室谷さん、今日は「令和8年度 ふくいの逸品創造ファンド事業」について教えてください!名前からして福井県の制度ですよね。
その通りです!福井県内の中小企業者などが、県の特色ある産業資源を活かした商品開発や販路開拓を行うとき、その費用の一部を助成してくれる制度です。
公式の説明では、繊維産業や眼鏡産業といった地場産業が培ってきた技術、海山の豊かな農林水産物、歴史伝統など地域の特色ある観光資源、これらをひっくるめて「ふくいの強み」と呼んでいます。
なるほど。福井らしさを商品やサービスに落とし込むための補助金なんですね。
しかも面白いのが、このファンドの仕組み。福井県のホームページによると、独立行政法人中小企業基盤整備機構、県、県内金融機関による総額60億円の「ふくいの逸品創造ファンド」という基金を創設していて、その運用益を活用して助成を行っているんです。
えっ、運用益で!?基金の元本はそのまま残すイメージなんですかね。
そういう設計になっているようです。だからこそ、しっかり計画を立てて「逸品」を生み出してほしい、という思いが込められた制度なんだと思います。
大きく分けて2つあります。1つ目が、新商品・新サービスの開発から販路開拓までの一連の事業。交付決定日から24か月以内に実施するものです。
開発して売るところまで、まとめて支援してくれるわけですね。
はい。2つ目が、直近3年以内に開発した商品や開始したサービスの販路開拓事業。こちらは交付決定日から12か月以内が事業期間です。
すでに商品があるけど、まだ売れていないから販路を広げたい、というケース向けですね。
その通り。開発フェーズなのか、販路拡大フェーズなのかに応じて使い分けられるのがポイントです。
2つの助成類型を整理【1】新商品・新サービスの開発から販路開拓まで
交付決定日より24か月以内。開発から販路開拓まで一気通貫で取り組む事業が対象。
【2】直近3年以内に開発した商品・開始したサービスの販路開拓
交付決定日より12か月以内。商品化済みのものをどう売るかに集中する事業が対象。
気になるのはお金の話です!上限はどれくらいなんですか?
基本情報では上限200万円、補助率は1/2または2/3と記載されています。ただ、事業タイプと企業規模によって細かい数字が違うので注意してください。
| 事業タイプ | 企業規模 | 補助率 | 助成金額(上限) |
|---|
| 【1】新商品・新サービスの開発から販路開拓まで | 小規模企業者 | 2/3 | 2,000千円 |
| 【1】新商品・新サービスの開発から販路開拓まで | 中小企業者 | 1/2 | 2,000千円 |
| 【2】直近3年以内に開発した商品・開始したサービスの販路開拓 | 小規模企業者 | 2/3 | 1,000千円 |
| 【2】直近3年以内に開発した商品・開始したサービスの販路開拓 | 中小企業者 | 1/2 | 1,000千円 |
おっと、【1】でも【2】でも、小規模企業者のほうが補助率が高いんですね。
はい。小規模企業者は2/3、中小企業者は1/2です。そして【1】の販路開拓部分については、さらに注意書きがあります。
【1】の事業で助成金額は2,000千円、つまり200万円が上限ですが、「ただし、販路開拓事業の助成金額は1,000千円を上限とする」という条件が付いています。
つまり、開発から販路開拓まで通しで申請しても、販路開拓に使う部分だけは100万円が上限ってこと?
その理解で合っています。事業全体としての補助は200万円まで。ただ、その中で販路開拓に充当する部分は100万円まで、という考え方です。
細かいけど、申請するとき大事なポイントですね。じゃあ【2】の販路開拓単独の事業なら、上限は100万円で据え置き、と。
そうです。【1】で開発も販路もやる場合と、【2】で販路開拓に絞る場合で、上限の考え方が変わってきます。計画を立てるときにどちらのタイプで申請するか、しっかり確認してください。
補助率1/2や2/3って、実際いくらもらえるかイメージしにくいです。計算例はありますか?
ざっくり計算してみましょう。例えば【1】の新商品開発事業で、補助対象となる経費が300万円だったとします。
小規模企業者なら補助率2/3ですから、300万円×2/3=200万円。上限が200万円なので、ぴったり200万円まで補助されます。
なるほど!中小企業者なら1/2で150万円、ですね。
その通りです。ただし、あくまで補助対象経費が300万円だった場合の話。何が補助対象になるかは公募要領で確認が必要です。
大前提として、福井県内に主たる事業所を有していることが必要です。ここが最初の関門ですね。
そのようです。「主たる事業所」という表現なので、本社が県外でも支店が主たる事業所になっているケースは判断が分かれるかもしれません。ただ、基本的には県内にメインの事業所があることが条件です。詳しい判断は公募要領で確認してください。
具体的にはどのような法人や個人が対象になりますか?
待ってください、6つもあるんですね。リストで見せてください!
はい。①中小企業者および小規模企業者、②有限責任事業組合、③農業協同組合、農業協同組合連合会および農事組合法人、④漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合および水産加工業協同組合連合会、⑤森林組合、森林組合連合会および木材協同組合連合会、⑥特定非営利活動法人です。
おお、農協や漁協、森林組合まで入ってるんですね。NPO法人もOKなんですね。
そうなんです。ひとくちに「中小企業向け補助金」と言っても、実は幅広い団体が申請できる設計になっています。
業種の制限はありますか?ウチはサービス業なんですが。
対象業種は非常に広いです。公式のリストを並べると、次のようになります。
| 対象業種 |
|---|
| 農業、林業 / 漁業 / 鉱業、採石業、砂利採取業 / 建設業 / 製造業 / 電気・ガス・熱供給・水道業 / 情報通信業 / 運輸業、郵便業 / 卸売業、小売業 / 金融業、保険業 / 不動産業、物品賃貸業 / 学術研究、専門・技術サービス業 / 宿泊業、飲食サービス業 / 生活関連サービス業、娯楽業 / 教育、学習支援業 / 医療、福祉 / 複合サービス事業 / サービス業(他に分類されないもの) / 分類不能の産業 |
うわ、ほぼ全業種じゃないですか!製造業も情報通信も飲食も医療福祉も入ってる。
そうなんです。「分類不能の産業」まで入っていますから、福井県内でちゃんと事業をしていれば、よほどのことがない限り業種ではじかれないイメージです。
あります。まず①の中小企業者・小規模企業者でも「みなし大企業」は除かれます。
中小企業であっても、大企業が実質的に支配している場合は対象外、という意味です。このあたりは公募要領で詳しく確認してください。
当該年度に、福井県産業労働部関係の特定の補助金等を受けた人、または受ける予定の人は対象外です。これにはUIターン創業補助金、新規創業支援事業補助金、中小企業設備投資補助金、企業活動分析による収益力強化事業補助金、県内産業価値づくり支援事業補助金、産業観光ビジネス支援事業補助金、集客力アップに向けた課題解決応援事業助成金、伝統工芸ブーストアップ事業補助金が挙げられています。
ずらっと並びましたね。これらと併用できないってことか。
そう。あと、過去にふくいの逸品創造ファンド事業の助成を受けたことがある人は、事業終了後2年間はこの助成を受けられません。
jGrantsの掲載情報では、従業員数の上限が300名以下となっています。つまり、従業員が300名を超える事業者は対象外というわけです。
中小企業と言っても、300人以下の会社ならOKってことですね。規模的にはかなり幅広い。
ええ。もちろん、中小企業者・小規模企業者の定義に該当することが前提です。従業員数以外の資本金などの要件も、公募要領で必ず確認してください。
制度の目的は「ふくいの強み」を活かした商品開発や販路開拓でしたね。事業として認められるのはどんなものですか?
もう一度整理すると、次の2つです。1つ目が、新商品・新サービスの開発から販路開拓までの事業。2つ目が、直近3年以内に開発した商品や開始したサービスの販路開拓事業です。
1つ目は「開発してから売るまで」、2つ目は「もうある商品を売る」という違いでしたね。
その通り。しかも、1つ目は事業期間が交付決定日から24か月以内、2つ目は12か月以内です。開発には時間がかかるから、倍の期間が与えられている、というわけです。
なりますよ。利用目的として「販路拡大・海外展開をしたい」が明記されています。海外の展示会に出展したいとか、海外バイヤー向けの販路を開拓したいといったケースも視野に入れた制度です。
それは心強い。福井の逸品を世界に売り込む、みたいな使い方もできるんですね。
ただし、海外展開に使う経費がそのまま補助対象になるかどうかは、公募要領に記載の対象経費を確認する必要があります。ここが非常に大事なポイントです。
ここがちょっと注意なんですが、今回の提示情報の中に、対象経費の具体的な品目は明記されていませんでした。
福井県のホームページには「助成対象事業、対象経費、助成率、過去の採用状況等 詳細についてはこちら(ふくい産業支援センターホームページ)をご覧ください」と案内があります。
ということは、参照URLから要領を見る必要があるんですね。
募集期間は2026年8月10日月曜日から、2026年9月30日水曜日までです。福井県のホームページでは、9月30日17時必着と明記されています。
えっ、もう始まってるんですね。締切まで1か月半くらい?
そうですね。8月10日から9月30日ということは、およそ1か月半の募集期間です。夏休み明けにバタバタしないよう、早めに要領を確認したほうがいいですよ。
分かりました。では、申請の流れを順番に見せてください。
申請の流れ- 1
公募要領を確認
ふくい産業支援センターのホームページで交付要領と対象経費を確認
- 2
応募様式を入手
jGrantsに掲載されている応募様式をダウンロード
- 3
記入して申請
必要事項を記入し、募集期間内に提出。2026年9月30日17時必着
- 4
交付決定
2026年12月上旬に交付決定(事業開始)の予定
jGrantsのページでは、応募様式(様式第1)(別紙1~4).doc、応募様式(別紙3).xlsx、応募様式(意見書).doc、というファイルが公開されています。
はい。それぞれの様式に何を書くのか、どのファイルを提出するのかは、公募要領や各様式の指示に従ってください。ここで勝手に内容を決めつけるのは危険です。
jGrantsの「当サイトの代理申請」は不可となっています。つまり、この制度は代理申請ではなく、事業者自身が申請することになるようです。手続きの詳細はjGrantsの案内や公募要領で確認してください。
スケジュール概要2026年8月10日
募集開始
公募要領の確認と応募書類の作成を開始
2026年9月30日
申請締切
17時必着
2026年12月上旬
交付決定
事業開始の予定
分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
申請書の提出および問い合わせ先は、公益財団法人ふくい産業支援センター 経営支援部 営業・資金支援グループです。
福井県坂井市丸岡町熊堂3-7-1-16、福井県産業情報センター4階にあります。電話は0776-67-7406、FAXは0776-67-7419、メールアドレスは
shikin-g@fisc.jpです。
電話だけでなくFAXやメールも載っているんですね。安心です。
担当者の方が親切に教えてくれるはずです。遠慮せずに聞いちゃいましょう!
審査の細かい基準は公募要領で確認する必要がありますが、制度の目的をしっかり意識することは大切です。
目的と言うと、「ふくいの強み」を活かした商品開発や販路開拓、ですね。
そうです。公式の目的には、繊維産業、眼鏡産業といった地場産業をはじめとする地域の産業が培ってきた技術、海山の豊かな農林水産物、歴史伝統など地域の特色ある観光資源等を活かした事業とあります。
つまり、どこにでもある商品の販路拡大、ではなく、福井ならではの要素を計画に織り込む必要がありそうですね。
ええ。審査基準そのものは明記されていないので断言はできませんが、制度の趣旨に沿った事業計画を組み立てることは、どんな補助金でも基本です。
せっかく申請しても、対象外だったら悲しいですよね。
そう。だから申請前に、以下の点を必ずチェックしてください。
みなし大企業に該当しないか。2つ目は、当該年度に指定の県産業労働部関係補助金等を受けていないか、受ける予定がないか。3つ目は、過去にふくいの逸品創造ファンド事業の助成を受けていないか。受けていた場合、事業終了後2年間は申請できません。
なるほど。あと、従業員数300名以下という条件もありました。
そうですね。jGrantsの掲載情報では従業員数の上限が300名以下とされています。これらの条件を1つでも満たさない場合は、そもそも申請できない可能性があります。
まずはふくい産業支援センターのホームページで公募要領を読むことです!対象経費、応募様式、提出方法、審査に関する情報がすべてそこに詰まっています。
うち、候補の商品がいくつかあるんですけど、複数まとめて申請してもいいんでしょうか?
jGrantsのページに「複数商品で申請をしてもよいか?」というよくあるお問い合わせが掲載されています。
残念ながら、今回の提示情報には回答内容が含まれていませんでした。なので、正確な答えは公募要領または問い合わせ先で確認してください。
なるほど。安易に「できます」とは言えないんですね。
そういうことです。制度の解釈に関わることは、必ず公式の回答を確認しましょう。
以前、このファンドの助成を受けたことがあるんです。また申請できますか?
過去にふくいの逸品創造ファンド事業による助成を受けた者は、事業終了後2年間は当助成を受けることができません。
その解釈になると思います。ただし、正確な要件は公募要領を確認してください。事業終了日からの起算方法なども含めて、最新の要領で確認するのが確実です。
当該年度に、福井県産業労働部関係の指定された補助金等を受けた人、または受ける予定の人は対象外です。
そうです。UIターン創業補助金、新規創業支援事業補助金、中小企業設備投資補助金、企業活動分析による収益力強化事業補助金、県内産業価値づくり支援事業補助金、産業観光ビジネス支援事業補助金、集客力アップに向けた課題解決応援事業助成金、伝統工芸ブーストアップ事業補助金です。
はい。他の補助金との併用可否についても、対象外条件に該当しないかどうかの確認は必須です。個別の状況は問い合わせてみるのがいいでしょう。
備考に「交付決定(事業開始)は、12月上旬の予定です」とあります。
そうです。つまり、9月30日に応募を締め切って、そこから審査を経て12月上旬に交付決定、という流れです。事業開始日はこの交付決定日を基準に考えてください。
最後に、海外展開の件をもう一度確認させてください。
利用目的として「販路拡大・海外展開をしたい」が明記されています。ですから、海外展開を視野に入れた販路開拓事業は制度の趣旨に沿うものと考えてよいでしょう。
要件に合致すれば、開発から販路開拓までを含む【1】の事業として申請できる可能性があります。ただ、海外展開に特有の経費がどこまで補助対象になるかは公募要領で確認してください。
分かりやすい!特に「上限200万円」というのは大きいですね。
開発から販路開拓までトータルで支援してくれるのは心強いですよね。ただ、販路開拓部分は100万円上限という点をお忘れなく。
室谷さん、今日はありがとうございました!応募を考えている事業者に、ぜひこの記事を届けたいです。
ありがとうございます!福井県の豊かな資源を活かしたチャレンジを、このファンドが後押ししてくれます。まずは公募要領をしっかり読んで、いい計画を作ってください!
頑張ります!申請期間は2026年8月10日から9月30日まで。忘れずにチェックですね!
そうですね。17時必着ですから、余裕を持って提出してくださいね!