室谷さん、「水産認証取得支援事業補助金」って聞いたことあります?東京都の漁業者向けらしいんですけど。
あー!それ知ってる人めちゃくちゃ少ないんですよね。でも漁業やってる方や水産物を扱う事業者さんには超重要な制度で!MEL V2とMSCっていう水産エコラベルを取得するための費用を、最大3分の2まで補助してくれるんです!
3分の2!!ってことは、100万円かかる審査なら67万円が補助される?
そういうことです。公益財団法人東京都農林水産振興財団が実施してて、初回審査だけじゃなく、定期審査や更新審査もずっと補助対象なんですよ。継続して認証を維持するコストも軽減される、ってのが地味にすごい。
なるほど。でもそもそも「水産認証」って何ですか?MELとかMSCって初耳なんですが。
SDGsとか「持続可能な漁業」って言葉、ここ数年すごく聞くと思うんですが、それを第三者機関が客観的に認証する仕組みが水産認証です。MEL V2は日本のマリン・エコラベル・ジャパン協議会、MSCはロンドン本部の海洋管理協議会という国際機関が運営してます。「ちゃんと管理された漁業で獲れた魚ですよ」って証明書みたいなものですね。
今、大手スーパーや百貨店がサステナブル調達方針を出してて、「認証のない水産物は棚に並べません」ってなりつつあるんです。イオン、生協、イトーヨーカドーとか実際にMSC認証製品を積極展開してる。2025年時点で日本国内でMSC CoC認証を取得した事業者が400社を突破して、中国・アメリカに次ぐ世界3位の水準なんですよ!
えー!そんなに普及してるんですね。じゃあ取ってないと遅れを取る…?
正直、大手流通に入り込もうとするなら、取得は避けて通れない時代になってきてる。でも費用が高いのがネックで、本補助金はそのハードルを下げるための仕組みなんです。
MEL V2とMSCの認証比較
MEL V2とMSCって、両方取得したほうがいいんですか?どっちを選べばいいのかな。
それぞれ棲み分けがあって、目指す市場によって変わります。ざっくりいうと、MEL V2は日本国内市場向け、MSCは国際市場向けっていう位置づけです。
| 認証 | 主な目的 | 市場 | 特徴 |
|---|
| MEL V2(Marine Ecolabel Japan) | 国内市場での信頼獲得 | 日本国内 | 国内認知度高い、取得コスト比較的低め |
| MSC(Marine Stewardship Council) | 国際市場・輸出展開 | 世界70カ国以上 | 国際認知度が高い、輸出・海外展開に必須 |
なるほど!東京都の漁業者なら、まずMEL V2からってこと?
多くの場合そうですね。伊豆諸島のキンメダイや東京湾の海産物を国内で流通させるなら、まずMEL V2。将来的に輸出を視野に入れるならMSCも検討する、という2段階アプローチが現実的です。
なるほどなるほど。本補助金はどちらも対象なんですよね?
はい!MEL V2・MSCどちらの取得も補助対象です。しかも1種類に絞る必要はなくて、両方取得する場合もそれぞれの審査費用が補助対象になります。
じゃあ、誰が申請できるかっていうのを教えていただけますか?
大きく「生産段階認証」と「流通加工段階認証」の2つに分かれます。まず生産段階は漁業者向けで、東京都内に所在する漁業者で、東京都内の漁業協同組合に所属している方が対象。東京都漁業協同組合連合会も含まれます。
漁業者じゃない場合は?加工業者や流通業者は申請できないんですか?
それが流通加工段階認証の方で申請できます!条件があって、「生産段階認証を取得した漁業で漁獲された水産物を取り扱う」水産物流事業者か水産物加工事業者が対象になります。
ちょっと待って、これ重要なポイントですよね。加工業者や流通業者が申請するためには、サプライチェーンの上流の漁業者がすでに生産段階認証を取得してる必要があるってこと?
そうなんです!だからサプライチェーン全体で連携するのが大事で。仲卸さんや加工業者さんが「認証を取りたい!」と思ったら、まず仕入れ先の漁業者さんが生産段階認証を持っているかどうかを確認するところから始まる。
そうです。逆に言えば、生産段階認証を取得した漁業者さんは、その水産物を取り扱う流通・加工業者さんが補助金を使って認証を取りやすくなるから、取引先を増やすきっかけにもなるんです。
【生産段階認証の対象者】
東京都漁業協同組合連合会、東京都内在住の漁業者(東京都内の漁協組合員が条件)
【流通加工段階認証の対象者】
生産段階認証取得漁業で漁獲された水産物を取り扱う水産物流事業者・水産物加工事業者
地域要件: 東京都内に所在すること
補助率3分の2以内ってことは分かったんですが、具体的な補助上限額はあるんですか?
生産段階認証については補助上限額の記載はなく、実際の審査費用の3分の2以内という形です。ただし流通加工段階認証については、生産段階認証事業対象者以外が申請する場合、1事業対象者につき30万円以内という上限があります。
流通加工段階認証は30万円上限で、初回だけってことも注意ポイントですね。
はい。流通加工段階認証の補助は取得・定期審査・更新審査の区分を問わず「初回限り」です。繰り返し受けられるのは生産段階認証の方です。
| 認証区分 | 補助対象経費 | 補助率 | 補助上限 |
|---|
| 生産段階認証(初回審査) | 初回審査料・年間公示料 | 2/3以内 | 上限なし |
| 生産段階認証(定期審査) | 定期審査料・年間公示料 | 2/3以内 | 上限なし |
| 生産段階認証(更新審査) | 更新審査料・年間公示料 | 2/3以内 | 上限なし |
| 流通加工段階認証(初回のみ) | 審査関連費用 | 2/3以内 | 30万円以内 |
審査料にかかる消費税は補助対象経費に含まれません。申請時には税抜き金額で経費計算してください。また、コンサルティング費用・操業設備の改修費用・認証マークの印刷費用も対象外です。
対象外の経費もあるんですね。それは事前に把握しておかないと、想定より補助額が少なくなりそう。
そうなんですよ。補助対象はあくまで審査に直接かかる「審査料」と「年間公示料」のみです。認証を取るためのコンサル費用とか、認証マークをパッケージに印刷する費用は自己負担になる。
水産認証補助金申請フロー
じゃあ、実際に申請するにはどうすればいいんですか?
流れを順番に説明しますね。まず認証の種類を選ぶところから始まります。
Step 4の「交付決定後に着手」ってとこ、ひっかかりそうですね。
これはよくある失敗パターンで!「補助金申請したから認証審査も同時進行でいっか」ってやっちゃうと、補助対象外になります。必ず交付決定の通知を受け取ってから審査に着手する、これを守ることが超重要です。
認証を取るのに、何か準備しておいたほうがいいことってありますか?
一番重要なのが操業記録の日常的な蓄積です。漁獲量・漁法・操業海域・使用した漁具のデータを記録し続けることが、審査通過の鍵になります。認証審査では「この漁業は本当に持続可能か」を書面と現地確認で審査されるので、データがないと証明できないんです。
あと、サプライチェーン全体での連携も大事です。流通加工業者さんが CoC認証(流通加工段階認証)を取得したいなら、漁業者さんとの情報共有・連携が必須。「うちの魚はこのMEL認証の漁業から来てます」って証明できないといけないので。
1. 操業記録を日常的に蓄積する
漁獲量・漁法・海域・漁具のデータを記録し続けることが、審査書類作成の基礎になる。補助金申請前から始めること。
2. 認証取得後の販路戦略を明確にする
認証を取るだけでなく、「どの流通先・バイヤーに売り込むか」を事前に検討。大手スーパーや百貨店のサステナブル調達担当に事前アプローチするとなお良い。
3. MEL V2から着手してMSCへ段階的にステップアップ
MEL V2は国内市場向けで審査ハードルが比較的低め。まずMEL V2で認証取得の経験を積み、将来的にMSCへと展開するのが現実的なロードマップ。
認証はあくまで手段であって目的じゃないので。認証マークを活用してどう売上・客単価を上げるか、そこまで考えてる事業者さんが本当に恩恵を受けられる制度です。
改めて、何に使えて何に使えないのかを整理してほしいんですが。
| 区分 | 対象経費(補助OK) | 対象外経費(自己負担) |
|---|
| 審査費用 | 初回審査料、定期審査料、更新審査料 | コンサルティング費用 |
| 公示費用 | 年間公示料 | 認証マーク印刷・表示費用 |
| その他 | — | 操業設備の改修費用 |
| 消費税 | 含まない | 消費税は全額自己負担 |
そうなんですよね。認証取得にはコンサルタントの支援を受けるケースも多いので。ただ、審査料・年間公示料が2/3補助されるだけでも相当大きいです。MSCの漁業審査費用は漁業の規模によっては数百万円にのぼることもあるので。
審査機関や漁業の規模・複雑さによって大きく変わるので一概には言えないんですが、MEL V2の場合は数十万〜数百万円程度、MSCはさらに大規模になることも。だからこそ2/3補助は実質的なインパクトが大きいんです。
申請を考えている方が最低限押さえておく情報をまとめてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 農林水産物認証取得支援事業(水産認証取得支援事業)補助金 |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都農林水産振興財団 地産地消推進課 認証支援係 |
| 対象認証 | MEL V2(Marine Ecolabel Japan)/MSC(Marine Stewardship Council) |
| 補助率 | 対象経費の2/3以内 |
| 流通加工段階の上限 | 1事業者につき30万円以内(初回限り) |
| 募集期間 | 2022年4月1日〜2026年12月28日(随時申請受付) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 問い合わせ先 | 電話 042-528-0510(地産地消推進課 認証支援係) |
| 所在地 | 東京都立川市富士見町3-8-1 |
| Jグランツ申請 | 可(jgrants-portal.go.jp) |
申請は随時受け付けていますが、予算枠に達した時点で受付が終了することがあります。取得を検討している方は早めに財団に問い合わせることをおすすめします。
申請書類って複数あるみたいですが、何を用意すればいいんですか?
財団のページに申請様式が一式公開されています。生産段階認証と流通加工段階認証で使う様式が異なるので注意が必要です!
| 書類名 | 生産段階 | 流通加工段階 | 内容 |
|---|
| 補助金交付申請書(第1号様式の1) | ○ | — | 生産段階認証用申請書 |
| 補助金交付申請書(第1号様式の2) | — | ○ | 加工流通段階認証用申請書 |
| 申請者の概要(別紙1-1/1-2) | ○ | ○ | 事業者の概要を記載 |
| 認証取得までの計画(別紙2-1/2-2) | ○ | ○ | 認証取得スケジュールと計画 |
| 誓約書(様式1) | ○ | ○ | 必須 |
| 申込書(様式2) | ○ | ○ | 必須 |
| 支払金口座情報登録依頼書 | ○ | ○ | 振込先口座の届け出 |
様式がたくさんあるんですね!全部財団のサイトからダウンロードできるんですか?
jGrants(Jグランツ)のポータルページにも書類一覧が掲載されていますし、財団の公式サイトでも申請様式を入手できます。申請書類の書き方で困ったら、地産地消推進課の認証支援係(042-528-0510)に電話して聞くのが一番確実です!担当者が丁寧に教えてくれますよ。
東京都農林水産振興財団は支援機関なので、申請者が困らないようにサポートしてくれるのが基本スタンスです。事前相談を積極的に活用するのが、スムーズな申請の近道です!
補助金の交付決定前に認証審査に着手した場合、その費用は補助対象外になります。交付決定の通知を必ず受け取ってから審査に進んでください。また、消費税は対象経費に含まれないため、見積書は税抜き金額で算出しておきましょう。
この補助金は水産だけじゃなくて、農業や林業の認証も含まれているんですか?
同じ財団が農林水産の認証全体を支援してるんですね!体系的だ。
そう!東京都農林水産振興財団は農林水産全体のサステナブル認証を推進する方針を持ってて、問い合わせ窓口も同じ電話番号(042-528-0510)の地産地消推進課 認証支援係です。
実際に認証を取った事業者さんはどんな効果を出しているんですか?
たとえば、伊豆諸島でキンメダイ漁を営む漁業協同組合がMEL V2の生産段階認証を取得したケース。審査料・年間公示料の2/3が補助されてコスト負担が軽減され、MEL認証マーク付きのキンメダイとして大手百貨店のサステナブルシーフードコーナーでの取り扱いが始まった、なんて事例があります。
すごい!単なるブランド向上じゃなくて、販路そのものが変わるんですね!
築地・豊洲の仲卸さんの事例もあって、仕入れ先の漁業者がMEL認証を取得した後に自社もCoC認証(流通加工段階認証)を本補助金で取得した例があります。大手スーパーとの取引が安定化して、新規取引先も増加したというケースです。
生産段階と流通加工段階がセットになって初めて効果が最大化されるんですね。
まさに。サプライチェーン全体でつながっていくから価値が出てくる。水産加工会社が認証済み水産物を原料に使ってCoC認証を取得し、ECサイトやふるさと納税での売上が伸びたケースもあります。SDGs対応の具体的アクションとして対外的にアピールできるのもポイントで!
この制度、東京都内でどのくらいの漁業者が活用してるんですかね?
具体的な採択件数は公開されていないのですが、東京都の漁業自体が伊豆諸島・小笠原・東京湾と地域ごとに特色があって、水産物のブランド化への意識は高まっています。伊豆大島のキンメダイ、三宅島のサザエ、小笠原のシイラなどがあって、それぞれ地域ブランドとして確立できる素地がある。そこに認証マークがつくと付加価値が全然変わってくるんですよね。
東京都って実は水産業が盛んなんですね!島しょ部がある分、特殊ですよね。
伊豆諸島や小笠原は都内でも別格の漁場ですよ!アカイカ・トビウオ・マグロなど多彩な漁獲物がある。認証を取得することで「東京産サステナブルシーフード」として高単価・限定流通のポジションを狙える可能性があるんです。
農林水産振興財団の支援は水産だけじゃなくて農業の有機JASや林業のFSC認証まで幅広いので、東京都産の農林水産物全体のサステナブルブランディングを財団が支援している、というイメージで捉えると分かりやすいかもしれません。
最後に、申請前によくある疑問をQ&Aで整理してもらえますか?
もちろん!まずよく聞かれるのが補助率の話。「消費税込みで2/3?」って聞かれることがあるんですが、消費税は対象経費に含まれないので税抜き金額の2/3が補助額になります。
なるほど。あと、「定期審査も毎回補助が受けられるの?」ってのも気になりますね。
生産段階認証については、初回審査・定期審査・更新審査すべてが毎回補助対象です!MELやMSCは定期的に審査が必要で、生産段階認証はその都度補助が受けられるのは非常にありがたい。流通加工段階認証は初回のみという違いがあります。
MEL V2とMSCの両方を取得する場合はどうなるんですか?
基本的にはそれぞれの審査費用が補助対象になりますが、同一経費への重複補助はNGです。詳細は財団に確認が必要です。一般的には、両認証を別々の審査として受けているので、それぞれの費用が補助対象になるケースが多いですよ。
残念ながら、東京都内に所在することが要件です。東京都内の漁業協同組合に所属していることが生産段階認証の必須条件なので、都外の漁業者さんは申請できません。
じゃあ同様の支援が他の都道府県でもあるかもしれないってことですね。
そうです!各都道府県の農林水産関係の補助金を調べると、同様の認証支援制度が見つかることがあります。「
補助金・給付金を探す」から東京都の他の補助金もチェックできますよ!
漁業協同組合・漁業者で大手流通への販路開拓を考えている方
水産物の仲卸・加工業者でサステナブル調達対応を求められている方
SDGsへの取り組みを客観的に証明して企業価値向上を目指している方
輸出展開・国際市場進出を視野に入れている水産事業者の方