室谷さん、最近「介護施設等物価高騰対策支援金」って制度をよく耳にするんですが、これ、どんな支援なんですか?
えっ、知らなかったですか!これ、介護事業者にとってめちゃくちゃ重要な支援金なんですよ。2025年以降の物価高騰で電気代やガス代、食材費が急上昇して、介護施設の経営が相当きつくなってるじゃないですか。その直接的な補填として福岡市が交付してるんです。
確かに介護施設って24時間動いてるから光熱費すごいですもんね。
そうそう!特別養護老人ホームだと年間の電気代が前年比30%以上上昇したっていうケースもあって、年間500万円以上コストが増えた施設もあるんです。でも介護報酬って数年に1回しか改定されないから、急な物価変動には全然対応できないんですよね。
えっ、報酬が上がらないのに物価だけ上がるって、それはきついですね。
だから国が「重点支援地方交付金」って枠を作って、各自治体がその財源を使って事業者支援できるようにしたんです。福岡市はこの交付金を活用して「介護施設等物価高騰対策支援金」として事業化しました。令和5年度から毎年度実施している継続的な支援で、令和7年度版として現在申請受付中です。
国のお金を使って市が運営してるんですね。それって全国共通ですか?
いえ、この支援金は福岡市内の事業所に限定した制度です。同様の物価高騰対策は他の自治体でも実施してますが、金額や対象は自治体ごとに異なります。実施要綱によれば、令和8年1月27日にも一部改正されていて、毎年度継続して更新されてきた実績のある制度です。
支援金額一覧(令和7年度)
対象になる介護施設ってどんな種類があるんですか?かなり多そうですが。
これが本当に広範囲なんですよ!実施要綱の別表1を見ると、大きく4つのカテゴリに分かれてます。まず「入所系①」として特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、短期入所生活介護、地域密着型特養、養護老人ホーム、軽費老人ホームが対象です。
次に「入所系②」として短期入所療養介護、認知症対応型グループホーム、住宅型有料老人ホーム、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(有料老人ホーム基準相当)、生活支援ハウスが入ります。さらに障がい者施設等として施設入所支援や共同生活援助なども含まれるんです。
通所系も充実してますよ。デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリ)、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護も全部対象です。通所系②としては放課後等デイサービスや児童発達支援事業所も含まれます。
えっ、放課後等デイサービスまで!これほんとに対象広いですね。
訪問系も忘れずに。訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、居宅介護支援、介護予防支援、福祉用具貸与・特定福祉用具販売も全部対象なんですよ。補装具事業者まで入ってます。
訪問系の事業所も対象になるのは知らなかった人が多そう!申請漏れが怖いですね。
まさに!複数の種別のサービスを運営している法人は、全サービスの申請漏れをチェックする必要があります。これが一番のリスクです。
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入所系①: 特養・老健・介護医療院・短期入所生活介護・地域密着型特養・養護老人ホーム・軽費老人ホーム
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入所系②: 短期入所療養介護・グループホーム・住宅型有料老人ホーム・介護付有料老人ホーム・サ高住(有老基準相当)・生活支援ハウス・施設入所支援・共同生活援助(障がい)・福祉型・医療型障がい児入所支援
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通所系①: デイサービス・デイケア・認知症対応型通所介護・小規模多機能・看護小規模多機能・生活介護・就労継続支援A/B型・児童発達支援センターほか
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通所系②: 放課後等デイサービス・児童発達支援(事業所)
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訪問系: 訪問介護・夜間対応型訪問介護・訪問入浴・訪問看護・訪問リハビリ・定期巡回・随時対応・居宅介護支援・介護予防支援・福祉用具貸与・特定福祉用具販売・補装具事業者ほか
これが施設の種別と電気の契約種別(高圧か低圧か)によって変わるんです。一番手厚いのが入所系②のグループホームや有料老人ホームで、高圧契約なら定員1人につき2万4,900円、低圧契約なら2万4,100円です!
え、2万4,900円って結構大きいですね!定員30名のグループホームだと?
30名×2万4,900円でざっくり75万円くらいになりますね。これは施設の経営にとって無視できない金額です。入所系①の特養・老健は高圧で1万2,900円、低圧で1万2,100円(定員1人あたり)です。
| 施設カテゴリ | 主な施設種別 | 高圧契約 | 低圧契約 |
|---|
| 入所系① | 特養・老健・介護医療院・短期入所生活介護 | 12,900円/定員 | 12,100円/定員 |
| 入所系② | GH・有料老人ホーム・サ高住(有老基準)など | 24,900円/定員 | 24,100円/定員 |
| 通所系① | デイサービス・デイケア・小規模多機能など | 9,200円/定員 | 8,100円/定員 |
| 通所系② | 放課後等DS・児童発達支援(事業所) | 2,200円/定員 | 1,100円/定員 |
| 訪問系・補装具事業者 | 訪問介護・居宅介護支援など | — | 12,600円/事業所 |
そうです。訪問系は定員という概念がないので、事業所ごとに1万2,600円の一律支給になります。また、令和7年7月〜9月と令和8年1月〜3月の運営実績(見込)のある月数が計算に入るので、全6ヶ月分を運営していれば満額受け取れます。
なるほど、途中で廃止や休止があると減額されるんですね。
正確には月途中の指定・廃止・休止の月は含めないというルールです。計算式は「補助単価×(運営実績月数÷6)」で、端数は10の位で切り上げ処理されます。
入所系①の特養・老健・介護医療院は食材費に別途注意
入所系①(特養・老健・介護医療院・短期入所生活介護・地域密着型特養・養護老人ホーム・軽費老人ホーム)については、食材費について福岡県による別途補助制度(医療・介護等支援パッケージによる支援)があります。
この場合は福岡市への申請ではなく、福岡県への申請が必要です。両方の制度を活用できる可能性がありますが、手続き先が異なる点に注意してください。
基本的な要件は2つです。まず申請時点で福岡市内において事業を行っていること。そして市税に係る徴収金(市税及び延滞金等)を滞納していないことです。これ以上複雑な審査要件はありません。
そうなんです!これが「申請すれば受け取れる」タイプの支援金である最大の特徴です。競争性がないので、対象施設であれば漏れなく申請することが最優先。過去に同支援金の交付を受けた事業所も今回の交付対象になります。
| 書類 | 内容 |
|---|
| 申請書兼誓約書(様式第1号) | 公式ページからダウンロード |
| 振込先口座の通帳(写し) | 銀行名・支店名・口座番号・口座名義(フリガナ)全てが分かるページ |
| 市税滞納なし証明(写し) | 市税に係る徴収金に滞納がないことの証明 |
| 電気契約種別確認書類 | 入所系低圧・通所系低圧・訪問系事業所は除く |
電気契約種別の確認書類が不要な場合もあるんですね。
低圧契約の入所系・通所系と訪問系事業所は電気契約書類が不要です。高圧契約している規模の大きな施設は電気契約の確認書類が必要になります。契約電力が一般的に50kW未満が低圧、50kW以上が高圧の目安です。
介護施設等物価高騰対策支援金 申請から受給までの流れ
申請はオンラインで完結するシステムになっています。公式の申請ポータルは https://fukuoka.kaigo-online.besure.jp/ です。ここから申請書の記入と書類の提出ができます。
2対象事業所のリストアップ
自法人が運営する全事業所の中から、福岡市内にある対象施設・事業所を全てリストアップする。複数事業所の申請漏れが最大のリスクなので、事業所一覧を作成して管理する。
3必要書類の準備
申請書兼誓約書(様式第1号)を公式ページから入手。振込先口座の通帳写し、市税滞納なし証明、高圧契約の場合は電気契約種別確認書類を準備する。
5審査・交付決定通知の受領
福岡市が申請書類を審査し、交付の適否を決定。交付が決定した場合は「介護施設等物価高騰対策支援金交付決定通知書兼交付額確定通知書(様式第2号)」が届く。
6支援金の受領と経理処理
指定口座に支援金が振り込まれる。収入として適切に経理処理を行う。
そうです。ただ申請期限の令和8年5月15日17時を1秒でも過ぎたら受け取れないので、早めに動くことが大切。僕のお勧めは3月中に書類準備を完了させて4月中に申請してしまうことです。
申請したら全員もらえるものなんですか?審査で落ちることはありますか?
基本的には対象要件を満たしていれば審査の競争性はないのが最大の特徴です。ただ、不支給になるケースが3つあって、①偽りや不正の手段、②暴力団関係者、③市税を滞納しているケース、です。この3点さえ問題なければほぼ確実に受け取れます。
ポイント1: 申請漏れをゼロにする
複数事業所を運営する法人は事業所一覧表を作成し、全事業所の申請状況を一元管理してください。担当者を1名決めて管理責任を明確にすることが重要です。
ポイント2: 書類の不備をなくす
口座情報は銀行名・支店名・口座番号・口座名義(フリガナ)の全てが確認できるページの写しが必要です。フリガナが読めなかったり口座番号が切れていたりすると書類不備になります。
ポイント3: 期限に余裕を持って申請する
締切の令和8年5月15日17時ちょうどを目標にすると、システムトラブルや書類不備で間に合わないリスクがあります。4月中の申請完了を目標に動きましょう。
法人内で複数の事業所を運営してる場合は特に大変ですね。
本当にそうです。福岡市内で10か所のデイサービスを運営してる法人とかだと、全部申請したかどうかの管理が肝心です。事業所番号ごとに申請ステータスを管理する表を作るのがお勧めですね。
はい、2点あります。まず他の物価高騰に係る補助金等との重複受給は禁止されています(実施要綱第9条)。福岡市が実施する他の物価高騰補助金と重ねては受け取れません。もう1つは不正受給した場合の取消しと返還義務です。年利10.95%の加算金が課されるので、正直に申請することが大前提です。
もらった支援金って何に使っていいんですか?使途制限はあるんですか?
この支援金は物価高騰に伴うコスト上昇への対応を目的としているので、主な活用想定は光熱費の上昇分です。具体的には電気代・ガス代・燃料費などの光熱費の高騰分や、給食用食材費・おやつ材料費の高騰分、介護用消耗品・衛生用品・日用品の価格上昇分が対象です。
実施要綱には「物価高騰に伴うコスト上昇への対応」という目的が明記されているので、その趣旨に沿った使い方が求められます。人件費の引き上げ、設備投資・修繕費、借入金の返済は想定外の使途として避けた方が賢明です。受け取った後の経理処理では、収入計上の時期と勘定科目を顧問税理士や会計担当者と相談しておくことをお勧めします。
この支援金は「緊急的・一時的な支援」なので、受け取っている期間を利用して省エネ設備の導入計画を立てることをお勧めします。LED照明への切り替えや高効率空調の導入は、構造的な光熱費削減につながります。支援金で当面の経営を安定させながら、恒常的なコスト削減にも着手するのが理想的な戦略です。
在宅サービス(訪問系・通所系)
福岡市 福祉局 高齢社会部 事業者指導課 在宅指導係
電話: 092-711-4257
施設サービス(入所系)
福岡市 福祉局 高齢社会部 事業者指導課 施設指導係
電話: 092-711-4319
障がい福祉サービス事業所(別窓口)
福岡市 福祉局 障がい者部 障がい在宅福祉課
電話: 092-711-4985
似たような制度って他にもあるんですか?この支援金以外で活用できそうなものを教えてください。
いくつかあります!まず、同じ福岡市が実施していて障がい福祉サービス事業所を対象とした同名の支援金があります。高齢介護と障がい福祉の両方のサービスを運営している法人は、それぞれ別途申請が必要です。
え、障がい福祉版は別申請なんですね!それは見落としそう。
問い合わせ先も異なって、障がい福祉版は「福祉局 障がい者部 障がい在宅福祉課 電話092-711-4985」です。高齢版と窓口が完全に分かれているので注意が必要です。
| 比較項目 | 介護施設等物価高騰対策支援金(高齢) | 介護施設等物価高騰対策支援金(障がい) |
|---|
| 対象 | 高齢者介護サービス事業所 | 障がい福祉サービス事業所 |
| 申請先 | 福岡市 高齢社会部 事業者指導課 | 福岡市 障がい者部 障がい在宅福祉課 |
| 申請方法 | オンライン | 専用申請リンク |
| 申請期間 | 令和8年2月6日〜5月15日 | 令和8年2月6日〜5月15日 |
省エネ設備の補助金との組み合わせも紹介してもらえますか?
実施要綱第9条に「本支援金の受給者は、福岡市が実施する他の物価高騰に係る補助金等の交付を重複して受けてはならない」と明記されています。福岡市が実施する他の物価高騰対策補助金と重ねて受け取ると、支援金の取消しと返還命令(年利10.95%の加算金付き)の対象になります。申請前に他の物価高騰補助金の受給状況を必ず確認してください。
実際に申請しようとした時によく出る疑問ってどんなものがありますか?
施設・事業所の指定時の定員数で計算します。実際の入居者数や利用者数ではなく、介護保険の指定定員が基準です。例えば定員30名のデイサービスなら30が掛け算のベースになります。
令和7年度の途中で新しく開業した事業所は対象になりますか?
対象月(令和7年7月〜9月、令和8年1月〜3月)のうち、運営実績(見込み)のある月数分が支給されます。例えば令和7年8月に開業した事業所なら、7月分はカウントされず、8月〜9月と1月〜3月の5ヶ月分が対象になります。
法人が市税を滞納してたら本当に申請できないんですか?
はい、市税の滞納がないことの証明書(写し)が必要書類のひとつです。滞納がある場合は支援金の交付対象外になります。もし滞納がある場合は、申請前に完納手続きを取り、証明書を取得してから申請することを検討してください。
公式な振込時期は公表されていませんが、書類審査を経て交付決定通知が届いてから振込という流れです。申請してから2〜3ヶ月後を目安とするのが一般的です。早めに申請するほど早く受け取れる可能性があります。
申請後に廃止した場合でも、対象月(令和7年7月〜9月、令和8年1月〜3月)に運営実績があれば支援金は受け取れます。ただし、不正な手段で申請した場合は取消しと返還命令の対象になります。正直に申請していれば問題ありません。
いえ!この支援金は福岡市固有の制度ですが、同様の物価高騰対策支援金は全国の多くの自治体で実施されています。各都道府県・市区町村の福祉担当窓口に問い合わせるか、Jグランツで検索すると地元の制度が見つかります。
福岡市の補助金についてもっと調べたい方はどこを見ればいいですか?
福岡市の補助金全般を調べるなら
福岡県の補助金一覧が参考になりますよ。地域に特化した支援制度をまとめて確認できます。
3つだけ覚えてください。まず
今日中に公式ページで実施通知とQ&AのPDFをダウンロードしてください。次に
自法人で福岡市内の全対象事業所をリストアップしてください。そして
4月中の申請完了を目標にスケジュールを立てることです。
申請し忘れると本当にもらえなくなるので、早め早めの行動が大切ですね!
そうです!この制度は申請するかしないかだけの話です。対象施設であれば確実にもらえます。「申請漏れゼロ」を目標に、チーム全体で取り組んでください!
- □ 自法人の福岡市内の全対象事業所をリストアップしたか
- □ 各事業所の指定定員数と電気契約種別(高圧/低圧)を確認したか
- □ 市税の滞納がないことを確認したか
- □ 振込先口座(口座名義のフリガナ含む)を準備したか
- □ 申請期限(令和8年5月15日17時)をカレンダーに登録したか