室谷さん、この「ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金」の2年目申請用フォーム、なんですか。普通の補助金と何が違うんでしょう?
いい質問ですね! これ、最大3年間もらえる継続型の助成金なんですよ。1年目に支援決定・支給決定を受けた都内中小企業が、引き続き2年目の助成を受けるための申請フォームです。つまりすでに1年目の支給決定を受けている会社専用のページってこと。
あー、なるほど。初めて申請する会社が使うページじゃないわけですね。
そうそう。初回申請は別のフォームです。このJグランツのページ(補助金ID a0WJ200000CDYkBMAX)は「2年目の支給申請をする場合に使用する」って明記されているので、間違えて使うと再申請が必要になる。気をつけてください(笑)
怖い(笑)じゃあ、そもそもこの助成金って何をする事業なんですか?改めて教えてほしい。
簡単に言うと、住宅・食事・健康に関する福利厚生を充実させることで、若手人材の採用・定着を助ける制度です。東京しごと財団(公益財団法人)が運営していて、東京都内の中小企業が対象。令和8年度は60社が対象で、前期30社・後期30社の先着順なんですよ。
60社って、かなり少ないですよね。それだけ競争率が高いってこと?
正直、手が届く会社が限られている制度ではあります。だから1年目の支給決定を受けた会社は、2年目・3年目の申請を漏らさずにやるべきなんです。せっかく採択されたのに手続き忘れで終わったら、もったいないですから。
ES向上助成金 3つの助成対象と上限額
3種類の事業ごとに上限が決まってます。住宅の借上げなら最大200万円/年、食事等の提供は最大50万円/年、健康増進サービスの提供は最大50万円/年。全部やったとしたら、年間で最大300万円になります。
そう計算になりますね。ただし助成率は2分の1なので、実際に経費の半分が補助されるかたちです。200万円もらうためには400万円の住宅費を使っている必要がある、という話ですね。
そうなんです! よくある質問でも明記されているんですが、2つ以上の事業を実施することが助成要件。住宅・食事・健康のうち1つだけじゃ助成対象外になります。組み合わせは自由で、例えば「住宅の借上げ+食事等の提供」でも「食事+健康増進サービス」でもOK。
| 助成対象事業 | 助成上限額 | 主な対象 |
|---|
| 住宅の借上げ | 200万円/年 | 35歳未満の若手従業員 |
| 食事等の提供 | 50万円/年 | 全従業員 |
| 健康増進サービスの提供 | 50万円/年 | 全従業員 |
| 合計最大 | 300万円/年 | — |
食事と健康については35歳以上の人が使っても助成対象になるんですか?
なりますよ! FAQ にも「食事等の提供や健康増進サービスについては、35歳以上の従業員が利用した分も助成対象」って書いてあります。住宅の借上げだけが35歳未満限定なんですよ。
住宅の借上げ・食事等の提供・健康増進サービスを2つ以上組み合わせることが条件。最大の組み合わせで年間300万円、3年間で最大900万円の助成を受けられます(助成率: 実費の1/2)。
3つの事業の中身、もう少し詳しく教えてもらえますか。例えば「食事等の提供」って具体的に何がOKなんですか?
食事等の提供は5分類あって、「設置型社食サービス(置き型コンビニ、自動販売機)」「専用機械による飲料提供(ウォーターサーバー、コーヒーマシン等)」「弁当類の定期的な配達」「弁当類の定期的な社内販売」「出張型食堂(ケータリング)」ですね。
そうなんです。ただし「継続的かつ定期的」に提供することがポイントです。必要のたびにお弁当を買うだけでは対象外。ちゃんと契約を結んで継続的に提供する内容でないとNGです。
こちらも種類が豊富で、「健康増進に資するサービスの利用」と「都内事業所で設置・共用する健康器具の購入・レンタル」の2分類。具体的にはヨガ講座・肩こり予防セミナー・健康診断・従業員向け健康管理アプリ、あるいはランニングマシン・マッサージチェア・昇降式デスクなど。
でも1つ落とし穴があって、健康器具は都内事業所に設置して従業員が共用するもの限定。個人に配布する健康グッズはNGです。
| 事業 | 助成対象の例 | 注意点 |
|---|
| 住宅の借上げ | 35歳未満若手社員用の社宅費 | 既存借上げは原則NG。新たな契約が必要 |
| 食事等の提供 | 置き型コンビニ、弁当定期配達、ウォーターサーバー | 継続的・定期的な提供契約が必須 |
| 健康増進サービス | ヨガ講座、健康診断、マッサージチェア等 | 器具は共用設置のみ。個人配布NG |
「住宅の借上げ」に注意点があると言いましたが、どういう意味ですか?
「新たな提供」が条件なんですよ。支援申込日から過去1年間に、従業員用の住宅を借り上げた実績がない場合に限ります。既にどこかの社員に社宅を貸していると、新しく借り上げても対象外になるケースがある。2年目・3年目については、前年度から継続している契約でも条件を満たせる例外があります。詳細は募集要項でご確認を。
過去1年間に従業員用住宅の借上げ実績がある場合は原則として助成対象外。また借上げ住宅の入居者は、入居期間を通じて35歳未満であることが必要です。入居中に35歳の誕生日前日を迎えた時点で助成対象外になります。
じゃあ次に「どんな会社が対象か」を聞きたいです。要件が気になります。
まず都内中小企業等であることが大前提です。その上で3つの数値要件があります。①全従業員に占める若手従業員(35歳未満)の割合が30%以下、②入社3年以内の若手従業員数が全従業員数の10%以下、③直近1年間に若手人材を含む求人活動を行っていること。
若手の割合が30%以下って、むしろ若手が少ない会社が対象なんですね。
そう! 逆説的に見えますよね。でも考えると「若手が少ない = 採用・定着できていない会社」に手を差し伸べる制度なんですよ。この助成金でES向上の取組をして、若手が集まりやすい会社になってもらおうという狙いです。
そうです。なお「従業員」はパート・アルバイトも含みますが、役員・個人事業主・派遣労働者は除きます。自分の会社が対象かどうか、公式サイト(es-koujou.jp)にある簡易チェッカーで数字を入れれば確認できますよ。
「2年目申請」という観点では、追加の要件はありますか?
2年目申請は、すでに1年目の支給決定を受けている会社が行うものなので、対象事業者要件自体はクリア済みのはずです。ただし変更申請が必要な場合は事前に財団へ連絡が必要。取組項目を変更・追加するなら原則として再度専門家派遣を受け直す必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|
| 対象地域 | 東京都内に事業所があること |
| 従業員構成① | 全従業員に占める若手(35歳未満)の割合が30%以下 |
| 従業員構成② | 入社3年以内の若手従業員数が全従業員数の10%以下 |
| 求人活動 | 直近1年間に若手人材を含む求人活動を行っていること |
| 2年目固有 | 1年目の支給決定を受けていること |
2年目の申請って、実際どうやって進めるんですか? 手続きが気になります。
まず申請のタイミングが重要です。「取組期間終了日から起算して3か月前から2か月前まで」に翌年度分の支給申請をする必要があります。この期限を見逃すと権利を失ってしまうので要注意。
3か月前から2か月前の間って、けっこうタイトなウィンドウですね。
1取組期間終了3か月前〜2か月前に申請準備
支給申請のタイミングを逃さないよう、取組期間終了日を確認してカレンダーに登録。
2申請書類の準備
取組計画書(様式第5-2号)、支給申請書類一式(様式第5-1号)、経費明細(様式第5-1号別紙)、誓約書(様式第5-3号)を東京しごと財団公式サイトからダウンロードして作成。
4東京しごと財団による審査
提出書類の内容が確認される。不備があると差し戻しになるため、募集要項の書類リストを全てチェック。
5支給決定・助成金の受取
審査通過後に支給決定通知が届き、指定口座に振り込まれる。
Jグランツで申請するときに注意することはありますか?
いくつかあります。まずブラウザはGoogle Chromeの最新バージョン推奨。Internet ExplorerやSafariは不具合が出ることがある。それと、下書きや差し戻しになった申請を編集するときはJグランツのマイページから直接ログインすること。トップページから新しく申請しようとすると別の申請扱いになっちゃいます。
マイページの「申請履歴」に「タイトルなし」って表示されるらしいですね。
そうそう(笑)Jグランツの仕様でそうなってるだけなので、申請自体は問題ありません。あと申請代行を使いたい場合は郵送のみ。Jグランツは本人申請限定です。
支給申請時に選択した方法(郵送 or Jグランツ)で、その後の実績報告・助成金請求なども行う必要があります。途中で変更できないので最初からどちらかを決めておきましょう。
2年目の途中で取組内容を変えたいときはどうするんですか?
変更申請が必要です。ただし変更する前に必ず財団へ連絡すること。承認が出る前に契約をしてしまうと、その部分が助成対象外になります。変更承認の効力は承認日以降にしか生じないので、先走り厳禁です。
できます。ただし「支給決定金額の増額を伴う変更申請は、支給決定日から起算して1年間につき1回限り」というルールがあります。例えば住宅の借上げなら、契約更新時の家賃値上げや、入居希望の若手従業員数が増えた場合に増額申請できます。食事・健康増進サービスはサービス料金の値上げによる増額のみ対応(数量増加による増額はNG)。
支給決定を受けた後、助成対象事業に取り組んだら指定された期間に実績報告を提出します。実績報告書(様式第10-1号)、経費明細・精算書(様式第10-1号別紙)、取組結果報告書(様式第10-2号)の書類が必要。これも全部、東京しごと財団の公式サイトからダウンロードできます。
2年目の申請から3年間の流れをもう少しイメージしたいですね。
図で示すと「取組期間(1年)→支給申請(3か月前〜2か月前)→審査→支給決定」というサイクルを3年繰り返す感じです。ただし各回の支給決定を受けることが前提。3年目まで受給するには2年目も漏れなく申請・決定を受ける必要があります。
- 変更申請は事前連絡必須: 承認前の契約は助成対象外
- 増額変更は年1回まで: 価格改定の証拠書類も必要
- 実績報告の期限も確認: 見逃すと助成金が受け取れない可能性がある
他に「これどうなの?」ってよく聞かれそうなこと、教えてもらえますか。
いくつかありますよ。まず「専門家派遣は2年目でも必要か」という質問。2年目は原則として専門家派遣は不要です。ただし取組計画を変更・追加する場合は、原則として再度専門家派遣が必要になります。
あ、じゃあ2年目の申請は手続き的には少し楽になるんですね。
基本的にはそうです。取組内容を変えずに継続する場合は、申請書類を提出するだけでいい。専門家はすでに1年目に最大3回来てもらっているので。
住宅の借上げで35歳の誕生日を迎えた場合はどうなりますか?
これ、細かいルールがあって面白くて。35歳の誕生日の前日までが助成対象です。民法の規定で誕生日の前日に満年齢に達したとみなされるので、正確には「35歳になった日の前々日」が最終日になります。ちょっとややこしいですよね(笑)
知らないと損ですね(笑)問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 採用定着促進支援係です。電話番号は03-5211-0397。受付時間は平日9時00分から17時00分(12時00分から13時00分を除く)です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 正式名称 | ES(社員満足度)向上による若手人材確保・定着事業助成金(2年目申請) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 実施機関 | 公益財団法人東京しごと財団 |
| 助成率 | 2分の1 |
| 助成上限額 | 最大300万円/年(住宅200万+食事50万+健康50万) |
| 助成対象期間 | 最大3年間 |
| 令和8年度前期受付 | 令和8年5月12日(火)〜令和8年8月7日(金)定員30社 |
| 令和8年度後期受付 | 令和8年8月17日(月)〜令和8年11月13日(木)定員30社 |
| 申請方法 | 郵送またはJグランツ(電子申請) |
| 問合せ | 東京しごと財団 03-5211-0397(平日9時00分〜17時00分) |
| 公式サイト | https://www.es-koujou.jp/ |
先着順というのが気になりますね。早めに動く必要がある。
特に前期は令和8年5月12日からすでに受付が始まっています。2年目申請の対象者は、取組期間の終了3か月前という申請期限も別途ありますから、自分の取組期間終了日から逆算して申請スケジュールを立てることが最優先です。
こういった人材確保・定着系の助成金って他にもあるんですか?
【令和8年度】働き方改革推進支援助成金もあります。こちらは勤務間インターバルや時間外労働の削減等の取組を支援するもの。ES向上助成金が「福利厚生で人材確保・定着」を目指すのに対し、働き方改革助成金は「職場環境・労働条件の改善」に特化しています。
この記事でいろいろわかりましたが、2年目申請を控えている会社への最後のメッセージを。
1年目で支給決定を受けたということは、取組計画も承認済みで専門家の指導も受けた状態ですよね。その投資を無駄にしないためにも、取組期間終了日を今すぐ確認して、申請タイミングをカレンダーに入れてください。3年間フルに活用すれば最大900万円。この制度、東京都内の中小企業にとってはかなり手厚い支援です。2年目・3年目の申請を確実に行って、若手が定着しやすい職場をつくっていきましょう!