室谷さん、北海道で起業を考えている人向けにおすすめの補助金があるって聞いたんですけど、「北海道中小企業新応援ファンド」って何ですか?
ほんとに良い補助金なんですよ!正式名称は「2026年度 北海道中小企業新応援ファンド事業(創業促進支援事業)」。北海道や札幌市、独立行政法人中小企業基盤整備機構、それと道内の金融機関が共同でファンドを組成して、そのファンドの運用益を使って創業者に助成金を出す仕組みなんです。
ファンドの運用益って、つまり投資の利益を使って支援してるってことですよね?それすごい仕組みですね!
そうなんです!だから毎年度安定して募集ができるんですよ。単年度予算だと「今年はお金が足りないから打ち切り」ってこともありますけど、ファンド運用益なら継続性が高い。北海道で創業を考えてる方にとってはほんとに頼りになる制度です。
助成上限が100万円、補助率は対象経費の1/2以内です。自己負担が半分必要なので、ざっくり総事業費200万円規模のプロジェクトに使える感じですね。
北海道中小企業新応援ファンド 3つのメニュー比較
創業促進支援事業だけじゃないんですか?他にも種類があるんですか?
実はこのファンド、3種類の助成事業をやってるんです。創業を支援する「創業促進支援事業」が上限100万円、地域資源を使って新商品開発や販路開拓に取り組む「地域資源活用型事業化実現事業」が上限150万円、それから事業構想の検証・実験を支援する「製品開発チャレンジ支援事業」が上限50万円という3本立てです。
えっ、それぞれ違う補助額なんですね!どれに申請するか選べるんですか?
自分の状況に合ったものを一つ選ぶ形です。今回の記事では創業促進支援事業にフォーカスしますが、既に事業をやっている方は他のメニューのほうが向いてる場合もあります。選び方は後でも触れますね。
| メニュー | 助成上限 | 補助率 | 主な対象者 | 審査方式 |
|---|
| 創業促進支援事業 | 100万円 | 1/2以内 | 創業者 | 書面審査 |
| 地域資源活用型事業化実現事業 | 150万円 | 1/2以内 | 既存中小企業者 | 書面またはプレゼン審査 |
| 製品開発チャレンジ支援事業 | 50万円 | 1/2以内 | 既存中小企業者 | 書面審査 |
なるほど、創業者は100万円が対象なんですね。じゃあ、その「創業者」ってどこまでが対象なのか、もう少し詳しく聞かせてください。
「創業者」って言葉が気になるんですけど、まだ事業を始めていない段階でも申請できるんですか?
それがこの補助金最大のポイントで、2つの区分があります。一つ目が「これから創業する人」——助成金の交付決定後、北海道内で1年以内に新規に事業を開始する個人または中小企業者等が対象です。まだ事業を始めてなくてもOK!もう一つが「最近創業した人」——2025年4月1日以降に創業した個人または中小企業者等ですね。
えっ、創業前でも申請できるんですか?それは珍しいですね!
珍しいんですよ!普通の補助金は事業実績がないと申請できないことが多いんですが、これは「これから始める」段階でも応募可能です。ただし注意点があって、2025年4月1日より前に個人事業主として事業を営んでいた方は原則対象外になります。
個人事業の法人成り、第二会社、会社分割等は対象になりません。これは公募要領に明記されてます。あくまで「新規に事業を開始する」というのが要件ですから、既存事業の組み替えは対象外です。
そうか。あと、「中小企業者」ってどこまでをカバーするんですか?
業種によって基準が違うんですけど、大まかに言うと製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、小売業・サービス業は資本金5000万円以下または従業員50〜100人以下という感じです。創業直後の方なら大抵これには収まりますよね。
| 業種 | 資本金の上限 | 従業員数の上限 |
|---|
| 製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業等含む) | 5000万円以下 | 100人以下 |
| 旅館業 | 5000万円以下 | 200人以下 |
創業したての人ならほぼ全員が条件をクリアできそうですね。あと、対象地域は北海道全域ですか?
北海道内に主たる事務所または事業所を設けること、というのが条件です。道内全域が対象で、札幌市内でも十勝でも釧路でもOKです。
- 2025年4月1日より前から個人事業主として営んでいた方
- 個人事業の法人成り・第二会社・会社分割等
- 農業・林業(素材生産業除く)・漁業・金融保険業の一部
- 大企業の子会社(発行済株式の1/2以上を大企業が所有する企業等)
- 過去3事業年度の国税・地方税・社会保険料を完納していない方
- 風俗営業等の社会通念上不適切な事業
補助対象の経費って、具体的にどんなものが使えるんですか?
ここが創業促進支援事業の最大の魅力なんですよ!なんと24項目もあって、原材料費、工具費、機械装置の購入費や借料、外注費、デザイン開発費、プログラム開発費、技術導入費、試験・検査の依頼費、産業財産権の取得費、専門家謝金・旅費、そして——特に注目なのが——設立登記費、事務所等の借料と改装費、広告宣伝費、出展料なんです。
えっ、設立登記費って?法人設立するときの費用のことですか?
そうです!法人設立の登録免許税とか、司法書士への委託費とかも対象になります。これ、他の補助金だとほとんど対象外なんですよ。創業特化だからこそのユニークな経費ですね。
マジですよ!交付決定日以降に発生する事務所・店舗の賃借料も対象です。内装改装費も含まれます。例えばカフェを開くなら、店舗の改装工事費も出るってことですね。ただし敷金・保証金・礼金のような返還される可能性のあるものは対象外です。
| 経費カテゴリ | 具体的な内容 | 他の補助金での取り扱い |
|---|
| 設立登記費 | 登録免許税、司法書士費用、定款認証手数料 | ほぼ対象外 |
| 事務所等借料 | 交付決定後の賃借料 | 限定的 |
| 事務所等改装費 | 内装工事、看板設置等 | 限定的 |
| 機械装置等購入費 | 事業専用の機器・設備 | 多くの補助金で対象 |
| デザイン開発費 | ロゴ、パッケージデザイン | 多くの補助金で対象 |
| 広告宣伝費 | チラシ、Web広告、SNS広告 | 多くの補助金で対象 |
じゃあ逆に、使えない経費はどんなものがありますか?
人件費(スタッフの給与)、汎用的なパソコンやプリンターといった業務全般に使えるもの、光熱費・通信費などの運営経費、消費税は対象外です。あと、交付決定日より前に発生した経費は対象にならない点が超重要ポイントです!事務所の契約タイミングには特に注意してください。
- スタッフの人件費・アルバイト代
- 汎用的な機器(パソコン、プリンター、Office365等)
- 光熱費・通信費などの継続的な運営経費
- 敷金・保証金・礼金
- 消費税及び地方消費税
- 交付決定日より前に発生した経費
- クレジットカードのポイント払い・相殺等による決済
対象経費の話がわかったので、次は実際の申請の流れを聞かせてください。
創業促進支援事業 申請から入金までのフロー
流れを整理しましょう。まず2026年4月1日から5月22日17時までが募集期間です。申請はkintoneフォームを使ったオンライン申請が原則で、電子ファイルで書類を提出します。紙でも出せますが、その場合は郵送で5月19日消印有効ですね。
後払いなんですね!つまり申請段階では一銭も出なくて、全部自腹で払ってから戻ってくる形ですか?
その通りです。これが補助金の基本的な仕組みで、事業実施中の資金は自己資金か融資で確保する必要があります。採択通知は融資審査のプラス材料になることもあるので、採択後に日本政策金融公庫の新創業融資制度を申し込むのも有力な戦略です。
書面審査があるということは、通るための書き方とかポイントがあるんですか?
もちろんあります!評価委員会が見るのは6つの観点なんですけど、特に重要なのは「事業の新規性と市場性」「事業遂行力」「地域貢献(社会性)」「経営者としての資質」の4点ですね。
- 事業の新規性と市場ニーズを数字で示す: 「需要がある気がします」ではなく、ターゲット市場の規模、潜在顧客へのヒアリング結果、競合との差別化ポイントを具体的データで示す
- 経費配分の戦略性を見せる: 100万円をどこに重点投資するか明確に。「全経費に均等配分」より「この経費が最重要だから集中投資」という判断を示す
- 補助金終了後の収益モデル: 月次収支見通し、損益分岐点の試算、2〜3年後の売上目標など持続可能性を数値で証明
- 北海道への地域貢献を明記: 雇用創出見込み、地域資源の活用、観光振興への寄与など北海道経済への波及効果を盛り込む
- 支援機関への相談実績: 商工会議所・よろず支援拠点への相談経験があれば必ず記載。専門家の後ろ盾は信頼性を高める
なるほど!「創業したい!」という情熱だけじゃ通らないってことですね。数字で勝負しないとダメなんだ。
そうです!審査員は「この人は本当に事業を成功させられるか」を見ています。夢を語るだけでなく、具体的な根拠で説得する必要があります。申請書を書く時間は最低でも2〜3週間は確保してください。
他に採択率を上げるために意識すべきことはありますか?
審査は書面のみなんです。現地訪問もプレゼンもない。だから申請書だけで全てを伝えきる必要があります。専門用語を避けて分かりやすく書くこと、誇大表現をせず現実的な計画を示すことが大切ですよ。
この補助金と一緒に他の支援制度を使うことはできますか?
同一の経費に二重に補助を受けることはできませんが、対象経費が異なれば別の支援制度と組み合わせることは可能です。例えば、本事業で事務所改装費とデザイン開発費をカバーして、日本政策金融公庫の新創業融資制度で運転資金を確保するパターンがよく使われます。
同一年度内の重複申請は原則できません。また、国や北海道の他の補助金が同一内容・同一経費に対して交付される場合も対象外になります。ただし翌年度以降は別の話で、創業後に軌道に乗ってきたら地域資源活用型事業化実現事業(上限150万円)にステップアップ申請するのは有効な戦略です。
| 組み合わせ | 可否 | 注意点 |
|---|
| 日本政策金融公庫の新創業融資(融資) | 可能 | 同一経費への重複不可、経費の棲み分けが必要 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 条件付き可能 | 対象経費が重複しないよう計画を分ける |
| 市区町村の独自創業支援制度 | 条件付き可能 | 双方の事務局に事前確認が必須 |
| 同ファンド内の他のメニュー(同年度) | 不可 | 翌年度以降は可 |
| 国・北海道の補助金(同一経費) | 不可 | 別経費なら相談可 |
資金調達の戦略を組み立てる必要がありそうですね。次に、採択後の注意点も教えてもらえますか?
採択されたらそれで終わりじゃなくて、その後も色々ありそうですね。
そうなんです!採択されるとむしろここからが本番です。まず経費の変更は自由にできません。採択後に助成対象経費の合計額が計画より20%超増加・減少する場合や、事業内容を変更する場合は、事前にセンターの承認が必要です。
思ったより費用が高くなったときとか、計画を変えたいときはどうするんですか?
必ずセンターに相談してください。勝手に変えると補助金が交付されない可能性があります。あと、事業終了後5年間は事業活動状況報告書を毎年提出する義務があります。「お金もらってハイ終わり」じゃなくて、5年間のフォローアップがあるんです。
- 経費変更の事前承認: 計画から20%超の増減や内容変更はセンターへ相談
- 実績報告書の提出: 事業完了から30日以内に必要書類一式を提出
- 事業活動状況報告書: 翌年度から5カ年の各年度末に提出
- 書類の保存義務: 帳簿・証拠書類は5年間保存が必要
- 採択情報の公表: 氏名(事業者名)・所在地(市区町村)・事業テーマが公表される
採択情報が公表されるんですね!ちょっと緊張しますが、逆に知名度アップにもなりそうですね。
そうなんです!センターのホームページに名前と事業テーマが掲載されるので、PR効果もあります。地域の起業家コミュニティでの認知度アップにもつながりますよ。
この補助金って、どんな業種に特に向いてるんですか?
私の見立てでは飲食業と小売業がもっとも活用しやすいですね。店舗の賃料・内装工事費・広告宣伝費という創業時の主要経費がほぼ全て対象になるので。
コンサルタントや士業の場合、経費総額が小さいので補助額が限定的になりがちです。経費の大半が人件費になる業種も、人件費が対象外なので使える金額が絞られます。
| 業種 | おすすめ度 | 活用しやすい経費 |
|---|
| 飲食業(カフェ・レストラン等) | ★★★★★ | 店舗改装費・賃料・広告宣伝費・什器購入費 |
| 小売業(実店舗あり) | ★★★★★ | 店舗改装費・賃料・商品陳列棚・広告費 |
| IT・Web制作業 | ★★★★☆ | 法人設立費・オフィス賃料・デザイン開発費 |
| 美容・理容業 | ★★★★☆ | サロン改装費・賃料・広告費・設備購入費 |
| 介護・福祉サービス | ★★★★☆ | 事業所賃料・備品・広告費(設備以外) |
| 製造業 | ★★★☆☆ | 機械装置・原材料・試作費(設備投資は別途融資が必要な場合多い) |
| コンサルティング・士業 | ★★★☆☆ | 法人設立費・オフィス賃料(経費規模が小さくなりやすい) |
業種による向き不向きがあるんですね。次は申請するときの提出書類について、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?
書類が結構多いみたいですけど、どんなものが必要なんですか?
所定様式が8種類、添付書類が5種類です。なかでも重要なのは助成事業計画書と経営計画書ですね。事業の概要・目的・市場分析・競合状況・収支計画を書き込む中核的な書類で、ここが審査のメインになります。
はい、事業説明書は事業の詳細——開発する製品・サービスの内容、開発スケジュール、実施体制などを記載します。それとは別に助成事業明細書(経費配分)も必要で、各経費項目に見積書を添付します。見積書は複数業者からの相見積もりが望ましいです。
- 様式第1号: 北海道中小企業新応援ファンド助成交付金交付申請書
- 様式第2号: 助成金助成事業計画書
- 別紙1-1、1-2: 助成事業計画(事業の詳細スケジュール等)
- 別紙2(経営計画書): 市場分析・収支計画を含む経営計画
- 別記様式(事業説明書): 開発する製品・サービスの詳細説明
- 別紙3(助成事業明細書): 経費配分と各見積書(添付必須)
- 様式第3号: 納税対応状況申出書(国税・地方税・社会保険料の納付状況)
- 添付書類: 法人は履歴事項全部証明書、個人は住民票(必須)
書類の種類が多いですね!センターに書き方を相談することはできますか?
せっかくなのでよくある疑問も解消したいんですけど、まだ法人設立していない段階での申請はできますか?
個人事業主としての申請もOKです!むしろ法人設立前の段階で申請して、交付決定後に法人設立するというケースも想定されています。法人設立の登記費用も対象経費に含まれますからね。ただし交付決定後1年以内に事業を開始する必要があるので、タイムラインは意識してください。
「道内に主たる事業所を設けて新規に事業を開始する」という要件がありますので、副業としてではなく主体的に事業展開する計画が必要です。会社員を続けながらというケースは、その副業が「主たる事業所を設けた新規事業」と認定されるかどうかが判断ポイントです。事前に事務局に相談するのが確実です。
公式のスケジュールは明示されていませんが、過去の実績から2026年夏ごろ(7〜8月)に採否通知が来るのが一般的です。早めに事業計画を固めておいて、採択通知が来たらすぐに動き出せる準備をしておくといいですよ。
基本的には翌年度も応募可能です。むしろ一度落ちた経験を活かして審査員の視点を理解し、より充実した計画書を作れることも多いです。ただし事業の状況が変わっていて、もはや「創業者」の要件を満たさなくなっている可能性もあるので注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 2026年度「北海道中小企業新応援ファンド事業」(創業促進支援事業) |
| 助成上限額 | 100万円 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 募集期間 | 2026年4月1日(水)〜2026年5月22日(金)17時必着 |
| 対象地域 | 北海道全域(道内に主たる事務所または事業所を設けること) |
| 対象者 | 創業者(創業前または2025年4月1日以降に創業した個人・中小企業者等) |
| 審査方式 | 書面審査 |
| 実施機関 | 公益財団法人北海道中小企業総合支援センター 企業振興部 |
| 問い合わせ先 | TEL 011-232-2403 / E-mail@hsc.or.jp |
| 公式ページ | 北海道中小企業総合支援センター(hsc.or.jp) |
| jGrants | jグランツ掲載ページ |
最後に、この補助金を検討している人へのメッセージをお願いします!
北海道で創業を考えているなら、この補助金は最優先で検討してほしいです。設立登記費や事務所の家賃まで対象になる補助金は非常に少ない。2026年5月22日17時が締め切りなので、今すぐ事業計画の策定を始めてください。情熱があるのに資金が心配で踏み出せていない方の背中を押してくれる制度です!
他にも北海道や全国の創業向け補助金ってありますか?
あります!せっかくなので比較テーブルで整理しましょう。北海道中小企業新応援ファンドには創業促進以外の枠もありますし、全国向けの創業支援制度もかなり使えます。
ポイントをまとめると、創業直後の運転資金・立ち上げ費用は本制度(100万円)、販路開拓には小規模持続化補助金の創業型(200万円・補助率2/3)、事業拡大期の設備投資にはものづくり補助金、という流れで段階的に活用するのが王道です。北海道新応援ファンドの3つの枠は同じ事務局(公益財団法人北海道中小企業総合支援センター)が管轄していて、担当者にどの枠が適しているか相談しやすい環境があります。
同じ事務局なら、将来も継続して相談できそうで心強いですね!
そうなんです!創業時にセンターとのつながりができると、次の補助金の情報も早めにキャッチできますよ。北海道全体の補助金・助成金をまとめて確認したい方は
北海道の補助金・助成金一覧もご覧ください。