室谷さん、最近「空港の脱炭素化」って言葉をよく聞くんですけど、具体的にどういうことなんでしょうね?
佐藤さん、飛行機が駐機中、エンジンをずっと回し続けてるのをご存じですか?あれ、APUっていう補助動力装置を使ってるんですよ。燃料バカ食いでCO2もバンバン出しちゃう。
えっ、駐機中もエンジン動いてるの?!!知らなかった…。じゃあ、そこを何かに切り替えようってのが今回の補助金ってわけですか。
その通り!今回の補助金は、駐機中の航空機に電気とか冷暖房を供給する設備を、従来のAPUから再エネ由来電力が使えるGPU(地上動力装置)に切り替える事業を支援するんです。
GPUっていうと、パソコンの画像処理ユニットじゃなくて?…(笑)
あはは(笑)、それとは全然違いますよ!地上動力装置の略。固定式と移動式があって、それぞれ補助率が違うんです。
でもなんで駐機中にエンジンつけっぱなしなの?バッテリーとかで補えないんですか?
機内の電気やエアコン、あとエンジン始動のための電力を確保する必要があるんですよ。昔はバッテリーでは足りなかったんです。でも今は、地上から電源を供給すればエンジン止めても大丈夫。この切り替えが脱炭素の超重要ポイントなんです。
なるほど。じゃあ空港側がGPUを導入すれば、航空会社も喜ぶし環境にもいいと。
まさに。国としても2050年カーボンニュートラルを掲げてるので、空港の脱炭素化は大きなテーマ。だからこそ、この補助金が用意されたんですね。
それで「再エネ活用型GPU」って書いてあるんですね。普通のGPUじゃダメなの?
今回の補助金のポイントは「再生可能エネルギー由来の電力が活用可能なGPU」であること。つまり、太陽光や風力で作った電気をそのまま使える設備じゃないと対象にならないんですよ。
なるほど…!じゃあ普通の商用電源だけじゃダメってことですか。
そういうことです。再エネ電力を調達する仕組みとセットで導入する必要があります。このあたりは公募要領で要確認ですね。
制度の概要がわかったところで、もっと具体的な特徴を教えてください!
まず名称がめちゃくちゃ長いんですけど(笑)、正式には「産業車両等の脱炭素化促進事業のうち、空港における脱炭素化促進事業① 空港における再エネ活用型GPU等導入支援」です。
長すぎて覚えられない!(笑)でも通称とかはあるんですか?
いや、公式には特に通称は設定されていないようです。私は「空港GPU補助金」って呼んでますけど、正しくはこの長い名前です。
それじゃあ佐藤的には「空港GPU導入支援」で覚えます!最大いくらもらえるんですか?
上限は1億5,000万円!結構な規模ですよ。補助率は固定式GPUで4分の1、移動式GPUで3分の1と、移動式のほうが若干高くなってます。
固定式は空港の駐機スポットに据え付けるタイプ。移動式は車両に搭載されてて、必要な場所に動かせるタイプです。補助率が違うので、どちらを選ぶかで金額が変わってきますよ。
じゃあ移動式の方がお得?って単純に思っちゃいますけど。
ただし、固定式は大容量で安定供給できるメリットがあります。移動式は柔軟性が高い。一概にどっちがいいとは言えませんね。
固定式GPUと移動式GPUの比較| 項目 | 固定式GPU | 移動式GPU |
|---|
| 補助率 | 補助対象経費の4分の1 | 補助対象経費の3分の1 |
| 設置方法 | 駐機スポットに据え付け | 車両搭載で移動可能 |
| 特徴 | 大容量・安定供給 | 柔軟な運用が可能 |
補助金って、1事業者で1回しか申請できないイメージがあったんですけど、複数申請ってできるんですか?
できます!jGrantsの基本情報にも「複数申請: 可」と明記されています。でも、同じ事業で重複して補助を受けられるわけじゃないので注意してくださいね。
つまり、固定式と移動式を両方導入する場合、それぞれ別の事業として申請できるってこと?
その解釈で大丈夫だと思います。ただし、予算の上限に達したら公募が終了する可能性もあるので、早めの申請がおすすめです。
さっき上限1億5,000万円って言いましたけど、具体的な計算を教えてほしいです!
まず補助率は固定式GPUが補助対象経費の4分の1、移動式GPUが3分の1です。上限額はいずれも1億5,000万円。つまり、固定式なら経費が6億円までなら4分の1でカバーできる計算ですね。
6億円もかかるの?!GPUってそんなに高いんですか。
固定式だと大型の設備工事も含めて結構な金額になります。でも補助金で4分の1が戻ってくるので、企業負担は4分の3。それでも大きいですね。
じゃあ移動式の場合は、経費が4億5,000万円までなら3分の1でカバーできると。
これは推測ですが、移動式GPUはまだ普及途上でコストが高いからじゃないですかね。優遇することで導入を促進したい意図があるんだと思います。ただし、公式な理由は公募要領でご確認ください。
なるほど、なるほど。じゃあうちの空港ではどっちがいいか、ちゃんと検討しないとですね。
例えば固定式GPUを導入するとして、設備費と工事費で2億円かかったとします。補助率4分の1、つまり25%なので、補助額は5,000万円。上限の1億5,000万円以内なので全額もらえます。
じゃあ4億円かかったら1億円、6億円で1億5,000万円って感じですか!
そうです。ただし上限を超える部分は自己負担です。事業計画を立てる時は、上限を意識した金額設計が重要ですね。
基本的にはGPU本体の購入費と、設置に必要な工事費、それに付帯する設備費などです。ただし、再エネ電力の活用が可能な設備であることが条件です。詳細は公募要領の別紙をチェックしてくださいね。
申請できるのはどんな事業者ですか?やっぱり空港会社だけ?
いえいえ、結構幅広いんですよ。応募資格として、ア)民間企業、イ)地方公共団体、ウ)一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人、エ)その他環境大臣の承認を経て財団が認める者、オ)補助対象の設備等をア)〜エ)にファイナンスリースにより提供をする契約を行う民間企業。これら全てが対象です。
オ)って面白いですね。リース会社も申請できるんですか!
そうなんです。設備をリースで提供する事業者も申請者になれます。これで導入のハードルが下がりますね。
ア)の「民間企業」に含まれるかどうかは、公募要領で確認が必要です。一般的な補助金では個人事業主も対象になることが多いですが、断言はできません。必ず公募要領を確認してください。
わかりました。でも業種のリストを見ると「運輸業、郵便業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「サービス業」「公務」「金融業、保険業」とあるので、空港関係以外も対象になりそうですね。
そうですね。例えば空港内で給油サービスを提供する会社や、空港施設の管理運営を行う会社なども該当するかもしれません。
中小企業しかダメとか、従業員数の制限はありますか?
jGrantsの情報には「従業員数の制約なし」と明記されています。つまり大企業でも申請可能。売上高の制限も特に書かれていません。
えっ、大企業でももらえるんですか!これはすごいですね。でも補助率が4分の1と低めなのは、大企業でも自己負担が大きいからってことですかね。
あはは(笑)、そうかもしれませんね。でも上限1億5,000万円は大きいので、しっかり活用したいところです。
ここからは経費の話をもっと深掘りします。対象になるものとならないもの、教えてください!
基本的には補助対象経費は「GPU導入に直接必要な費用」です。具体的には、本体価格、設置工事費、配線工事費、それに再エネ電力活用のための設備(太陽光パネルや蓄電池など)も含まれる可能性があります。
入ります。ただし、間接経費(一般管理費)は対象外になるケースが多いので注意が必要です。
例えば、GPU本体の購入費、基礎工事費、電気工事費、システム制御盤の設置費、それに再エネ電力を供給するための設備費などです。いずれも補助対象経費として認められるかどうかは、申請前に執行団体に確認するのがベストです。
例えば、通常の維持管理費や保守費用、既存設備の撤去費用、それに土地の取得費などは対象外の可能性が高いです。あと、リース契約の場合のリース料も直接の補助対象にはなりにくいですね。
注意点がいくつかありそうですね。申請前にしっかり確認しなきゃ。
対象経費の目安- GPU本体の購入費
- 設置工事費
- 電気工事費
- 再エネ電力活用設備費
- システム制御盤設置費
×デメリット
- 保守・維持管理費
- 既存設備撤去費
- 土地取得費
- 一般管理費
- リース料(直接補助対象外)
申請の具体的な流れを教えてください!やっぱりjGrantsからなんですか?
はい、jGrants(日本政府の補助金ポータル)から電子申請します。ただし、申請後には執行団体にメール送信が必要という特殊な手順があるんですよ。
なるほど!これを忘れると受理されない可能性があるんですね。要注意!
補助金申請の流れ- 1
GビズIDを取得
事前にアカウントを発行(電子申請に必須)
- 2
公募要領と様式をダウンロード
jGrantsからPDFとエクセルファイルを取得
- 3
申請書類を作成
様式1〜3、計算ファイル、チェックリストなど
- 4
jGrantsから電子申請
必要事項を入力しファイルをアップロード
- 5
申請後メール送信
port_oubo@heco-hojo.jpに【申請済みである旨】を送信
- 6
- 7
事業実施・完了
2027年2月26日までに事業を完了
jGrantsのページにアップロードされている様式を確認してください。例えば、応募申請書(様式1)、実施計画書(様式2)、経費内訳(様式3)、ハード対策事業計算ファイル、提出書類チェックリストなどがあります。
エクセルファイルもあるんですね。結構ボリュームありそう。
そうなんです。特に実施計画書では、再エネ電力の調達計画や導入効果の試算をしっかり書く必要があります。ここが審査のポイントになります。
どうすれば採択されやすくなりますか?コツを教えてください!
まず大事なのは「事業の具体性」です。ただ「GPUを導入します」ではなく、どのメーカーのどの機種を、いつまでに、いくらで導入するのか。具体的な計画が必要です。
そして「再エネ電力の活用方法」を明確にすること。単に商用電源を引っ張ってくるのではなく、太陽光発電や再生可能エネルギー証書の購入など、どうやって再エネを調達するのかを具体的に示しましょう。
補助金の目的が「再エネ活用型GPUの導入」ですからね。そこがブレるとダメだと。
やっぱり「CO2削減効果」ですね。どのくらいCO2が減るのか、数値で示す必要があります。APU使用時と比較してどれだけ削減できるか。計算ファイル(Fファイル)を使って正確に算出しましょう。
数字が大事ってことですね。あとは再エネ調達の実現性も重要そう。
そう。例えば「自社で太陽光パネルを設置して発電した電力を使う」なら、その設置計画も併せて示す必要があります。または「電力会社から再エネプランで購入する」なら契約の見通しを書く。
見積もりを複数社から取って、適正価格であることを示すことです。1社だけの見積もりだと、高い買い物をしてるんじゃないかと疑われかねません。
相見積もり大事ですね!あと補助対象経費とそうでない経費をきちんと分ける必要がありますよね。
そうです。対象外の経費を混ぜて計上すると、全体の審査に影響する可能性があります。経費内訳は正確に。
令和8年度(2026年度)のスケジュールを教えてください!
募集期間は2026年5月21日から2026年10月30日まで。事業完了期限は2027年2月26日です。
結構長いですね。でも、予算の上限に達したら途中で終了する可能性もあるんですよね?
その通りです。環境省のプレスリリースにも「予算の上限額まで達することが判明した場合は、以降の公募受付を終了」とあります。早めの申請が賢明です。
特に大規模案件は早く動かないと、予算が尽きる可能性があるってことか。注意します!
月単位で応募案件を取りまとめて、審査・採択する方式のようです。つまり毎月締切があって、その月に申請した分をまとめて審査する感じ。申請が遅くなると、その分審査も後回しになります。
じゃあ5月に申請すれば早く結果がわかる可能性が高いですね。
そうですね。ただし、事業完了期限は2027年2月26日なので、採択されてから実際に設備を導入して完了報告までに十分な期間を確保できる計画を立てましょう。
令和8年度 スケジュール2026年5月21日
公募開始
要領公開・申請受付開始
2026年5月〜10月
月単位審査
毎月とりまとめ・審査
2026年10月30日
公募締切
最終受付(予算上限に達した場合は早期終了)
2027年2月26日
事業完了期限
設備導入・実績報告完了
最後に、この補助金の基本情報をまとめてください!申請を検討する人がすぐに確認できるように。
いやあ、すごく詳しくわかりました!最後に、申請を検討している人へのメッセージをお願いします!
この補助金は空港の脱炭素化に大きく貢献できる制度です。上限1億5,000万円と規模も大きく、複数申請も可能。ぜひ早めに公募要領を確認して、準備を始めてください。わからないことがあれば、執行団体の北海道環境財団に問い合わせるのが一番確実ですよ!
ありがとうございました!これで読者のみなさんも安心して申請準備に取り掛かれますね!
それでは、また次回の補助金解説でお会いしましょう!