室谷さん、埼玉県の「こども医療費助成制度」って、最近18歳まで拡大したって聞いたんですが、どんな制度なんですか?
ざっくり言うと、埼玉県内に住む18歳年度末までのお子さんの医療費の自己負担を、県と市町村が一緒に助成する仕組みです。病院の窓口で払う「一部負担金」をカバーしてくれる制度ですね。
えっ、県と市町村で一緒にってことは、国の制度じゃないんですか?
そうなんです。全国的な流れとして子どもの医療費無償化が進んでいますが、この制度は埼玉県が主体となって各市町村と共同で運営しています。ただ、市町村によって自己負担額の設定が変わるので、お住まいの市区町村のホームページも必ず確認してほしいですね。
令和6年(2024年)10月1日から、埼玉県内全ての市町村で対象年齢が18歳年度末まで拡大されました。18歳年度末というのは、18歳に達した後の最初の3月31日のことです。つまり高校3年生まで助成を受けられるようになったわけです!
それはすごい!高校生のお子さんがいるご家庭には大きいですね。
こども医療費助成制度 対象者チェックリスト
基本的には2つの条件を満たせばOKです。まず埼玉県内に住所(住民登録)があること、そして国民健康保険、社会保険、共済組合などの医療保険に加入していることです。所得制限はありません!
そうなんです。保護者の収入に関係なく、埼玉県内に住んでいて保険証を持っているお子さんなら誰でも対象です。
4つのケースで対象外になります。一つ目は生活保護などを受けているお子さん、二つ目は里親などに養育されているお子さん、三つ目は乳児院などの児童福祉施設に入所しているお子さん(母子生活支援施設は除く)、四つ目は市町村の重度心身障害者医療費助成制度またはひとり親家庭等医療費助成制度にすでに登録されているお子さんです。
最後の「すでに登録されている」というのは、ひとり親家庭の制度と二重で使えないということ?
そうです。他の医療費助成制度を優先的に使ってもらうという仕組みになっています。ただ、制度によっては入れ替えた方がお得な場合もあるので、市町村の窓口に相談してみるのがいいですね。
対象: 埼玉県内在住で医療保険に加入している18歳年度末までのお子さん(所得制限なし)
対象外: 生活保護受給者 / 里親養育児 / 児童福祉施設入所児(母子生活支援施設除く) / 重度心身障害者・ひとり親家庭等医療費助成制度登録済みの方
医療保険の一部負担金の全額を助成するのが基本です。通常3割負担のところが、受給者証を提示することでゼロになるイメージです。
埼玉県内の医療機関では「現物給付」という方式が導入されていて、受給者証を提示するだけで窓口での医療費支払いなしで受診できます。ただ、いくつか例外があります。
まず高額療養費や附加給付金がある場合は、その分を差し引いた金額が助成されます。それと入院時の食事療養標準負担額(食事代)は原則として助成対象外です。ただし市町村によっては食事代も独自に助成しているところもあります。あと保険適用のない治療費(差額ベッド代、予防接種の費用など)は対象外です。
| 助成対象 | 助成対象外 |
|---|
| 入院・通院の一部負担金 | 食事療養標準負担額(原則) |
| 薬局での調剤費用 | 差額ベッド代 |
| 歯科治療(保険適用分) | 予防接種・容器代 |
| 訪問看護(条件による) | 保険適用外の治療 |
そうなんです。市町村が独自に上乗せ助成をしているケースもあるので、実際の自己負担額はお住まいの市役所・町村役場に確認するのがベストです。さいたま市など独自の取り組みをしている市もあります。
埼玉県内医療機関では受給者証提示で現物給付(窓口での支払いなし)が受けられます。食事代・差額ベッド代・保険適用外は対象外なので注意しましょう。
こども医療費助成制度 申請フロー
申請はお住まいの市役所・町村役場の窓口で行います。手続きの詳細は市町村によって異なるので、各自治体のホームページで確認してみてください。
もちろんです!窓口の担当者さんが丁寧に教えてくれます。申請の際には健康保険証(お子さんの保険証)が必要になる場合が多いです。
1お子さんが生まれたとき・転入したときに市役所・町村役場に申請
出生届を出したときや埼玉県へ転入したとき、あるいは保険に加入したときに速やかに申請するのが基本です。お子さんが生まれてから申請までに時間がかかってしまった場合、その間の医療費の扱いは市町村によって変わります。申請は早めに済ませておくのがいいですね!
埼玉県外の病院にかかることもあると思うんですが、その場合は?
県外の医療機関を受診した場合は「償還払い」になります。窓口でいったん自己負担分を払い、後から市町村に領収書を持参して申請することで払い戻しを受ける方式です。
現物給付(窓口無料)は埼玉県内の病院だけなんですね。
はい。ただ埼玉県内のほとんどの保険医療機関(医科・歯科)と保険薬局は現物給付に対応しています。医療機関側で手続きは特に不要で、受給者証を提示するだけで処理してくれます。
| 受診場所 | 支払い方法 | 後の手続き |
|---|
| 埼玉県内の医療機関 | 窓口で支払いなし(現物給付) | なし |
| 埼玉県外の医療機関 | 窓口で一部負担金を支払い | 市町村への申請で償還払い |
ここ注意ポイントです!保育所・幼稚園・学校等の管理下でのケガで、日本スポーツ振興センターの災害共済給付が受けられる場合は、こども医療費助成の対象外になります。学校内でのケガはまず学校を通じて災害共済給付の申請をしてください。
保育所・幼稚園・学校など管理下(通学・通園中を含む)でのケガで、日本スポーツ振興センターの災害共済給付を受けられる場合は、こども医療費助成の対象になりません。学校の先生にまず相談しましょう。
助成を受けながら上手に医療機関を使うコツってありますか?
埼玉県がすすめているポイントが3つあります。まず救急でなければ平日の診療時間内に受診すること。夜間・休日の救急外来は医師不足の問題もあるので、できる限り時間帯を考えた受診が大切です。
同じ病気で複数の医療機関をはしご受診しないこと。カルテが分散するとお子さんの健康状態を把握しにくくなるデメリットもあります。そして「かかりつけ医」を持つこと。身近なホームドクターがいると、いざというときの診断も早いですよ。
無料だからといって気軽にかかりすぎることへの注意喚起でもあるんですね。
そうです。適切な医療機関の利用が、制度を長く維持するためにも重要なんです。
ぜひ!一番多いのは「引っ越してきたらどうすればいいか」という質問ですね。埼玉県内に転入した場合は転入届と合わせて受給者証の申請を行うのがスムーズです。転出した市町村の受給者証は使えなくなるので要注意です。
お住まいの市役所・町村役場で再発行の申請をしてください。紛失した場合は速やかに申請することをすすめます。
| よくある質問 | 回答 |
|---|
| 所得制限はある? | ありません |
| 何歳まで使える? | 18歳年度末(18歳を超えた最初の3月31日)まで |
| 転入した場合は? | 転入先の市町村で新たに申請が必要 |
| 県外の病院は? | 償還払い(窓口支払い後に市町村へ申請) |
| 学校でのケガは? | 災害共済給付対象なら原則対象外 |
| 食事代は助成される? | 市町村により異なる |
受給者証が届くまでに医療費を支払った場合はどうなりますか?
申請後に受給者証交付前に受診した場合の扱いは市町村によります。領収書を大切に保管しておいて、受給者証が届いてから市町村に確認するのがいいですね。
こども医療費助成の手続きで、ATMの操作をお願いすることは絶対にありません。電話で口座番号や暗証番号を聞くこともありません。「返金手続きが必要」などと連絡が来た場合は詐欺の可能性が高いので、すぐに埼玉県警察や市町村に相談してください。
こども医療費助成と合わせて知っておくといい制度はありますか?
いくつかあります!ひとり親家庭の方は「ひとり親家庭等医療費助成制度」も確認してみてください。こども医療費助成と重複しての登録はできませんが、場合によってはこちらの方が有利なことも。
埼玉県内で子育てしているご家庭は、ぜひ積極的に活用してほしいですね!
そうですね!特に転入したばかりのご家庭は受給者証の申請を忘れずに。申請を忘れると助成が受けられないので、転入届と同じタイミングで申請するのがおすすめです。