書く。単なる共同研究ではなく、次世代産業の創造 につながる新技術・新製品であることが求められます。
あります!応募時に経営革新計画 の認定を受けている(または申請中)事業者は、加点の対象 になる場合があります。認定書の写しを提出すれば評価がアップする可能性あり。
中小企業等経営強化法に基づく国の制度です。石川県でも認定を行っています。もし該当するなら、ぜひ活用しましょう。
予算の配分バランス も重要。先端研と企業の経費比率がおおむね2:1になるよう、無理のない計画を立ててください。あと、他の補助金との重複受給は不可 。実施期間中に別の補助金を受けている、または受ける予定がある場合は対象外になります。
審査攻略のPOINT
①東大先端研の技術シーズをどう活用するか具体的に書く
②経営革新計画の認定を受けている場合は加点対象(認定書写しを添付)
③先端研と企業の経費比率を2:1に調整
④他の補助金と重複しないよう注意
⑤事業計画書はWord/Excelで作成、捺印不要
採択件数が5件程度ということは、倍率は結構高いんですか?
残念ながら、提示のある事実には過去の応募件数や倍率の情報がありません。公募要領やISICOに問い合わせて確認するのが確実です。ただ、5件に絞られるので競争は激しいでしょうね。
やっぱりちゃんと準備しないとですね。室谷さん、何かアドバイスを!
まず東大先端研の教員と事前にしっかり打ち合わせをして、研究計画を固めること。それから、事業計画書の別紙1~5を漏れなく記入し、チェックシートで確認。決算書類も直近2ヵ年分を用意する。これらをきちんと揃えれば、書類不備で落ちることはありません。
同じ事業の実施期間中に、他の補助金等による財政支援を受けている、または受ける予定の場合は対象外 です。つまり、同じ研究開発に対して複数の補助金を併用することはできません。
あくまで今回申請する事業と期間が重なるかどうかが問題。もし別のテーマで別の補助金を受けるなら問題ありませんが、同一経費の二重取りは絶対にダメです。
基本的には後払い です。事業を実施して、実績報告を提出し、審査を経てから振り込まれます。ただし具体的なスケジュールは公募要領で確認してください。
疑問が湧いたときに問い合わせできる窓口はありますか?
あります。ISICOの成長プロジェクト推進部 イノベーション支援課 (担当:出嶋、山崎、山下)まで。電話:076-267-6291 、FAX:076-268-1322 。住所は石川県金沢市鞍月2丁目20番地、石川県地場産業振興センター新館2Fです。
先端研の戦略推進室(担当:宮本)も受け付けています。電話:03-5452-5106 。まずはISICOに聞くのが早いでしょうね。
注意!応募時のチェックポイント
□ GビズIDは取得済み?(2~3週間かかります)
□ 東大先端研教員との連携は確定している?
□ 経費比率(企業:先端研=2:1)を満たしている?
□ 他の補助金と重複していない?
□ 事業計画書の様式はすべて揃っている?(別紙1~5+チェックシート)
最後に、この補助金の全体像を簡単にまとめてください。
はい。この制度は東京大学先端科学技術研究センターと石川県内企業の連携 で、次世代の新技術・新製品を開発するための事業です。研究開発支援は上限1,000万円・補助率2/3 、FS調査は上限100万円(国等申請予定で200万円)・定額 。対象業種は幅広く、大企業でも応募可能。ただし連携体を組むこと が絶対条件で、企業が代表者になります。
申請はjGrantsから電子申請で、GビズIDが必要。締切は7月31日午後4時。狭き門ですが、しっかり準備すればチャンスはありますね。
そうですね。東大の最先端研究と石川県の産業力が融合する、とてもユニークな補助金です。ぜひ活用を検討してみてください!
1 制度名:令和8年度 東京大学先端科学技術研究センター共同研究創出支援事業(新技術・新製品研究開発支援事業) 2 補助上限:1,000万円(研究開発支援)、補助率2/3 3 募集期間:2026年6月7日~7月31日(必着16時)※公募要領で確認 4 対象地域:石川県(県内に事業所を有する企業) 5 必須条件:東大先端研教員との連携体、経費比率企業:先端研=2:1 6 申請はjGrantsから、GビズIDプライムが必要(取得に2~3週間) 7 採択件数:5件程度(FSと合計) 8 問合せ先:ISICO イノベーション支援課 TEL 076-267-6291