室谷さん、今日は「建築GX・DX推進事業」について教えてください!聞いただけでなんだかすごそうな名前ですけど(笑)
佐藤さん、まさにその通りです!この事業、建築業界にとって非常に重要な制度なんです。一言で言うと、建築物のライフサイクル全体でのCO2削減(GX)と、BIMを使った生産性向上(DX)を一気に推進するための国策です!
ライフサイクルって、建てるときだけじゃないんですね。へえ~。で、BIMって最近よく聞くけど、具体的にどう使うんですか?
そうですね。まずは制度の全体像をつかんでいただくために、図解を用意しました。GXとDX、それぞれに支援の柱があるんです。
建築GX・DX推進事業の2つの柱GX(グリーントランスフォーメーション)
LCCO₂評価の実施によるCO2削減。設計事務所、建設会社に加え、発注者が主体となって実施する場合も支援の対象です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)
複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合の設計費及び建設工事費の一部を補助。小規模や改修プロジェクトも対象です。
なるほど!GXとDX、両方まとめて申請できるってことですか?それともどちらか一方だけでもいいんですか?
事業としては、この2つを一体的に支援することを目的としていますが、どちらか一方だけでも申請可能です。特に注目なのが、小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象としている点。中小事業者でも使いやすい設計になっています!
待ってください、室谷さん。「LCCO₂評価」って言葉、初めて聞きました!普通のCO2削減とは違うんですか?
いい質問です!「LCCO₂」は「ライフサイクルカーボン」の略で、建材を製造する段階から、建設、運用、そして将来の解体・廃棄まで、建築物の一生涯すべてのCO2排出量を算定・評価するんです。
えっ、そんな細かいところまで評価するんですか!それはすごい手間がかかりそうですね…。でも、それに対する補助金が出るなら、挑戦しがいがありますね!
おっしゃる通りです。この評価を実施するための費用(LCCO₂評価実施費用)が補助の対象になります。しかも、設計事務所や建設会社だけでなく、発注者(ビルを建てたい企業など)が主体でやってもOKなんです。これは大きなチャンスですよ!
発注者も対象って、珍しいですね!じゃあ、ビルを新築したい企業が「うちで評価をやるから補助金をください」って言えるんですか?
その通りです!この制度のユニークな点のひとつですね。建築主自らが率先して環境価値の高い建物を建てようとする取り組みを、国が後押ししているんです。
ここからはみんなが一番気になるお金の話です!「建築GX・DX推進事業」で、いくらもらえるんですか?上限額はいくらですか?
佐藤さん、ここがこの制度を理解する上で一番重要なポイントなんです。実は、補助上限額と補助率については、募集要領で確認してくださいとされているんです。
えっ!そうなんですか!?それはちょっと不安ですね…。ざっくりでもいいので、教えてくれないんですか?
申し訳ありません。私どもから「こうです」とお伝えできる数字が、現時点では提示されていないんです。ですので、まずは公式の募集要領を必ずダウンロードして、ご自身のプロジェクトがいくらもらえるのか確認することが絶対条件です!
マジですか…それは盲点でした。じゃあ、申請する前に自分で調べろと。
そういうことになります。ただ、代わりに「どんなお金に使えるのか」という対象経費の詳しい情報をお伝えできます。ここをしっかり押さえておかないと、もらえるお金も計算できませんからね!
それは助かります!じゃあ、具体的に何に使えるんですか?
大きく分けて2つのパターンがあります。1つ目は、複数の事業者が連携して建築BIMデータの作成等を行う場合の設計費及び建設工事費の一部。2つ目は、建築物のLCCO₂評価を行う場合のLCCO₂評価実施費用です。
なるほど。じゃあ、うちの会社のBIMソフトを買うのにも使えますか?
そこは注意が必要です。あくまで「BIMデータの作成」に対する設計費や工事費の一部補助であって、ソフトウェアの購入費用そのものが直接の補助対象になるとは限りません。細かい線引きは公募要領で確認してください。ここで、対象経費と対象外になりそうなものを整理してみましょう。
補助対象経費と対象外経費のイメージ- 複数事業者連携によるBIMデータ作成の設計費
- BIMデータ作成に関連する建設工事費の一部
- LCCO₂評価を実施するための評価費用(発注者主体もOK)
- 小規模プロジェクトや改修プロジェクトの関連費用
×デメリット
- BIMソフトウェアの購入費用(単体)
- 通常の建設工事費(BIMに関連しない部分)
- LCCO₂評価に関係のないコンサル費用
- 補助事業完了後のランニング費用
ああ、やっぱりソフト代は対象外になりそうなんですね。でも、BIMを使った設計や工事の経費が補助されるなら、新しい事業に挑戦する大きな後押しになりますね!
その通りです。特に「小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象」という点は、これまで大規模案件しか対象にならなかった他の補助金と一線を画す部分です。このチャンスを活かさない手はないですよ!
では、申請できるのはどんな人ですか?やっぱり大企業だけなんですか?
いいえ、そんなことはありません。制度の対象業種は建設業です。つまり、建設会社、設計事務所、土木会社、そして個人事業主の方でも、建設業を営んでいれば対象になります!
個人事業主でもいけるんですか!それは嬉しいですね。しかも全国対象ですし。
はい。さらに、先ほども触れましたが、発注者(ビルや住宅を建てたい事業者)が主体でLCCO₂評価をする場合も支援対象になります。ですので、建設業者以外の企業でも、自社ビルを環境配慮型にしたいという場合は申請を検討できます。
へえ、そうなんだ。じゃあ、飲食店をやってる社長が、新しい店舗をエコな建物にしたいから補助金をもらう、ってことも可能なんですか?
その認識で基本的に問題ありません。ただし、発注者として申請する場合でも、事業としては「建設業」に該当する取り組みである必要があるので、詳細は募集要領でご確認いただくのが確実です。
もう一つ気になるのが「複数の事業者が連携して」という部分です。これって、必ず誰かと組まないと申請できないんですか?
良いところに気づきましたね。BIMデータを作成するタイプの事業(DX型)に関しては、複数の事業者が連携することが前提になっています。
え~、じゃあウチ一社だけで頑張ろうと思ってる会社は不利ですか?
いえいえ、連携の形は様々です。例えば、設計事務所とゼネコンが組んだり、地域の工務店が数社でコンソーシアムを組んだりするのも想定されています。単独では難しいBIM導入を、連携することで実現しようというのが国の狙いなんです。
なるほど。じゃあ、LCCO₂評価のほうは連携は必須じゃないんですか?
その通りです。LCCO₂評価(GX型)については、単独の事業者でも評価を実施すれば補助対象になります。設計事務所や建設会社だけでなく、発注者が自ら評価を行う場合も、連携は必須ではありません。ここの違いはしっかり押さえておきましょう!
ここからはスケジュールを確認しましょう。いつからいつまでに申請すればいいんですか?
募集期間は、令和8年7月1日 から 令和8年9月30日 までです。
佐藤: えっ!もう始まってる!?あと3カ月しかないじゃないですか!
室谷: そうです(笑)。募集期間は約3カ月間。結構短いので、今から準備を始めないと間に合いません。公式サイトでも、令和8年4月7日には事業開始がアナウンスされていました。
マジですか!これは急がないと。でも、具体的に何を準備すればいいのか、スケジュール感が分かりません。
では、ざっくりとした公募スケジュールを図解にしてみました。こちらを見てください。
建築GX・DX推進事業 公募スケジュール(令和8年度)2026年4月
事業開始・説明会
1回目・2回目の説明会が開催。募集要領(案)も公開。
2026年7月1日
募集開始
いよいよ正式な募集要領が公開。申請受付スタート。
2026年7月~9月
申請期間
この間に必要書類をそろえ、jGrantsから電子申請。
2026年9月30日
募集締切
この日までに申請が完了している必要あり。時間に余裕をもって。
うわ、もう始まってるんだ…。ということは、今この瞬間も準備を始めるべきなんですね!
その通りです。特に、後ほどお伝えする「GビズID」の取得には1週間から2週間ほどかかる場合もあるので、すぐに動き出しましょう!
室谷さん、ちょっと待ってください。GビズIDって何ですか?また新しい言葉が出てきましたよ!
これがとても重要なんです。この補助金に限らず、最近の国の補助金申請は、jGrants(ジェイグランツ) という電子申請システムを使うのが当たり前になっています。そのjGrantsにログインするために必要なのが、GビズID(Gov-Biz ID)というアカウントなんです。
つまり、補助金を申請するための「電子印鑑」みたいなものですか?
まさにその例えがピッタリです!会社の登記情報と紐づいたIDで、これがないと申請書類を提出できません。事前に取得しておく必要があります。
なるほど。じゃあ、今すぐ会社でGビズIDを取る手続きを始めないと!
そうですね。代表者本人の確認書類などが必要になるので、担当者だけでなく、経営層にも協力してもらいながら進めてください。申請直前になって焦らないためにも、準備はお早めに!
申請に必要な書類って、どんなものがあるんですか?想像するだけで頭が痛いです(笑)。
気持ちは分かります(笑)。でも、案外そろえるものは決まっています。まずは**公式サイト(gxdx.jp)**から、以下の書類をダウンロードしてください。
- 交付申請書(所定様式1)
- 事業計画書
- 収支予算書
- 補助事業実施体制図
- 共同事業実施規約(複数事業者で組む場合)
うーん、やっぱりたくさんありますね。特に「共同事業実施規約」って、法律的な文書になりそうでハードルが高いです。
ご心配には及びません。公式サイトには記入例や参考様式が用意されています!このサンプルを参考にすれば、初めての方でもそれほど難しくなく作成できるはずです。ただし、BIMデータの作成方法やLCCO₂評価の計画は、専門的な内容になるので、ある程度の準備期間を見ておいたほうがいいでしょう。
書類ができたら、いよいよ申請ですね。手順を教えてください!
申請はすべて**jGrants(ジェイグランツ)**というポータルサイトから行います。流れを図解にしましたので、確認してください。
補助金申請の流れ(建築GX・DX推進事業)- 1
GビズIDを取得
会社の代表者でアカウントを発行。1~2週間程度かかることも。
- 2
公募要領を確認
補助対象経費・要件・上限額を徹底チェック。ホームページからダウンロード。
- 3
申請書類を作成
所定様式をダウンロードし、BIM計画やLCCO₂評価計画を記入。
- 4
jGrantsから申請
作成した書類をアップロードし、電子申請。完了メールを確認。
- 5
採択通知を待つ
審査を経て、採択の可否が通知される。不備があれば修正対応。
- 6
補助事業の実施
採択後、計画に従ってBIMデータ作成や評価を実施。実績報告が必要。
なるほど!意外とステップはシンプルですね。でも、最初のGビズID取得でつまずく人が多そうです。
おっしゃる通りです。ですので、まずは**「GビズIDを持ってますか?」**という確認から始めるのが良いでしょう。もしなければ、今すぐ取得手続きを開始してください。
さて、せっかく準備しても「不採択」になったら悲しすぎます。審査ではどんなところが見られるんですか?
審査の詳細な基準は公表されていない部分もありますが、この事業の目的を深く理解することが、採択への近道だと私は考えます。
そうです。この補助金は、単に「BIMデータを作ります」「LCCO₂を評価します」というお金の補填ではなく、建築業界全体の生産性向上とカーボンニュートラルを加速させることが究極の目的です。
なるほど。だから、ただやるだけじゃなくて、その取り組みが業界全体にどう波及するか、みたいな視点も必要なんですね。
その通りです。例えば、複数の事業者が連携することで、地域の建設業界全体のBIMレベルが底上げされるような計画は、非常に高く評価されるでしょう。
もう一つ気になるのが、中小企業と大企業の差です。大手ゼネコンに負けないためには、どうすればいいですか?
ここで再確認してほしいのが、この制度が小規模プロジェクトや改修プロジェクトも対象としている点です。これは明らかに、中小事業者でも活用しやすいように設計されている証拠なんです。
あ、本当だ!じゃあ、大手と同じ土俵で大型案件で競う必要はないんですね。
そうです。むしろ、中小事業者ならではの 「きめ細かい連携」や「地域密着型の評価」 をアピールすると良いでしょう。例えば、地元の工務店が設計事務所と連携して、地域の空き家を改修し、そのLCCO₂評価まで行う、といった事業は非常に魅力的に見えるはずです。
それはいいアイデアですね!やっぱり、室谷さんの言う通り、目的を理解して、自分たちのストーリーを組み立てるのが大事なんですね。
はい。ただ、審査の具体的なポイントについては、公式の募集要領に詳しく書かれている可能性があります。必ずチェックしてくださいね。
ここで、視聴者の方からよく聞かれそうな質問をまとめておきましょう。
そうですね。私のところにも多くのお問い合わせをいただくので、いくつかピックアップして回答を用意しました。
最後に、この記事のまとめです。今日の内容を振り返って、大事なポイントを教えてください。
分かりました。制度の概要、対象者、スケジュール、そして補助額の確認方法。これらをしっかり押さえておけば、申請の準備はバッチリです。最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
ありがとうございました!今日の話を聞いて、この補助金の可能性がとてもよく分かりました。特に 「小規模でもOK」 というのが、中小企業の多い建設業界には大きなチャンスですね!
その通りです。ぜひ、皆さんの事業に活かしてください。何か質問があれば、遠慮なく実施支援室に問い合わせてみてくださいね!
これで安心して準備に取り掛かれます。室谷さん、本日は本当にありがとうございました!