大分県の小規模事業者向け補助金 早わかり比較
室谷さん、うちの会社、従業員5人の小さな飲食店なんですけど、補助金ってどこから調べればいいんですかね。なんか多すぎてよくわからなくて。
わかります(笑)。大分県の小規模事業者だと、まず「国の補助金」と「大分県・市町村の独自補助金」の2層構造で整理するのが一番わかりやすいですよ。
国の補助金は全国の小規模事業者が使えるもので、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金が代表格です。大分県・市町村の補助金は大分に事業所がある人だけが使える上乗せ制度で、たとえば大分市の競争力強化支援事業補助金(上限40万円)が2026年度もスタートしています。
同一経費への重複申請はNGですが、別の経費を当てるなら両方使えます。たとえば「ウェブサイト制作は持続化補助金で、POSレジ導入は大分市の補助金で」みたいな使い分けが実際によく使われる戦略ですよ。
| 補助金の種類 | 主な対象 | 補助上限 | 特徴 |
|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者 | 50万〜250万円 | 広告・ウェブ・設備など多様な経費対応 |
| ものづくり補助金 | 中小・小規模事業者 | 1,250万円〜 | 生産性向上・設備投資向け |
| 業務改善助成金 | 賃上げ実施事業者 | 600万円 | 最低賃金引上げ+設備投資 |
| IT導入補助金 | 中小・小規模事業者 | 150万円〜 | ITツール・ソフト導入向け |
| 大分市競争力強化支援事業補助金 | 大分市内小規模事業者 | 40万円 | DX・販路開拓・業務効率化 |
| OIDCかがやき助成金 | 大分県内中小企業 | 200万円 | 新商品開発・販路開拓 |
個人事業主の方も小規模事業者に含まれるので、全部使えます。従業員5人以下のサービス業・卸売業・小売業、製造業なら20人以下が「小規模事業者」の定義です。
ちゃんと定義があるんですね。じゃあ飲食店は5人以下がラインですか?
そうです。サービス業扱いなので常時使用する従業員が5人以下。ただしパートやアルバイトも人数に含まれるので要確認ですよ。
まず一番メジャーな持続化補助金から教えてほしいんですが、何に使えるんですか?
販路開拓に関係する経費はほぼ全部使えますよ。広告費・チラシ印刷・ウェブサイト制作・展示会出展費・新商品の試作費・店舗改装費……大分の飲食店さんだとインバウンド向けの多言語メニュー作成も対象になりますね。
へ〜、メニュー翻訳も! 上限50万円ってありますけど、もっと増やせるって聞きました。
インボイス特例と賃金引上げ特例を組み合わせると最大250万円まで増えます。インボイス発行事業者に登録した小規模事業者は50万円加算、最低賃金以上の賃金を払っている事業者はさらに加算があって。ざっくり2〜5倍の上限になるイメージですね。
大分市内なら
小規模事業者持続化補助金(創業型)の窓口は大分商工会議所です。それ以外の市町村なら最寄りの商工会に相談します。大事なのは
締切の4〜6週間前には必ず相談を入れること。経営計画書の確認・押印が必要で、直前だと間に合わないケースが多いです。
商工会議所や商工会のスタッフが一緒に作ってくれるので、そこまで難しくはないですよ。「何を、誰に、どうやって売りたいか」を自分なりに整理しておけば半分終わったようなものです。
- 採択率は直近でざっくり40〜50%程度。経営計画書の質が審査の鍵
- GビズIDの取得に2〜3週間かかるため早めに取得しておく
- インボイス特例・賃金引上げ特例の要件確認は締切1〜2か月前に
- 補助金は後払い(実績報告後に振込)のため、先払い資金は自己負担
後払いって落とし穴ですね。続けて、ものづくり補助金も聞かせてください。
ものづくり補助金は上限1,250万円(小規模事業者枠)、補助率2/3と規模が一段上の補助金です。設備投資・生産性向上・システム構築が対象で、大分だと食品加工業者の真空包装機導入や、観光業のPOSシステム刷新で使われているケースを見かけます。
1,250万円ってすごい金額ですね。採択率はどうですか?
ものづくり補助金(21次)の採択率はざっくり35〜45%程度です。持続化補助金より事業計画書の審査が厳しくて、「革新性」「付加価値額の向上」をどう示せるかがポイントになります。大分県産業創造機構(OIDC)が無料で相談に乗ってくれるので、申請前に一度相談することをお勧めします。
公益財団法人大分県産業創造機構の略称で、大分市東春日町にある支援機関です。ものづくり補助金・IT導入補助金・販路開拓支援など幅広い相談を無料で受け付けていて、補助金申請の伴走支援もやってくれます。TELは097-533-0220です。
国の補助金はわかりました。大分市独自の補助金について教えてください。さっき競争力強化支援事業補助金って出ましたけど。
正式名称は「大分市小規模事業者競争力強化支援事業補助金」です。2026年度(令和8年度)は前期と後期の2回募集があります。前期のエントリー期間は4月7日〜21日で申請受付が5月26日〜7月4日、後期は8月から募集開始の予定です。
そうなんです(笑)。ただ後期が8月スタートなので今から準備は十分間に合います。DX推進枠(上限40万円、補助率2/3)と一般枠(上限30万円、補助率1/2)の2種類があって、ウェブサイト構築費やPOSレジ・電子看板の導入がDX推進枠の対象です。
そうです。市内に事業所を持つ小規模事業者が対象で、創業から12か月以上経過していること・市税完納が条件です。問い合わせ先は大分市商工労働観光部商工労政課(097-537-7294)です。
- 前年度にこの補助金を受けた事業者は申請不可(年度ごとに1事業者1回)
- 交付決定前に着手した経費は補助対象外
- 1取引10万円(税抜)超の現金払いは補助対象外(銀行振込等が必要)
- 枠(DX推進枠/一般枠)の変更はエントリー締め切り後不可
OIDCが運営する「おおいた中小企業活力創出基金助成金(愛称・かがやき)」があります。上限200万円、補助率2/3で、年2回(春・秋)募集があって、2026年度第17回は4月9日〜6月2日が募集期間でした。次回は秋に公募が来ます。
大分県内で主たる事業を営む中小企業者等が対象で、新商品や新サービスの開発・改良が主な用途です。市場調査から試作・改良まで対象経費になります。採択件数は3件程度と枠が少ないので、しっかりした事業計画が必要ですよ。
大分県全体だと、大分市以外の市町村にも補助金はあるんですか?
ありますよ。別府市だと会社設立支援補助金・知的財産権取得促進事業補助金・事業承継支援補助金が使えます。臼杵市には創業支援事業補助金(随時受付)があります。宇佐市にも小規模事業者向けの販路開拓支援補助金があります。市町村ごとに違うので、「おおいた中小企業支援ポータル(oita-chusho.jp)」で自分のエリアを絞って検索するのが一番効率的です。
持続化補助金 申請の流れ(大分県版)
賃上げ関連の補助金もあるって聞きましたが、小規模事業者でも使えますか?
使えますよ。
業務改善助成金は最低賃金引上げを行いながら設備投資もする事業者向けで、補助上限600万円、補助率3/4〜4/5です。大分県の最低賃金は令和6年度から時給954円になりましたが、これをさらに引き上げた上で、設備投資・システム導入をする場合に補助が出ます。
そうです。たとえば飲食店でセルフオーダーシステム(タブレット注文)を導入して接客の省力化を図り、空いた人員に対して賃上げをする、みたいなケースで使われています。設備費用と賃上げのセットで申請する形ですね。
業務改善助成金は採択審査というより要件を満たせば受給できる助成金タイプなので、申請して要件クリアなら基本的に受け取れます。厚生労働省の制度なので労働局が窓口です。大分労働局(097-535-2000)に問い合わせると申請書類をもらえます。
ありがとうございます。ほかに見落とされがちな補助金はありますか?
事業承継絡みで使える補助金も見落とされがちですね。大分市には「経営力強化促進補助金(事業承継等支援事業)」があって、後継者育成や事業引継ぎに関わる費用が補助対象になります。それと、エコアクション21の認証取得費用補助(大分県)も地味に有用です。環境認証を取ることでBtoBの受注が増えるという話をよく聞きます。
いろんな補助金があるのはわかったんですが、どれから申請すればいいんですかね?
目的で整理するのが一番わかりやすいです。「今すぐ売上を増やしたい・販路を広げたい」なら持続化補助金、「設備が古くて生産性が落ちている」なら
ものづくり補助金か
業務改善助成金、「デジタル化したい」ならIT導入補助金か大分市の競争力強化支援事業補助金という順番で考えます。
別の経費であれば同時申請もできます。ただし管理負担が増えるので、最初の1〜2件はしっかり完了させてから次に進む方が現実的ですね。補助金は採択されても実績報告まで完了しないと振り込まれないので、後払い資金の管理も大切です。
大分の小規模事業者として意識すべきことって何かありますか?
大分は別府・湯布院の温泉観光、豊後牛・かぼすの食品加工、半導体・自動車関連製造業が産業の柱です。それぞれの強みを活かした申請が採択率を高めます。たとえば観光業だとインバウンド対応(多言語メニュー・キャッシュレス)は審査員に刺さりやすいテーマですし、食品加工業だと「大分ブランド強化」の視点で書くと加点されやすいです。
そうです。全国共通の申請書でも「大分の地域課題を解決する」という視点を入れるだけで採点者の印象が変わります。OIDCや大分商工会議所の相談員はそういうノウハウを持っているので、積極的に相談することをお勧めします。
まず「おおいた中小企業支援ポータル(oita-chusho.jp)」で最新の公募情報を確認する
GビズIDを取得する(電子申請に必要。取得に2〜3週間かかるため早めに)
OIDCまたは商工会議所に相談に行き、自社の状況に合った補助金を絞り込む
締切の4〜6週間前を目安に経営計画書・申請書類の作成を開始する
採択通知後に事業着手(採択前に始めた経費は対象外)
事業完了後に実績報告書を提出し、補助金の振込を受ける(後払い)
相談窓口って何か所かありましたが、どこに行けばいいですか?
持続化補助金は商工会議所・商工会、ものづくり補助金はOIDCが一番詳しいです。市町村の補助金は各市町村の産業振興担当窓口に直接聞くのが早いですよ。
大分市以外の事業者はどこに相談すればいいんでしょう?
別府市や日田市なら各市の商工会、県全体をカバーするならOIDCです。OIDCは大分市にありますが、電話(097-533-0220)やオンラインでも対応してくれます。まず国の補助金(持続化補助金・ものづくり補助金)の概要を把握してからOIDCに相談すると、話が早く進みます。
いくつかDBに載っている補助金も教えてもらいましたが、実際に申請するには公募が始まってからですよね?
そうです。補助金は公募期間中にしか申請できません。持続化補助金は年に複数回締切があって、ものづくり補助金も年に数回公募があります。「締切が来る前から情報収集して準備する」のが基本です。
小規模事業者持続化補助金(創業型 第3回)は2026年4月30日が締切なので今すぐ確認を。
- 国の補助金(持続化補助金・ものづくり補助金)+大分独自補助金の両方を活用する
- GビズIDは電子申請に必須、早めの取得を(申請2〜3か月前に取得開始)
- 相談先 → 大分商工会議所(持続化補助金)、OIDC(ものづくり補助金・全般)
- 後払い制度のため、資金繰りは事前に確認する
- 大分の産業特性(温泉観光・食品加工・製造業)を申請書に反映すると加点要素になる
- 大分県の補助金・給付金をエリア別に探す
補助金は知っている事業者と知らない事業者でリソース格差が生まれる制度です。大分県内でも積極的に申請している事業者とそうでない事業者では、使える設備・人材・マーケティング費用に大きな差が出ています。まず1件申請してみる経験を積むことが大切で、「採択された」という実績があると次の申請がぐっと楽になりますよ。
ありがとうございました! 今日から大分商工会議所に予約を入れてみます。