室谷さん、東京都が若者の職場定着を支援する助成金を出してるって聞いたんですけど、これってどんな制度なんですか?
ほんとに知らないともったいない制度なんです! 東京都が中小企業向けに出してる「若者世代職場定着促進助成金」は、都の就職支援事業を通じて若者を採用した事業主が、育成計画の策定や退職金制度・育児支援制度・介護支援制度の整備、それから賃上げをした場合に助成金をもらえる制度なんですよ。
最大126万円です! 基本額に各加算を積み上げていける仕組みで、かなりおいしい設計になってますよ。
126万円はすごいですね。ちょっと詳しく教えてください!
令和8年度から新たに「介護支援制度整備加算」も創設されたので、今年はさらにお得になってるんです。対象は東京都内の中小企業。令和8年度第1回の交付申請受付期間は2026年5月1日から5月31日まで、というタイミングです。
助成金額一覧表
基本額がいくらで、どこに加算がつくのか、整理してもらえますか?
| 対象労働者数 | 基本額 |
|---|
| 1人 | 20万円 |
| 2人 | 40万円 |
| 3人以上 | 60万円 |
1人あたり20万円なんですね! 1事業所あたり最大3人まで?
そうなんです。1年度につき1事業所3人が限度で、交付上限額は60万円。ただし、加算を積み上げると上限を超えて受け取れる仕組みです。
加算って4種類あるって聞いたんですが、どんな内容ですか?
| 加算の種類 | 条件 | 加算額 |
|---|
| 退職金制度整備加算 | 支援期間中に退職金制度を新設・中退共加入 | +10万円 |
| 結婚・育児支援制度加算 | 支援期間中に結婚・育児関連の休暇や一時金制度を新設 | +10万円 |
| 介護支援制度整備加算 | 支援期間中に介護に関する休暇制度を新設(令和8年度から新設) | +10万円 |
| 賃上げ加算 | 対象労働者の時間単価を60円以上賃上げ(東京都最低賃金+60円以上が必要) | 1人+12万、2人+24万、3人以上+36万円 |
これ全部の加算を受けたら、3人で60万円+10万+10万+10万+36万=126万円になるってことですか!
そう!最大126万円が受け取れるんですよ。ただし加算はそれぞれ1事業主あたり1回のみの申請なので、タイミングが大事です。
賃上げ条件の「東京都最低賃金+60円以上」というのはどういう意味ですか?
東京都の最低賃金は2024年10月から1163円になっています。なので、賃上げ後の時間単価が1163円+60円=1223円以上になっていることが必要ということです。さらに、賃上げ前と比べて60円以上の増加も要件になっています。
どんな会社が対象になるんですか? うちが使えるかどうか、確認の仕方を教えてください。
大きく3つの条件があります! まず中小企業事業主であること。次に東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること。そして、都が実施する特定の就職支援事業を通じて若者を採用したことです。
特定の就職支援事業、っていうのが少し難しそうですね。
具体的には3つの事業のいずれかです。「ものづくり産業人材確保支援事業(34歳以下対象)」「成長産業人材雇用支援事業」「キャリアチェンジ再就職支援事業」のどれかを通じて紹介された人を採用していることが条件です。
自分で求人を出して採用した人は対象外ってことですね?
はい。あくまで東京しごと財団が受託している就職支援事業経由での採用が条件です。ハローワーク経由や自社採用は対象外。
- 都の就職支援事業(3事業)以外の経路で採用した労働者は対象外
- 令和6年4月1日より前に正規雇用になった労働者は対象外
- FAX・メールでの申請は一切受け付けていない(電子申請または郵送のみ)
正規雇用が条件ってことですが、最初からパートで雇って後から正規にした場合は?
これはケースバイケースで、非正規雇用として採用後6か月未満で正規雇用に転換した場合は含む、という規定があります。6か月を超えてから正規転換した場合は対象外です。
6か月がポイントなんですね。対象となる労働者の年齢制限はありますか?
「ものづくり産業人材確保支援事業」は34歳以下の利用者に限定されていますが、「成長産業人材雇用支援事業」と「キャリアチェンジ再就職支援事業」には年齢制限の明記はありません。基本的に若者世代向けの就職支援事業が対象です。
申請フロー図
実際の手続きはどうすれば良いんでしょう? 電子申請と郵送どちらでもいいですか?
両方対応してます。ただし一度選択したら途中で変更できないので注意が必要です。電子申請を選んだ場合は実績報告も全て電子申請、郵送を選んだ場合は実績報告も郵送か窓口持参になります。
GビズIDって何ですか? まだ持っていない場合はどうすれば?
GビズIDは政府が運営する法人・個人事業主向けの共通認証サービスです。電子申請にはGビズIDプライムが必要で、
GビズIDの公式サイトから申請できます。デジタル庁のID運用センターによる審査があり、発行まで数週間かかることがあるので、
5月末の締め切りに間に合わせるなら今すぐ申請してください。
申請書類は「信書」に該当するので、宅配便やメール便は使えません。レターパックや書留郵便など送達記録の残る方法で送ることが必要です。
- 窓口名: 東京都正規雇用化推進窓口(若者世代職場定着促進助成金担当)
- 住所: 〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町2-42-10 ハローワーク新宿5階
- 電話: 03-6205-6730(ダイヤルイン)
- 受付時間: 平日8時30分〜17時15分(12月29日〜1月3日を除く)
助成金をスムーズに受け取るために、特に気をつけることはありますか?
一番重要なのは「対象となる就職支援事業経由の採用かどうか」の確認です。東京しごと財団が受託する事業から紹介を受けたかどうか、きちんと記録を残しておくことが大事です。
あります。セルフチェックリストが用意されているので、提出前に必ず確認してください。電子申請用と郵送用で別々のチェックリストが出ているので、自分の申請方法に合ったものを使うこと。
- 採用時に「どの就職支援事業経由か」を必ず記録・保存する
- 支援期間中(2026年7月〜9月)の雇用継続を証明できる書類(給与台帳、勤務記録等)を整備する
- 加算を狙う場合、退職金制度等の就業規則を労働基準監督署に届出した書類を保管する
- 賃上げ加算は「賃金支払実績確認表」で月給・日給・時給・出来高払いの別に様式が異なる
- 予算上限に達すると申請受付終了となるため、早めに準備・提出する
予算上限があるんですね、それは知らなかった。早い者勝ちってことですか?
そうなんです! 「予算の範囲を超えた場合は申請受付を終了する」と明記されています。TOKYOはたらくネットで受付終了の告知がされるので、定期的にチェックしてください。
撤回届の提出期限がありまして、期限後は対象労働者の変更や追加ができません。また、期限後に事業計画を中止した場合でも、年度内の申請回数にカウントされて交付したものとみなされます。一度申請したら慎重に進める必要があります。
第1回だけじゃなくて、複数回の申請受付があるんですか? マジですか!
はい! 令和8年度は第1回から第6回まで受付期間があります。今回の第1回は2026年5月1日〜5月31日ですが、次回以降もあるので、今回の申請に間に合わない場合でも次回を狙えます。
| 項目 | 詳細 |
|---|
| 制度名 | 東京都若者世代職場定着促進助成金(令和8年度第1回) |
| 補助上限額 | 126万円(基本60万円+各種加算) |
| 補助率 | 100%(実費補助ではなく雇用継続への助成) |
| 対象地域 | 東京労働局管内 |
| 申請受付(第1回) | 2026年5月1日〜5月31日 |
| 支援期間 | 2026年7月1日〜9月30日 |
| 実績報告期間 | 2026年10月1日〜10月25日 |
| 実施機関 | 東京都産業労働局 |
| 公式ページ | TOKYOはたらくネット |
126万円がもらえるのに、対象経費って特に指定されてないんですね。一般的な補助金みたいに領収書を集めなくていいんですか?
この助成金は「雇用継続と職場環境整備への助成」なので、かかった経費を補助するタイプじゃなくて、定着支援の実績に対して一定額が支払われる仕組みです。だから対象経費の領収書集めが不要で、その代わりに「雇用継続の事実」「制度整備の事実」「賃上げの事実」を証明する書類が必要になります。
似たような雇用関連の助成金が他にもあれば、比べて教えてほしいです。
東京都内で使える雇用系の助成金として、比較的知られているものを紹介します。
障害者雇用系の助成金と比べると、若者向けは「都の特定就職支援事業経由」という条件が独特ですね。
そうなんです。裏を返せば、都の就職支援事業に先に事業者登録しておくと採用ルートが広がるし、採用と同時に助成金の対象にもなれる。最初からこの制度を念頭に置いた採用計画を立てることが、活用のコツです。
国の雇用助成金(キャリアアップ助成金等)との併用はできますか?
本制度の手引きには他制度との明示的な併用禁止規定はありませんが、同一の対象労働者について国の雇用調整助成金や他の都助成金と重複して受給できるかどうかは個別に確認が必要です。申請前に窓口(03-6205-6730)に確認することを強くおすすめします。
まず「都の就職支援事業を使わずに採用した従業員も対象にできますか?」という質問はどうですか?
これは残念ながら対象外です。ものづくり産業人材確保支援事業・成長産業人材雇用支援事業・キャリアチェンジ再就職支援事業の3つのいずれか経由での採用が絶対条件。自社採用・ハローワーク経由・人材紹介会社経由は全て対象外です。
「加算を受けるために就業規則を変更した場合、いつまでに労働基準監督署に届け出ればいいですか?」
支援期間中(2026年7月1日〜9月30日)に整備して届け出ることが条件です。支援期間内に届出が完了している必要があります。
「電子申請でGビズIDを使う場合、アカウント取得はどのくらい前から準備すればいいですか?」これ意外と盲点ですよね!
最低でも1か月前、できれば2か月前から準備してください。デジタル庁のID運用センターによる審査があり、書類不備があるとさらに時間がかかります。2026年5月31日の締め切りに電子申請で間に合わせるなら、今すぐ申請開始してください。
「FAXや電話で申請内容を問い合わせることはできますか?」
電話での問い合わせは可能(03-6205-6730)ですが、FAXやメールでの申請・書類受理は一切不可です。申請の問い合わせは平日8時30分〜17時15分に電話か窓口に直接確認してください。
本社の所在地ではなく「東京労働局管内に雇用保険適用事業所があること」が要件です。支社や営業所が東京都内にあれば申請できる可能性があります。詳細は窓口にご確認ください。
なるほど、いろいろと詳しく教えてもらいましたね。最後に、申請を考えている経営者に一言お願いします!
令和8年度から新たに介護支援制度整備加算が加わり、最大126万円まで助成額が増えました。都の就職支援事業を使って若者を採用予定の東京中小企業には、ぜひ積極的に活用してもらいたい制度です。2026年5月31日が第1回の締め切りなので、GビズIDの準備と申請書類の整備を今すぐ始めましょう!