室谷さん、最近うちのお客さんでガソリンスタンドを経営されてる方が「燃料関係の補助金って何があるの?」って聞いてくるんですよ。山口県って特に何かあるんですか?
あー、それは確かに多い相談ですね。山口県って実は産業用の石油需要が多い地域なんですよ。瀬戸内工業地帯の端っこにあって、化学や製造業の事業所も多いですし、農業・漁業でも燃料費って重要な経費じゃないですか。
そうなんですか!ということは、燃料対策の補助金もいっぱいあるんですね。
国全体でざっくり150件以上ありますね。ただ「燃料対策」って名前の補助金って、実は対象が全然違うんですよ。ガソリンスタンド向け、事業者の省エネ向け、公共交通向けって、大きく3つに分かれてるので、まずそのカテゴリを確認するところから始めた方がいいです。
なるほど!ガソリンスタンドを経営してる側と、燃料を使う側で違うんですね。
そうそう。それぞれ全然別の補助金体系になってるので、「自分はどっち側か」を最初に決めてから探した方が、ずっとスムーズに見つかりますよ。
山口県で使える燃料対策補助金 3つのカテゴリ比較
| カテゴリ | 主な対象 | 代表的な補助金 | 補助率 |
|---|
| A. 石油販売業者向け | ガソリンスタンド・油槽所 | 石油製品販売業構造改善対策事業費補助金 | 10/10(全額) |
| B. 燃料転換・省エネ向け | 製造業・運輸業など | 天然ガス利用設備導入支援、EV補助金 | 1/2〜1/3 |
| C. 公共交通向け | タクシー・バス事業者 | 山口県公共交通燃料価格高騰対策支援補助金 | 10/10(上限あり) |
カテゴリCの山口県公共交通燃料価格高騰対策支援補助金って、県独自のやつですよね?
そうです。これが山口県の特徴的なやつで、令和7年度(2025年度)分はタクシー・バス事業者が対象で、ガソリン・軽油・LPガスの燃料費を補助してくれます。令和2年度に支出した燃料費の3割を上限に、10割補助なんで、実質「かなり戻ってくる」という感じですね(笑)
ただし、申請締切が令和7年12月26日(バス)・令和8年1月31日(タクシー)と決まってて、補助対象期間も令和7年4月〜12月分の燃料費って限定されてるんですよ。公共交通系のかたはこれを見落としがちだから要注意です。
- タクシー事業者の申請締切: 令和8年1月31日(水)必着
- バス事業者の申請締切: 令和7年12月26日(金)必着
- 補助対象期間: 令和7年4月1日〜令和7年12月31日に使用した燃料費
- 問い合わせ先は山口県タクシー協会(083-922-5110)またはバス協会(083-922-5031)
タクシー・バス以外の一般事業者はどうすればいいんですか?
一般の事業者は国の補助金を活用するケースがメインですね。令和8年度(2026年度)もすでに公募が始まってるやつもあるので、今が狙い目ですよ。
そうなんですよ。毎年同じ枠組みで継続してる補助金って、予算が確保されたら早めに公募が出るんです。特にガソリンスタンド向けは経済産業省が力を入れてて、令和8年度もしっかり予算が組まれてます。
石油製品販売業構造改善対策事業費補助金(先進的技術開発等支援)
ガソリンスタンドを経営されてるかたに特に注目してほしいのが、これです。補助率は10/10(全額)で、補助上限額は約3億300万円(令和8年度)。ガソリンスタンドの省力化・無人化・安全性向上に資する新技術の開発・実証が対象です。
3億ですか!それは大きい。でも「執行団体公募」ってなんですか?
災害時に備えた燃料備蓄推進事業費補助金(自治体向け)
あります、というかこれが令和8年度は
25億5,000万円と規模が大きい。病院・避難所・防災拠点になる施設向けに、自家発電設備の整備費用を補助するんですよ。山口県って、南海トラフ地震の想定被害地域に入ってますから、防災面での燃料備蓄は県としても重視してますよね。詳細は
令和8年度燃料備蓄推進事業費補助金のページをご覧ください。
25億5000万円!もうスケールが違いすぎる(笑)山口県の病院とかが申請できるんですか?
実態は執行団体を通じた間接補助なんですが、最終的に山口県内の自治体や病院・福祉施設が受益者になりますね。市町の担当者さんに「国のこの補助金使いましょう」って声をかけると話が動きやすいです。
令和8年度 緊急時石油製品供給安定化対策事業
令和8年度 地下タンク・設備入換事業
地下タンクって数百万円かかりますよね。それが全額補助なら相当ありがたいですね。
そう!老朽化した設備の更新を後回しにしてるスタンドって多いんですが、この補助金を使えば実質コスト負担ゼロで更新できるわけですから。GビズIDを事前に取得しておくのが必須条件になるので、まずそこだけ確認しておいてください。
ガソリンスタンドじゃなくて、製造業やトラック会社が燃料コストを減らしたいときは?
そこは「燃料転換」系の補助金ですね。天然ガスやEV・水素に切り替えるときに手厚い支援があります。山口県って瀬戸内の工業地帯に近いから、重工業・化学工業の燃料費って相当な金額になるんですよね。
天然ガス利用設備導入支援事業費補助金
はい。「災害時の強靭性向上に資する天然ガス利用設備導入支援事業費補助金」というやつで、停電時でも動けるコージェネレーションシステムやガスエンジン・ヒートポンプの導入を支援します。補助率は1/2または1/3、上限は最大3億6,000万円です。
3億6000万円が1/2〜1/3補助って、それだけ大きな設備投資を想定してるんですね。
工場のボイラーや大型空調設備の更新レベルを想定してますからね。令和5年・6年度分は終わってるんですが、この系統の補助は毎年継続してるので、最新の公募を確認するのが大事です。詳細は
天然ガス利用設備導入支援事業費補助金のページをご覧ください。
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(EV・FCV)
営業車をEVや燃料電池車に切り替えるときは、「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」が使えます。令和7年度補正予算で1,100億円の大型予算が組まれてて、間接補助で各自動車購入者に支援が届く仕組みです。
1100億!ものすごい規模(笑)山口県の中小企業も使えますか?
使えますよ。EVや燃料電池自動車を導入する際に、購入費の一部が補助される形です。ただし、補助を実施する民間団体(執行団体)を通じた間接補助なので、まず対象の補助制度を確認して、認定ディーラー経由で手続きするのが実際の流れになります。詳細は
クリーンエネルギー自動車導入促進補助金のページをご覧ください。
トラック輸送省エネ化補助金(車両動態管理システム)
車両動態管理システムの導入を補助する制度があります。「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金」って長い名前なんですが(笑)、クラウド型の車載器とソフトウェアで燃費を管理するシステムの導入費を1台あたり上限14万円で補助します。
1台14万円って、トラックが10台あったら140万円ですね。
そうです。山口県って港湾が多くて、物流・運輸の会社がたくさんありますから、これを活用する余地が十分あります。トラック事業者と荷主が連携して申請するのが要件なので、荷主側の担当者と事前に話しておく必要があります。詳細は
トラック輸送省エネ化補助金のページをご覧ください。
燃料対策補助金 申請の流れ
山口県って、燃料対策という面で特別な背景があるんですか?
そうなんですよ。山口県って関門海峡を挟んで九州の入り口でもあって、エネルギー関連産業が歴史的に発展してきた地域なんです。LPガスや石油の流通拠点としての機能も大きい。
それで燃料関連の補助金申請のニーズも高いんですね。
あと、山口県は農業・漁業の比重が高い県でもあるんですよ。農業でいえばハウス栽培のボイラー燃料費、漁業では漁船の燃料費って、経営を圧迫する大きな要因じゃないですか。だから「農業・漁業の燃料費支援」っていう切り口も見逃せないですよ。
農業・漁業向けの燃料補助って、別の枠があるんですか?
農業用ハウスの省エネ設備導入とか、漁業の省エネ機器補助は農水省・水産庁系の別の補助金が担当してるんですが、経産省の燃料系補助金と組み合わせて使えるケースもあります。省エネ診断を受けて、複数の補助金を組み合わせるのが実務的には賢いですね。
専門家が事業所のエネルギー使用状況を分析して、どこで節約できるかを教えてくれる無料のサービスです。「やまぐちよろず支援拠点」でも相談に乗ってもらえますし、省エネセンター(ECCJ)が実施する「省エネルギー診断」も使えます。これを受けておくと、補助金申請の際に加点になるケースもあるんですよ。
- やまぐちよろず支援拠点: 国・県の補助金全般の相談(無料)
- 山口県産業技術センター: 省エネ改善の技術相談
- 省エネルギーセンター(ECCJ): 省エネ診断(補助金申請の加点になる場合あり)
- 中小企業庁 ミラサポplus: 国の補助金・助成金の一覧検索
ここまで色々な補助金が出てきたので、整理してほしいです(笑)
はいはい(笑)まとめましょう。主要な制度を横並びにすると、こんな感じです。
| 補助金名 | 対象 | 補助率 | 上限額 | 対象者 |
|---|
| 石油製品販売業構造改善(先進技術) | SS技術開発・実証 | 10/10 | 3億300万円 | ガソリンスタンド |
| 石油製品販売業環境保全(地下タンク入換) | 地下タンク・配管更新 | 10/10 | 2億9,156万円 | ガソリンスタンド |
| 緊急時石油供給安定化対策 | 災害対応研修 | 10/10 | 1億9,000万円 | ガソリンスタンド |
| 燃料備蓄推進(防災拠点) | 自家発電設備整備 | 定額 | 25億5,000万円 | 自治体・防災施設 |
| 天然ガス利用設備導入支援 | 省エネ設備更新 | 1/2・1/3 | 3億6,000万円 | 製造業・施設 |
| クリーンEV導入促進補助金 | EV・FCV購入 | — | 1,100億円(全国) | 法人・個人 |
| 公共交通燃料価格高騰対策(山口県) | タクシー・バス燃料費 | 10/10 | R2年燃料費の3割 | 県内公共交通事業者 |
これ全部で、山口県の中小企業が申請できるもので一番手軽なのはどれですか?
タクシー・バス事業者なら間違いなく「山口県公共交通燃料価格高騰対策支援補助金」ですね。手続きが比較的シンプルで、山口県タクシー協会・バス協会を通じて申請できます。一般の事業者で燃料転換や省エネに取り組むなら、天然ガスやEV系の補助金を検討してみてください。ただ、国の補助金は公募期間が短いことが多いので、GビズIDを先に取得しておくのは必須ですね。
一番多い失敗が「交付決定前に事業を始めてしまった」ケースですね。補助金は原則、採択・交付決定が出てから事業を開始しないと対象外になります。設備を先に注文しちゃったり、工事を始めちゃったりすると、全額自己負担になります。
あと、執行団体公募型の補助金は、「執行団体=管理法人」が採択される仕組みなので、個別事業者が直接国に申請するわけじゃないんです。業界団体や地域の支援機関を通じて情報を取るのが現実的です。
GビズIDを事前取得(法人の場合、印鑑証明書が必要で2週間程度かかる)
公募要領を必ず最新版で確認(Jグランツのサイトか経産省HPで)
省エネ診断を受けておく(加点対象になる補助金がある)
そうなんです、ここも要注意で。基本的に補助金は後払いなので、一時的に全額を自分で立て替えて、事業完了後に請求するケースがほとんどです。立て替え期間の資金繰りが厳しい場合は、やまぐちサポート融資など、つなぎ融資の利用を並行して検討してください。
なるほど。後払いだから「申請したのにお金がない」ってなりかねないですね。
そうなんですよ。「補助金もらえると思って設備入れたのに、払いが遅くて資金繰りがきつくなった」って話は割とよく聞きます。事前に銀行の担当者と話しておくことを強くおすすめします。
改めてまとめると、どういう順番で動けばいいですか?
シンプルに言えば3ステップです。まず「自分はカテゴリABCのどれか」を確認する。次に「GビズIDを取得する」。そして「公募期間を定期的にチェックする」。これだけでいいですよ。
それだけ大事なんです(笑)国の補助金は基本的に全部Jグランツ経由で電子申請なので、GビズIDがないと申請自体できません。今から動く人は真っ先にここをやっておいて。
燃料対策以外でも、山口県全体の補助金・助成金は
山口県の補助金・助成金一覧ページで探せます。やまぐちよろず支援拠点の無料相談も使って、自社に合った組み合わせを見つけてみてください!