室谷さん、最近ガソリン代がすごいですよね。和歌山でも2026年3月にレギュラーが199円とか205円になってたって読みましたよ。
ほんとに!前日から23円も値上がりしたGSがあったくらいで、現場の方々はかなり厳しかったと思います。そういう状況だからこそ、補助金をうまく活用してほしいんですよね。
和歌山で燃料関係の補助金って、どれくらいあるんですか?
国の制度だけで常時50〜60件、和歌山県も対象に含む制度を全部数えると150件以上あります。ただ、種類がいろいろあって「どれが自分に使えるの?」ってなりがちなんですよね。
大きく分けると3つのカテゴリがあります。①ガソリンスタンド(SS)経営者向け、②農業・施設園芸向け、③運送・物流業者向け、という感じです。あとは省エネ設備を入れたい事業者全般にも使える制度がある。
和歌山は紀伊半島の地形もあって、過疎地・山間部のSSが廃業していくのが大きな問題になってます。車やバイクがないと生活できないのに、ガソリンが買えない地域が増えてる。だから国が「SS過疎地対策」として手厚い補助金を用意しているんですよ。
和歌山県の燃料対策補助金カテゴリ比較図
まずガソリンスタンド経営者向けから聞かせてください。どんな補助金があるんですか?
経産省がやってる「石油製品販売業構造改善対策事業費補助金」がメインですね。令和8年度版がいくつか種類があって、それぞれ用途が違います。
まず「
自治体によるSS承継支援」があります。人口減少で廃業しそうなGSを自治体が引き継ぐ取り組みへの補助で、上限2億2,700万円、補助率10/10(全額)です。過疎地の和歌山では特に重要な制度で、詳しくは
令和8年度SS承継等支援補助金の詳細をご覧ください。
もう一つ「過疎地等における石油製品の流通体制整備事業」もあって、上限約4億9,102万円(10/10)です。廃業するGSの地下タンク撤去費用とか、設備更新費用が対象です。
令和8年度過疎地流通体制整備補助金で詳細が確認できます。
廃業コストも補助されるんですね。それは知らなかったです。
あとは「災害対応能力強化事業」があって、地下タンクや配管の入換工事費を上限約2億9,156万円(10/10)で補助します(
令和8年度SS災害対応能力強化補助金)。GS事業者が複数の制度を組み合わせて設備更新できる仕組みになってます。
SS経営者にとってはかなり厚い支援がある感じですね。
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 |
|---|
| SS承継等取組支援(令和8年度) | 2億2,700万円 | 10/10 | 自治体によるSS承継 |
| 過疎地流通体制整備(令和8年度) | 約4億9,102万円 | 10/10 | 過疎地GSの設備更新・撤去 |
| SS災害対応能力強化(令和8年度) | 約2億9,156万円 | 10/10 | 地下タンク入換工事 |
| SSネットワーク経営再建支援(令和7年度) | 40億円 | 10/10 | 中小SS事業者の事業継続 |
| SS設備導入等支援(令和7年度) | 約120億円 | 10/10 | 災害対応設備・経営力強化 |
| 燃料備蓄推進(石油製品タンク導入)(令和8年度) | 約22億9,800万円 | 10/10 | 避難所等への燃料タンク設置 |
なるほど。これはGSを経営している人や、行政の担当者が知っておくべき情報ですね。
あと和歌山は漁港もたくさんあるので、「緊急時石油製品供給安定化対策事業」(上限1億9,000万円)も関係してきます。GS事業者向けの研修・人材育成に使える制度です(
令和8年度緊急時石油製品供給安定化補助金)。
和歌山って農業も盛んですよね。農家向けの燃料補助金はどんなものがあるんですか?
和歌山らしいところだと「施設園芸等燃料価格高騰対策(セーフティネット)」があります。県の振興局農業水産振興課が窓口で、農業者と国が1対1の割合で基金を積み立て、燃料価格が高騰したときに補填金が出る仕組みです。
そうです!正確には「保険的なセーフティネット」で、事前に積み立てておいて高騰時に補填されるんです。対象燃料はA重油・灯油・LPガス・LNGで、2026年度(令和8年)の申請期限は令和8年7月10日です。
野菜・花き・果樹等の施設園芸農家が3戸以上の団体、または常時従事者が5名以上の団体が対象です。あと3年間で燃料使用量を15%以上削減する省エネ計画を立てることが条件になってます。個人農家単体ではなく、産地の団体として申し込む形ですね。
個人じゃダメなんですね。農協とか産地組合を通じてってことか。
そういうことです。和歌山だとみかん農家の方々が特に多いと思うんですけど、温室栽培をしてる農家が集まって申請するのが現実的な使い方ですね。
省エネ対策推進計画を詳しく書くことが大事です。「3年間で15%削減」という目標を達成するために具体的に何をするか。LED照明の導入、保温カーテンの改良、重油からLPガスへの転換、そういった対策を計画書に落とし込んで申請すると採択されやすいです。
- 申請先: 各振興局農業水産振興課(申請者の所在地の振興局へ)
- 令和8年度申請期限: 2026年7月10日(金)
- 対象燃料: A重油・灯油・LPガス・LNG
- 必須条件: 3年間で燃料使用量15%以上削減の目標設定
- 要件: 施設園芸農家3戸以上の団体、または常時従事者5名以上の団体
燃料対策補助金申請フロー図
和歌山って物流業者も多そうですね。トラック会社向けの補助金はありますか?
ありますよ!「ハイブリッド及び天然ガストラック・バス導入支援事業」が代表的です。令和7年度版だと、ハイブリッド・天然ガストラックを導入する際の価格差の1/2を補助、上限1,155万円です(
令和7年度ハイブリッド・天然ガストラック導入支援)。
1台あたりです。同クラスのディーゼル車との価格差の半分が補助されます。たとえば天然ガストラックが普通のディーゼル車より2,000万円高い場合、1,000万円が補助される計算ですね。運送業者にとっては燃料費削減と初期投資回収で実質かなりお得になります。
それは大きいですね。あと車両動態管理システムの補助金もあると聞きましたけど?
はい、「トラック輸送省エネ化推進事業・車両動態管理システムの導入」があります(
令和7年度トラック輸送省エネ化推進補助金)。クラウド型の車載器とソフトウェアの導入費を1/2以内で補助、1台あたり最大14万円、1事業者あたり原則30台まで対応可能です。
30台で14万円×30台だと最大420万円くらいになるんですか!
そうです。ルート最適化や急発進防止の指導にシステムが使えて、燃費を改善しながら補助金ももらえる。和歌山の運送会社にはぜひ知ってほしい制度です。
ゼロエミッション船等の建造促進事業があります(
令和7年度補正予算ゼロエミッション船等建造促進事業)。水素・アンモニア・LNG・メタノール・バッテリーを推進エネルギーとする船の建造を支援、大企業1/3以内・中小企業1/2以内の補助率です。和歌山の漁業・海運業者も対象になりますよ。
話が広がってきましたね(笑)。事業者全般が使える燃料系の補助金も教えてください。
「災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金」が重要です。和歌山は南海トラフ地震のリスクが高いので、避難所や医療施設が燃料タンクを設置する費用を10/10(全額)で補助します(
令和8年度社会的重要インフラへの燃料備蓄補助金)。
南海トラフ対策で国が本腰を入れてる制度なので、和歌山は特に重要です。令和8年度分の上限が約22億9,800万円で、自治体や病院・避難所を運営する施設が申請できます。石油ガス災害バルクの設置も対象なので、プロパンガスでの非常用電源確保にも使えます。
一般事業者が工場に燃料タンクを設置したい場合はどうですか?
それは「天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」が当てはまります。停電対応型のコージェネレーションシステム・燃料電池・ガスエンジンヒートポンプエアコンの導入を補助率1/2または1/3(上限3億6千万円)で支援します(
令和7年度天然ガス利用設備導入支援補助金)。
コージェネ設備に3億6千万円の補助! 製造業の工場とかが対象になりそうですね。
そうです。ただし条件があって、中圧導管または耐震性の高い低圧導管からガス供給を受けている施設に限られます。あと避難所や防災拠点として使われる施設が優先されます。
- 多くの補助金は「執行団体公募」形式。国が業界団体を採択し、そこから間接補助を受ける仕組み。個人事業者が直接国に申請できるわけではない場合も多い
- 申請期限に注意。令和8年度分の多くは2026年3月〜4月が締切済み。令和9年度版の公募を待つか、複数年度の重複公募を探すこと
- GビズIDは事前取得が必須。jGrants経由で申請する場合は必須で、取得に2〜3週間かかるので早めに準備を
これだけ制度が多いと、どこに相談すればいいかわからなくなりますね。
和歌山県内の相談先をまとめると、まず農業者なら各地域の振興局農業水産振興課が最初の窓口です。農業改良普及センターも相談に乗ってくれます。
和歌山県庁の商工観光労働部が中小企業向け支援を扱っています。あとは和歌山商工会議所や各市町村の商工会も相談先になります。国の補助金の多くはJグランツ(jGrants)というポータルで一括検索・申請できるので、まずそこを見るのもいいですよ。
そうです。GビズIDは法人なら登記情報を基に取得できて、2〜3週間かかります。補助金の公募が始まる前に取っておかないと申請締め切りに間に合わない、というのはよくある失敗例なので、早めに取得しておくことを強くおすすめします。
GビズIDを取得する(公式サイトから申請、2〜3週間)
jGrants(Jグランツ)で「燃料」「エネルギー」「和歌山」で絞り込んで制度を調べる
自分のカテゴリ(農業/運送/SS/一般事業者)に合った補助金を絞り込む
各補助金の執行団体や窓口に事前相談(採択率を高めるコツを教えてもらえる)
公募要領を熟読して申請書類を準備(申請後の実績報告まで計画に含める)
| 対象者 | 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | ID |
|---|
| SS経営者・自治体 | SS承継等取組支援(令和8年度) | 2億2,700万円 | 10/10 | /subsidy/45 |
| SS経営者 | 過疎地流通体制整備(令和8年度) | 約4億9,102万円 | 10/10 | /subsidy/47 |
| SS経営者 | SS災害対応能力強化(令和8年度) | 約2億9,156万円 | 10/10 | /subsidy/57 |
| 施設園芸農家団体 | 施設園芸燃料高騰対策セーフティネット | 変動(積立比例) | 補填方式 | 和歌山県振興局窓口 |
| 運送業者 | ハイブリッド・天然ガストラック導入支援 | 1,155万円/台 | 価格差の1/2 | /subsidy/380 |
| 運送業者 | トラック輸送省エネ・動態管理システム | 14万円/台(30台上限) | 1/2以内 | /subsidy/262 |
| 海運業者 | ゼロエミッション船建造促進 | 個別協議 | 大企業1/3・中小1/2 | /subsidy/219 |
| 避難所・重要施設 | 社会的重要インフラ燃料備蓄(令和8年度) | 約22億9,800万円 | 10/10 | /subsidy/552 |
| 製造業・施設 | 天然ガス利用設備導入支援 | 3億6千万円 | 1/2または1/3 | /subsidy/481 |
| 環境省系全業種 | 環境配慮型先進トラック・バス(令和8年度) | 公募要領参照 | 参照 | /subsidy/1871 |
これを見ると、和歌山の事業者がいかに手厚く守られてるかわかりますね。
やっぱり過疎地を多く抱える県は「燃料インフラの崩壊を防ぐ」という国の危機感が強くて、それが補助金の手厚さに出てる感じがします。和歌山は南海トラフのリスクもあるので、防災目的の燃料備蓄補助とセットで申請できるケースも多いですよ。
できます。たとえばSSが「災害対応能力強化」(設備補修)と「SSネットワーク維持・強化」(設備導入)を別々に申請するのは普通にある話です。ただし同一設備への二重補助はNGなので、どの設備にどの補助金を当てるかを事前に整理してから申請することが大切ですね。
燃料費は事業コストの中で「どうにもならないもの」として諦めがちですけど、実はこれだけ使える制度がある。特に和歌山の過疎地・山間部で頑張っているSSや農業者の方には、ぜひ一度でもいいので振興局や商工会に相談してほしいです。補助金は知っている人が使える制度なので、まず情報を取りに行くことから始めてみてください!
- SS(ガソリンスタンド)経営者: 過疎地対策・災害対応・SS承継支援が充実。補助率10/10の制度が多い
- 施設園芸農家: 燃料高騰セーフティネット構築事業(申請先: 各振興局農業水産振興課)
- 運送業者: ハイブリッド・天然ガス車への転換補助(上限1,155万円/台)、動態管理システム補助(14万円/台×最大30台)
- 海運業者: ゼロエミッション船建造促進補助(中小企業1/2以内)
- 全事業者: GビズID事前取得+jGrantsで定期チェックが最強の対策
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