室谷さん、今日は今治市の「指定区域大規模用地取得奨励金」について教えてください!
はい、これは今治市が企業誘致のために用意した、かなり太っ腹な制度です。ざっくり言うと、今治新都市という指定区域で3ヘクタール以上の大きな土地を買って、自分で事業所を建てる企業に、土地の購入代金の一部を現金で戻してくれるんです。補助率はなんと最大30%、しかも上限なしです!
えっ、30%も!? しかも上限なしって、マジですか? それってめちゃくちゃ手厚いじゃないですか!
そうです。ただ、その代わり条件がいくつかあります。まず対象となるのは今治新都市区域という指定エリアだけ。そして市または独立行政法人都市再生機構から直接用地を買うこと。さらに操業開始までに代金を全額払い終える必要がある。この辺りがポイントですね。
3haって、具体的にどのくらいの広さなんですか? サッカーグラウンド何面分?
ざっくり言うと、東京ドーム約0.7個分くらい。30,000平方メートルですから、かなりの広さです。工場なら大規模なもの、物流センターなら標準的、研究施設なら広め、といったイメージ。つまり、それなりの規模の事業を計画している企業が対象になります。
なるほど。じゃあ中小企業にはハードルが高そうですね。
いや、中小企業でも3ha以上の土地を取得するケースはあります。例えば農業や林業、鉱業なんかは広大な敷地が必要です。実際、対象業種のリストには農業、林業も含まれています。ですから、むしろそういった業種の事業者には朗報ですね。
何で今治市はこんなに太っ腹な制度を用意したんですか?
今治市は今治新都市区域を産業拠点として整備していて、そこに大規模な工場や物流センター、研究施設などを誘致したいと考えています。この奨励金は、公有地の処分と企業誘致を一気に進めるための仕組み。だから「市や都市再生機構から直接買う」という条件が付いているんです。
ああ、市が持っている土地を売りたいんですね。なるほど、win-winの関係か。
その通り。企業は安く土地を手に入れられ、市は雇用創出や税収増につながる。お互いにとってメリットがある制度です。
制度の特徴段階的補助率
面積に応じて10%→20%→30%にアップ
じゃあ肝心の金額について詳しく! 補助率は3段階あるんですよね?
はい、3段階。まず3haまでの部分は取得価格の10%、3haを超えて5haまでの部分は20%、5haを超える部分は30%が交付されます。つまり面積が広いほど高い補助率が適用される。しかも限度額なし! これは本当に大きいです。
上限なしって、例えば100億円の土地を買ったら30億円戻ってくるってこと? それはすごい。
理論上はそうなります。ただし、そんな規模の土地が今治新都市区域にあるかは別として(笑)、とにかく大規模投資ほど恩恵が大きい仕組みです。
具体的な計算例を教えてください。例えば6haの土地を6億円で買った場合、いくらになりますか?
良いですね。6haの場合、まず3haまでの部分(仮に3億円)には10%で3,000万円。次の3ha超5haまでの2ha分(仮に2億円)には20%で4,000万円。最後の5ha超の1ha分(1億円)には30%で3,000万円。合計1億円の奨励金! すごいでしょ。
1億円! 土地代の6億円のうち1億円戻ってくるんですね。それは助かります。
そう。しかもこれはあくまで計算例。実際の取得価格に応じて単純に計算できるので、見積もりが立てやすいです。ただし、用地の取得価格が均一とは限らないので、正確な金額は契約に基づきます。
でも、土地を分割して買ったり、一部だけ買ったりしたらどうなるんですか?
あくまで1回の取得で3ha以上である必要があります。複数回に分けて買った場合、合計が3haを超えても対象外の可能性が高い。その辺りは公募要領で要確認です。また、取得価格には建物や設備は含まれません。あくまで土地代だけが対象です。
なるほど。じゃあ建物や設備投資には別の補助金を探さないといけないですね。
その通り。ただし、この奨励金は土地取得の負担を軽減することで、結果的に設備投資の余力を生むという意味もあります。うまく活用したいところです。
対象業種のリストを見ると、漁業、建設業、製造業から医療、福祉、教育まで、ほぼ全部の業種が入っています。さらに「分類不能の産業」まであるので、事実上業種制限はないと考えていいです。つまり個人事業主でも、法人でも、どんな事業をしていてもOK。
リストには「宿泊業、飲食サービス業」も含まれています。ですから、今治新都市区域で3haのレストランを開く計画があれば対象になりえます。まあ現実的には難しいですが(笑)、理論上は可能です。
個人事業主でも申請できるんですね。登記とか必要ですか?
特に法人格の要件はありません。個人事業主として事業を行っている方なら申請できます。ただし、用地取得のための資金計画や事業計画がしっかりしていることが前提。市長に適用事業者の指定を申請する際に、事業の実現性が審査されます。
なるほど。じゃあフリーランスで個人事業主でも、3haの土地を買って事業所を建てる計画があれば対象になるんですね。
その通り。例えば個人で農業を大規模にやりたい、林業を始めたい、といったケースですね。実際、農業や林業も対象業種に入っていますから。
公式情報では「従業員数の制約なし」と明記されています。売上高の要件も特にありません。つまり、従業員1人の会社でも、売上ゼロの新規事業でも、3ha以上の用地を取得して自ら事業を始めるという条件さえ満たせば申請できます。
それは意外。中小企業でも大企業でも同じ条件なんですね。
そう。ただし、事業の実現性は審査されますから、計画が杜撰だと適用事業者の指定が下りない可能性もあります。特に資金計画は重要です。
奨励金は土地の取得費に対して出るんですね。建物や設備には出ない?
この制度の名前の通り「用地取得奨励金」なので、対象は用地の取得価格です。建物や設備は対象外。ただし、jGrantsのサイトでは「利用目的:設備整備・IT導入をしたい」と書かれていて、一見矛盾するように見えますが、これはこの奨励金を受けて用地を取得した後に、その土地で設備整備やIT導入を行う事業を想定しているからでしょう。
ああ、つまり対象経費はあくまで土地代だけど、結果的に設備投資を後押しするってことですね。
その理解で正しい。交付された奨励金をどんな使途に使うかは自由ですが、補助対象経費は用地取得費のみ。注意点として、対象となる用地は市または独立行政法人都市再生機構から直接購入したものに限られます。仲介業者を通すと対象外です。
でも、一般の人がjGrantsでこの制度を見ると「設備整備・IT導入をしたい」って書いてあるから、設備購入費も補助されるんじゃないかと誤解しませんか?
確かに誤解しやすいです。ただ、jGrantsの「利用目的」は制度を探すための大まかな分類ラベルで、全ての補助金に当てはまるわけではありません。実際の補助対象は公募要領や交付要綱に書かれています。この制度の場合は、交付要綱で「用地の取得価格の一部」と明記されているので、そこをしっかり確認する必要があります。
なるほど。ラベルに惑わされず、必ず公式の詳細を読めってことですね。
そうです。どんな補助金でも、まずは公募要領を読む習慣を付けましょう。
この制度はあくまで「用地取得奨励金」で、造成費や測量費は含まれません。取得価格とは土地そのものの売買代金です。もし造成が必要な場合は別途費用がかかりますが、それは奨励金の対象外です。注意しましょう。
土地を買うだけでも結構お金がかかるのに、造成費用は自己負担か…でも、土地代の一部が戻ってくるだけでも大きいですね。
そう。特に5haを超える部分は30%戻ってくるので、大規模な土地を買うほどお得になります。
具体的な申請手順を教えてください。まず何から始めればいいんですか?
まず、奨励金を受けるには「適用事業者の指定」を市長に申請する必要があります。これが第一関門です。まだ土地を買う前の段階で、事業計画を提出して「あなたはこの制度を使えますよ」というお墨付きをもらう。これがないと後から申請してもダメ。
えっ、事前申請が必須なんですね。じゃあまずは市役所に行かないと。
そうです。今治市産業部産業政策局産業振興課に相談するのが早い。電話0898-36-1540で問い合わせできます。
適用事業者の指定って、どんな書類が必要なんですか?
公式ページには具体的な様式がリンクされています。jGrantsのページから申請様式をダウンロードできます。必要なのは事業計画書、資金計画書、取得予定の土地に関する資料など。詳しくは問い合わせてください。
特に明記されていませんが、審査があるので2週間から1ヶ月程度見ておいたほうがいいでしょう。募集期間は2026年3月31日から2027年3月31日まで。余裕を持って申請しましょう。
はい。市または都市再生機構と売買契約を結び、用地を取得します。そして最も重要なのが「操業開始の日までに用地取得代金を完納すること」。つまり、工場などを建てて事業を始める前に、土地代を全額払い終えていなければならない。ローンが残っている状態だと奨励金はもらえません。
それは結構厳しい条件ですね。自己資金か借入で事前に全額払う必要がある。
そう。だから資金計画が非常に重要。土地代を完納してから、その後建物や設備投資に着手するという流れになるケースが多いでしょう。金融機関との調整も事前にしておく必要があります。
その通り。操業を開始した後、所定の様式で交付申請を行います。審査を経て、奨励金が交付されます。もらえるタイミングは操業開始後になるので、キャッシュフローを考えておく必要があります。土地代を全額支払った後、しばらくしてからお金が戻ってくるイメージです。
なるほど。流れがよく分かりました。図で確認しましょう。
奨励金申請の流れ- 1
市長に適用事業者の指定申請
事業計画を提出し、事前に認定を受ける
- 2
用地取得と代金完納
市/都市再生機構から直接3ha以上を購入し、全額支払う
- 3
- 4
この奨励金、採択率はどれくらいですか? 審査は厳しい?
残念ながら採択率の情報は公開されていません。ただ、要件を満たせば基本的に交付される制度だと思われます。ただし、事前の適用事業者指定で市長の認定を得ることが絶対条件。これを忘れると話になりません。
やっぱり「操業開始までに代金完納」が最大の山場ですね。
そうです。これがクリアできないと奨励金はゼロ。なので、金融機関からの融資や自己資金の準備は万全に。また、土地の取得価格は契約時の金額が基準ですが、後日値引きなどがあるとどうなるかは要確認。すべて公募要領で確認しましょう。
jGrantsのページに公募要領と交付要綱のリンクがあるはずです。今治市のサイトからもダウンロードできます。必ず最新版を確認してください。
審査では事業の内容も見られますか? 例えば地域貢献度とか。
おそらく、今治市の産業振興に資する事業かどうかは見られるでしょう。しかし、業種が不問なので、よほど市の方針に反しない限り大丈夫だと思います。それよりも、用地取得の資金計画と事業の実現性が問われるはず。計画書はしっかり作りましょう。
なるほど。いかに現実的で確実な計画かを示すのが大事なんですね。
そう。また、この制度は「奨励金の交付を受けるには、まず市長に申請して適用事業者の指定を受ける必要がある」と明記されています。この手順を守らないと後で困るので、必ず事前相談と指定申請を忘れずに。
併給のルールについては、jGrantsの情報には「当サイトの代理申請不可」とあるだけで、併用の可否は明記されていません。今治市の条例や要綱で規定されている可能性があります。基本的には他の補助金と重複して受けることは可能かもしれませんが、同じ経費に対して二重取りはできません。必ず公募要領で確認してください。
例えば、設備投資に対して別の補助金を申請するのは別経費なので問題ない?
理論上は可能ですが、自治体によっては「この奨励金を受ける場合、他の補助金は併用不可」としているケースもあります。今治市のケースは私も断言できないので、問い合わせてみるのが確実です。今治市産業部産業政策局産業振興課に直接電話するのが一番早いでしょう。
でも、この奨励金自体がかなり大きいので、他の補助金がなくても十分かもしれませんね。
そうですね。特に大規模な用地取得をする場合、最大30%戻ってくるのは大きい。ただし、建物や設備には使えないので、そちらは別途、国や県の補助金を探す必要があります。その際も、この奨励金との併用が可能かどうか、必ず確認してください。
了解です。併用可能なら、さらに手厚い支援が受けられますね。
最後に、よくある質問をいくつか想定して答えてもらえますか?
はい。まず「個人事業主でも申請できる?」→できます。業種不問です。次に「土地はすべての場所が対象?」→いいえ、今治新都市区域に限られます。三番目に「奨励金はいつもらえる?」→操業開始後、交付申請して審査を経てからです。四番目に「上限はいくら?」→ありません。面積に応じて比例して増えます。
「用地取得代金を分割払いにしたらダメ?」→操業開始までに完納していれば分割でもOKですが、完納が条件なので注意。ですよね。
そうですね。最後に「申し込みはいつから?」→2026年3月31日から2027年3月31日までです。ただし、適用事業者の指定は早めに受けておくのが賢明です。
室谷さん、今日は詳しくありがとうございました! とてもわかりやすかったです。
いえいえ、この奨励金はかなり太っ腹なので、該当する企業はぜひ活用してみてください。ただし準備が大事。特に資金計画と事前の指定申請を忘れずに。