室谷さん、今回のテーマは「次世代航空機の研究開発に関する調査」ですよね。名前がけっこう長くて、しかも「調査」って付いてる。どんな制度なんですか?
そうですね(笑)。名前だけ見ると「え、調査?」って思いますよね。サクッと言うと、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募している事業で、次世代航空機に関する市場動向や各国のプロジェクト状況、技術動向を調べて整理・分析するという内容です。
なるほど。つまり、航空機の研究開発そのものではなくて、その“前段階”の調査なんですね。
その通り!「研究開発に関する調査」という位置づけです。国内外でCO2排出の大幅な削減を目指して次世代航空機の研究開発が進んでいて、その全体像を把握するのが目的ですね。具体的には、各国の政府プロジェクトの状況とか、企業の研究開発の状況、あとは水素インフラに関する分析・考察も含まれます。
水素インフラ?航空機と水素ってどう関係するんですか?
いい質問です!次世代航空機では水素燃料を使う構想もあるんですよ。だから、そのためのインフラ整備の状況も調査対象になってる。かなり幅広い調査ですね。
この調査をNEDOが委託するってことですね。事業分類は「調査等」と書いてありますけど、これってどういう意味なんですか?
そこがポイントです。この制度は**補助金ではなく「委託事業」**に近いんです。NEDOが「この調査をやってください」と委託して、実施者が調査を行う。だからjGrantsのページにも「補助上限額 -」「補助率の記載なし」ってなってるんですよ。
あ、確かに。補助金だと「上限いくら」とか「補助率2/3」とか書いてあるけど、このページは全部ハイフンか空欄ですもんね。
そうです。補助金の形式ではないというのが、まず押さえておくべきポイントです。
制度の3つの特徴「調査」が事業内容
次世代航空機に関する市場動向や技術動向、各国プロジェクトの情報を収集・分析する
NEDOの委託事業
補助金ではなく、NEDOとの委託契約で実施する。補助上限額や補助率の設定なし
公募期間が約3週間
2026年7月13日~7月31日と短め。説明会は7月21日
補助金じゃないんだ、というのが一番の驚きですね。じゃあ、お金の流れも普通の補助金とは違うってことですか?
そうですね。ただ、詳しい費用の負担関係は公募要領で要確認です。NEDOの委託事業の場合、一般的には採択された経費の全額が支払われるケースもありますが、この公募の詳細は公募要領や仕様書に書かれているはずです。
なるほど。まずは公募要領をしっかり読めと(笑)。ところで、この調査の事業期間はどのくらいなんですか?
事業期間は2026年度です。つまり、来年度1年間の事業ですね。
じゃあ次は、誰が応募できるのか見ていきましょう。業種が「学術研究、専門・技術サービス業」って書いてありますけど、これって結構狭くないですか?
確かにそう見えますよね。でも、実際には「企業(団体等を含む)、大学等」とNEDOのページに書いてあるので、けっこう幅広いんですよ。
え、そうなんですか?じゃあ製造業の会社はダメってことじゃないんですか?
いやいや、そこは誤解しやすいポイントなんですけど、jGrantsの業種分類はあくまで制度のカテゴリ分けです。NEDOの募集要項には「対象者:企業(団体等を含む)、大学等」と明確に書いてあります。つまり、航空機メーカーも素材メーカーも、大学も研究機関も対象です。
ああ、良かった。じゃあ、うちみたいな編集プロダクションでも応募できるんですか?(笑)
ははは(笑)。調査内容が「次世代航空機の研究開発に係る市場動向や技術動向」ですから、その分野の知見や調査能力があるかどうかがポイントですね。もちろん、応募自体は誰でもできますよ。
jGrantsの条件に「従業員数の制約なし」ってありますね。つまり、零細企業でも大手でも関係ない?
その通りです。従業員数の上限はありません。それと、対象地域は全国ですから、どこに拠点があってもOKです。
これはいいですね。地方の大学でも、研究機関でも応募できる。
そう。NEDOの委託事業は全国から広く公募するのが基本ですからね。
複数の会社や大学でコンソーシアム組んで応募するって形はありなんですか?
NEDOの公募ページには「単独またはコンソーシアム(複数機関の共同体)での応募が可能」とは明記されていませんが、一般的なNEDO委託事業のパターンから言うと、可能性は十分あります。
じゃあ、明確に「コンソーシアムで!」って書いてないから、まずは単独で応募するのが無難ですか?
いや、そうとも言い切れないんです。調査の内容が「市場動向や各国プロジェクトの状況、技術動向」と多岐にわたるので、複数の専門性を組み合わせた方が提案が通りやすい可能性はあります。例えば、航空機の技術に詳しい企業と、水素インフラに詳しい研究機関が組むとかね。
なるほど、提案の内容次第ってことですね。ただ、NEDOのページには「コンソーシアムでの応募が可能」とまでは書いてないから、正確なところは公募要領で確認ですね。
そう!そこは大事なポイントです。「公募要領で確認する」という姿勢を忘れずに。
さて、一番気になるお金の話です。jGrantsのページには「補助上限額 -」「補助率の記載なし」とあります。つまり、いくらもらえるのか分からないってこと?
まあ、そういうことになりますね(苦笑)。補助上限額の記載はありません。補助率の記載もありません。
ええっ!じゃあ、無償で調査しろってことですか?(笑)
いやいや(笑)、そんなことはないですよ。この制度は補助金ではなく委託事業なので、採択された場合はNEDOとの委託契約を結んで調査を実施します。契約に基づいて、調査に要する経費が支払われる仕組みです。
つまり、上限額は決まっていないけど、実際にかかった経費が支払われる?
そこは公募要領と仕様書で確認してくださいとしか言えないんです。一般的なNEDO委託事業では、提案書に積算した経費を記載して、それをもとに契約金額を決めるケースが多いです。
じゃあ、いくら欲しいかは自分で計算して提案するって形ですか?
そういう理解で間違いないです。ただし、妥当な経費であることが求められます。人件費、旅費、外注費などを積算して、なぜその金額が必要なのか説明する必要があります。
ここで一旦整理したいんですけど、普通の補助金とこの「委託事業」って何が違うんですか?
補助金と委託事業の違い補助金
- 補助率が設定されている(例:2/3など)
- 上限額が決まっている
- 自己負担が必要
- 採択後は補助金交付決定
- 補助率の設定なし
- 上限額の記載なし(応相談)
- 原則、NEDOが経費を負担
- 採択後は委託契約を締結
なるほど。委託事業の方が、お金の面では手厚い可能性があるんですね。でも、その分、NEDOの求める水準に応えなきゃいけない。
そうです。**「お金をあげます」ではなく「この調査を発注します」**という関係です。だから、提案書の内容が非常に重要になってくる。
じゃあ、具体的にどんな経費が対象になるんですか?人件費とか旅費とか?
はい。NEDOの委託事業で一般的に対象となる経費としては、人件費、設備費・装置費、材料費・消耗品費、旅費、外注費、その他経費が挙げられます。
結構いろいろありますね。特に「設備費・装置費」って、調査でどう使うんですか?
調査と言っても、単に文献を読むだけじゃないんですよね。例えば、水素インフラの分析にはシミュレーションソフトが必要かもしれない。海外のプロジェクト情報を収集するためのデータベース利用料もかかるかもしれない。そういうものも含めて「設備費・装置費」になり得ます。
なるほど。じゃあ、パソコンを買う費用も対象になる?
そこは公募要領で要確認です。一般的な委託事業では、備品の購入は対象になったりならなかったりするので、事前に確認が必須ですね。
逆に、これは対象にならないよ、という経費はありますか?
よくあるのが、事業に関係のない経費ですね。例えば、自社の事務所家賃の一部を計上するのは難しいでしょう。あとは、飲み会代とか、事業と直接関係のない交際費も対象外です。
対象経費のイメージ- 人件費(調査に従事するスタッフの給与)
- 設備費・装置費(調査用ソフトウェア、データベース利用料など)
- 材料費・消耗品費(文献コピー代、文具など)
- 旅費(海外調査の出張費、国内の関係者ヒアリング旅費)
- 外注費(アンケート調査委託、翻訳料など)
×デメリット
- 事業と直接関係のない一般管理費(自社家賃、光熱費など)
- 交際費・接待費
- 事業終了後に使用する備品
- 他の補助金と重複する経費
この「外注費」って、全部外注に出すってのはありなんですか?
それは基本的にはNGですね。委託事業では「自ら実施する」ことが求められます。外注はあくまで補助的な位置づけ。全部外注だと「じゃあ、あなたの会社は何をするの?」ってなりますから(笑)。
確かに。自社の強みを活かした調査が必要ってことですね。
ここからは実際の申請手続きを見ていきましょう。まず、申し込み方法はどうなってるんですか?
応募はJグランツという電子申請システムを使います。NEDOのページには「Jグランツで申請する」というボタンがありますね。
Jグランツって、他の補助金でもよく使われるシステムですよね。
そうです。デジタル庁が運営している政府の補助金ポータルです。事前にアカウント登録が必要なので、まだの人は早めにやっておきましょう。
2026年7月31日(金)正午までです。公募開始が7月13日なので、約3週間しかありません。
えっ、3週間?!けっこう短いですね。バタバタしそう。
そうなんです。だから、準備は早めに始めることが大事です。特に、公募要領や仕様書を入手して、要件を確認するところからスタートですね。
申請の流れ- 1
公募情報の確認
NEDOのページから公募要領・仕様書・提案書様式をダウンロード
- 2
説明会への参加(推奨)
2026年7月21日(火)11時~12時、オンライン(Teams)。申込期限は7月17日(金)正午
- 3
提案書の作成
所定の様式(提案書・提案者情報・情報管理体制確認票)を作成
- 4
Jグランツで応募
2026年7月31日(金)正午までに電子申請。持参・郵送・FAX・メールは不可
- 5
審査・採択
書面審査後、採択されればNEDOと委託契約を締結
- 6
説明会に参加するのが推奨って書いてありますね。これって必須じゃないんですか?
必須ではありませんが、**「応募予定の方は可能な限り出席してください」**とNEDOのページに書いてあります。事業内容や公募手続きの留意事項を直接聞ける貴重な機会ですから、出られるなら絶対に出た方がいいですよ。
説明会の申し込み期限が7月17日(金)正午までで、本申し込みより2週間も早いんですね。これ、見落としそう。
そこは要注意ポイントです。しかも、1つの企業等から複数人参加する場合も、必ず個人ごとにお申し込みが必要です。代表者がまとめて申し込むのはNGです。
え、そうなんだ。じゃあ、うちから3人行くなら3人分申し込まないといけないんですね。
そうです。そして、お送りした会議URLの転送等はお控えくださいとも書いてあります。セキュリティ関係でしょうね。
NEDOのページの「資料」欄に、以下のファイルがあります。
- 公募要領(509KB)
- 仕様書(215KB)
- 別添1:提案書(72KB)
- 別添2:提案者情報(24KB)
- 別添3:NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票(75KB)
- 事前相談申込書フォーマット(10KB)
結構書類ありますね。特に「情報管理体制の確認票」って、何を書くんですか?
NEDOの委託事業では、情報管理の体制が重要視されます。特に航空機関連は安全保障の観点からも機密性が高い。だから、社内でどう情報を管理するかを具体的に示す必要があるんです。
なるほど。そういう書類も含めて、提案書作成にはけっこう時間がかかりそうですね。
そうですね。3週間の公募期間ですが、書類を集めて、提案書を書いて、社内の決裁をもらって…と考えると、実質的にはもっと短いかもしれません。事前相談も可能なので、早めに動き出すのが得策です。
審査では具体的にどんなところが見られるんですか?これが採択の命運を分けるわけですよね。
そうですね。NEDOの委託事業の審査は、外部有識者による書面審査が基本です。この調査の場合は、特に以下のポイントが重要だと思います。
なるほど。**「ただの情報収集じゃダメ」**ってことですね。分析して、意味のある示唆を出さないと。
そうです。この調査の目的は「研究開発を取り巻く状況変化の及ぼす影響、技術や水素インフラに関する分析・考察」ですから、「だから何なのか」まで踏み込む必要があります。
例えば、「欧州では水素燃料航空機の実証プロジェクトが10件進行中」という情報を集めるだけじゃなくて、「そのうち何件が日本にとって技術的な優位性を発揮できる領域か」「日本の研究開発戦略にどう活かすべきか」という示唆まで求められます。
つまり、単なるリサーチ会社じゃなくて、コンサルティング的な分析力が必要ってことですね。
まさにその通りです。だからこそ、提案書では自社の分析フレームワークや過去の類似実績をしっかりアピールすることが重要です。
NEDOのページに「事前相談申込書フォーマット」がありますね。これを使うと、応募前にNEDOに相談できるってことですか?
そうです。提案内容について事前にNEDOの担当者と相談できる仕組みです。これは積極的に使った方がいいですね。
相談することで、NEDOが求めている方向性を確認できるってことですね。
そう。書面だけでは伝わりにくいニュアンスも、話せば分かりますからね。ただし、事前相談をしたから採択されるわけではないので、その点は誤解しないでください。
ここで全体のスケジュールをおさらいしておきましょう。
公募スケジュール2026年7月13日
公募開始
NEDOのページで公募要領・仕様書を公開
2026年7月17日(金)正午
説明会申込締切
オンライン説明会(7月21日)への参加申し込み期限
2026年7月21日(火)11時~12時
説明会開催
Microsoft Teamsによるオンライン説明会
2026年7月31日(金)正午
応募締切
Jグランツでの電子申請、期限厳守
2026年8月以降
審査
書面審査後、採択通知
2026年度中
事業期間
契約締結後、調査を実施し報告書提出
これを見ると、7月13日から7月31日までが勝負ですね。しかも、お盆の時期とかぶる可能性もある。
そうなんですよね。夏休みシーズンと重なるので、社内の決裁ルートを確認しておかないと、締切に間に合わない可能性があります。
あと、説明会の申込が7月17日と、けっこう早い。ここを見落としがちですね。
本当にそこは注意ポイントです。説明会に出たいなら、公募開始から4日後には申し込まないといけない計算になります。
ここで、よくある質問をいくつかまとめておきましょう。
まず、「この調査の成果物は何ですか?」 これは大事ですよね。
公募要領や仕様書に詳細が書かれているはずですが、一般的には調査報告書がメインの成果物になります。それに加えて、プレゼンテーション資料やデータ集などが求められる可能性もあります。
これは可能なケースが多いですが、リソースの重複がないように注意が必要です。同一経費の二重計上は絶対にダメなので、別の事業で同じ人件費を計上するようなことは避けましょう。
必ずしもそうとは限りませんが、調査能力をどう示すかが鍵になります。過去実績がなくても、例えば、大学の研究室が持つ専門知識やデータベースへのアクセス権などをアピールすれば勝負できます。
NEDOのページに「契約約款」のリンクがあります。公募参加にあたっては、契約約款をご確認くださいと書いてありますから、必ず読んでおきましょう。
この調査は海外のプロジェクト状況も対象ですから、英語の文献を読む力は必要でしょう。ただし、提案書や報告書は日本語で大丈夫です。
はい。この「次世代航空機の研究開発に関する調査」は、NEDOが委託する調査事業です。補助金とは性質が違うので、補助上限額や補助率の記載がない点に注意が必要です。
応募期間は約3週間と短い。説明会の申込も7月17日と早い。
そう。そして、調査内容は次世代航空機の市場動向、各国プロジェクト、技術動向、水素インフラと幅広い。単なる情報収集ではなく、分析・考察が求められます。
対象者は企業(団体等を含む)、大学等で、業種は問われないけど、専門知識と分析力が重要ですね。
その通りです。最後に、全体像をまとめたものをどうぞ。
ありがとうございました!応募を考えている方は、まずはNEDOのページで公募要領をダウンロードするところから始めましょう!
そうですね。そして、分からないことは事前相談や説明会でどんどん質問してください。NEDOの担当者(山本さん、馬渡さん、佐藤さん)にメールで問い合わせることもできます。